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35:竜の就任式~③~
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「やあ、セレスティア。」
その中で、同期の近衛騎士になったルーカス・ヘルモントが妙な猫なで声で、セレスティアに声をかけてきた。彼は、セレスティアと同じ伯爵家である。
「・・・・・ルーカス。」
声をかけられ、セレスティアは内心ウンザリしていた。何故ならルーカスが好意的に声をかけてきた訳ではないことを、セレスティアは今までの経験から知っていたからである。だがそれは表には出さず、相変わらずの無表情だった。
「ふん、相変わらず愛想のない女だな。」
悪態をついているルーカスではあったが、実は騎士学校時代に、セレスティアの告白したが、フラれた過去を持っている。根に持つ性分らしく、それからはずっと会えば今のように悪態をつくのが彼のルーティンのようになっていた。
「なんのようですか?」
セレスティアとしては、当然そんな輩と絡みたくはない。用件があるのならさっさと話してほしかった。ルーカスはニヤリと笑い、社交辞令を口にした。
「就任おめでとう。」
「どうも・・・」
セレスティアの後ろでは竜騎士の仲間が皆が怪訝そうな顔をしていた。
「ふん、男の中でただ一人の女か。さぞかし気分はいいだろうな。」
「・・・・・」
あぁ、やはりまた騎士学校の時と同じように、どうでもいい嫌味を言いに来たのだとわかった。社会人になったというのに変わらないなと思ったが、竜騎士以外は今日がまだ第一日目だから、早々に変わるわけもないか、とセレスティアの中で自己解決していた。そんなことを考えている間、何も言わなかったので、ルーカスは無視されたと思いさらに嫌味を重ねてきた。
「竜騎士になって、さらにお高くとまってるって訳か?ハッ相変わらず嫌味な女だな!」
いや、嫌味を言って言ってるのはお前だろうと、セレスティアは心の中で突っ込んだ。その後ろで、仲間たちが剣呑な雰囲気をさらしだし、我慢できなくなったルッツは間に入ろうとしたが、その時割って入る声があった。
「ルーカス、いい加減に、「セレスティア嬢」」
「フェルディナント王子・・・」
その声はフェルディナント王子だった。
「こ、これはフェルディナント王子。」
ルーカスは慌てて、セレスティアから距離を取った。フェルディナント王子は横目で、ルーカスを見ながら、
「ん?あぁ、セレスティアと話しの途中だったようだね。僕は構わないから続きをどうぞ?」
フェルディナント王子から続きを促されるも、当然悪口の続きなど、ルーカスは言えるわけもなく、
「い、いえ、終わりましたので、私はこの辺で。」
動揺を隠しきれず、慌ててその場から退散した。ルーカスの後姿を見送りながら、
「ふ~ん、あんなので騎士が勤まるのだろうかね。」
ルーカスはすっかりフェルディナント王子の心証が悪くなったようだ。
「フェルディナント王子、申しわけありません。私達が不甲斐ないばかりに・・・」
ルッツは慌ててフェルディナント王子に頭を下げて謝罪をするが、フェルディナント王子は片手を上げそれを制した。
「いや、こちらこそ、君が言いかけていたのに、余計な真似をして申し訳なかったね。」
王族にそのように言われてしまえば、ルッツたちもそれ以上は言いようもなかった。
「セレスティア嬢、テラスで少し話せないか?」
セレスティアはこれが本来の目的だったのだろうなと思うも、先ほどの流れから断れる訳もなく、
「畏まりました。」
内心は、別に放っておいてくれてもよかったのに王子に要らぬ口実を与えてしまったなと、セレスティアは思っていた。
フェルディナント王子はセレスティアと共に、テラスの方に向かったが、残されたルッツ達は心配だった。
「やっぱりセレスティア、王子に狙われてんじゃねーの?」
ノアベルトが珍しく神妙に言い放った。
「だね、僕もそう思うよ。」
ハインツも同意した。
「けど、セレスティアの性格的に有難迷惑なんじゃないの?」
テオは一緒に過ごした期間はまだ2ヶ月ほどであるが、セレスティアは、貴族の令嬢とは少し違うのだろうなというのは、何となくわかった。故にセレスティアに玉の輿願望はこれっぽちもないことをテオも他の仲間も理解していた。むしろもし王族と結婚することになれば、より堅苦しくなることは明白であることから、聞かずとも彼女の本意ではないことは皆わかっていた。フェルディナント王子はセレスティアに興味があるようだったが、一時的な物であればいいのだけれどと思っていた。
「セレスティア・・・」
