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1章 模擬戦そしてチーム
16話
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あの後俺と先生は、みんなの所に戻ったら一気に囲まれた。
「凄すぎてよく分からなかったけど、なんなんですかアレ!」
1人の生徒が興奮しながら先生に詰め寄ってた。
「さっきのが調律師同士の模擬戦だな。まぁ、途中からちょっと度が過ぎたけどな」
そう言って先生は、俺の方をチラッと見てきた。俺はただ苦笑いをするしか無かった。
「それにしても先生も、驚いてるんだぞ? まさか姉のみならず弟まで化け物じみてるんだから」
「え? 先生姉さんを知ってるんですか?」
「ついさっきまでは、グローレインに覚えがあるな程度だったが、最後のあの攻撃を見て思い出したよ。」
そう言って懐かしそうに思い出してクスっと笑ってた。
「そうだ先生! なんでグローレインさんが武器を変えれたんですか? それと、その後の最初の攻撃に対して、先生は最初その場で避けるように見えたのですが?」
エマが何かを思い出したかのように話してきた。
「最初は軽く避けるつもりだったが、危険だと判断して大きく回避した。その辺はグローレインの能力も関係あるから、私からは、あれこれ言うつもりは無い」
「そもそも、2種類の武器が使えるって有り得るんですか?」
「それについては過去に何度か発現してる事例がある。まぁ私も、今日初めて見るまでは、信じてなかったけどな」
そんなに珍しいのか…まぁ戦略の幅が広がるから俺はいいんだけどな。
「他に質問あるやつは居るか? いなければ少し時間が早いが、今日はこれで終わりだ。正直先生はつかれた!」
そう言って周りを見渡したが、誰も手を上げるなかった。それを見て先生は今日の授業を終わらせた。
「なら今日はこれで解散だ! 明日からは座学を学んだり、基礎訓練をしていく!一ヶ月後には各自接続できるように!でわ解散!!」
それだけ言って先生は帰って行った。
さてと俺も疲れたし帰ろうかなと考えてたら、他の生徒が俺を囲んで質問攻めしてきた。「なんでそんなすぐにできたんだ?」「初めて接続した時どんな感じだった?」「さっき先生も言ってたけどお姉さんに色々教わってたの?」と、色々聞かれた。あまりにも色々と一気に聞かれたから、何を話したかあまり覚えてなかった。
「大変やったね」
「模擬戦より疲れたよ」
俺とユーリは今[方舟の休息]で一休みしてた。もちろん姉さんには、今日の疲れを労う為に、ステラスペシャルを買ってあげた。
「それにしてもや、あんだけ凄い戦いしといて、レイジの能力が完全じゃない的なこと言っとったけど、いまいちピンと来ないんやけど?」
「俺もそれ思ってたんだ。少し待っててくれ、姉さんに聞いてみる」
「何言ってるんレイジ? レイジが今見えとる姉さんは幻想やろ? 本物の姉さんは、のぉなってるんやろ?」
「ユーリには話してなかったな。実はな──」
俺は昨日姉さんと話した事を、ユーリに話した。
「そういう訳だから、周りには言わないでくれ」
「な…なんやそれ! ウチ聞いた事ないでそんな話!」
「ユーリ静かにみんな見てるから」
俺がそう言った事で、ユーリは周りを見渡し、コチラを見てる他の学生に気が付き、恥ずかしそうに俯いた。
「でも! それが本当ならレイジよかったやん♪ 大好きな姉さんとまた会えたんやし♪」
「未だに夢かと思う事あるけど、それでも今日一緒に戦って実感できたって言うか……アレ? ごめん急に……」
俺は今改めて姉さんと一緒にと思ったら涙が出てきた。
「ええねんでレイジ。今までずっと辛抱しとったんやろ?」
(レ……レイ。私も今日実感できたし、それに……形は違うけど……私が武器になれば……レイと……また……触れ合えるってわかったから……うぇーーん!!)
俺と姉さんは、暫く泣いてしまった。その間ユーリはひたすら優しい声で「ええねんで」って何度も言って俺達が落ち着くのをずっと待っててくれた。
「いきなり悪かったなユーリ」
「ええよ気にせんといて♪それにな、ウチだけそんな大切な秘密、教えてくれて嬉しいんよ♪」
「そりゃノアで知り合えた、俺にとって大切な同級生だしな」
(ちょっとレイ! その言い方だと…)
(え? 別に変な事言ってないよな?)
そう思って俺はユーリを見たらユーリは目を見開いて徐々に顔が赤くなっていってた。
「ユーリ大丈夫か? 昨日今日と、慣れない環境で体調を崩したんじゃ?」
「だっ……大丈夫や! ちと暑う感じるだけやから…」
そう言ってユーリは俯いて、なにかブツブツ言い出した。
(あらら~レイやっちゃったわね~)
(え? 俺何か悪い事言っちゃった?)
姉さんは呆れ顔で俺を見てきた。もしかして、仲がいいと思ってたのは俺だけで、真っ赤になってたのは怒りに震えてたから?だとしたら俺、ユーリに凄く迷惑なこと言ったんじゃ!?
