「あたしってこーゆー性格だから」は全然かまいません

あんど もあ

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「あたしってこーゆー性格だから」は全然かまいません

 あ、レパルス様だ!
 ちょうど騎士科棟から愛しの婚約者、レパルス様が出てくるのに行きあった。同じ王立学園でも、騎士科と淑女科ではカリキュラムが違うので全然会えないのに。わーい、ちょっと髪が乱れたレパルス様だー!
「あれ? フローラさん」
 レパルス様も気付いてくれた。
 馬車まで送ってくれると言うので、ドキドキわくわくで一緒に歩く。

「騎士科棟で会うなん珍しいですね。騎士科に用事でも?」
「この先の図書館に刺繍の図案を探しに来ましたの。レパルス様の剣帯に」
「レパルス! どこに行くの?」
 空気を読まない声が聞こえた。

 騎士科の女性が私たちの間に割り込んで来る。
「もしかして、この人が淑女科にいる婚約者になったって人? あ、あたし騎士科のカリナって言うの」
「初めまして。フローラと」
「レパルスも大変ね。親の決めた人と婚約しなくちゃいけないなんてかわいそー。あ、ごめーん、あたしってこーゆー性格だから」
 えっと、何であなたまで一緒に歩くんです?

「親が決めたわけじゃない。父が世話好きな御婦人に私の相手を紹介してくれるようお願いして、その御婦人の姪がちょうど同じ学園にいるからって紹介してくれたんだ」
 そして、お会いしたら気があったんですよねー。
「そっかぁ断れなかったんだー。あ、ごめーん、あたしってこーゆー性格だから」
 ケンカ売ってますわね。こめかみがピクピクしますわ。
「いや、別に断りたくないぞ」
 レパルス様大好き。

「でもさあ、レパルスの騎士としての大変さとか、淑女科じゃあ分からないよね。辛さを分かち合えない婚約者なんてさぁー。あ、ごめーん、あたしってこーゆー性格だから」
「別に分かち合う必要はないだろう?」

「あーあ、婚約者のご機嫌取り大変だね。ごめんねー。あたしってこーゆー性格だから」
「ああ、こういう性格だからどなたとも婚約されていないのですね」
 にっこり。
 カリナ様の顔色が変わった。

「ちょっ、……そーゆー事言う?」
「あら……、そういう意味で言ったのでは無かったのですか?」
 じゃあ、どーゆー意味で言ったんですかあ~?

 カリナ様は、ちょっと!こんな女でいいの⁈、と言いたげにレパルス様に視線を向けるけど、レパルス様は「何だ?」という顔だ。ふふっ。そういう所が好き。
  
 皆さん淑女に可憐で上品で物静かで、なんて夢を持ち過ぎ。
 こういう部分を表に出さないだけなのに。

 そして、いつも我慢できずに表に出してしまう淑女失格の私に、伯母が見つけてくれた最高の縁談。
「この人は、姉が二人もいるのよ!」

 姉たちに淑女の舞台裏を見せられて育ったレパルス様に、淑女への夢は無かった。
 苺タルトより豚まんが好き!、絹のドレスより木綿のワンピースが楽!、という私に「そういうのもありだね」という反応のレパルス様。すっごく楽だー! 大好き!(というと赤くなる所も好き)

 唖然とするカリナ様を置いて、私はレパルス様に腕を絡めて歩き出しました。

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