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第1章 はじまりの1歩
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ドン!
地面に降ろされた衝撃で目が覚める。
月の明かりを頼りに、崖の上に立つ魔王城のシルエットが見える。
朝早く魔王城に向かったが、すっかり、夜になってしまったようだ。
(1日中戦っていたのか・・・・・・疲れてへとへとになってしまうはずだ・・・・・・)
魔王城へ続く細く長く伸びる断崖の一本道を降りてきたところのようだ。
(この道を上るときはワイバーンに空から襲われて大変だったんだよね)
今はそれが嘘だったかのように、私たちを襲ってくる魔物もいない。谷底を吹く風の音が聞こえるだけ。
月の優しい明かりがあたしたちの足元を照らす。魔王城への道は険しい峡谷にあり、月の明かりでは谷底は全く見えない。真っ暗闇だ。
「お城を出たんだね。デレクごめんね。疲れてるのにここまでおんぶしてくれて」
デレクは、こちらに振り向いたけど、何も言わない。あたしを見下ろすデレクの顔は、月の光の陰になって表情はよくわからない。
(相当疲れさせちゃったかな。あの道をお城からずっとおんぶしてくれてたんだから)
「マルルカ、預けてあったテントと食べ物を出してくれる?」
あたしとデレクの少し前にいたハリーは振り返ってそう言った。
「ここで野宿するの? 魔物がもういないんだったら、ここで休んでもいいのかもしれないね」
あたしはテントと一緒に、すぐ食べられるパンと干し肉を腰に括り付けている自分の収納袋から出した。
それから、甘い果物もいいかもしれないと思って、追加してオレンジも出した。
「食料は全部出してくれるかな?」
「全部? この量じゃ足りなかった? でも全部っていうと3人で10日分くらいの量はまだあるよ?
順調に元の道を戻っていけたら、最後に寄った馬を預けてある村に着くのに間に合うくらいの量だよ?」
「いや、そうじゃなくて、俺たちが持つからさ」
「魔力がなくなっても収納袋は使えるし、重さもないから大丈夫だけど」
あたしは、そう言いながら、持っている食料を全部とりあえず収納袋から出した。
(あたしの魔力が空っぽになることなんか一度もなかったから、すごく心配されてるのかもしれない)
まだ、魔力がぜんぜん回復していない。こんなこと初めてだ。
本当にすっからかんだから簡単には回復しないのかもしれない。
今まで魔力がなくなることなんかなかったから治癒魔法は使い放題だった。だから、あまり日持ちのしないポーションなんか必要ないって思ってたけど、今度からは少し準備しておいたほうがいいかもだ。
先に体力を少し回復させたほうがいいかもしれない・・・・・・
「ハリー、さっきのポーションを1つ分けてもらえない? ほとんど体力もなくなってしまってるから、魔力の回復が遅いみたいで・・・・・・。
ここで野宿をするにしても、少し底上げをしておいたほうが、断然回復いいと思うし・・・・・・」
「マルルカ、これから死んでいく奴にポーションは必要ないだろ?」
あたしが言い終わらないうちに、ハリーはそう言ってニヤリと笑った。
ハリーは何を言ってるの?
死んでいく? ・・・・・・あたしが?
質の悪い冗談?
「ハ・・・リー?」
「マルルカはもう必要ないのさ。魔力タンクでしかない醜い賢者は俺たちにはふさわしくないんだよ。
なぁ、デレク?」
「マルルカ、悪りぃな。お前には感謝してるんだぜ。
若い賢者なんかいねぇからよぉ。あらゆる魔法を使える賢者様でも、ここまでこれる体力のある奴なんかいねぇからな。賢者様は年寄りばっかりだからなぁ」
アハハハハ ハリーとデレクは笑いながら話す。
「デレクの言う通りだよ。賢者はいろんな魔法が使えても、それを使い続けられるだけの魔力はだいたいがないからねぇ。彼らはいつでも偉そうにもったいぶって魔法を使うのさー
普通は魔王討伐隊を組んで、魔王城を目指して進んでくるんだよ。
いくら俺たち2人が強くても、2人じゃ絶対来ることなんかできなかった。
それを1年で奴を倒せたのも、マルルカの魔法のおかげだよー。
本当にすばらしいよ、マルルカは! 」
「魔王がいなくなった世界なら、魔力タンクのマルルカの出番はもうないだろ?
