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終章
あの人のその後
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どれだけ目を凝らしても、私にただいまと言ってくれた人を見付けられずにいる。そして、宵闇に消えてしまったままの小さな子供も見つけることができないでいる。
「あの、ユズリさんとリオンはどこに居ますか?」
そう問うた自分の言葉がびっくりするほど震えていることに気付く。そんな私の頭にレナザードは手を置き、くしゃくしゃと撫でながら口を開いた。
「安心しろ、リオンはここに居るし、ユズリはしばらく別件で留守にすることになっただけだ」
「……え?どうしてですか?」
リオンが無事なことにほっとしつつも、もう一人の彼女がここに居ないことを信じたくなくて、思わず追及してしまう。
ユズリが言ってくれた【ただいま】は、間違いなく本心からのものだった。けれど、夜が明けきらぬうちからここを離れてしまうなんて……そんなはずないと分かっていても、悪いことを考えてしまう。
「その方が良いからだ。ただ、ユズリはお前に【行ってきます】と言えなかったことを悔いていたぞ」
「………そうなんですか?」
疑問形になってしまったことに我ながら嫌になる。信じていたい気持はあるけれど、信じきれない自分に苛立つ。
唇を噛み締めた私を見て、レナザードはどう受け止めたのだろうか。まず聞けと前置きして、事の顛末を説明し始めた。私が理解しやすいようゆっくりと。
「まず今回のことについてだが、闇に堕ちた者が、再び自我を取り戻すなんて前例がない。と、いうことでお咎めなしだ。まぁ、一族の者の中には、口さがない連中がいるのも現実だし、無罪のユズリがわざわざそんな嫌な話を聞く必要もない。こういう時は時間が必要だ。だからユズリに少し離れた場所での仕事を命じた。もちろんユズリも納得した上で、ここを離れることを選んだんだ。と言っても、そう長くはない。すぐに戻ってくる」
「……そう……ですか」
そう説明を受けても、私はまだ心から安心して頷くことができない。
私はどんなことがあっても、レナザードの手を離すつもりはない。でも知らず知らずのうちに誰かを傷付けたという事実があったことも忘れたりしない。
ぶっちゃけた本音を言えば、これから先、私はユズリにどこまで近づいて良いのか分からない。都合の良い話かもしれないが、嫌われたくないし、他人と呼ぶ距離に戻りたくもない。だからと言って元通りになるとも思っていない。
でも、どうすれば良いのだろう。
俯いてしまった私の頬をレナザードは両手で挟み込み、優しく持ち上げる。そして目を合わせてこう言った。
「ユズリからお前に伝言を預かった。【お土産に紅茶を買ってくるから、ジャムは頑張って自分で作りなさい。レシピは追って手紙で送るから】だそうだ」
それは、ありきたりで、どこにでもありそうな伝言だけれど、私にとったらとても重要なもの。だからもう一度頭の中で繰り返して、その言葉を紡いでくれたレナザードの表情を見て、やっと理解することができた。
ユズリは行ってきますの代わりに再会の約束を残してくれたのだ。
それを確信した途端、私は満面の笑みで頷いていた。
そしてあっという間に元気を取り戻した私に、レナザードは小さく咳ばらいをして口を開いた。
「ところでスラリス。昨晩のことだが……いや、いい。何でもない。忘れてくれ」
「はい、かしこまりました」
質問から口籠り、最終的になかったことにされたけれど、敢えて追及はしないで、さらりと頷くことにする。
だってもう一人のユズリと約束したのだ。昨晩のことは内緒だと。これは女の子同士の約束。絶対に死守しなければならいもの。
間髪入れずに返事をした私に、レナザードは聞きたいことを胸の中に完全にしまってくれたようだ。けれど、その代わり、ちょっと顔を顰めて私の手をぎゅっと握ってこう言った。
「ただあんまり心配をかけるな。生きた心地がしなかった」
「はい。気を付けます」
胸を張ってそう答えたら、すかさずレナザードから、そこは絶対しないと言えっと、突っ込まれてしまった。
憮然とするレナザードの後ろで、相変わらずニヤニヤと生暖かい笑みを浮かべながら、肘を突き合う側近達がいる。ちょっとその仕草にイラッとしたので、覗き見厳禁と軽く睨んだら、ぬるっとした笑みを返されてしまった。私の完敗だった。
というのは置いといて、さて私の探し人はあと一人。小さな子供を探して視線を彷徨わせた私に気付いたのだろう。レナザードは口元に手を当てながら、私に掛ける言葉を探している。
