~エシックスギア~

海音²

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1章 模擬戦そしてチーム

13話

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「では、これから調律師として最も重要な事を説明するぞ」

 俺達は第1訓練場に集まってた。訓練場は模擬戦するスペースとそれを観戦するスペースがあり広さも軽い闘技場ぐらいの広さがある。今は、観戦スペースで説明を受けてる最中だ。

「まず1つ目、幻想ビジョンに呼び名を決める事。調律師として大切なパートナーなのに名前が無いとおかしいだろ?まずはそこからだ」

 と言っても俺と姉さんはもうその辺できてるような...

(最初の段階は、私達もう終わってるから、ただ話を聞くだけだね♪)

(なんか楽しみにしてたのに、これじゃ出鼻くじかれた気分だな)

 俺が姉さんと話してたらいきなり他の生徒たちが騒ぎ出した。何事かと周りを見渡したが何も無く、困惑してたら先生が説明してきた。

「お前たちの反応を見る限り、今頭の中で誰かが話しかけてる状態だと思う。その声は各自の幻想ビジョンがお前達に話しかけてる。それでは2つ目、今のままでは一方的なだけで会話にならない。だからコチラからも話せるように念話テレパシーを覚えてもらう。やり方は話したい事を、強く念じる事だ。最初は上手く話せなかったり、話すつもりもない事を話したり、難しいと思うが、慣れたら使い分けることもできるし、会話も普通にできる。まぁ聞くより慣れろだ! やってみろ」

 そう言われ周りから「う~ん」とか「ぬぅ~」と唸り声が聞こえ始めた。

(ほらね♪もう昨日の時点で、私達ほとんどやっちゃってたのよ♪)

(まったく……昨日他の生徒たちと、一緒に学ぶように言ってたくせに)

(だ……だって! 1日何も話さずに、そばに居るだけって嫌だったんだもん…)

 そう言いながら、シュンとなってる姉さんを見て俺は、思わず笑みをこぼした。

(まぁ、それで俺達ちゃんと話し合えたし、これぐらいは良いんだろな)

 俺がそう言うと安心してくれたみたいでいつもの調子に戻った。

(そうよね♪ あっ! でもこれからの事は私何も言わないからね? それは絶対だから、聞いてきても教えないから)

(はいはいわかったよ姉さん)

「それでは、最後に武器についてだが!」

 俺達が話してたら、先生が話し始めたから聞くことにした。

「はっきり言おう! 今日武器が出せるようになるのは、多くても数名だろう!」

「「「はぁ~!?」」」

 俺達は先生のいきなりの発言に耳を疑った。

「ちゃんと説明するから落ち着け! さっき幻想ビジョン念話テレパシーをして貰ったが、それがとても重要なことでだな、そうやって会話したりチップをあげたりしてコミュニケーションを取り共鳴率シンパシーを高めてもらう必要がある! そうしてお互い信頼し合うことで、初めて武器を使えるようになる!」

 使用者と道具という関係じゃなく、あくまで共に戦う仲間としてって事か。それでさっきも先生は幻想ビジョンの事をパートナーと言ってたわけか。

 そう考えてたら、1人の生徒が手を挙げた。

「先生!! その共鳴率シンパシーってどう確認するんですか?」

「それはデバイスで確認できる! 開いて画面の右下に数字が%で書いてるはずだ!最低でもその数字を40%超えるようにしてくれ!!」

 そう言われ俺はデバイスで確認した。そこに書かれてた数字に俺は驚いた。

(な……なんだこれ!? 70%!?)

(どれどれ? 思ったより低いわね。これはレイともっと仲良くなる必要がありそうね♪)

 俺からしたら高すぎないかと思ってたけど、姉さんからしたらまだまだ低いらしい……てか姉さんもっと仲良くってどうする気だよ……まさか毎日パンナコッタ食べさせたりとか?

「なぁレイジは数字いくつなん? ウチまだ20%しかないねん」

「俺は……70%……」

「はぁー!? な……70%!?」

 小声で聞いてきたユーリに、俺は自分の数字を教えた。ユーリは驚き、大声を出しそうになったが、必死に声を抑えてた。

「ほぼいないと思うが、今40%超えてる生徒は、その場で立ち上がってくれ!」

 そんな時、先生が立つように言うから俺は立ち上がった。アレ? 他に立ってる人がいないんだけど……

「ん? 君は確か……レイジ=グローレイン君だったね」

 どうやらまだ生徒の名前を全員文覚えてないみたいで名簿を見て確認してた。

「それではやり方を説明するから先生に見せてもらおうかな?たまにいるんだよ、ノリで立ち上がったり、低くても大丈夫だろうと思ってる人がね」

 どうやら俺もそう言う生徒と思ってるみたいで信じてくれてないみたいで、少し凹むな。

「やり方は簡単だ。心の中で接続コネクションと念じると武器が出る。こうやって、やってみろ」

 やり方を言った先生の手元には、突如三又の槍が現れた。俺も先生に言われた通りにやってみた。

接続コネクション

(ふふっ♪ レイ念話テレパシーしなくてもいいのに♪)

(加減がわかんないんだよ!)

(まぁ、私は言ってくれても良いからね♪)

 姉さんがクスクスと笑いながら俺を茶化してきたが、その後突然光の粒子になって、俺の右手に集まってきた。
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