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1章 模擬戦そしてチーム
18話
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模擬戦をしてから1週間、俺は座学で悩み、基礎訓練で汗を流す日々を送ってた。その間エマからは、チームを組むという話はしてこなかった。かなり説得に時間がかかってるのか、それとも諦めたかな?
それより今日はいよいよユーリが、接続する日だ。朝いつも通り[方舟の休息]で、朝ごはんを食べてた時にユーリが嬉しそうに、デバイスを俺に見せてきた。それで午後からは、ユーリと第1訓練場の観戦スペースに来ていた。
「ウチもこれでやっと調律師として、1歩踏み出せるっちゅうわけやな♪」
「おめでとうユーリ」
「あんがとな♪ この一週間は琥珀といっぱい話したり、チップあげたり色々しとったから、今じゃもう大切なウチの相棒や♪」
「俺も見てて、いきなり慌てたり、真っ赤になってたりと、見てて面白かったぞ?」
「そっ……それは、琥珀が変な事言ってきとったからや!」
ユーリは白い虎の事を琥珀と呼んでいる。名前の理由を聞いたが、内緒と言われた。
「ほな、やってみるから、そこで見とってや♪」
そう言ってユーリは、小さく深呼吸をして目を閉じた。突如ユーリの左手に白い鞘に収まった刀が現れた。どうやら他人には光の粒子が見えないらしい。
「でっ……できたで! レイジ、ウチできたんやでな?」
「ああ、もちろん成功だ。おめでとうユーリ」
「えへへ♪ あんがとな♪ それに、うちの武器は刀や♪ それに普通の刀より、めっちゃ軽いねん♪」
武器が刀と、使い慣れてる事もあるのか、すごく嬉しそうにしてた。ユーリはゆっくりと刀を鞘から抜いた。––刀身は淡い瑞色で、武器と言うより芸術品と思えてしまうほど美しかった。
「綺麗やな……」
「だな。まるで吸い込まれそうなほど、綺麗だ…」
俺達は暫くその刀に見とれてた。鞘にしまった後、ユーリは俺に思いついたように提案してきた。
「せや! 良かったらウチと模擬戦やらへん?」
「俺で良ければやろうか」
「簡単には、レイジに負けへんからね♪」
「俺も久々にできるから、全力でやらせてもらうよ」
ユーリは早速武器を使って体を動かしたくて、ウズウズしてたみたいだ。俺もこの一週間相手が居なくて模擬戦出来なかったから、正直ありがたい申し出だった。
「ちょっと待って貰えるかな?」
俺達が下に降りようとしたら、クリスに呼び止められた。
「なんや? 今からウチら模擬戦やんねん!」
「その前にレイジ俺と模擬戦してくれないか?」
「は? 俺がクリスと?」
「なんでレイジがアンタと模擬戦せなあかんねん! しかも先にウチがレイジを誘ったんや! 横槍いれんといてくれるか?」
まぁ、ユーリが怒るのも仕方ないな……それにしてもいきなり俺に模擬戦申し込んで来るって、どういう風の吹き回しだ?
「とりあえず理由を教えてくれるか?」
「俺も今日接続出来たから、レイジに勝って俺が強いって、証明するためさ!」
「なんだよその理由……」
「仕方ないだろ! エマがこの一週間ずっとレイジの方が強いと言ってくるだから! 俺の方が強いと証明してやるんだよ!」
「そんな事に俺を巻き込まないでくれ。ユーリ行こうか」
「せやな、そんなアホな理由に、つきおうたる必要ないしな」
俺とユーリはそう言ってクリスの横を通り過ぎた。その時クリスは奥歯を噛み締め悔しがってた。
「まっ! 待ってくれ!」
そう言ってクリスは制服のポケットから白い手袋を俺に叩きつけてきた。俺達のやり取りを、遠くから見ていた何人かの生徒は、クリスの行動に驚いてた。
「いきなり手袋を叩きつけてきて、なんのつもりだ?」
「フェニクス帝国では、決闘を申し込む時、自分の白い手袋を相手に叩きつける習慣があるんだ。」
「決闘って、なんでエマさんに言われたからって、そこまで俺にこだわるんだよ?」
「それは……」
クリスは、歯切れが悪そうに、なかなか言い出せずにいた。
(レイ、もしかしてクリス君はエマちゃんの事が、好きなんじゃない?)
(なんでそれで俺に、決闘申し込むになるんだ?)
(さっき言ってたじゃない、1週間レイジが強いとか言われ続けたって、きっと、好きな子が他の男の子の事を褒めてるから、ヤキモチ妬いたのかもね)
(それ完全に俺が被害者じゃないか……)
(それにクリス君が今してきた決闘の申し込みだけど、フェニクスでアレをするって事は、相当な覚悟が必要なの…)
(はぁ……わかったよ。受けるよ)
(やるからには本気でやってあげなさいよ? クリス君の誇りと名誉も全て賭けて申し込んできてるんだからね?)
