ヲタクな俺達が、異世界研究者になりました。

近衛ミケ

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プロローグ

いつもと違う放課後の出来事-2

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その路地裏はとても狭く、人一人がやっと通れる隙間がやっと空いているくらいだった。
荷物を持ったままだと行けなさそうだったのでとりあえず鞄にぶち込んだ。
祐希ちゃんと真史はそそくさと進んでいき、会長もそのあとを追いかけていった。
それにしても皆いつの間にあの大量のグッズを何処にどうやって閉まったのだろうか。
俺は最後尾となった。 
歩みを進める度に何故か地面に大量繁殖しているコケ植物を踏んでしまうため、グチョ…という嫌な感触な伝わってくる。
壁を這っている配管からは異臭が漏れ出していて、まるで下水道の中にいるかのようだった。
コケに足をとられ壁に手を付けると、風呂場の壁のように湿っていて、思わず手を引っ込めてしまった。
そのせいでバランスを更に崩しコケにダイブしそうになったところを間一髪で会長に救ってもらえた。
ところどころにあるこじんまりとしたスナックからは、まだ6時すぎというのにサラリーマンのおじさんの酔っ払った歌声が聞こえてくる。
足元を注意して見ていると、いちばん前にいる祐希ちゃんの前にも足跡があるのが見えた。
ここから先にはもうスナックはないから、多分あの店へと誰かが行ったのだろう。

そんなこんなで、この地獄のような場所を抜けた先に、古びた小さな雑居ビルがあった。
空いた入口の傍にかかった看板には、
ー2F 異世界旅行代理店ー
と書かれている。

「はぁー、やっと着いた…。
って、きゃっ、やだ蜘蛛ついてるし!!」

蜘蛛が逃げたのにも関わらず払い続けている祐希ちゃんを置いて、真史が先に中に入っていった。

中には部屋もエレベーターも靴置き場も無く、薄汚れた階段があるだけだった。
まるで2階へと導かれているというか、その店のためだけに建てられたというか、そんな感じがした。
2階に上がると、すぐ目の前にその店の扉と看板が現れた。 

蹴飛ばしたなら簡単に吹っ飛んでしまいそうなスチール製の扉を真史がノックすると、中から、「どうぞ」と男の人の声が聞こえた。

すると、扉が勝手に開いた。
扉の向こう側には誰も居なかったはずなのに。

中は、普通の事務所という感じの部屋で、いくつかの事務机の上には乱雑に資料等が置かれていた。
正面にある事務机の椅子には男性が一人、壁の方を向いて座っていた。

そして、俺達が机に近づくと、その椅子をくるりと回転させ、こちらを向き、何故か指を鳴らして、俺達に向かって一言言った。

「ようこそ、異世界旅行代理店へ!」
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