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78話 二回目の勝負
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こんな時にやるべきことではないだろう。
そちら様は元気かもしれないがこっちはついさっきまで疲労で寝ていたのだから。
「遠慮しておくよ、僕は今疲れてるんだ」
「分かってるよ。でも、シュンは僕のライバルじゃない」
ついこの前までライバルライバルと言っていたサレスティがそんな事を言うなんて変だ。
「サレスティ、らしくないな」
「シュンこそ。シュンは僕の思っているシュンじゃない」
サレスティが言うと、何かが彼の中で外れたようだった。
言葉がどんどん出てくる。
「君は、確かに僕のことをライバルとなんか思っていないかもしれない。でも、貴族だった頃のシュンは確かに強くて、貪欲で、少し感情に流されやすい部分もあったけど魔法が強くて、綺麗で。僕にとっては憧れの人だったんだ。でも、いまのシュンは違う。何かを隠してる」
でも、その言葉が僕を変えれるわけじゃない。
正真正銘、別人なんだ。
「面白い。なら、隠れたシュンを呼び出させてみな」
サレスティが驚いたようにこちらを見つめてくるがこちらのほうが驚いている。
言葉を発したのは確かに僕だった。
でも、僕はそんな事を言おうとはしていない。口が勝手に動いたんだ。
「でも、どうやって?」
「簡単なことだ。無属性魔法を使わせてくれればいい」
まさか、本当のシュンが「いる」?
無属性魔法を使えば、僕は「いなくなってしまう」?
二年前ならいなくなってしまうことを選んだだろう。
だが、今はかけがえのない人達がいる。「僕」を待っている人たちが確かに、いる。
ベッドから飛び起きて逃げた。
疲労なんて言っていられるわけがない。
そんな理由でセイヨウやフルヤさん、ユナに会えなくなるなんてまっぴらごめんだ。
サレスティが後ろから追いかけてくることにも気がついていた。
おそらく、サレスティは無属性魔法と属性魔法が使える。
どちらも使えない僕にとっては逃げるしか手段はない。
「あれ、シュンくん、そんなに慌ててどうしたの?」
ケトロムが話しかけてくるも返答している暇はなかった。
校舎の外まで逃げて、後ろを振り向く。
相変わらずサレスティが後ろから追いかけてくることが分かる。
サレスティはこういう時になると諦めるなんて選択肢はない人間だ。
絶対的な勇気と自信、今の僕にとっては恐怖でしかない。
ならば、逃げることは諦めよう。
ただ、無属性魔法を使ったとしてもすぐに乗っ取られるわけじゃない。
『次会う時は敵同士としてな……』
おそらく、あの精神世界でもう一度彼と会えるのだろう。
だから僕は、誰にも邪魔されることなく「僕」をなんとかしなければならない。
「Guard」
僕の周りに、結界が張られた。
そちら様は元気かもしれないがこっちはついさっきまで疲労で寝ていたのだから。
「遠慮しておくよ、僕は今疲れてるんだ」
「分かってるよ。でも、シュンは僕のライバルじゃない」
ついこの前までライバルライバルと言っていたサレスティがそんな事を言うなんて変だ。
「サレスティ、らしくないな」
「シュンこそ。シュンは僕の思っているシュンじゃない」
サレスティが言うと、何かが彼の中で外れたようだった。
言葉がどんどん出てくる。
「君は、確かに僕のことをライバルとなんか思っていないかもしれない。でも、貴族だった頃のシュンは確かに強くて、貪欲で、少し感情に流されやすい部分もあったけど魔法が強くて、綺麗で。僕にとっては憧れの人だったんだ。でも、いまのシュンは違う。何かを隠してる」
でも、その言葉が僕を変えれるわけじゃない。
正真正銘、別人なんだ。
「面白い。なら、隠れたシュンを呼び出させてみな」
サレスティが驚いたようにこちらを見つめてくるがこちらのほうが驚いている。
言葉を発したのは確かに僕だった。
でも、僕はそんな事を言おうとはしていない。口が勝手に動いたんだ。
「でも、どうやって?」
「簡単なことだ。無属性魔法を使わせてくれればいい」
まさか、本当のシュンが「いる」?
無属性魔法を使えば、僕は「いなくなってしまう」?
二年前ならいなくなってしまうことを選んだだろう。
だが、今はかけがえのない人達がいる。「僕」を待っている人たちが確かに、いる。
ベッドから飛び起きて逃げた。
疲労なんて言っていられるわけがない。
そんな理由でセイヨウやフルヤさん、ユナに会えなくなるなんてまっぴらごめんだ。
サレスティが後ろから追いかけてくることにも気がついていた。
おそらく、サレスティは無属性魔法と属性魔法が使える。
どちらも使えない僕にとっては逃げるしか手段はない。
「あれ、シュンくん、そんなに慌ててどうしたの?」
ケトロムが話しかけてくるも返答している暇はなかった。
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相変わらずサレスティが後ろから追いかけてくることが分かる。
サレスティはこういう時になると諦めるなんて選択肢はない人間だ。
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ならば、逃げることは諦めよう。
ただ、無属性魔法を使ったとしてもすぐに乗っ取られるわけじゃない。
『次会う時は敵同士としてな……』
おそらく、あの精神世界でもう一度彼と会えるのだろう。
だから僕は、誰にも邪魔されることなく「僕」をなんとかしなければならない。
「Guard」
僕の周りに、結界が張られた。
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