「で、リオンのことだがな……」
そこまで言ってレナザードは続きの言葉を見つけられずにいる。なので、続きの言葉は私が引継ぐことにした。
「あ、大丈夫です。私、見付けることができました」
……っていうか、もう既にここにいる。さっきからリオンの名が出る度にじわりじわりとこちらに近づいて来る生き物がいる。
長い耳、大きなしっぽ、ふさふわの茶色の毛に覆われたそれは、ウサギと狸と狐の良いとこ取りをしたような、不思議な生き物。又の名をリオンと言う。多分。
天使のような子供が、もふもふの動物に変化したなんて聞いたら、間違いなく【この人ちょっと疲れてるんだな】と心配するか、何か辛いことでもあるのかな、と心配するけれど、宙に浮いてる少女を見た今、そんなこともあるよねーとすんなり受け入れてしまう。
という訳で、いつものように膝を折って、はしばみ色の瞳を覗き込んだ。
「リオンだよね?」
もふもふの小さな生き物は、是と返事の代わりに、顔を上げ尻尾を左右に揺らしてくれた。その姿は、愛くるしくて可愛くて悩殺モノだった。
「やだリオンったら可愛い!可愛すぎる!!」
そう叫んだ時には力いっぱいリオンを抱きしめてしまっていた。抱きしめられたリオンは苦しいのか、尻尾をぴんと立てて、私の腕の中でじたばたと暴れ出してしまった。
ごめんごめんと慌てて腕を緩めて、そっと両手で抱え込んだら、すりっと頬を寄せてくれたリオンが可愛すぎてくらりと眩暈を起こしそうになる。
再会できたことを喜んで、お互い頬を摺り寄せていた私とリオンだけれど、不意にニヤニヤ笑いを引っ込めたケイノフから質問が飛んできた。
「スラリス、あなたに会わせたい人が居るんです。会ってくれますか?」
「はい、もちろんで─────………うゎっ」
もちろんですと言いたかったけれど、最後まで言うことができなかった。
なぜなら、花の香りと共に柔らかい風が吹いたと思ったら、きゅっと細い腕に抱き着かれてしまったから。ちなみに腕の数は4本。多分、私に抱き着いたのは二人。
「初めましてスラリス、私コトノハよ!」
「私も初めまして!セイランって呼んでね」
と、いきなり銀色の髪と若葉色の髪を持つ二人の美女に抱きしめられてしまった。その登場にちょっとだけ驚いたけれど、この二人がもう一人の側近達だということはわかるので、私も初めましてと言葉をかけながら、二人の背に自分の腕を回す。
ちなみにレナザードは、押し出されると言っても過言ではない状態で、私の傍から離れ側近の元へ移動していた。
ちらりと見えた彼らの構図は、一人が小言を言って、もう二人はすみませんと頭を下げている。美女に抱き着かれたことは嬉しいので、咎めないで欲しい。ただ、それよりもさっきのニヤニヤ笑いについての禁止令を出してくれたら有難い。
と、頭の中で取り留めのないことを考えてはいるが、リオンはいつの間にかダーナの肩に移動していて、私はされるがままの状態。きゃあきゃあという黄色い歓声にどう返して良いのかわからないけれど、熱烈歓迎してくれて嬉しいので、どうぞお好きに感でいたら───。
「ほらほら、あなた達、落ち着きなさい。スラリスを驚かせない約束で、会わせて貰えたのではありませぬか?」
その声と共に再び柔らかい風が舞い、もう一人、紫紅色の髪と瞳の青年が登場した。
「はーい」
「わかってまーす」
同時に返事をした途端、あっさり私から離れた二人を見て、この人が真打だと理解する。
従って優雅な所作で私の前に立った紫紅色の髪と瞳の青年が、もう一人の誰かなんて今更確認する必要のない私は、その人に向かって丁寧に腰を折る。
顔を上げた私に、紫紅色の髪と瞳の青年は、おもむろにこう言い放った。
「レナザードを通してあなたを見ていました」
そうでしたかと頷こうとしたけれど、数拍遅れて私は固まってしまった。
だってレナザードを通して私を見ていた、ということは、即ち、嵐の晩のアレコレや、東屋でのアレコレや、バイドライル国の軍勢に囲まれた際のアレコレを見られていたということで……。そこで私の思考は完全に停止した。駄目だ考えてはいけない。
そんな私に、紫紅色の髪と瞳の青年は私の耳元で爆弾を投下した。
「胸ぐらを掴んでの口付けは、なかなか強烈で気に入りました」
「!!!!」
いやーっ!!!!と絶叫しながら、走り出したくなる。
強烈な置き土産を残してくれたその青年は優雅に一礼をすると、どんな風にでも取れるゆったりとした笑みを私に送り、二人の美女を引き連れて側近たちの元へ移動した。
入れ替わるようにレナザードが私の元へと歩を進める。けれど、どうかしたのか?と言いたそうな顔をしている。
