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終章
あなたと描く未来図
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恥ずかしさのあまり、両手で顔を覆って視界を真っ暗にしても、やっぱりそこにもレナザードがいた。それから次々と時を巻き戻すように彼の姿が現れては消える。
窓から差し込む篝火に照らされながら私の顎を掴む彼、春本の心配をしたら真っ赤になって怒鳴った彼、雨の中でぼんやりと空を見上げる彼。
そして私の両手をぎゅっと握って、一緒に逃げようと言ってくれた幼い彼。そういえば、逃げようと言ってくれた後、続いて何かを言ってくれていたのを思い出す。でも、私は舞い上がってしまっていて、何て答えたのか覚えていない。
聞いてみても良いのだろうか、それとも自分で頑張って思い出そうか、そんなことを考えていたら、こちらに近づいて来ていた足音が静かに止まった。
「スラリス」
呼びかける声も、私の両手を掴む手つきも、どこまでも優しい。
観念して閉じた瞳を開けば、そこに紫紅色の瞳を揺らしながら私を覗き込むレナザードがいた。愛しい彼の瞳に自分だけが映る。そして愛しい彼の口がゆっくりと言葉を紡ぎ始めた。
「スラリス、お前が、あの時の……ティリアだったのか」
「はい。レナザードさま……思い出すのが遅くなってごめんなさい」
ぺこりと頭を下げたら、頭上から優しい声が降ってきてた。
「いいんだ。こうしてまた会えたのだから」
レナザードは私の手を両手で包み込み、ゆっくりと首を横に振った。
でも、まだまだ謝りたいことがある。ただ、今この場で、ごめんなさいという言葉は似合わない。だってレナザードは私の約束を守ろうとしてくれている。これは再会のやり直しなのだ。
ならば彼に伝える言葉は、謝罪ではなくて、これだ。
「レナザード様、また会えましたね」
無事に再会できたら、真っ先にこう言おうと思っていたのだ。そして、目を細めて頷いてくれた彼を見つめれば、想いはどんどん言葉となって溢れ出す。
「私のこと忘れないでいてくれて、ずっと覚えていてくれて、ありがとうございました。そしてあの炎の中、私のことを、見付けてくれてありがとうございました。私、嬉しいです。またレナザードさまと会えたこと。本当に、すごくすごく、すぅんごく嬉しいです」
そう言葉を紡いだ途端、突如としてレナザードが消えてしまい、目を丸くする。けれど手は繋いだまま。そして繋いだ手の先に視線を移せば、片膝を付いたレナザードがいた。
跪くその姿は、まるで騎士のよう。
驚きと照れくささが入り混じって、あたふたしてしまう私に、レナザードはきゅっと掴んだ両手を自分の額に付けた。
「スラリス、どうか俺の望みを聞いて欲しい」
真摯に言葉を紡ぐこの人は、私の愛する人。共に笑い、共に泣き、永遠に共にありたいと願う人。
その愛おしい彼は、強い眼差しと共に、願いを口にした。
「これから先、共に生きて欲しい。おまえの全てを俺にくれ」
その言葉に私は微笑むだけで頷くことはせず、レザナードと同じように膝を付く。
貴族の作法なんて知らない。でも、今は見下ろすことも見上げることも違うと思う。ちゃんと目を合わせたい。同じ視線で同じものを見たいと思う。
願わくば、この先に続く道もずっとずっと共にありますように。私はその祈りと共に、レナザードの手に、空いている自分の手を重ねた。
「もちろんです、レナザードさま。どうぞ受け取ってください」
そう答えれば、レナザードは笑ってくれた。幸せを形にした、こちらがぎゅっと胸を掴まれるような、そんな笑顔で。私もつられて微笑むとレナザードは私の顎に手をかけ、そっと唇を合わせた。
掠めるような、あまりにも速い口づけは、誰にも気付かれないと思ったけれど、しっかりギャラリーは見ていたようで────。
「キャー、こっから濡れ場よ濡れ場!!」
「やだっ朝っぱらから、やっちゃうの!?合体しちゃうの!?」
「うそうそっ。私見たいわっ」
「私もっ私もっ」
というコトノハとセイランの黄色い悲鳴が上がった。
