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3.ロイド殿下の本心(4)
そう続け、殿下は私の顔に自身の顔を近づける。
少し長めの銀髪が私の頬を掠めたかと思うと、一瞬にしてロイド殿下の唇が
私の唇に当たった。
こ、これが俗にいう「く・ち・づ・け!」
ほんの数秒かもしれないけれど、ロイド殿下の唇は柔らかくて温かい。
何だか心がほっこりするような感じ。
ああ、これが口づけなら、何回でも…
……よくない!
苦しい!殿下!苦しい!!
私は唇を塞がれたことにパニックを起こしていたのか、鼻で呼吸ができることも忘れ、
息を止めてしまう。
いや、鼻で息をしようにも、ロイド殿下の肌に私の呼吸がふきかかるなんて恥ずかしいことできない!
もうそろそろ限界かもしれない
そう思った時、ロイド殿下の唇が離れ、顔に少しの距離ができる。
「カリエ、息しないと死んじゃうよ?」
くすっと笑うロイド殿下がまた愛らしい。
「あ!は、はい!すーはーすーはー!」
「すーはーは言わなくてもいいんじゃないかな」
アハハと笑うロイド殿下の表情は、本当に先ほどとは異なり、だいぶ柔らかくなっていた。
「まだカリエがそんな感じなら、この先は無理かな。
残念だけど、今日はこれくらいにしてあげるよ」
ロイド殿下は私から体も離すと、ベッドから降りる。
それに私も心底ほっとした。
「でも次に婚約破棄だの、サマンモナス子爵令嬢がどうのとか言うなら許さないよ。
覚悟してね」
終わったと安堵し、胸を撫で下ろしながら体を起こした私に、ロイド殿下は声を低くして言う。
「は、はい!」
私はその声に、びくっとして体を揺らすと、大きく返事をした。
それに満足したのか、ロイド殿下も笑みを見せる。
しかし…何が我慢なのかよく分からない。
ロイド殿下は今まで、何を我慢していたのだろうか。
…ハッ!
もしかして…女性とのあれこれにご興味もあるだろうし、そういうのを知りたいけれど我慢していた的な?
いや、殿下に限ってそのようなこと…
うーーーーーん…でも殿下も17歳、男性だわ。
興味のあるお年頃…。
そして、身近に経験させてくれそうな人というのは私しかいない。
そういうことか。
でも、なぜロイド殿下はサマンモナス子爵令嬢への想いを肯定しないのかも分からない。
あ、肯定すれば必然的に私との関係は解消しなくてはいけないし、
そのような経験をせず、サマンモナス子爵令嬢へ行くのが怖いのね!
ああ、恋する男性は大変ね…やはり、男性がリードする世の中だもの。
私は、全てに納得がいった。
こうなれば、サマンモナス子爵令嬢に殿下が少しでも近づけるよう協力していく必要があるわね。
とりあえず、明日からはサマンモナス子爵令嬢とロイド殿下の仲を取り持って、
想いが通じ合った時に、ロイド殿下やサマンモナス子爵令嬢に悪評が立たないよう、私は悪役令嬢を続けましょう。
「…カリエ、なんか違うこと考えてない?」
拳を作り、ふんっと鼻息を荒くすると、ロイド殿下の目が不審そうに私に向く。
「いいえ!わたくし、決めましたの!任せてください!殿下!」
そう意気込むも、ロイド殿下は困ったような表情を見せると、何を任せてなのか分からないけど、
あまりはりきらないでと笑った。
少し長めの銀髪が私の頬を掠めたかと思うと、一瞬にしてロイド殿下の唇が
私の唇に当たった。
こ、これが俗にいう「く・ち・づ・け!」
ほんの数秒かもしれないけれど、ロイド殿下の唇は柔らかくて温かい。
何だか心がほっこりするような感じ。
ああ、これが口づけなら、何回でも…
……よくない!
苦しい!殿下!苦しい!!
私は唇を塞がれたことにパニックを起こしていたのか、鼻で呼吸ができることも忘れ、
息を止めてしまう。
いや、鼻で息をしようにも、ロイド殿下の肌に私の呼吸がふきかかるなんて恥ずかしいことできない!
もうそろそろ限界かもしれない
そう思った時、ロイド殿下の唇が離れ、顔に少しの距離ができる。
「カリエ、息しないと死んじゃうよ?」
くすっと笑うロイド殿下がまた愛らしい。
「あ!は、はい!すーはーすーはー!」
「すーはーは言わなくてもいいんじゃないかな」
アハハと笑うロイド殿下の表情は、本当に先ほどとは異なり、だいぶ柔らかくなっていた。
「まだカリエがそんな感じなら、この先は無理かな。
残念だけど、今日はこれくらいにしてあげるよ」
ロイド殿下は私から体も離すと、ベッドから降りる。
それに私も心底ほっとした。
「でも次に婚約破棄だの、サマンモナス子爵令嬢がどうのとか言うなら許さないよ。
覚悟してね」
終わったと安堵し、胸を撫で下ろしながら体を起こした私に、ロイド殿下は声を低くして言う。
「は、はい!」
私はその声に、びくっとして体を揺らすと、大きく返事をした。
それに満足したのか、ロイド殿下も笑みを見せる。
しかし…何が我慢なのかよく分からない。
ロイド殿下は今まで、何を我慢していたのだろうか。
…ハッ!
もしかして…女性とのあれこれにご興味もあるだろうし、そういうのを知りたいけれど我慢していた的な?
いや、殿下に限ってそのようなこと…
うーーーーーん…でも殿下も17歳、男性だわ。
興味のあるお年頃…。
そして、身近に経験させてくれそうな人というのは私しかいない。
そういうことか。
でも、なぜロイド殿下はサマンモナス子爵令嬢への想いを肯定しないのかも分からない。
あ、肯定すれば必然的に私との関係は解消しなくてはいけないし、
そのような経験をせず、サマンモナス子爵令嬢へ行くのが怖いのね!
ああ、恋する男性は大変ね…やはり、男性がリードする世の中だもの。
私は、全てに納得がいった。
こうなれば、サマンモナス子爵令嬢に殿下が少しでも近づけるよう協力していく必要があるわね。
とりあえず、明日からはサマンモナス子爵令嬢とロイド殿下の仲を取り持って、
想いが通じ合った時に、ロイド殿下やサマンモナス子爵令嬢に悪評が立たないよう、私は悪役令嬢を続けましょう。
「…カリエ、なんか違うこと考えてない?」
拳を作り、ふんっと鼻息を荒くすると、ロイド殿下の目が不審そうに私に向く。
「いいえ!わたくし、決めましたの!任せてください!殿下!」
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あまりはりきらないでと笑った。
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