伝説のル・ラーブを一目でも見ようとしたのは、何もこの異世界の熱狂的ファンだけじゃなく下界からわざわざ来る人たちも多数いた

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音楽の庭に住むリラルの日記②

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8月27日 PM17:00

───

ボクはそろそろ切り上げようと椅子から立ち伸びをする。

彼女も「あー楽しかった」と立ち上がる。

ボクは彼女と会って1時間半ほどしか経っていないにもかかわらず、

それ以上の会話を楽しんだ。

出入り口から声がした

「あ!? 居た!」と見知らぬ女性が立っている。

「あっかずみ!」と彼女が口にする。

どうやら例の友達らしい。

彼女とかずみは話し込んでいる。

時折かずみはボクをチラチラ見て彼女に何か聞いている。

彼女が「じゃあ..あとで、また会おうね♪」と言ったので、

ボクは「うん?」と返す

「ほら19:00からのライブ!」

「あっそうか...ル・ラーブの」

「そう♪」

と彼女は言って手を振りながら何処かへ友達のかずみと消えていった。

ちなみにその彼女の名前は、

"まりあ"

だと教えてくれた...。

───

西館(3F) PM17:08

ボクは3階の廊下にダスターを走らせ、そのあとモップで丁寧に拭いて別の廊下に向かった。



このあとは、PM18:00からアルルダードの期待の新人ポップバンドのライブがある。

この新人バンドは、ここの主の関係者が絶賛したバンドでもある("主"は何て言ったかは知らない)。

PM18:30くらいになったらダンスルーム(西館6F)に移動して異世界の各地でも活動する下界の父と異世界の母を持つハーフDJアリウード・トシマのプレイを見る。

そしてPM19:00からは、地下1階の小ホール(500人ほどのキャパシティ)でロックバンド及びこの音楽の庭の設計者この庭の主

"ル・ラーブ"のライブを見る。

こうして考えると今日は忙しい、取り敢えず早いところ清掃を終え、少し休憩しよう。

───

PM18:00 屋外ステージ(東)

"音楽の庭"の外には、屋外のコンサート用ステージ(西、東)がある。そこは飾り程度に囲いはしてあるものの遠くから中の様子が伺える。

受け付けと書かれた看板の付近に十数人のスタッフがいる。

そこの1人に買ったばかりの新人バンドのFDを見せて花で出来たアーチをくぐった。

──

ライブは少し遅れており、既に1000人近い観客の一部がステージ前を陣取っている。

ボクは後ろでそれを眺める。

PM18:07

ステージ上に期待の新人バンドが現れ、間髪入れずに音を出す。あっという間に1000人近い観客が歓声を上げ..揺れる。

PM18:25

ボクは、3曲目が終わり声を上げる観客を見ながら場所をあとにする。

向かうは、ダンスルーム(西館6F)である。

──

PM18:34

ダンスルーム着く頃には、DJのプレイは始まっており音が外に漏れている。

ボクはそれを聴きながら出入り口の横に貼られたフライヤーに目を遣りながら扉を開け、中に入った。

中には、多いとは言えない20人ほどが踊っている。スピーカーからアルルダードで流行るポップとイルモニカ産ダンスミュージックを足したような曲が流れ始めると、照明は暴れ、DJブース後ろの大きなディスプレイ、ルーム内の至るところに付いたモニターからは、見たことがない映像が流れた。

ボクは、こんな凝った演出を観客の数に関係なく、出来るアリウードDJに力を感じた。

──

PM18:57

ボクは ダンスルームを出る。そのとき鳴っていた曲のハーモニーが心に響いた。

西館地下1Fに向かい時計を確認すると既にPM19:00を回っている、小ホールからル・ラーブのヒット曲のイントロと大歓声が聞こえてくる。

受け付けのテーブルがようやく見える。小走りで向かうボクに気付いた受け付け係の渋いオジさんが「急げ!急げ!」と手を振り促す。

半笑いのボクは急いでチケットを渡し会釈して小ホールの扉を開けた。

中は異様な空気が流れている。ボーカルのリズが歌い、それを見つめるファンの目は、必死である。

ボクはステージを見るより、ステージ前の隅から隅までを見渡す、観客は少し白髪の増えたリズを誰よりも近くで見ようと前に前に押し寄せる。

おかげで後ろいるボクの周りはスカスカになっている。

500人キャパシティのホールだが500人も入っていない事が分かる。

入っていないのではなく、"いれていない"のであり、理由は何となく分かった。

ライブスタッフが必死にステージに上がろうとするファンを押さえている。

ボクはそんな目の前の光景を見ながら何故アズさんがこの"ル・ラーブ"の2日間のライブチケットをくれたのか考えた。

(トン!)

肩に何かぶつかるのを感じ...

ボクは、そのぶつかった方に目を遣ると...

ニッコリと笑う彼女まりあがいた。
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