そんなこと聞かれても答えられるわけがない。思わず両手で顔を覆ってしまう。
自分が今、どんな顔をしているのだろう。誰でも良いから、レナザードがここに来る前に、私にこっそり教えて欲しい。
「あの、ユズリさんとリオンはどこに居ますか?」
そう問うた自分の言葉がびっくりするほど震えていることに気付く。そんな私の頭にレナザードは手を置き、くしゃくしゃと撫でながら口を開いた。
「安心しろ、リオンはここに居るし、ユズリはしばらく別件で留守にすることになっただけだ」
「……え?どうしてですか?」
リオンが無事なことにほっとしつつも、もう一人の彼女がここに居ないことを信じたくなくて、思わず追及してしまう。
ユズリが言ってくれた【ただいま】は、間違いなく本心からのものだった。けれど、夜が明けきらぬうちからここを離れてしまうなんて……そんなはずないと分かっていても、悪いことを考えてしまう。
「その方が良いからだ。ただ、ユズリはお前に【行ってきます】と言えなかったことを悔いていたぞ」
「………そうなんですか?」
疑問形になってしまったことに我ながら嫌になる。信じていたい気持はあるけれど、信じきれない自分に苛立つ。
唇を噛み締めた私を見て、レナザードはどう受け止めたのだろうか。まず聞けと前置きして、事の顛末を説明し始めた。私が理解しやすいようゆっくりと。
「まず今回のことについてだが、闇に堕ちた者が、再び自我を取り戻すなんて前例がない。と、いうことでお咎めなしだ。まぁ、一族の者の中には、口さがない連中がいるのも現実だし、無罪のユズリがわざわざそんな嫌な話を聞く必要もない。こういう時は時間が必要だ。だからユズリに少し離れた場所での仕事を命じた。もちろんユズリも納得した上で、ここを離れることを選んだんだ。と言っても、そう長くはない。すぐに戻ってくる」
「……そう……ですか」
そう説明を受けても、私はまだ心から安心して頷くことができない。
私はどんなことがあっても、レナザードの手を離すつもりはない。でも知らず知らずのうちに誰かを傷付けたという事実があったことも忘れたりしない。
ぶっちゃけた本音を言えば、これから先、私はユズリにどこまで近づいて良いのか分からない。都合の良い話かもしれないが、嫌われたくないし、他人と呼ぶ距離に戻りたくもない。だからと言って元通りになるとも思っていない。
でも、どうすれば良いのだろう。
俯いてしまった私の頬をレナザードは両手で挟み込み、優しく持ち上げる。そして目を合わせてこう言った。
「ユズリからお前に伝言を預かった。【お土産に紅茶を買ってくるから、ジャムは頑張って自分で作りなさい。レシピは追って手紙で送るから】だそうだ」
それは、ありきたりで、どこにでもありそうな伝言だけれど、私にとったらとても重要なもの。だからもう一度頭の中で繰り返して、その言葉を紡いでくれたレナザードの表情を見て、やっと理解することができた。
ユズリは行ってきますの代わりに再会の約束を残してくれたのだ。
それを確信した途端、私は満面の笑みで頷いていた。
そしてあっという間に元気を取り戻した私に、レナザードは小さく咳ばらいをして口を開いた。
「ところでスラリス。昨晩のことだが……いや、いい。何でもない。忘れてくれ」
「はい、かしこまりました」
質問から口籠り、最終的になかったことにされたけれど、敢えて追及はしないで、さらりと頷くことにする。
だってもう一人のユズリと約束したのだ。昨晩のことは内緒だと。これは女の子同士の約束。絶対に死守しなければならいもの。
間髪入れずに返事をした私に、レナザードは聞きたいことを胸の中に完全にしまってくれたようだ。けれど、その代わり、ちょっと顔を顰めて私の手をぎゅっと握ってこう言った。
「ただあんまり心配をかけるな。生きた心地がしなかった」
「はい。気を付けます」
胸を張ってそう答えたら、すかさずレナザードから、そこは絶対しないと言えっと、突っ込まれてしまった。
憮然とするレナザードの後ろで、相変わらずニヤニヤと生暖かい笑みを浮かべながら、肘を突き合う側近達がいる。ちょっとその仕草にイラッとしたので、覗き見厳禁と軽く睨んだら、ぬるっとした笑みを返されてしまった。私の完敗だった。
というのは置いといて、さて私の探し人はあと一人。小さな子供を探して視線を彷徨わせた私に気付いたのだろう。レナザードは口元に手を当てながら、私に掛ける言葉を探している。
「で、リオンのことだがな……」
そこまで言ってレナザードは続きの言葉を見つけられずにいる。なので、続きの言葉は私が引継ぐことにした。
「あ、大丈夫です。私、見付けることができました」