首まで一気に真っ赤になった私とは対象的に、僅かに険を含ませたレナザードは、音もなく立ち上がって、くるりと振り返る。その表情は見ることができなかったかれど、一瞬で蒼白になった二人を見て、それがどういうカテゴリに含まれているものか理解できた。………見なくて良かった。
そして首を元の位置に戻したレナザードは、蕩けそうな程の柔らかい笑みを浮かべ私に手を差し伸べた。
「立てるか、スラリス」
大きな手を両手で掴んで、立ち上がろうとしたけれど、ちょっと思い出して、レナザードの腕を引く。そうすれば引き寄せられるように彼はあっさりと地面に膝を付いた。
「どうした?」
心配そうに私の顔を覗き込むレナザードに、私はユズリに相談したアレを実行してみることにした。
「レナザードさま、嘘つきって言ってごめんなさいっ」
勢い良く頭を下げた私は、これまた勢い良く顔を上げ、そのまま彼にキスをした。顎にぶつからなかったのは、我ながら上出来だ。
そして謝罪をした相手は、ゆるゆると片手で顔を覆ってしまい、しばらく沈黙してしまった。私も後ろにいるギャラリーも水を打ったように静まり返る。
「…………お前、やってくれたな」
指の隙間から私をじろりと睨みつけたレナザードは物騒な物言いだけれど、頬を赤く染めている。赤くなった顔を必死に誤魔化そうとする彼が、可愛いくて愛おしくて、私はたまらず吹き出してしまった。そして、つられるようにレナザードも、声を上げて笑う。
そんな私達の笑い声に重なるように、再び黄色い歓声が空に響いた。
「コトノハ、久しぶりにあれやって!」
「そうね、まかせて」
そんな声が聞こえてきた途端────、
「おめでとう、スラリス!これ私達からの贈り物。受け取って」
という二人の声と共に、突然、どこからともなく花吹雪が私達に降り注いだ。
はらはらと舞う花吹雪は、陽の光によって様々な色を変えるこの世のものとは思えない綺麗なもの。
それはまるで、桜の花びらのような薄紅色でもあり、薄紫色のライラックの花びらのようでもあり、まるで天使の羽のようでもあった。
更に顎を伸ばして仰ぎ見れば、本物の天使のような笑顔で、空から私を見下ろす二人がいる。二人とも仲良く手を繋ぎ、空いているほうの手で私に手を降ってくれる。
その声に応えようと手を伸ばそうとした途端、突然、空が近くなった。
それはレナザードに抱えられるように抱き上げられたから。驚いて彼の肩をぎゅっと掴む。けれど、すぐに私の両手は空を掲げた。
いきなりだったのでちょっと驚いたけれど、落とされる不安なんてない。いつだって、どんな時だって、この逞しい腕は私を暖かく包んでくれる。
だから彼に全てを預けて、私は二人に両手で手を振り返した。
色とりどりの花びらが舞う中、少し離れた場所から、ケイノフとダーナがレナザードに向かって声を掛ける。
「まあ、一旦、領地に帰還するとしましょう」
「主、今回は一緒に、匠の翁に怒られてやりますよっ」
側近たちの声にレナザードは視線だけで返事を返し、再び視線を私へと戻す。
「スラリス、アスラリア国の連中は少し離れた俺の領地に居る。落ち着いたら、一緒に会いに行こう」
当たり前のように、レナザードがこの先の未来を紡ぐ。
その声は愛しさが込められていて、当然のように紡がれた《一緒に》という言葉に、トクンと微かに胸に痛みを覚える。
でもその痛みは、すれ違っていたあの日の痛みとは全く別のもの。切なさと嬉しさと、少しのもどかしさを含んだ甘美なもの。
「はい、レナザードさま」
満面の笑みで私が頷けば、背に回っていた手が移動して、私の頬を優しく撫でる。
空から降り注いだ花びらが、瓦礫と化した屋敷に降り積もり、辺りを柔らかい色彩を放つ空間へと変えていく。
青空に舞う花吹雪。
この幸せを分かち合える人達の笑い声。
そしてレナザードは私を抱きしめたまま、大きく一歩踏み出した。遠回りした再会も、すれ違っていた日々も、涙も笑顔も、その全てを抱きしめて。
前を向いた私の視界には、真っ白な未来が見える。この色のない未来は、これから先、彼と二人で色鮮やかに描いていくもの。
今なお溢れ続けるこの想いと共に、ずっと、ずっと。
.:*゚..:。:. Fin .:*゚:.。:.
