2 / 22
序章 旅立ち……そして入学
2話
しおりを挟む
俺は村を出て、近くの町から乗ることができる、鉄騎馬車と呼ばれる乗り物で、ノアまで向かった。
先頭にある巨大な黒い鉄の乗り物が動力として、お客や荷物が乗る専用の馬車を大量に引っ張って走る。
ただ、専用の鉄で作られた道しか走れないから、乗降所が決まってるのがちょっとめんどくさかった。 それでも、普通の馬車を経由してノアに行くより断然早く、ノアには2日後には着いてた。
ノアに着いた俺は、まず最初に調律師養成学校に向かった。入学手続きは済ませてるが、俺は早くどんな所なのか見たいと思ったからだ。
ノアは少し特殊な国で、国の国土は街1つ分しかない。 まぁ、1つ分と言っても、街全体を歩こうとしたら、一日じゃ回りきれない大きさだ。街の中心にそびえる壁の中に、俺が明日から通う学校がある。
それにノアには、鉄騎馬車でしか出入りができない。その理由は、各国から毎年沢山の調律師候補生がノアに来るのだが、それに紛れて悪事を働く人も紛れ込んでくる。そんな人達を、街に入れないために、警備をしやすくする為、と言う事らしい。なので東西南北と、4カ国は決められた出入口からしか入国できない。コレも、どこの国の者かすぐ分かるようにするためらしい。
学校に到着した俺は、少しでも中が見れないかと校門前で、キョロキョロと覗き込んでみた。
それにしても、まさか校門からですら中をよく見えないなんてどんだけ警備が厳しいんだよ!? 仕方ないか、明日には中に入れるから、今日は我慢して先にやらないといけない事を、済ますとするか。
明日からは、寮区で用意される部屋で寝れるが、今日は寮に入れないから、自分で宿を取らないといけなかった。だから今から、今日泊まる宿を探すことにして、校門を去ろうとした。
「そこの君!! そう黒髪の君だ!! ちょっと止まりなさい!!」
「えっ俺!? なんですか?」
俺は突然呼び止められた事に驚き、振り向くと警備兵がコチラに駆け寄ってきた。
「君!! さっきから見てたら、校門の前をうろうろと、何をしてたんだ!」
「いえ! 別にやましい事とかは、ありませんから! 明日入学するので、その前にどんな所か見たくて覗いてただけです!」
「本当かどうか、今から認証するから、名前と出身国を言え!!」
「名前はレイジ=グローレイン、出身国はブルゴン連州国です。入国はほんの1~2時間前に到着した鉄騎馬車で、来ました」
「少しここで待っててくれ。不審な行動したら即、捕縛させてもらう」
そう言って警備兵は、黙り込みコチラを睨みつけてた。暫くすると、警備兵の表情が変わり、申し訳なさそうにしてた。
「ふむ、認証した結果、言ってる事が本当だとわかった。疑って悪かったな、レイジ君」
「いえ、誤解が解けて良かったです。それにしても、どうやって認証したんですか?ずっとコッチを睨んでただけだったのに」
「それはだな······明日、分かることになるから、今は黙っとくか。俺はトールだ、これからも会うことがあるだろう。その時は、よろしく」
「こちらこそ! 俺の事は、レイジと呼んでください。これから2年は、ノアで住みますので、よろしくお願いしますトールさん」
お互いに軽く自己紹介をして、別れた俺は、今日泊まる宿探しを、再開した。宿を探しながら俺は、さっきの事を考えてた。
それにしてもさっきのアレ、なんだったんだ? 特殊能力だとしたら、あまりにもスムーズだったし······それに、誰かに念話できるのだとしても、一方通行で、相手も念話が使えないと返ってくることは無いはず······まぁ、気にしてても仕方ないか。
「いらっしゃいませ♪食事は晩と朝が付いて、1泊銀貨20枚です」
「はい、これ銀貨20枚」
「ありがとうございます!! 部屋は、階段昇って、左の1番奥の右のドアです」
「ありがとう」
それよりさ······今思ったんだけど、宿の値段高くね!? 払えないことは無いけど、1泊で村での食事何食分の値段だよ······
それでも、一番安い宿を探して、部屋が空いてるか聞いて、どうにか、たどり着いた筈なんだけど·····逆に1番良い宿って、いくらするんだろ?
