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108:ルッツの溜息
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竜騎士団の食堂にて、ルッツは一人でテーブルに肘を立て頬杖をして悩んでいた。
「はぁー・・・」
「どうした?」
ノアベルトも訓練が終わり、食堂に来ていた。大きな溜息を付いているルッツに後ろから声をかけたのだ。
「いや・・・あの男何なんだろうってさ。」
あの男、とだけのルッツの言葉に、ノアベルトは直ぐに誰のことをいっているのか理解していた。
「あー美女と一緒に並んで座ってた男のこと?」
「そー」
「ダンフィールだっけ?あの男ほどではなかったけど、もう一人の男もガタイ良かったもんな。顔もすっげぇイケメンだったし。俺ですら焦ったからな。」
ノアベルトは自分が自他供にイケメンの部類に入ることを自覚していた。よって嫌味には感じられなかった。
「・・・いや、実はさ、うさ耳の女の子を見送った時にさ、あの場で俺その男にすっごい睨まれてたんだよね。」
「え、まじ?」
先日のエメリーネとダンフィールを見送った時、セレスティアの同期達もその場にいたわけだが、その時にルッツは妙に当たりのきつい視線に気が付いていた。そうカイエルだ。カイエルはルッツがセレスティアに懸想していることを知っていた。だから牽制の意味でルッツを睨みつけていたのだが、ルッツにしてみれば、突然出てきたイケメンの男というだけで、その男に何かをしたという覚えは全くなかった。だが別の意味では確かに心当たりはあったのだ。そしてそれは間違っていなかった。
「多分なんだけど、何となく思い当たることがあるんだよね。」
「・・・セレスティアか?」
「あ、わかった?」
「まぁ、それぐらいしか思い付かなかったっていうか、あの男やたらセレスティアばっかり見てたからな。」
「やっぱりか・・・」
もしやと思っていたが、ノアベルトがそう言うなら大方間違いでないだろうとルッツは納得した。
「大変だな!あんなイケメンの恋敵は、ちょっと苦戦しそうだぞ!」
ノアベルトは茶化した言い方で、ルッツの背中をバシバシッと叩いたが、当事者のルッツとしては、全く笑えない。
「他人事だと思って・・・」
ルッツはまた深い溜息をした。ノアベルトは、ふざけた態度から真剣な顔になり、
「まぁ、こればっかりはな。セレスティアが決めることだからな。」
「・・・あぁそうだな。」
ルッツは正直なところ、自信はなかった。学生時代からセレスティアに思いを募らせてはいたが、悲しいことに脈はないのだろうと、何となくではあるが、自分の思いは実らない、そんな気はしていた。
「骨は拾ってやるよ。」
ノアベルトはそういうと、ニヤリと笑った。
「当たって砕けろってことかよ。」
ルッツは苦笑いをした。
「それも有りもだけど。ま、俺が言うのもなんだけどさ、」
珍しくノアベルトは神妙な表情をし、言葉を続けた。
「好きな気持ちを押すだけが、愛ではないと俺は思うけどね。見守ってやる愛ってのがあってもいいと思うよ。」
「!」
ルッツは驚いた。まさかそんな殊勝な言葉がノアベルトから出るとは思わなかったからだ。
「・・・お前何か悪い物でも食ったの?」
「んなわけあるか!」
一瞬はふざけたものの、
「まぁ、詰まるとこな。好きな女には笑顔で幸せになってもらいたいだろ?そういうことだよ。」
「ノア・・・」
「じゃ、俺も飯食ってくるわ。また後でな~」
そういうと、ノアベルトは手をヒラヒラさせて食堂の奧へと消えていった。
「見守る・・か。」
ルッツは、ノアベルトが言った言葉を噛み締めていた。
「はぁー・・・」
「どうした?」
ノアベルトも訓練が終わり、食堂に来ていた。大きな溜息を付いているルッツに後ろから声をかけたのだ。
「いや・・・あの男何なんだろうってさ。」
あの男、とだけのルッツの言葉に、ノアベルトは直ぐに誰のことをいっているのか理解していた。
「あー美女と一緒に並んで座ってた男のこと?」
「そー」
「ダンフィールだっけ?あの男ほどではなかったけど、もう一人の男もガタイ良かったもんな。顔もすっげぇイケメンだったし。俺ですら焦ったからな。」
ノアベルトは自分が自他供にイケメンの部類に入ることを自覚していた。よって嫌味には感じられなかった。
「・・・いや、実はさ、うさ耳の女の子を見送った時にさ、あの場で俺その男にすっごい睨まれてたんだよね。」
「え、まじ?」
先日のエメリーネとダンフィールを見送った時、セレスティアの同期達もその場にいたわけだが、その時にルッツは妙に当たりのきつい視線に気が付いていた。そうカイエルだ。カイエルはルッツがセレスティアに懸想していることを知っていた。だから牽制の意味でルッツを睨みつけていたのだが、ルッツにしてみれば、突然出てきたイケメンの男というだけで、その男に何かをしたという覚えは全くなかった。だが別の意味では確かに心当たりはあったのだ。そしてそれは間違っていなかった。
「多分なんだけど、何となく思い当たることがあるんだよね。」
「・・・セレスティアか?」
「あ、わかった?」
「まぁ、それぐらいしか思い付かなかったっていうか、あの男やたらセレスティアばっかり見てたからな。」
「やっぱりか・・・」
もしやと思っていたが、ノアベルトがそう言うなら大方間違いでないだろうとルッツは納得した。
「大変だな!あんなイケメンの恋敵は、ちょっと苦戦しそうだぞ!」
ノアベルトは茶化した言い方で、ルッツの背中をバシバシッと叩いたが、当事者のルッツとしては、全く笑えない。
「他人事だと思って・・・」
ルッツはまた深い溜息をした。ノアベルトは、ふざけた態度から真剣な顔になり、
「まぁ、こればっかりはな。セレスティアが決めることだからな。」
「・・・あぁそうだな。」
ルッツは正直なところ、自信はなかった。学生時代からセレスティアに思いを募らせてはいたが、悲しいことに脈はないのだろうと、何となくではあるが、自分の思いは実らない、そんな気はしていた。
「骨は拾ってやるよ。」
ノアベルトはそういうと、ニヤリと笑った。
「当たって砕けろってことかよ。」
ルッツは苦笑いをした。
「それも有りもだけど。ま、俺が言うのもなんだけどさ、」
珍しくノアベルトは神妙な表情をし、言葉を続けた。
「好きな気持ちを押すだけが、愛ではないと俺は思うけどね。見守ってやる愛ってのがあってもいいと思うよ。」
「!」
ルッツは驚いた。まさかそんな殊勝な言葉がノアベルトから出るとは思わなかったからだ。
「・・・お前何か悪い物でも食ったの?」
「んなわけあるか!」
一瞬はふざけたものの、
「まぁ、詰まるとこな。好きな女には笑顔で幸せになってもらいたいだろ?そういうことだよ。」
「ノア・・・」
「じゃ、俺も飯食ってくるわ。また後でな~」
そういうと、ノアベルトは手をヒラヒラさせて食堂の奧へと消えていった。
「見守る・・か。」
ルッツは、ノアベルトが言った言葉を噛み締めていた。
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