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わざわざ宛名無しで、生徒立ち入り禁止の屋上に呼び付けるとは、変わった奴に目をつけられたもんだ。
真面目な一般生徒ならまず無視してただろうな。
全く、俺が立ち入り禁止をものともしない不真面目な生徒でよかったな。
夕陽が差し込むあまり使われていない階段を上ると、錆びて重いドアを開いた。
そこにいた人間は、俺のよく見知った幼馴染だった。
「何のマネだ? こんな日に、こんな時間に、こんな所に呼びつけやがって」
「バレンタインなんだから要件ぐらいわかるでしょ?」
コイツとは長い付き合いだが、バレンタインは毎年登校の時に手作りクッキーを貰うくらいだったはずだ。
さては今年は本命が出来たからって、俺を配達員に使うつもりだな?
「ほらさっさとの寄越せよ。で、誰に渡して欲しいんだ?」
「アンタ」
「は?」
「今年で卒業だし、もうチャンスも無いかもしれない。だから。私、あんたの事が――」
――チョコをちょこっと
真面目な一般生徒ならまず無視してただろうな。
全く、俺が立ち入り禁止をものともしない不真面目な生徒でよかったな。
夕陽が差し込むあまり使われていない階段を上ると、錆びて重いドアを開いた。
そこにいた人間は、俺のよく見知った幼馴染だった。
「何のマネだ? こんな日に、こんな時間に、こんな所に呼びつけやがって」
「バレンタインなんだから要件ぐらいわかるでしょ?」
コイツとは長い付き合いだが、バレンタインは毎年登校の時に手作りクッキーを貰うくらいだったはずだ。
さては今年は本命が出来たからって、俺を配達員に使うつもりだな?
「ほらさっさとの寄越せよ。で、誰に渡して欲しいんだ?」
「アンタ」
「は?」
「今年で卒業だし、もうチャンスも無いかもしれない。だから。私、あんたの事が――」
――チョコをちょこっと
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