俺は、部屋に行き、荷物を置いてからベットに横になった。街1番の安い部屋だけあって、部屋はベットと机しか置いてなかった。まぁ、今日1日だけだし、それでもいっか。
そんな事より、明日からの事を考えたら、内心ワクワクして、凄く楽しみだった。世界中からすごい人達が、調律師になるためここに集まってくる。そんな人達と一緒に学び、そして、強くなれるのが、凄く楽しみで仕方なかった。
確か、ステラ姉さんも凄く強い調律師だったみたいで、特別な呼び名······2つ名を貰ってたとか······まぁ、どんなのかは、結局最後まで『恥ずかしいから』って、教えてくれなかったんだけどな···
もし、もう一度会えるなら······沢山話したいな。この半年の事、俺の知らないステラ姉さんの事、それから学校の事······
そんな事を考えてたら、2日の移動による疲れからか、猛烈な眠気が襲ってきて、それに抗えず俺は眠りについた。
先頭にある巨大な黒い鉄の乗り物が動力として、お客や荷物が乗る専用の馬車を大量に引っ張って走る。
ただ、専用の鉄で作られた道しか走れないから、乗降所が決まってるのがちょっとめんどくさかった。 それでも、普通の馬車を経由してノアに行くより断然早く、ノアには2日後には着いてた。
ノアに着いた俺は、まず最初に調律師養成学校に向かった。入学手続きは済ませてるが、俺は早くどんな所なのか見たいと思ったからだ。
ノアは少し特殊な国で、国の国土は街1つ分しかない。 まぁ、1つ分と言っても、街全体を歩こうとしたら、一日じゃ回りきれない大きさだ。街の中心にそびえる壁の中に、俺が明日から通う学校がある。
それにノアには、鉄騎馬車でしか出入りができない。その理由は、各国から毎年沢山の調律師候補生がノアに来るのだが、それに紛れて悪事を働く人も紛れ込んでくる。そんな人達を、街に入れないために、警備をしやすくする為、と言う事らしい。なので東西南北と、4カ国は決められた出入口からしか入国できない。コレも、どこの国の者かすぐ分かるようにするためらしい。
学校に到着した俺は、少しでも中が見れないかと校門前で、キョロキョロと覗き込んでみた。
それにしても、まさか校門からですら中をよく見えないなんてどんだけ警備が厳しいんだよ!? 仕方ないか、明日には中に入れるから、今日は我慢して先にやらないといけない事を、済ますとするか。
明日からは、寮区で用意される部屋で寝れるが、今日は寮に入れないから、自分で宿を取らないといけなかった。だから今から、今日泊まる宿を探すことにして、校門を去ろうとした。
「そこの君!! そう黒髪の君だ!! ちょっと止まりなさい!!」
「えっ俺!? なんですか?」
俺は突然呼び止められた事に驚き、振り向くと警備兵がコチラに駆け寄ってきた。
「君!! さっきから見てたら、校門の前をうろうろと、何をしてたんだ!」
「いえ! 別にやましい事とかは、ありませんから! 明日入学するので、その前にどんな所か見たくて覗いてただけです!」
「本当かどうか、今から認証するから、名前と出身国を言え!!」
「名前はレイジ=グローレイン、出身国はブルゴン連州国です。入国はほんの1~2時間前に到着した鉄騎馬車で、来ました」
「少しここで待っててくれ。不審な行動したら即、捕縛させてもらう」
そう言って警備兵は、黙り込みコチラを睨みつけてた。暫くすると、警備兵の表情が変わり、申し訳なさそうにしてた。
「ふむ、認証した結果、言ってる事が本当だとわかった。疑って悪かったな、レイジ君」
「いえ、誤解が解けて良かったです。それにしても、どうやって認証したんですか?ずっとコッチを睨んでただけだったのに」
「それはだな······明日、分かることになるから、今は黙っとくか。俺はトールだ、これからも会うことがあるだろう。その時は、よろしく」
「こちらこそ! 俺の事は、レイジと呼んでください。これから2年は、ノアで住みますので、よろしくお願いしますトールさん」
お互いに軽く自己紹介をして、別れた俺は、今日泊まる宿探しを、再開した。宿を探しながら俺は、さっきの事を考えてた。
それにしてもさっきのアレ、なんだったんだ? 特殊能力だとしたら、あまりにもスムーズだったし······それに、誰かに念話できるのだとしても、一方通行で、相手も念話が使えないと返ってくることは無いはず······まぁ、気にしてても仕方ないか。
「いらっしゃいませ♪食事は晩と朝が付いて、1泊銀貨20枚です」
「はい、これ銀貨20枚」
「ありがとうございます!! 部屋は、階段昇って、左の1番奥の右のドアです」
「ありがとう」
それよりさ······今思ったんだけど、宿の値段高くね!? 払えないことは無いけど、1泊で村での食事何食分の値段だよ······
それでも、一番安い宿を探して、部屋が空いてるか聞いて、どうにか、たどり着いた筈なんだけど·····逆に1番良い宿って、いくらするんだろ?
俺は、部屋に行き、荷物を置いてからベットに横になった。街1番の安い部屋だけあって、部屋はベットと机しか置いてなかった。まぁ、今日1日だけだし、それでもいっか。
そんな事より、明日からの事を考えたら、内心ワクワクして、凄く楽しみだった。世界中からすごい人達が、調律師になるためここに集まってくる。そんな人達と一緒に学び、そして、強くなれるのが、凄く楽しみで仕方なかった。
確か、ステラ姉さんも凄く強い調律師だったみたいで、特別な呼び名······2つ名を貰ってたとか······まぁ、どんなのかは、結局最後まで『恥ずかしいから』って、教えてくれなかったんだけどな···
もし、もう一度会えるなら······沢山話したいな。この半年の事、俺の知らないステラ姉さんの事、それから学校の事······
そんな事を考えてたら、2日の移動による疲れからか、猛烈な眠気が襲ってきて、それに抗えず俺は眠りについた。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました
佐倉穂波
恋愛
転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。
確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。
(そんな……死にたくないっ!)
乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。
2023.9.3 投稿分の改稿終了。
2023.9.4 表紙を作ってみました。
2023.9.15 完結。
2023.9.23 後日談を投稿しました。
追放された偽物聖女は、辺境の村でひっそり暮らしている
潮海璃月
ファンタジー
辺境の村で人々のために薬を作って暮らすリサは“聖女”と呼ばれている。その噂を聞きつけた騎士団の数人が現れ、あらゆる疾病を治療する万能の力を持つ聖女を連れて行くべく強引な手段に出ようとする中、騎士団長が割って入る──どうせ聖女のようだと称えられているに過ぎないと。ぶっきらぼうながらも親切な騎士団長に惹かれていくリサは、しかし実は数年前に“偽物聖女”と帝都を追われたクラリッサであった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる