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◆◇第一幕◇◆ 時空の監視者の愛情は伝わらない
扉を開いたのは、あなたではなく、あなたで………
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扉が開けば、次いで独特の足音を響かせて、あなたが姿を現してくれると思った。そして、それを迎えようと、私は小走りに扉に向かおうと思った。けれど──
「アカリ様、お待ちくださいっ」
勢いをつけて走り出そうとした私の手をエルガーが強く掴んだ。そしてそのまま、ぐんっと強く引かれ、私は彼に抱きこまれる形となてしまう。
「やっ、放してくだ…………」
「お願い、です。どうかお静かに」
バルドゥール以外の異性に身体を密着され、自分でも驚くほど不快な気持ちになる。
そしてその感情のまま、身体を捻ってもがこうとすれば、更に強く抱き込まれた挙げ句、厳しい声で制止を受けてしまった。
その突然のエルガーの変化にひゅっと喉の奥で悲鳴が漏れる。けれど、急変したのは、エルガーだけではなかった。
ついさっきまで、お気楽なムード全開で自由奔放にカードゲームを楽しんでいた他の時空の監視者達も、私に背を向けすぐそばに来ていた。よく見れば、片手は剣の柄を掴んでいる。言い換えれば、いつでも剣を抜くことができるということ。
まるで、ここにいる時空の監視者全員が、私を守るかのように。
そこで気付く。エルガーが私を引き留めたのは、この扉から入室する者が、危険人物だということに。そして思い当たる人物は一人しかいない。
思わず唾をごくりと呑む。そしてその瞬間、カツンと小さな靴音が部屋に響いた。
「皆さん、ごきげんよう」
拍子抜けするほど、可憐な少女の声だった。
肩透かしを食らったような気持ちで、思わずほっと息を吐く。けれど、時空の監視者達の表情は厳しいままだ。ついさっきまでの、くつろいでいた姿がまるで嘘のように。
ただ、それよりも、お上品な挨拶と共に入室してきた、この少女は一体誰なのだろう。
そんな私の小さな疑問は、ここにいる誰かに問える雰囲気ではない。少女は警戒心も敵対心も無いようなので、この表現は違うかもしれないが一触即発という感じで、とても空気がピリピリしている。
そんな中、鈴を転がしたかのような笑い声が部屋に響いた。それは少女から発せられたものだった。
「楽しいそうな声が聞こえてきたわ、ふふっ」
カツンと再び、小さな靴音が鳴った。しんとした部屋に少女の声だけが響く。声だけ聴いていれば、とても無邪気なもの。けれど、次の言葉に私の身体はびくっと強張っった。
「そこにいるのは、異世界の女の子…………アカリでしょ?」
例え少女だとしても、縁もゆかりもない人から、自分の名が出てくるのは妙に緊張する。まして、この状況。嬉しいと思える要素は皆無に等しい。
そして私の緊張がエルガーにも伝わったのだろう。私を抱く腕に力がこもる。できれば、それはやめて欲しい。
「狡いですわ。皆さんだけ、独り占めして。わたくしには、会わせてくれないの?」
エルガーの腕から再び逃れようとした私の耳朶に、少女の声が響く。それは拗ねた口調でいながらも、絶対に否と言わせない傲慢さがあった。
そして少女の靴音はゆっくりとこちらに近付いて、彼女が纏う水色のシフォンのドレスが視界に入った途端───。
「そこを退きなさい」
ぴしゃりと冷たい声で言った少女の言葉に、時空の監視者達は止む無くといった感じで道を作る。私を抱え込んでいるエルガーも例外ではなく、私から腕を離して、一歩後ろに退く。
そして、時空の監視者達の合間からから、少女が姿を現した。
艶のある亜麻色の髪は複雑な形に結い上げられていて、頭上には小さな王冠。そしてターコイズブルーの瞳───王様と同じ色の瞳。
これまでの態度と、時空の監視者達の態度。そして、その瞳と王冠を目にすれば、この少女が王族だということは容易に想像がつく。
それにしても、本当に美しく可愛らしい。リンさんが天使なら、その少女は、まるで花のような少女だった。
そんな花と称されるべきその王女は、手を伸ばせば触れる距離まで詰めると、私に向かってふわりと笑った。
「初めまして。私、ナシャータ」
くるりと無邪気な目を向けられてしまい、私は考える間もなく自己紹介をする。
「あ、は、初めまして。アカリです」
ついつい習性でぺこりとお辞儀をした途端、王女は私の名を呼ぶ。ただそれは、私に向かってというよりも、自分の中で確認を取るかのようだった。
そして、それを何度か繰り返したのち、王女は眩しい程の笑みを浮かべ、私の両手を取った。
「アカリ、私、あなたに会いたかったの」
「…………」
この人は王族。さすがに無難に『はぁ、そうですか』とは言えないので、ひとまず嫌な顔だけはしないように、心がける。
けれど王女は無表情を貫く私を見て、不快になるどころか、もっと笑みを深くした。それは心が喜びでいっぱいになったもの。
そしてその笑みのまま、私にもう1歩私に近付いたかと思えば、形の良い唇を私の耳に寄せた。
「………決めた。あなたにするわ」
耳に落とされたそれは、ゾッとする程、低い声だった。
本能的な危険を感じ、私は王女の手を振り解こうとする。けれど、この華奢な少女からは想像もつかない程、強い力で握り返されてしまった。
「痛っ」
骨が軋む程の握力もそうだけれど、それよりも王女の爪が皮膚に食い込んで、かなり痛い。
思わず小さな悲鳴を上げた私だったけれど、王女の表情は動かない。ただただ何が何でも手放さないという、強い執着だけが伝わってくる。
────どうしよう。私、この人が、怖い。
見た目は私と背格好は変わらない華奢な身体。私が本気で突き飛ばせば、間違いなくよろめいてしまうだろう。けれども、きっとその手は、私の手を離すことはないだろう。
これはあくまで想像の範疇だけれども、そうなると確信を持てるもの。
そしてその感情が狂気にも似たものだと気付いた途端、凶悪な獣と同じ檻に入れられたかのような恐怖が全身を駆け巡る。無意識に、身体がカタカタと小刻みに震える。
「手をお放し下さい。ナシャータ王女。アカリ様が痛がっております」
見るに見かねたのだろう。尋常ではない表情をうかべた私と王女の間にカザロフが割って入ろうとする。
けれど、王女はカザロフの言葉に頷くことはせず、露骨に顔を顰めて扉の方を向いた。ただ、その瞬間、彼女が開け放たれたままの扉に向かって、何か目配せをするのを私は見逃さなかった。
そして、はっと小さく息を呑んだと同時に、何かが肌を刺した。
でもそれは物理的にではなく、この部屋を取り巻く空気だということに気付いたのは、数拍遅れてからだった。次いで、ザッザッっと規則正しい足音が部屋に響く。次いで見覚えある人達がこの部屋に足を踏み入れた。
ただ顔に見覚えがあるわけではない。入室した人たちの服装に見覚えがあった。
それは、ついさっき城内で何度も目にした、衛兵の姿だった。しかも、それは1人や2人ではない。大勢と言っても過言ではない人数がこの部屋を埋め尽くす。もう、真っ白な壁紙よりも、彼らの青緑色の制服の方が強い。
そして最後に入室したのは、これもまたつい先程、私を鬼のような形相で睨んでいた男。そしてルークとリンさんを失敗作と言った男。───そう、クズ野郎だった。
真打登場。
皮肉った言葉を心の中で吐いてみたけれど、それを口に出せる勇気はさすがにない。けれど、睨みつけることくらいは、許容範囲だと勝手に結論付ける。
そして、部屋に入室したクズ野郎も、私を視界に収めた途端、鬼の形相を浮かべると思った。けれどその男は怒りも恨みもない感情の欠いた口調でこう言った。
「異世界の少女、アカリ。貴殿を国王暗殺の疑いにより、身柄を拘束する」と。
「アカリ様、お待ちくださいっ」
勢いをつけて走り出そうとした私の手をエルガーが強く掴んだ。そしてそのまま、ぐんっと強く引かれ、私は彼に抱きこまれる形となてしまう。
「やっ、放してくだ…………」
「お願い、です。どうかお静かに」
バルドゥール以外の異性に身体を密着され、自分でも驚くほど不快な気持ちになる。
そしてその感情のまま、身体を捻ってもがこうとすれば、更に強く抱き込まれた挙げ句、厳しい声で制止を受けてしまった。
その突然のエルガーの変化にひゅっと喉の奥で悲鳴が漏れる。けれど、急変したのは、エルガーだけではなかった。
ついさっきまで、お気楽なムード全開で自由奔放にカードゲームを楽しんでいた他の時空の監視者達も、私に背を向けすぐそばに来ていた。よく見れば、片手は剣の柄を掴んでいる。言い換えれば、いつでも剣を抜くことができるということ。
まるで、ここにいる時空の監視者全員が、私を守るかのように。
そこで気付く。エルガーが私を引き留めたのは、この扉から入室する者が、危険人物だということに。そして思い当たる人物は一人しかいない。
思わず唾をごくりと呑む。そしてその瞬間、カツンと小さな靴音が部屋に響いた。
「皆さん、ごきげんよう」
拍子抜けするほど、可憐な少女の声だった。
肩透かしを食らったような気持ちで、思わずほっと息を吐く。けれど、時空の監視者達の表情は厳しいままだ。ついさっきまでの、くつろいでいた姿がまるで嘘のように。
ただ、それよりも、お上品な挨拶と共に入室してきた、この少女は一体誰なのだろう。
そんな私の小さな疑問は、ここにいる誰かに問える雰囲気ではない。少女は警戒心も敵対心も無いようなので、この表現は違うかもしれないが一触即発という感じで、とても空気がピリピリしている。
そんな中、鈴を転がしたかのような笑い声が部屋に響いた。それは少女から発せられたものだった。
「楽しいそうな声が聞こえてきたわ、ふふっ」
カツンと再び、小さな靴音が鳴った。しんとした部屋に少女の声だけが響く。声だけ聴いていれば、とても無邪気なもの。けれど、次の言葉に私の身体はびくっと強張っった。
「そこにいるのは、異世界の女の子…………アカリでしょ?」
例え少女だとしても、縁もゆかりもない人から、自分の名が出てくるのは妙に緊張する。まして、この状況。嬉しいと思える要素は皆無に等しい。
そして私の緊張がエルガーにも伝わったのだろう。私を抱く腕に力がこもる。できれば、それはやめて欲しい。
「狡いですわ。皆さんだけ、独り占めして。わたくしには、会わせてくれないの?」
エルガーの腕から再び逃れようとした私の耳朶に、少女の声が響く。それは拗ねた口調でいながらも、絶対に否と言わせない傲慢さがあった。
そして少女の靴音はゆっくりとこちらに近付いて、彼女が纏う水色のシフォンのドレスが視界に入った途端───。
「そこを退きなさい」
ぴしゃりと冷たい声で言った少女の言葉に、時空の監視者達は止む無くといった感じで道を作る。私を抱え込んでいるエルガーも例外ではなく、私から腕を離して、一歩後ろに退く。
そして、時空の監視者達の合間からから、少女が姿を現した。
艶のある亜麻色の髪は複雑な形に結い上げられていて、頭上には小さな王冠。そしてターコイズブルーの瞳───王様と同じ色の瞳。
これまでの態度と、時空の監視者達の態度。そして、その瞳と王冠を目にすれば、この少女が王族だということは容易に想像がつく。
それにしても、本当に美しく可愛らしい。リンさんが天使なら、その少女は、まるで花のような少女だった。