窓から差し込む篝火に照らされながら私の顎を掴む彼、春本の心配をしたら真っ赤になって怒鳴った彼、雨の中でぼんやりと空を見上げる彼。
そして私の両手をぎゅっと握って、一緒に逃げようと言ってくれた幼い彼。そういえば、逃げようと言ってくれた後、続いて何かを言ってくれていたのを思い出す。でも、私は舞い上がってしまっていて、何て答えたのか覚えていない。
聞いてみても良いのだろうか、それとも自分で頑張って思い出そうか、そんなことを考えていたら、こちらに近づいて来ていた足音が静かに止まった。
「スラリス」
呼びかける声も、私の両手を掴む手つきも、どこまでも優しい。
観念して閉じた瞳を開けば、そこに紫紅色の瞳を揺らしながら私を覗き込むレナザードがいた。愛しい彼の瞳に自分だけが映る。そして愛しい彼の口がゆっくりと言葉を紡ぎ始めた。
「スラリス、お前が、あの時の……ティリアだったのか」
「はい。レナザードさま……思い出すのが遅くなってごめんなさい」
ぺこりと頭を下げたら、頭上から優しい声が降ってきてた。
「いいんだ。こうしてまた会えたのだから」
レナザードは私の手を両手で包み込み、ゆっくりと首を横に振った。
でも、まだまだ謝りたいことがある。ただ、今この場で、ごめんなさいという言葉は似合わない。だってレナザードは私の約束を守ろうとしてくれている。これは再会のやり直しなのだ。
ならば彼に伝える言葉は、謝罪ではなくて、これだ。
「レナザード様、また会えましたね」
無事に再会できたら、真っ先にこう言おうと思っていたのだ。そして、目を細めて頷いてくれた彼を見つめれば、想いはどんどん言葉となって溢れ出す。
「私のこと忘れないでいてくれて、ずっと覚えていてくれて、ありがとうございました。そしてあの炎の中、私のことを、見付けてくれてありがとうございました。私、嬉しいです。またレナザードさまと会えたこと。本当に、すごくすごく、すぅんごく嬉しいです」
そう言葉を紡いだ途端、突如としてレナザードが消えてしまい、目を丸くする。けれど手は繋いだまま。そして繋いだ手の先に視線を移せば、片膝を付いたレナザードがいた。
跪くその姿は、まるで騎士のよう。
驚きと照れくささが入り混じって、あたふたしてしまう私に、レナザードはきゅっと掴んだ両手を自分の額に付けた。
「スラリス、どうか俺の望みを聞いて欲しい」
真摯に言葉を紡ぐこの人は、私の愛する人。共に笑い、共に泣き、永遠に共にありたいと願う人。
その愛おしい彼は、強い眼差しと共に、願いを口にした。
「これから先、共に生きて欲しい。おまえの全てを俺にくれ」
その言葉に私は微笑むだけで頷くことはせず、レザナードと同じように膝を付く。
貴族の作法なんて知らない。でも、今は見下ろすことも見上げることも違うと思う。ちゃんと目を合わせたい。同じ視線で同じものを見たいと思う。
願わくば、この先に続く道もずっとずっと共にありますように。私はその祈りと共に、レナザードの手に、空いている自分の手を重ねた。
「もちろんです、レナザードさま。どうぞ受け取ってください」
そう答えれば、レナザードは笑ってくれた。幸せを形にした、こちらがぎゅっと胸を掴まれるような、そんな笑顔で。私もつられて微笑むとレナザードは私の顎に手をかけ、そっと唇を合わせた。
掠めるような、あまりにも速い口づけは、誰にも気付かれないと思ったけれど、しっかりギャラリーは見ていたようで────。
「キャー、こっから濡れ場よ濡れ場!!」
「やだっ朝っぱらから、やっちゃうの!?合体しちゃうの!?」
「うそうそっ。私見たいわっ」
「私もっ私もっ」
というコトノハとセイランの黄色い悲鳴が上がった。
首まで一気に真っ赤になった私とは対象的に、僅かに険を含ませたレナザードは、音もなく立ち上がって、くるりと振り返る。その表情は見ることができなかったかれど、一瞬で蒼白になった二人を見て、それがどういうカテゴリに含まれているものか理解できた。………見なくて良かった。
