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第1章 はじまりの1歩
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焼きたてのパンの匂い。
マルルカはすっきりと目覚めた。
こんなに気持ちのいい目覚めは初めてだ。
お腹がグーって鳴った。
そういえば、あたし、ずっと食べてなかったよね。
そう思うと、急にお腹が空いてきた。
この姿を隠す帽子もローブもないけど、もう見られちゃってるし・・・・・・
恥ずかしさより、空腹に負けた。
ベッドから起きて、思い切って、そーっと部屋の扉を開けた。
扉の向こう側には焼きたてパンの匂いがふわーっと漂っていた。
「おはよう、マルルカちゃん! 朝だよ。
あれからまた眠っちゃったみたいだから、昨日は起こさなかったんだよ。
よく眠れたようだね。すっきりした顔をしてる」
「あっ おはようございます。アルさん」
「お腹も空いたでしょ? 朝ごはんができてるから、顔を洗ったら一緒に朝ごはんにしようね」
アルさんは、水差しと清潔な手ぬぐいを渡してくれた。
一度部屋に戻り、ベースンに水を入れて顔を洗う。
アルさんのところにもどると、テーブルには、焼きたてパンとスープ、果物が並んでいた。
いい匂い!
おいしそうな野菜スープ。 メザク様の激マズスープと色が違う!!
森の匂いがする清潔で居心地のいい部屋だ。左側には台所、右側には、ソファと薪をくべる暖炉がある。
その向こうには扉が2つ。正面の窓と外に出る扉は開け放たれていて、森の木が見える。
芽吹いてきてるみたいで、枝がほんの少し紅色に輝いている。
春になったんだったなー。季節を気にすることなんか、今までなかった。
「マルルカちゃん、少しは魔力を開放できたみたいだね。その調子だよ!」
アルさんがニコニコ笑いながらやってきて、頭の上に手を置く。
「アルさんの手、とっても気持ちよかった。あったかくて、それに向けて魔力を向けてたら、ぽかぽかしてきて、気づいたら眠くなっちゃって」
「それでいいんだよ。君の頭の上にちょっとした印をつけといたからね。君の内側から外側に魔力を向ける感覚をわかりやすくしておいたんだよ。
その魔力を向けた感覚を忘れないで。それから、全身に魔力をめぐらせるんだよ。手足の指先にまで丁寧に魔力を循環させていくイメージだよ。
しばらくは毎日その訓練だ。自然に意識しなくてもできるようになるまでね。
それが君の本当のあり方だから」
「うん、練習がんばってみる」
あたしはそう言うと、朝ごはんを食べ始めた。なんだかとっても優しい味がした。
「君の身の回りの物を揃えなくっちゃダメか。君の着ていたローブはもうボロボロだったから処分してもいいよね? いつまでも寝間着じゃかわいそうだ。
今日は、少し出てくるから、ついでに買って来よう」
「ごめんなさい。迷惑いっぱいかけちゃって・・・・・・
それで、あのう・・・・・・あたしお金も持ってなくって・・・・・・」
「大丈夫だよ。子どもが気にすることはないよ。
僕の買ってくるものが気に入ってくれたらいいけど。
まだ外には出せないからお留守番をしててね。果物とサンドイッチを置いていくからお腹が空いたら食べてね」
なんか本当に子どもに思われてるみたいだ。
ちゃんと見た目と違うとこわかってもらわなくっちゃ!!!
「あたし、子どもじゃない・・・・・・14歳です。
あたしにお手伝いできることありますか? 」
「今は魔力の開放!」といって、頭をポンポンする。
アルさんは、手早く片づけを済ませると、出かけて行った。
その間、あたしは、いいつけどおり、アルさん曰く、頭の印のほうにひたすら魔力を向けていく。
日が傾き始めた頃、アルさんは帰ってきた。
「気に入るといいけど・・・・・・」といって、水色のエプロンドレスを渡してくれた。
かわいぃ!!!!!! こんなのを着てみたかったんだ!!
とってもうれしかったけど、悲しくなった。
あたしには、似合わない・・・・・・
「マルルカちゃんに似合うと思って買ってきたんだからね」
あたしの表情に気が付いて、アルさんが優しく声をかけてくれる。
「今度は一緒に行って、マルルカちゃんの好きなものを買おうね」
アルさんはニコニコして、ポヤポヤ産毛の頭をポンポンした。
アルさん、あたしの頭をポンポンするのが日課になったみたい。
それからおいしいごはんと毎日のポロ茶があたしの日課だ。
今のあたしには、心と体を落ち着かせるポロ茶が一番いいらしい。
そのうえ、お風呂にも入れるのだ!