ルッツは呆然とフェルディナント王子とセレスティアが去った方向を見つめていた。
その中で、同期の近衛騎士になったルーカス・ヘルモントが妙な猫なで声で、セレスティアに声をかけてきた。彼は、セレスティアと同じ伯爵家である。
「・・・・・ルーカス。」
声をかけられ、セレスティアは内心ウンザリしていた。何故ならルーカスが好意的に声をかけてきた訳ではないことを、セレスティアは今までの経験から知っていたからである。だがそれは表には出さず、相変わらずの無表情だった。
「ふん、相変わらず愛想のない女だな。」
悪態をついているルーカスではあったが、実は騎士学校時代に、セレスティアの告白したが、フラれた過去を持っている。根に持つ性分らしく、それからはずっと会えば今のように悪態をつくのが彼のルーティンのようになっていた。
「なんのようですか?」
セレスティアとしては、当然そんな輩と絡みたくはない。用件があるのならさっさと話してほしかった。ルーカスはニヤリと笑い、社交辞令を口にした。
「就任おめでとう。」
「どうも・・・」
セレスティアの後ろでは竜騎士の仲間が皆が怪訝そうな顔をしていた。
「ふん、男の中でただ一人の女か。さぞかし気分はいいだろうな。」
「・・・・・」
あぁ、やはりまた騎士学校の時と同じように、どうでもいい嫌味を言いに来たのだとわかった。社会人になったというのに変わらないなと思ったが、竜騎士以外は今日がまだ第一日目だから、早々に変わるわけもないか、とセレスティアの中で自己解決していた。そんなことを考えている間、何も言わなかったので、ルーカスは無視されたと思いさらに嫌味を重ねてきた。
「竜騎士になって、さらにお高くとまってるって訳か?ハッ相変わらず嫌味な女だな!」
いや、嫌味を言って言ってるのはお前だろうと、セレスティアは心の中で突っ込んだ。その後ろで、仲間たちが剣呑な雰囲気をさらしだし、我慢できなくなったルッツは間に入ろうとしたが、その時割って入る声があった。
「ルーカス、いい加減に、「セレスティア嬢」」
「フェルディナント王子・・・」
その声はフェルディナント王子だった。
「こ、これはフェルディナント王子。」
ルーカスは慌てて、セレスティアから距離を取った。フェルディナント王子は横目で、ルーカスを見ながら、
「ん?あぁ、セレスティアと話しの途中だったようだね。僕は構わないから続きをどうぞ?」
フェルディナント王子から続きを促されるも、当然悪口の続きなど、ルーカスは言えるわけもなく、
「い、いえ、終わりましたので、私はこの辺で。」
動揺を隠しきれず、慌ててその場から退散した。ルーカスの後姿を見送りながら、
「ふ~ん、あんなので騎士が勤まるのだろうかね。」
ルーカスはすっかりフェルディナント王子の心証が悪くなったようだ。
「フェルディナント王子、申しわけありません。私達が不甲斐ないばかりに・・・」
ルッツは慌ててフェルディナント王子に頭を下げて謝罪をするが、フェルディナント王子は片手を上げそれを制した。
「いや、こちらこそ、君が言いかけていたのに、余計な真似をして申し訳なかったね。」
王族にそのように言われてしまえば、ルッツたちもそれ以上は言いようもなかった。
「セレスティア嬢、テラスで少し話せないか?」
セレスティアはこれが本来の目的だったのだろうなと思うも、先ほどの流れから断れる訳もなく、
「畏まりました。」
内心は、別に放っておいてくれてもよかったのに王子に要らぬ口実を与えてしまったなと、セレスティアは思っていた。
フェルディナント王子はセレスティアと共に、テラスの方に向かったが、残されたルッツ達は心配だった。
「やっぱりセレスティア、王子に狙われてんじゃねーの?」
ノアベルトが珍しく神妙に言い放った。
「だね、僕もそう思うよ。」
ハインツも同意した。
「けど、セレスティアの性格的に有難迷惑なんじゃないの?」
テオは一緒に過ごした期間はまだ2ヶ月ほどであるが、セレスティアは、貴族の令嬢とは少し違うのだろうなというのは、何となくわかった。故にセレスティアに玉の輿願望はこれっぽちもないことをテオも他の仲間も理解していた。むしろもし王族と結婚することになれば、より堅苦しくなることは明白であることから、聞かずとも彼女の本意ではないことは皆わかっていた。フェルディナント王子はセレスティアに興味があるようだったが、一時的な物であればいいのだけれどと思っていた。
「セレスティア・・・」
ルッツは呆然とフェルディナント王子とセレスティアが去った方向を見つめていた。
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