「ごめんユーリ!! 怒らせるようなこと言ったなら、俺が悪かった!」
「へ? 別に怒っとらんよ?」
俺は急いで謝ったが、ユーリはなんのことか分からないようで、キョトンとした顔で俺を見てた。
「あのう、2人で楽しんでるところ悪いけど、少しいいかしら?」
俺達が声の方へ振り向くとそこには、申し訳なさそうな顔で俺達を見てるエマと、ムスッと不機嫌そうに腕組みしてるクリスがいた。
「凄すぎてよく分からなかったけど、なんなんですかアレ!」
1人の生徒が興奮しながら先生に詰め寄ってた。
「さっきのが調律師同士の模擬戦だな。まぁ、途中からちょっと度が過ぎたけどな」
そう言って先生は、俺の方をチラッと見てきた。俺はただ苦笑いをするしか無かった。
「それにしても先生も、驚いてるんだぞ? まさか姉のみならず弟まで化け物じみてるんだから」
「え? 先生姉さんを知ってるんですか?」
「ついさっきまでは、グローレインに覚えがあるな程度だったが、最後のあの攻撃を見て思い出したよ。」
そう言って懐かしそうに思い出してクスっと笑ってた。
「そうだ先生! なんでグローレインさんが武器を変えれたんですか? それと、その後の最初の攻撃に対して、先生は最初その場で避けるように見えたのですが?」
エマが何かを思い出したかのように話してきた。
「最初は軽く避けるつもりだったが、危険だと判断して大きく回避した。その辺はグローレインの能力も関係あるから、私からは、あれこれ言うつもりは無い」
「そもそも、2種類の武器が使えるって有り得るんですか?」
「それについては過去に何度か発現してる事例がある。まぁ私も、今日初めて見るまでは、信じてなかったけどな」
そんなに珍しいのか…まぁ戦略の幅が広がるから俺はいいんだけどな。
「他に質問あるやつは居るか? いなければ少し時間が早いが、今日はこれで終わりだ。正直先生はつかれた!」
そう言って周りを見渡したが、誰も手を上げるなかった。それを見て先生は今日の授業を終わらせた。
「なら今日はこれで解散だ! 明日からは座学を学んだり、基礎訓練をしていく!一ヶ月後には各自接続できるように!でわ解散!!」
それだけ言って先生は帰って行った。
さてと俺も疲れたし帰ろうかなと考えてたら、他の生徒が俺を囲んで質問攻めしてきた。「なんでそんなすぐにできたんだ?」「初めて接続した時どんな感じだった?」「さっき先生も言ってたけどお姉さんに色々教わってたの?」と、色々聞かれた。あまりにも色々と一気に聞かれたから、何を話したかあまり覚えてなかった。
「大変やったね」
「模擬戦より疲れたよ」
俺とユーリは今[方舟の休息]で一休みしてた。もちろん姉さんには、今日の疲れを労う為に、ステラスペシャルを買ってあげた。
「それにしてもや、あんだけ凄い戦いしといて、レイジの能力が完全じゃない的なこと言っとったけど、いまいちピンと来ないんやけど?」
「俺もそれ思ってたんだ。少し待っててくれ、姉さんに聞いてみる」
「何言ってるんレイジ? レイジが今見えとる姉さんは幻想やろ? 本物の姉さんは、のぉなってるんやろ?」
「ユーリには話してなかったな。実はな──」
俺は昨日姉さんと話した事を、ユーリに話した。
「そういう訳だから、周りには言わないでくれ」
「な…なんやそれ! ウチ聞いた事ないでそんな話!」
「ユーリ静かにみんな見てるから」
俺がそう言った事で、ユーリは周りを見渡し、コチラを見てる他の学生に気が付き、恥ずかしそうに俯いた。
「でも! それが本当ならレイジよかったやん♪ 大好きな姉さんとまた会えたんやし♪」
「未だに夢かと思う事あるけど、それでも今日一緒に戦って実感できたって言うか……アレ? ごめん急に……」
俺は今改めて姉さんと一緒にと思ったら涙が出てきた。
「ええねんでレイジ。今までずっと辛抱しとったんやろ?」
(レ……レイ。私も今日実感できたし、それに……形は違うけど……私が武器になれば……レイと……また……触れ合えるってわかったから……うぇーーん!!)
俺と姉さんは、暫く泣いてしまった。その間ユーリはひたすら優しい声で「ええねんで」って何度も言って俺達が落ち着くのをずっと待っててくれた。
「いきなり悪かったなユーリ」
「ええよ気にせんといて♪それにな、ウチだけそんな大切な秘密、教えてくれて嬉しいんよ♪」
「そりゃノアで知り合えた、俺にとって大切な同級生だしな」
(ちょっとレイ! その言い方だと…)
(え? 別に変な事言ってないよな?)
そう思って俺はユーリを見たらユーリは目を見開いて徐々に顔が赤くなっていってた。
「ユーリ大丈夫か? 昨日今日と、慣れない環境で体調を崩したんじゃ?」
「だっ……大丈夫や! ちと暑う感じるだけやから…」
そう言ってユーリは俯いて、なにかブツブツ言い出した。
(あらら~レイやっちゃったわね~)
(え? 俺何か悪い事言っちゃった?)
姉さんは呆れ顔で俺を見てきた。もしかして、仲がいいと思ってたのは俺だけで、真っ赤になってたのは怒りに震えてたから?だとしたら俺、ユーリに凄く迷惑なこと言ったんじゃ!?
「ごめんユーリ!! 怒らせるようなこと言ったなら、俺が悪かった!」
「へ? 別に怒っとらんよ?」
俺は急いで謝ったが、ユーリはなんのことか分からないようで、キョトンとした顔で俺を見てた。
「あのう、2人で楽しんでるところ悪いけど、少しいいかしら?」
俺達が声の方へ振り向くとそこには、申し訳なさそうな顔で俺達を見てるエマと、ムスッと不機嫌そうに腕組みしてるクリスがいた。
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