そして首を元の位置に戻したレナザードは、蕩けそうな程の柔らかい笑みを浮かべ私に手を差し伸べた。
「立てるか、スラリス」
大きな手を両手で掴んで、立ち上がろうとしたけれど、ちょっと思い出して、レナザードの腕を引く。そうすれば引き寄せられるように彼はあっさりと地面に膝を付いた。
「どうした?」
心配そうに私の顔を覗き込むレナザードに、私はユズリに相談したアレを実行してみることにした。
「レナザードさま、嘘つきって言ってごめんなさいっ」
勢い良く頭を下げた私は、これまた勢い良く顔を上げ、そのまま彼にキスをした。顎にぶつからなかったのは、我ながら上出来だ。
そして謝罪をした相手は、ゆるゆると片手で顔を覆ってしまい、しばらく沈黙してしまった。私も後ろにいるギャラリーも水を打ったように静まり返る。
「…………お前、やってくれたな」
指の隙間から私をじろりと睨みつけたレナザードは物騒な物言いだけれど、頬を赤く染めている。赤くなった顔を必死に誤魔化そうとする彼が、可愛いくて愛おしくて、私はたまらず吹き出してしまった。そして、つられるようにレナザードも、声を上げて笑う。
そんな私達の笑い声に重なるように、再び黄色い歓声が空に響いた。
「コトノハ、久しぶりにあれやって!」
「そうね、まかせて」
そんな声が聞こえてきた途端────、
「おめでとう、スラリス!これ私達からの贈り物。受け取って」
という二人の声と共に、突然、どこからともなく花吹雪が私達に降り注いだ。
はらはらと舞う花吹雪は、陽の光によって様々な色を変えるこの世のものとは思えない綺麗なもの。
それはまるで、桜の花びらのような薄紅色でもあり、薄紫色のライラックの花びらのようでもあり、まるで天使の羽のようでもあった。
更に顎を伸ばして仰ぎ見れば、本物の天使のような笑顔で、空から私を見下ろす二人がいる。二人とも仲良く手を繋ぎ、空いているほうの手で私に手を降ってくれる。
その声に応えようと手を伸ばそうとした途端、突然、空が近くなった。
それはレナザードに抱えられるように抱き上げられたから。驚いて彼の肩をぎゅっと掴む。けれど、すぐに私の両手は空を掲げた。
いきなりだったのでちょっと驚いたけれど、落とされる不安なんてない。いつだって、どんな時だって、この逞しい腕は私を暖かく包んでくれる。
だから彼に全てを預けて、私は二人に両手で手を振り返した。
色とりどりの花びらが舞う中、少し離れた場所から、ケイノフとダーナがレナザードに向かって声を掛ける。
「まあ、一旦、領地に帰還するとしましょう」
「主、今回は一緒に、匠の翁に怒られてやりますよっ」
側近たちの声にレナザードは視線だけで返事を返し、再び視線を私へと戻す。
「スラリス、アスラリア国の連中は少し離れた俺の領地に居る。落ち着いたら、一緒に会いに行こう」
当たり前のように、レナザードがこの先の未来を紡ぐ。
その声は愛しさが込められていて、当然のように紡がれた《一緒に》という言葉に、トクンと微かに胸に痛みを覚える。
でもその痛みは、すれ違っていたあの日の痛みとは全く別のもの。切なさと嬉しさと、少しのもどかしさを含んだ甘美なもの。
「はい、レナザードさま」
満面の笑みで私が頷けば、背に回っていた手が移動して、私の頬を優しく撫でる。
空から降り注いだ花びらが、瓦礫と化した屋敷に降り積もり、辺りを柔らかい色彩を放つ空間へと変えていく。
青空に舞う花吹雪。
この幸せを分かち合える人達の笑い声。
そしてレナザードは私を抱きしめたまま、大きく一歩踏み出した。遠回りした再会も、すれ違っていた日々も、涙も笑顔も、その全てを抱きしめて。
前を向いた私の視界には、真っ白な未来が見える。この色のない未来は、これから先、彼と二人で色鮮やかに描いていくもの。
今なお溢れ続けるこの想いと共に、ずっと、ずっと。
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