そんな花と称されるべきその王女は、手を伸ばせば触れる距離まで詰めると、私に向かってふわりと笑った。
「初めまして。私、ナシャータ」
くるりと無邪気な目を向けられてしまい、私は考える間もなく自己紹介をする。
「あ、は、初めまして。アカリです」
ついつい習性でぺこりとお辞儀をした途端、王女は私の名を呼ぶ。ただそれは、私に向かってというよりも、自分の中で確認を取るかのようだった。
そして、それを何度か繰り返したのち、王女は眩しい程の笑みを浮かべ、私の両手を取った。
「アカリ、私、あなたに会いたかったの」
「…………」
この人は王族。さすがに無難に『はぁ、そうですか』とは言えないので、ひとまず嫌な顔だけはしないように、心がける。
けれど王女は無表情を貫く私を見て、不快になるどころか、もっと笑みを深くした。それは心が喜びでいっぱいになったもの。
そしてその笑みのまま、私にもう1歩私に近付いたかと思えば、形の良い唇を私の耳に寄せた。
「………決めた。あなたにするわ」
耳に落とされたそれは、ゾッとする程、低い声だった。
本能的な危険を感じ、私は王女の手を振り解こうとする。けれど、この華奢な少女からは想像もつかない程、強い力で握り返されてしまった。
「痛っ」
骨が軋む程の握力もそうだけれど、それよりも王女の爪が皮膚に食い込んで、かなり痛い。
思わず小さな悲鳴を上げた私だったけれど、王女の表情は動かない。ただただ何が何でも手放さないという、強い執着だけが伝わってくる。
────どうしよう。私、この人が、怖い。
見た目は私と背格好は変わらない華奢な身体。私が本気で突き飛ばせば、間違いなくよろめいてしまうだろう。けれども、きっとその手は、私の手を離すことはないだろう。
これはあくまで想像の範疇だけれども、そうなると確信を持てるもの。
そしてその感情が狂気にも似たものだと気付いた途端、凶悪な獣と同じ檻に入れられたかのような恐怖が全身を駆け巡る。無意識に、身体がカタカタと小刻みに震える。
「手をお放し下さい。ナシャータ王女。アカリ様が痛がっております」
見るに見かねたのだろう。尋常ではない表情をうかべた私と王女の間にカザロフが割って入ろうとする。
けれど、王女はカザロフの言葉に頷くことはせず、露骨に顔を顰めて扉の方を向いた。ただ、その瞬間、彼女が開け放たれたままの扉に向かって、何か目配せをするのを私は見逃さなかった。
そして、はっと小さく息を呑んだと同時に、何かが肌を刺した。
でもそれは物理的にではなく、この部屋を取り巻く空気だということに気付いたのは、数拍遅れてからだった。次いで、ザッザッっと規則正しい足音が部屋に響く。次いで見覚えある人達がこの部屋に足を踏み入れた。
ただ顔に見覚えがあるわけではない。入室した人たちの服装に見覚えがあった。
それは、ついさっき城内で何度も目にした、衛兵の姿だった。しかも、それは1人や2人ではない。大勢と言っても過言ではない人数がこの部屋を埋め尽くす。もう、真っ白な壁紙よりも、彼らの青緑色の制服の方が強い。
そして最後に入室したのは、これもまたつい先程、私を鬼のような形相で睨んでいた男。そしてルークとリンさんを失敗作と言った男。───そう、クズ野郎だった。
真打登場。
皮肉った言葉を心の中で吐いてみたけれど、それを口に出せる勇気はさすがにない。けれど、睨みつけることくらいは、許容範囲だと勝手に結論付ける。
そして、部屋に入室したクズ野郎も、私を視界に収めた途端、鬼の形相を浮かべると思った。けれどその男は怒りも恨みもない感情の欠いた口調でこう言った。
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