これからは平和で美しい世界になるんだから、美しくない奴には生きにくい世の中になるから。
俺たちがきれいにお前の役割を終わらせてやるんだよ。」
「嘘…… 何言ってるかわかんない……」
しゃがみ込んでしまっている私に、ハリーは顔を近づけて言葉を重ねる。
「嘘じゃないよ。
それにさ、報奨金は3人より2人で分けたほうがいいだろ?
でも、マルルカには本当に感謝してるんだよ。
たださー これから俺たちは、魔王を倒した勇者として世界中で憧れられる存在になるんだよ?
そんな憧れの存在が醜いちんくしゃっておかしいだろ?
心配することはないからね。愛らしく可憐な伝説の賢者にしてやるからさ!
勇者になるボクたちが、マルルカの命を懸けた戦いで世界を救ったことをちゃんと伝えてあげるからね」
何か言おうとするけれど、声にならない。
ハリーは、そういうと、すっと立ち上がり、いつもの爽やかな笑顔をあたしに向けていた。
「 じゃあね。本当にさよならだ。マルルカ・・・・・・」
「俺が、とびっきりの美少女の賢者様にしといてやるからな!」
デレクはそう言うと、あたしを抱き上げて、崖っぷちまで連れて行き降ろした。
谷底からのゴォーっていう風の音で、そのまま吸い込まれそうだ。
「お前の魔力がからっぽで本当によかったぜぇ、賢者様は簡単に死んでくれないからよぉ。
さすがに、お前の血を見るのは目覚めが悪い・・・・・・」
ハリーよぉ、マルルカの最期は一緒に見送ってやろうぜ。・・・・・・谷底にな~」
「あぁ、ありがとう マルルカ」
「じゃあな マルルカ」
2人はそう言うと、あたしを思いっきり谷底へと蹴飛ばした。
地面に降ろされた衝撃で目が覚める。
月の明かりを頼りに、崖の上に立つ魔王城のシルエットが見える。
朝早く魔王城に向かったが、すっかり、夜になってしまったようだ。
(1日中戦っていたのか・・・・・・疲れてへとへとになってしまうはずだ・・・・・・)
魔王城へ続く細く長く伸びる断崖の一本道を降りてきたところのようだ。
(この道を上るときはワイバーンに空から襲われて大変だったんだよね)
今はそれが嘘だったかのように、私たちを襲ってくる魔物もいない。谷底を吹く風の音が聞こえるだけ。
月の優しい明かりがあたしたちの足元を照らす。魔王城への道は険しい峡谷にあり、月の明かりでは谷底は全く見えない。真っ暗闇だ。
「お城を出たんだね。デレクごめんね。疲れてるのにここまでおんぶしてくれて」
デレクは、こちらに振り向いたけど、何も言わない。あたしを見下ろすデレクの顔は、月の光の陰になって表情はよくわからない。
(相当疲れさせちゃったかな。あの道をお城からずっとおんぶしてくれてたんだから)
「マルルカ、預けてあったテントと食べ物を出してくれる?」
あたしとデレクの少し前にいたハリーは振り返ってそう言った。
「ここで野宿するの? 魔物がもういないんだったら、ここで休んでもいいのかもしれないね」
あたしはテントと一緒に、すぐ食べられるパンと干し肉を腰に括り付けている自分の収納袋から出した。
それから、甘い果物もいいかもしれないと思って、追加してオレンジも出した。
「食料は全部出してくれるかな?」
「全部? この量じゃ足りなかった? でも全部っていうと3人で10日分くらいの量はまだあるよ?
