Tempus fugit - 500の奇跡 -

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3章- 怯える雛

3章-73 怯える雛13

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3章-73

学校ではニコロとロタールが逃げていた。
なんなんだよ、あいつ!
ニコロが言う。
あいつはニックスか? 暗くてよくわからない。
あいつ以外に誰が居るんだよ!
ニコロとロタールは教室の後ろ、隅に隠れる。
まあおれはお前がどうなろうがいいがな。
そんな事言うなよ。友達だろ。
誰が友達だよ。お前は俺を殺そうとしたんだぞ。友達になれるか!
あれは仕方なかった! お前が色々やるからいけない。
帰ろうかな。
ちょっとまった! あいつはお前の顔も知ってるんだぞ。どの道消される。なら一緒にこの場を切り抜けないか?
どの口が言ってんだよ。
分かった、ならやつらの本当の正体はどうだ?
正体って?
グルイヤルの正体さ。オースティンの事とか。
オースティンって?
それを教えてやるよ、ここを切り抜けられたら。
お前俺らに隠し事してたな? あの時知らないって言ってたのに。
しょうがないだろ、まだ組織にいたんだから。
そういえばお前なんで追われてんの? ニックスに。
俺は情報と居場所を知ってるのさ、黒幕の。

ここでニコロは慌てた様子に、目をキョロキョロとし出す。そして、こう言った。「その情報を渡せ!」。
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