ネモの花を調合したサボンで体を洗う。その後は、ネモの花が調合されたクリームをアルさんが魔力の循環がよくなるようにって全身に刷り込んでくれる。
すっきりとした花のいい香りがする。
自分でやるって言ったけど、「擦り込む方向と方法があるから、最初は僕がやったほうがいいと思うよ。今はマルルカちゃんの魔力を補正する大事な時期だから」って言われたので、お任せすることにした。
アルさんは、ネモの花は魔力の流れを整えるから体のブツブツを早く治してくれるって言う。
まるでお姫様にでもなった気分で、ネモの花の香りにうっとりしてしまう。
あたしはおうちのお掃除を手伝ったり、庭先の薬草畑のお世話をしたり、できることはお手伝いするようにした。薬草のことを教えてもらったり、薬づくりのお手伝いをしてここで過ごすようになった。
マルルカはすっきりと目覚めた。
こんなに気持ちのいい目覚めは初めてだ。
お腹がグーって鳴った。
そういえば、あたし、ずっと食べてなかったよね。
そう思うと、急にお腹が空いてきた。
この姿を隠す帽子もローブもないけど、もう見られちゃってるし・・・・・・
恥ずかしさより、空腹に負けた。
ベッドから起きて、思い切って、そーっと部屋の扉を開けた。
扉の向こう側には焼きたてパンの匂いがふわーっと漂っていた。
「おはよう、マルルカちゃん! 朝だよ。
あれからまた眠っちゃったみたいだから、昨日は起こさなかったんだよ。
よく眠れたようだね。すっきりした顔をしてる」
「あっ おはようございます。アルさん」
「お腹も空いたでしょ? 朝ごはんができてるから、顔を洗ったら一緒に朝ごはんにしようね」
アルさんは、水差しと清潔な手ぬぐいを渡してくれた。
一度部屋に戻り、ベースンに水を入れて顔を洗う。
アルさんのところにもどると、テーブルには、焼きたてパンとスープ、果物が並んでいた。
いい匂い!
おいしそうな野菜スープ。 メザク様の激マズスープと色が違う!!
森の匂いがする清潔で居心地のいい部屋だ。左側には台所、右側には、ソファと薪をくべる暖炉がある。
その向こうには扉が2つ。正面の窓と外に出る扉は開け放たれていて、森の木が見える。
芽吹いてきてるみたいで、枝がほんの少し紅色に輝いている。
春になったんだったなー。季節を気にすることなんか、今までなかった。
「マルルカちゃん、少しは魔力を開放できたみたいだね。その調子だよ!」
アルさんがニコニコ笑いながらやってきて、頭の上に手を置く。
「アルさんの手、とっても気持ちよかった。あったかくて、それに向けて魔力を向けてたら、ぽかぽかしてきて、気づいたら眠くなっちゃって」
「それでいいんだよ。君の頭の上にちょっとした印をつけといたからね。君の内側から外側に魔力を向ける感覚をわかりやすくしておいたんだよ。
その魔力を向けた感覚を忘れないで。それから、全身に魔力をめぐらせるんだよ。手足の指先にまで丁寧に魔力を循環させていくイメージだよ。
しばらくは毎日その訓練だ。自然に意識しなくてもできるようになるまでね。
それが君の本当のあり方だから」
「うん、練習がんばってみる」
あたしはそう言うと、朝ごはんを食べ始めた。なんだかとっても優しい味がした。
「君の身の回りの物を揃えなくっちゃダメか。君の着ていたローブはもうボロボロだったから処分してもいいよね? いつまでも寝間着じゃかわいそうだ。
今日は、少し出てくるから、ついでに買って来よう」
「ごめんなさい。迷惑いっぱいかけちゃって・・・・・・
それで、あのう・・・・・・あたしお金も持ってなくって・・・・・・」
「大丈夫だよ。子どもが気にすることはないよ。
僕の買ってくるものが気に入ってくれたらいいけど。
まだ外には出せないからお留守番をしててね。果物とサンドイッチを置いていくからお腹が空いたら食べてね」
なんか本当に子どもに思われてるみたいだ。
ちゃんと見た目と違うとこわかってもらわなくっちゃ!!!
「あたし、子どもじゃない・・・・・・14歳です。
あたしにお手伝いできることありますか? 」
「今は魔力の開放!」といって、頭をポンポンする。
アルさんは、手早く片づけを済ませると、出かけて行った。
その間、あたしは、いいつけどおり、アルさん曰く、頭の印のほうにひたすら魔力を向けていく。
日が傾き始めた頃、アルさんは帰ってきた。
「気に入るといいけど・・・・・・」といって、水色のエプロンドレスを渡してくれた。
かわいぃ!!!!!! こんなのを着てみたかったんだ!!
とってもうれしかったけど、悲しくなった。
あたしには、似合わない・・・・・・
「マルルカちゃんに似合うと思って買ってきたんだからね」
あたしの表情に気が付いて、アルさんが優しく声をかけてくれる。
「今度は一緒に行って、マルルカちゃんの好きなものを買おうね」
アルさんはニコニコして、ポヤポヤ産毛の頭をポンポンした。
アルさん、あたしの頭をポンポンするのが日課になったみたい。
それからおいしいごはんと毎日のポロ茶があたしの日課だ。
今のあたしには、心と体を落ち着かせるポロ茶が一番いいらしい。
そのうえ、お風呂にも入れるのだ!
ネモの花を調合したサボンで体を洗う。その後は、ネモの花が調合されたクリームをアルさんが魔力の循環がよくなるようにって全身に刷り込んでくれる。
すっきりとした花のいい香りがする。
自分でやるって言ったけど、「擦り込む方向と方法があるから、最初は僕がやったほうがいいと思うよ。今はマルルカちゃんの魔力を補正する大事な時期だから」って言われたので、お任せすることにした。
アルさんは、ネモの花は魔力の流れを整えるから体のブツブツを早く治してくれるって言う。
まるでお姫様にでもなった気分で、ネモの花の香りにうっとりしてしまう。
あたしはおうちのお掃除を手伝ったり、庭先の薬草畑のお世話をしたり、できることはお手伝いするようにした。薬草のことを教えてもらったり、薬づくりのお手伝いをしてここで過ごすようになった。
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※小説家になろう・カクヨムにも同タイトルで投稿しています。
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