順調に元の道を戻っていけたら、最後に寄った馬を預けてある村に着くのに間に合うくらいの量だよ?」
「いや、そうじゃなくて、俺たちが持つからさ」
「魔力がなくなっても収納袋は使えるし、重さもないから大丈夫だけど」
あたしは、そう言いながら、持っている食料を全部とりあえず収納袋から出した。
(あたしの魔力が空っぽになることなんか一度もなかったから、すごく心配されてるのかもしれない)
まだ、魔力がぜんぜん回復していない。こんなこと初めてだ。
本当にすっからかんだから簡単には回復しないのかもしれない。
今まで魔力がなくなることなんかなかったから治癒魔法は使い放題だった。だから、あまり日持ちのしないポーションなんか必要ないって思ってたけど、今度からは少し準備しておいたほうがいいかもだ。
先に体力を少し回復させたほうがいいかもしれない・・・・・・
「ハリー、さっきのポーションを1つ分けてもらえない? ほとんど体力もなくなってしまってるから、魔力の回復が遅いみたいで・・・・・・。
ここで野宿をするにしても、少し底上げをしておいたほうが、断然回復いいと思うし・・・・・・」
「マルルカ、これから死んでいく奴にポーションは必要ないだろ?」
あたしが言い終わらないうちに、ハリーはそう言ってニヤリと笑った。
ハリーは何を言ってるの?
死んでいく? ・・・・・・あたしが?
質の悪い冗談?
「ハ・・・リー?」
「マルルカはもう必要ないのさ。魔力タンクでしかない醜い賢者は俺たちにはふさわしくないんだよ。
なぁ、デレク?」
「マルルカ、悪りぃな。お前には感謝してるんだぜ。
若い賢者なんかいねぇからよぉ。あらゆる魔法を使える賢者様でも、ここまでこれる体力のある奴なんかいねぇからな。賢者様は年寄りばっかりだからなぁ」
アハハハハ ハリーとデレクは笑いながら話す。
「デレクの言う通りだよ。賢者はいろんな魔法が使えても、それを使い続けられるだけの魔力はだいたいがないからねぇ。彼らはいつでも偉そうにもったいぶって魔法を使うのさー
普通は魔王討伐隊を組んで、魔王城を目指して進んでくるんだよ。
いくら俺たち2人が強くても、2人じゃ絶対来ることなんかできなかった。
それを1年で奴を倒せたのも、マルルカの魔法のおかげだよー。
本当にすばらしいよ、マルルカは! 」
「魔王がいなくなった世界なら、魔力タンクのマルルカの出番はもうないだろ?
これからは平和で美しい世界になるんだから、美しくない奴には生きにくい世の中になるから。
俺たちがきれいにお前の役割を終わらせてやるんだよ。」
「嘘…… 何言ってるかわかんない……」
しゃがみ込んでしまっている私に、ハリーは顔を近づけて言葉を重ねる。
「嘘じゃないよ。
それにさ、報奨金は3人より2人で分けたほうがいいだろ?
でも、マルルカには本当に感謝してるんだよ。
たださー これから俺たちは、魔王を倒した勇者として世界中で憧れられる存在になるんだよ?
そんな憧れの存在が醜いちんくしゃっておかしいだろ?
心配することはないからね。愛らしく可憐な伝説の賢者にしてやるからさ!
勇者になるボクたちが、マルルカの命を懸けた戦いで世界を救ったことをちゃんと伝えてあげるからね」
何か言おうとするけれど、声にならない。
ハリーは、そういうと、すっと立ち上がり、いつもの爽やかな笑顔をあたしに向けていた。
「 じゃあね。本当にさよならだ。マルルカ・・・・・・」
「俺が、とびっきりの美少女の賢者様にしといてやるからな!」
デレクはそう言うと、あたしを抱き上げて、崖っぷちまで連れて行き降ろした。
谷底からのゴォーっていう風の音で、そのまま吸い込まれそうだ。
「お前の魔力がからっぽで本当によかったぜぇ、賢者様は簡単に死んでくれないからよぉ。
さすがに、お前の血を見るのは目覚めが悪い・・・・・・」
ハリーよぉ、マルルカの最期は一緒に見送ってやろうぜ。・・・・・・谷底にな~」
「あぁ、ありがとう マルルカ」
「じゃあな マルルカ」
2人はそう言うと、あたしを思いっきり谷底へと蹴飛ばした。
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※小説家になろう・カクヨムにも同タイトルで投稿しています。
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