「わかった。そこまでの覚悟で俺に申し込んでくるなら、俺はそれを受け取るよ」
「レイジ!?」
「悪いなユーリ、流石にここまでの覚悟で挑んでくるなら、俺も受けなきゃいけない」
「もう! これやから男は! 今回はアイツに譲ったる。 その代わりレイジ、負けたらウチが許さへんからな!」
「最高の応援期待してるよ」
ユーリにそう言って、俺はクリスの方に振り向いた。
「この決闘の意味を、理解してくれてるみたいで、感謝する」
「俺も全力でやらせてもらう」
「そうしてくれなきゃ、僕が怒るからな?」
それだけ言って俺達は下に降りていった。
それより今日はいよいよユーリが、接続する日だ。朝いつも通り[方舟の休息]で、朝ごはんを食べてた時にユーリが嬉しそうに、デバイスを俺に見せてきた。それで午後からは、ユーリと第1訓練場の観戦スペースに来ていた。
「ウチもこれでやっと調律師として、1歩踏み出せるっちゅうわけやな♪」
「おめでとうユーリ」
「あんがとな♪ この一週間は琥珀といっぱい話したり、チップあげたり色々しとったから、今じゃもう大切なウチの相棒や♪」
「俺も見てて、いきなり慌てたり、真っ赤になってたりと、見てて面白かったぞ?」
「そっ……それは、琥珀が変な事言ってきとったからや!」
ユーリは白い虎の事を琥珀と呼んでいる。名前の理由を聞いたが、内緒と言われた。
「ほな、やってみるから、そこで見とってや♪」
そう言ってユーリは、小さく深呼吸をして目を閉じた。突如ユーリの左手に白い鞘に収まった刀が現れた。どうやら他人には光の粒子が見えないらしい。
「でっ……できたで! レイジ、ウチできたんやでな?」
「ああ、もちろん成功だ。おめでとうユーリ」
「えへへ♪ あんがとな♪ それに、うちの武器は刀や♪ それに普通の刀より、めっちゃ軽いねん♪」
武器が刀と、使い慣れてる事もあるのか、すごく嬉しそうにしてた。ユーリはゆっくりと刀を鞘から抜いた。––刀身は淡い瑞色で、武器と言うより芸術品と思えてしまうほど美しかった。
「綺麗やな……」
「だな。まるで吸い込まれそうなほど、綺麗だ…」
俺達は暫くその刀に見とれてた。鞘にしまった後、ユーリは俺に思いついたように提案してきた。
「せや! 良かったらウチと模擬戦やらへん?」
「俺で良ければやろうか」
「簡単には、レイジに負けへんからね♪」
「俺も久々にできるから、全力でやらせてもらうよ」
ユーリは早速武器を使って体を動かしたくて、ウズウズしてたみたいだ。俺もこの一週間相手が居なくて模擬戦出来なかったから、正直ありがたい申し出だった。
「ちょっと待って貰えるかな?」
俺達が下に降りようとしたら、クリスに呼び止められた。
「なんや? 今からウチら模擬戦やんねん!」
「その前にレイジ俺と模擬戦してくれないか?」
「は? 俺がクリスと?」
「なんでレイジがアンタと模擬戦せなあかんねん! しかも先にウチがレイジを誘ったんや! 横槍いれんといてくれるか?」
まぁ、ユーリが怒るのも仕方ないな……それにしてもいきなり俺に模擬戦申し込んで来るって、どういう風の吹き回しだ?
「とりあえず理由を教えてくれるか?」
「俺も今日接続出来たから、レイジに勝って俺が強いって、証明するためさ!」
「なんだよその理由……」
「仕方ないだろ! エマがこの一週間ずっとレイジの方が強いと言ってくるだから! 俺の方が強いと証明してやるんだよ!」
「そんな事に俺を巻き込まないでくれ。ユーリ行こうか」
「せやな、そんなアホな理由に、つきおうたる必要ないしな」
俺とユーリはそう言ってクリスの横を通り過ぎた。その時クリスは奥歯を噛み締め悔しがってた。
「まっ! 待ってくれ!」
そう言ってクリスは制服のポケットから白い手袋を俺に叩きつけてきた。俺達のやり取りを、遠くから見ていた何人かの生徒は、クリスの行動に驚いてた。
「いきなり手袋を叩きつけてきて、なんのつもりだ?」
「フェニクス帝国では、決闘を申し込む時、自分の白い手袋を相手に叩きつける習慣があるんだ。」
「決闘って、なんでエマさんに言われたからって、そこまで俺にこだわるんだよ?」
「それは……」
クリスは、歯切れが悪そうに、なかなか言い出せずにいた。
(レイ、もしかしてクリス君はエマちゃんの事が、好きなんじゃない?)
(なんでそれで俺に、決闘申し込むになるんだ?)
(さっき言ってたじゃない、1週間レイジが強いとか言われ続けたって、きっと、好きな子が他の男の子の事を褒めてるから、ヤキモチ妬いたのかもね)
(それ完全に俺が被害者じゃないか……)
(それにクリス君が今してきた決闘の申し込みだけど、フェニクスでアレをするって事は、相当な覚悟が必要なの…)
(はぁ……わかったよ。受けるよ)
(やるからには本気でやってあげなさいよ? クリス君の誇りと名誉も全て賭けて申し込んできてるんだからね?)
「わかった。そこまでの覚悟で俺に申し込んでくるなら、俺はそれを受け取るよ」
「レイジ!?」
「悪いなユーリ、流石にここまでの覚悟で挑んでくるなら、俺も受けなきゃいけない」
「もう! これやから男は! 今回はアイツに譲ったる。 その代わりレイジ、負けたらウチが許さへんからな!」
「最高の応援期待してるよ」
ユーリにそう言って、俺はクリスの方に振り向いた。
「この決闘の意味を、理解してくれてるみたいで、感謝する」
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