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51:カイエルのやらかし~前編~
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「まぁまぁ、もう大丈夫だろ?」
カイエルは、まだ少し怒ってはいたが、ユージィンはフェルディナント王子に向き合った。
「殿下、そういうことでお話しした通り『竜の祖』が絡んでいるのです。ちなみにですが今この国には『竜の祖』が何体いると思いますか?」
フェルディナント王子はユージィンに怪訝な顔を向けた。ユージィンの問いにまさか、という思いがあったものの、認識している数字のみを言葉に発した。
「・・・2体じゃないのか?」
「いいえ、4体いるんですよ。」
「!?」
まさか自国に伝承の『竜』が既に4体もいることにフェルディナント王子は驚愕した。
「恐らく、あと2体も次々と番を見つけてくるでしょう。今はそういう時期なのです。」
「そういう・・・時期?」
「番と出会える時期を、妾達の間では『黄金期』と呼んでおるのじゃ。この時が待ち遠しくして堪らなくての。なんせ久方ぶりに番との逢瀬が叶うからのぉ。」
そういうと、アンティエルはうっとりとした顔をした。それを見ていたフェルディナント王子はまた真っ赤になった
「竜は、特に国に取り込まれることに、政(まつりごと)を嫌うのですよ。」
「・・・だから、父上には陛下には黙っていろと?」
「・・・私としても、面倒ですからできるものならそうしたいですけどね。だけど現実問題では、そういう訳にはいかないでしょう。殿下の場合、政略結婚が付き物ですからね。黙っている選択肢はないと思います。ただ、先にもお伝えしたようにお国の道具になることをね、竜はもっとも嫌います。」
ユージィンの言わんとすることがフェルディナント王子は何となく見えてきた。
「父上を説得しろ、ということだな・・・」
ユージィンは意図を理解してもらえたことに、ニッコリと笑顔になった。
「そういうことです。コルネリウス王は野心家だ。下手をすれば『竜の祖』をプロパガンダにする可能性が高いと私は思っています。いえ、むしろそれで済めばいんですけどね・・・」
「そうだな・・僕もそう思うよ。」
フェルディナント王子は自分の父が、顕示欲が強いことをよく理解していた。ただの宣伝や済めばいいが、そうはならないであろうと。きっと竜の力を当てにして、何らかの軍事的なモノに利用されかねないのは、火を見るよりも明らかであったのだ。
「だが、竜は国の政(まつりごと)には関与はしません。竜が固執するのはあくまで『番』だけなのです。都合のいいことを言えば、そっとして置いてくれればいいだけの話なのですよ。」
フェルディナント王子は、かなり困惑していた。どうやってコルネリウス王を説得すればいいのか、皆目見当もつかなかったからだ。
「だから、フェルディナント王子が説得しやすい材料を提供しましょう。」
「材料とは?」
「言い伝えにある、カルベルス王国の沈没のことはご存知ですよね?」
「あぁ、伝説になっている話で一夜にして国が滅んだ話だな。地盤沈下が起きたのではないかとか、いまいち真相がよくわかっていない話だ。」
「あれは事実です。」
「え?」
「そこに。それをしでかした張本人がいますから。」
「まさか・・・」
ユージィンがにこやかに掌を差した方向には、
「え?俺?何かしたっけ?」
カイエルは自分を指差しながら、キョトンとしていた。
カイエルは、まだ少し怒ってはいたが、ユージィンはフェルディナント王子に向き合った。
「殿下、そういうことでお話しした通り『竜の祖』が絡んでいるのです。ちなみにですが今この国には『竜の祖』が何体いると思いますか?」
フェルディナント王子はユージィンに怪訝な顔を向けた。ユージィンの問いにまさか、という思いがあったものの、認識している数字のみを言葉に発した。
「・・・2体じゃないのか?」
「いいえ、4体いるんですよ。」
「!?」
まさか自国に伝承の『竜』が既に4体もいることにフェルディナント王子は驚愕した。
「恐らく、あと2体も次々と番を見つけてくるでしょう。今はそういう時期なのです。」
「そういう・・・時期?」
「番と出会える時期を、妾達の間では『黄金期』と呼んでおるのじゃ。この時が待ち遠しくして堪らなくての。なんせ久方ぶりに番との逢瀬が叶うからのぉ。」
そういうと、アンティエルはうっとりとした顔をした。それを見ていたフェルディナント王子はまた真っ赤になった
「竜は、特に国に取り込まれることに、政(まつりごと)を嫌うのですよ。」
「・・・だから、父上には陛下には黙っていろと?」
「・・・私としても、面倒ですからできるものならそうしたいですけどね。だけど現実問題では、そういう訳にはいかないでしょう。殿下の場合、政略結婚が付き物ですからね。黙っている選択肢はないと思います。ただ、先にもお伝えしたようにお国の道具になることをね、竜はもっとも嫌います。」
ユージィンの言わんとすることがフェルディナント王子は何となく見えてきた。
「父上を説得しろ、ということだな・・・」
ユージィンは意図を理解してもらえたことに、ニッコリと笑顔になった。
「そういうことです。コルネリウス王は野心家だ。下手をすれば『竜の祖』をプロパガンダにする可能性が高いと私は思っています。いえ、むしろそれで済めばいんですけどね・・・」
「そうだな・・僕もそう思うよ。」
フェルディナント王子は自分の父が、顕示欲が強いことをよく理解していた。ただの宣伝や済めばいいが、そうはならないであろうと。きっと竜の力を当てにして、何らかの軍事的なモノに利用されかねないのは、火を見るよりも明らかであったのだ。
「だが、竜は国の政(まつりごと)には関与はしません。竜が固執するのはあくまで『番』だけなのです。都合のいいことを言えば、そっとして置いてくれればいいだけの話なのですよ。」
フェルディナント王子は、かなり困惑していた。どうやってコルネリウス王を説得すればいいのか、皆目見当もつかなかったからだ。
「だから、フェルディナント王子が説得しやすい材料を提供しましょう。」
「材料とは?」
「言い伝えにある、カルベルス王国の沈没のことはご存知ですよね?」
「あぁ、伝説になっている話で一夜にして国が滅んだ話だな。地盤沈下が起きたのではないかとか、いまいち真相がよくわかっていない話だ。」
「あれは事実です。」
「え?」
「そこに。それをしでかした張本人がいますから。」
「まさか・・・」
ユージィンがにこやかに掌を差した方向には、
「え?俺?何かしたっけ?」
カイエルは自分を指差しながら、キョトンとしていた。
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※この作品は「小説家になろう」「カクヨム」「アルファポリス」にも掲載しています。
※2021/09/03 改題しました。(旧題:刷り込みで竜の母親になった私は、国の運命を預かることになりました。)
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