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36:竜の就任式~④~
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セレスティアとフェルディナント王子は、祝賀会の会場から抜けて、テラスへやってきた。
「改めて、セレスティア嬢、竜騎士就任おめでとう。」
「・・・ありがとうございます。」
「先日のドレス姿もステキだったけれど、竜騎士の正装も良く似合うね。」
セレスティアを含む騎士たちは、祝賀会の為甲冑は脱ぎ、竜騎士の黒を基調とした、正装用の制服に身を包んでいた。セレスティアは長いプラチナブロンドの髪をサイドにゆるい三つ編みで一つにまとめていた。
「仕事着ですからね。」
セレスティアの受け答えはかなり素っ気ない物だった。
「ふふ、相変わらずだね。」
だが、フェルディナント王子は気を悪くした様子はなかった。
「先ほどはありがとうございました。ところで、ご用件とはなんでしょうか?」
セレスティアは早くこの場から立ち去りたかったので、話とやらをさっさと終わらせたかった。
「君は僕が相手でもつれないんだね。」
「今更取り繕っても仕方ありませんからね。」
前回のやり取りで、隠したところで無駄なことはセレスティアは忘れてなかった。
「そうか、なら単刀直入に言っておこうかな。」
「はい。」
「僕は、君に婚約者になって欲しいと考えているんだよ。」
「・・・・」
セレスティアは、聞こえてはいけないものが聞こえたのかと思った。
「あれ?聞こえなかったかな?」
「聞き間違いでなければ、冗談かと思ったもので。」
きっと冗談に違いないと、心の中では言われたことをなかったことにしたかった。
「婚約者になってくれだなんて、冗談は言わないよ。」
聞き間違いや冗談でよかったのにと思ったことは、あっさりと裏切られてしまった。
「あの・・・何故急にそんなお話しに?フェルディナント王子とは卒業パーティでお会いしただけですよね?」
「そうだね。だけど僕はその1回の出会いだけで、セレスティア嬢君のことが、気に入ったんだよ。」
王族の婚約者なんぞ、冗談じゃないと。取りあえずセレスティアは定番の文句で遠まわしに断ろうとした。
「・・・私は竜騎士ゆえ、5年縛りがありますので、ご期待には添えられないかと。」
「その頃は僕は25だからね。セレスティア嬢も23歳だろ?世間では多少の行き遅れとか、言われているようだけどね、僕は待てるし、そういうのも全然気にしないから。」
だが、敵もさる者、そんなことは想定済みだったようで、あっさりと受け入れられてしまっていた。(いや、私が気にするっていうか、そもそも結婚したくないし!)と目一杯怒鳴り付けたい心境ではあったが、相手は王族なので、できる訳もなく堪えていた。それにカイエルの事がある。カイエルに番認定されているのに、こんなことが知られたら不味いことになるのはセレスティアにもわかっていた。
「あの、失礼を承知で言いますが、今は竜騎士になったばかりになので、そういうことは考えたくないです。」
セレスティアは何とか回避したいがために、遠まわしに嫌だと言ってみたが、
「ふふ、抵抗するねぇ。まぁまだ正式には打診はしていないけどね。想定はしていたけど、まずは直で君の反応が見たかったんだよ。」
なるほど、嫌がる自分の様子が見たかったのだとすれば、とんだ根性悪である。セレスティアは王子とは絶対に結婚したくないと、余計に決意が固まった。とはいえ、今の自分の立場ではどうこう言えるわけもない。どうしようかと少しうつ向いて考えあぐねていたところ、視界にふと人影が入った。
誰だろうと顔を上げてみれば、
そこには、また人化したカイエルが立っていたのだった。
「改めて、セレスティア嬢、竜騎士就任おめでとう。」
「・・・ありがとうございます。」
「先日のドレス姿もステキだったけれど、竜騎士の正装も良く似合うね。」
セレスティアを含む騎士たちは、祝賀会の為甲冑は脱ぎ、竜騎士の黒を基調とした、正装用の制服に身を包んでいた。セレスティアは長いプラチナブロンドの髪をサイドにゆるい三つ編みで一つにまとめていた。
「仕事着ですからね。」
セレスティアの受け答えはかなり素っ気ない物だった。
「ふふ、相変わらずだね。」
だが、フェルディナント王子は気を悪くした様子はなかった。
「先ほどはありがとうございました。ところで、ご用件とはなんでしょうか?」
セレスティアは早くこの場から立ち去りたかったので、話とやらをさっさと終わらせたかった。
「君は僕が相手でもつれないんだね。」
「今更取り繕っても仕方ありませんからね。」
前回のやり取りで、隠したところで無駄なことはセレスティアは忘れてなかった。
「そうか、なら単刀直入に言っておこうかな。」
「はい。」
「僕は、君に婚約者になって欲しいと考えているんだよ。」
「・・・・」
セレスティアは、聞こえてはいけないものが聞こえたのかと思った。
「あれ?聞こえなかったかな?」
「聞き間違いでなければ、冗談かと思ったもので。」
きっと冗談に違いないと、心の中では言われたことをなかったことにしたかった。
「婚約者になってくれだなんて、冗談は言わないよ。」
聞き間違いや冗談でよかったのにと思ったことは、あっさりと裏切られてしまった。
「あの・・・何故急にそんなお話しに?フェルディナント王子とは卒業パーティでお会いしただけですよね?」
「そうだね。だけど僕はその1回の出会いだけで、セレスティア嬢君のことが、気に入ったんだよ。」
王族の婚約者なんぞ、冗談じゃないと。取りあえずセレスティアは定番の文句で遠まわしに断ろうとした。
「・・・私は竜騎士ゆえ、5年縛りがありますので、ご期待には添えられないかと。」
「その頃は僕は25だからね。セレスティア嬢も23歳だろ?世間では多少の行き遅れとか、言われているようだけどね、僕は待てるし、そういうのも全然気にしないから。」
だが、敵もさる者、そんなことは想定済みだったようで、あっさりと受け入れられてしまっていた。(いや、私が気にするっていうか、そもそも結婚したくないし!)と目一杯怒鳴り付けたい心境ではあったが、相手は王族なので、できる訳もなく堪えていた。それにカイエルの事がある。カイエルに番認定されているのに、こんなことが知られたら不味いことになるのはセレスティアにもわかっていた。
「あの、失礼を承知で言いますが、今は竜騎士になったばかりになので、そういうことは考えたくないです。」
セレスティアは何とか回避したいがために、遠まわしに嫌だと言ってみたが、
「ふふ、抵抗するねぇ。まぁまだ正式には打診はしていないけどね。想定はしていたけど、まずは直で君の反応が見たかったんだよ。」
なるほど、嫌がる自分の様子が見たかったのだとすれば、とんだ根性悪である。セレスティアは王子とは絶対に結婚したくないと、余計に決意が固まった。とはいえ、今の自分の立場ではどうこう言えるわけもない。どうしようかと少しうつ向いて考えあぐねていたところ、視界にふと人影が入った。
誰だろうと顔を上げてみれば、
そこには、また人化したカイエルが立っていたのだった。
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