……っていうか、もう既にここにいる。さっきからリオンの名が出る度にじわりじわりとこちらに近づいて来る生き物がいる。
長い耳、大きなしっぽ、ふさふわの茶色の毛に覆われたそれは、ウサギと狸と狐の良いとこ取りをしたような、不思議な生き物。又の名をリオンと言う。多分。
天使のような子供が、もふもふの動物に変化したなんて聞いたら、間違いなく【この人ちょっと疲れてるんだな】と心配するか、何か辛いことでもあるのかな、と心配するけれど、宙に浮いてる少女を見た今、そんなこともあるよねーとすんなり受け入れてしまう。
という訳で、いつものように膝を折って、はしばみ色の瞳を覗き込んだ。
「リオンだよね?」
もふもふの小さな生き物は、是と返事の代わりに、顔を上げ尻尾を左右に揺らしてくれた。その姿は、愛くるしくて可愛くて悩殺モノだった。
「やだリオンったら可愛い!可愛すぎる!!」
そう叫んだ時には力いっぱいリオンを抱きしめてしまっていた。抱きしめられたリオンは苦しいのか、尻尾をぴんと立てて、私の腕の中でじたばたと暴れ出してしまった。
ごめんごめんと慌てて腕を緩めて、そっと両手で抱え込んだら、すりっと頬を寄せてくれたリオンが可愛すぎてくらりと眩暈を起こしそうになる。
再会できたことを喜んで、お互い頬を摺り寄せていた私とリオンだけれど、不意にニヤニヤ笑いを引っ込めたケイノフから質問が飛んできた。
「スラリス、あなたに会わせたい人が居るんです。会ってくれますか?」
「はい、もちろんで─────………うゎっ」
もちろんですと言いたかったけれど、最後まで言うことができなかった。
なぜなら、花の香りと共に柔らかい風が吹いたと思ったら、きゅっと細い腕に抱き着かれてしまったから。ちなみに腕の数は4本。多分、私に抱き着いたのは二人。
「初めましてスラリス、私コトノハよ!」
「私も初めまして!セイランって呼んでね」
と、いきなり銀色の髪と若葉色の髪を持つ二人の美女に抱きしめられてしまった。その登場にちょっとだけ驚いたけれど、この二人がもう一人の側近達だということはわかるので、私も初めましてと言葉をかけながら、二人の背に自分の腕を回す。
ちなみにレナザードは、押し出されると言っても過言ではない状態で、私の傍から離れ側近の元へ移動していた。
ちらりと見えた彼らの構図は、一人が小言を言って、もう二人はすみませんと頭を下げている。美女に抱き着かれたことは嬉しいので、咎めないで欲しい。ただ、それよりもさっきのニヤニヤ笑いについての禁止令を出してくれたら有難い。
と、頭の中で取り留めのないことを考えてはいるが、リオンはいつの間にかダーナの肩に移動していて、私はされるがままの状態。きゃあきゃあという黄色い歓声にどう返して良いのかわからないけれど、熱烈歓迎してくれて嬉しいので、どうぞお好きに感でいたら───。
「ほらほら、あなた達、落ち着きなさい。スラリスを驚かせない約束で、会わせて貰えたのではありませぬか?」
その声と共に再び柔らかい風が舞い、もう一人、紫紅色の髪と瞳の青年が登場した。
「はーい」
「わかってまーす」
同時に返事をした途端、あっさり私から離れた二人を見て、この人が真打だと理解する。
従って優雅な所作で私の前に立った紫紅色の髪と瞳の青年が、もう一人の誰かなんて今更確認する必要のない私は、その人に向かって丁寧に腰を折る。
顔を上げた私に、紫紅色の髪と瞳の青年は、おもむろにこう言い放った。
「レナザードを通してあなたを見ていました」
そうでしたかと頷こうとしたけれど、数拍遅れて私は固まってしまった。
だってレナザードを通して私を見ていた、ということは、即ち、嵐の晩のアレコレや、東屋でのアレコレや、バイドライル国の軍勢に囲まれた際のアレコレを見られていたということで……。そこで私の思考は完全に停止した。駄目だ考えてはいけない。
そんな私に、紫紅色の髪と瞳の青年は私の耳元で爆弾を投下した。
「胸ぐらを掴んでの口付けは、なかなか強烈で気に入りました」
「!!!!」
いやーっ!!!!と絶叫しながら、走り出したくなる。
強烈な置き土産を残してくれたその青年は優雅に一礼をすると、どんな風にでも取れるゆったりとした笑みを私に送り、二人の美女を引き連れて側近たちの元へ移動した。
入れ替わるようにレナザードが私の元へと歩を進める。けれど、どうかしたのか?と言いたそうな顔をしている。
そんなこと聞かれても答えられるわけがない。思わず両手で顔を覆ってしまう。
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