14 / 76
本編
家族の差
しおりを挟む
土曜日
獅子丸先輩の試合の日
僕は寮の前で待っていた
犬橋「おっはよう!」
「おはようございます」
少しだけど、この人のテンションにも慣れてきた
犬橋「獅子丸先輩と待ち合わせ?」
「はい。ここで待ってて欲しいそうです」
犬橋「そうなんだ!俺と熊下も見に行くんだ!」
「そうなんですか?」
犬橋「ああ!糸色と違って普通の観客席だけどw」
「すみません・・・」
犬橋「なんで謝るんだよw」
「なんか・・・その・・・申し訳なく思いまして・・・」
犬橋「気にしなくていいんだよw」
そういうと熊下さんも来て行ってしまった
「・・・」
しばらくすると獅子丸先輩が来た
獅子丸「お待たせ!」
「いえ、そんなに待ってないので」
獅子丸「そうか!じゃあ、行こうか!」
そういうと僕の手を引いて校門に向かった
そこには喫茶店のマスターと僕と同じ人間の男性がいた
「・・・」
僕は歩みを止めた
獅子丸「どうした?」
「あ、あの・・・その・・・」
僕の父親は・・・人間だ・・・
だから、人間の男性を見ると・・・
「あの・・・」
獅子丸「どうしたんだ?」
先輩は不思議そうに僕の前に屈んだ
「その・・・僕の父親は・・・人間で・・・」
獅子丸「・・・」
「だから・・・ちょっと・・・」
獅子丸「そうか・・・大丈夫!母さんはお前を殴ったりしない!今まで殴られたことなんてない!」
そういい頭を撫でてくる
「・・・」
獅子丸「大丈夫だ!安心しろ!」
そういい僕の手を引いた
マスター「大丈夫か?」
獅子丸「うん!大丈夫!」
獅子丸母「無理してない?」
「・・・」
僕は先輩のお母さんと目を合わせることができず、先輩の後ろに隠れた
獅子丸「色々あるんだよ・・・まぁ、大丈夫だ!」
そういいみんなで車に乗った
僕と先輩は後部へ、獅子丸先輩の両親は前に乗った
運転はマスターがするみたいだ
マスター「シートベルトはしっかりな?」
「・・・はい・・・」
獅子丸「わかってるよ!」
マスター「じゃあ、出すぞ」
そういい車が動き出す
先輩は僕の手を握ってくれていた
獅子丸母「二人は付き合ってるの?」
獅子丸「ああ!もちろん!」
獅子丸母「いいね!ヒロちゃんとの付き合いも高校生の頃だったよねw」
マスター「そうだったな・・・あの頃のお前はしつこくて・・・」
獅子丸母「それはヒロちゃんがタバコは吸うし、授業はサボるしで面倒見ないと留年確定だったからでしょう?」
マスター「へいへいwさすが優等生様はいうことが違うますね~」
獅子丸母「あ~!またそうやってふざけて!」
マスター「でも、事実だろう?」
獅子丸母「当時はそうだっただろうけど、今はどうかわからないよ・・・」
マスター「勉強内容とかも変わってるだろうしな・・・」
獅子丸母「まぁ、ヒロちゃんは相も変わらずサボってただろうけどね!」
マスター「うっせ~よw」
「・・・」
獅子丸「大丈夫か?」
「・・・」
僕は自分の家族と獅子丸家の違いに驚いていた
父『うぜ~な・・・』
母『ホント・・・なんでオメガなのよ・・・外に出せないじゃない・・・』
父『いっその事こいつを売っちまうか?w』
母『あ!いいかも!オメガなんだし、欲しがる人はいっぱいいるはず!』
父『でも、売るのはもったいないな・・・レンタルとかどうだ?』
母『あ!それもいいね!そうすれば定期的にお金が入ってくる!』
父『よし!決まりだな!あとはどうやってやるかだな・・・』
母『警察に捕まるのは勘弁だよ?』
父『わかってるよ・・・う~ん・・・』
と父はパソコンで調べ始めた
僕は何も感じずただ見ているだけだった
母『なに見てるのよ!!』
バシンッ!
と叩かれる
そんな日々だった
でも、結局、その『レンタル』は成功しなかった
第一回目で校長先生が来て、僕を引き取ったのだ
あの親のことだからお金を要求したかも・・・
そこまで気にしたことなかった・・
校長「おいで・・・君はもう自由だ・・・」
そう言われて僕は家を出た
最後の両親の言葉・・・
『やっといなくなった』『これで生活が楽になるわ~』
当時の僕はどうでもいい事だった
どこに行こうが、なにをされようがどうでもよかった
ただ・・・生きていられれば・・・それで・・・
そして、一ヶ月くらい校長先生の親戚の家で暮らしてから僕はハイワード学園高等学校に連れて来られた
「・・・」
獅子丸「どうしたんだ?」
「いえ・・・」
家庭によって異なる・・・
それはわかってる
でも、こんなに違うなんて・・・
獅子丸「・・・」
何かを察してくれたのか何も言わず手を強く握ってくれた
僕は窓の外を見た
泣きそうな顔を見られたくなかったのだ・・・
獅子丸先輩の試合の日
僕は寮の前で待っていた
犬橋「おっはよう!」
「おはようございます」
少しだけど、この人のテンションにも慣れてきた
犬橋「獅子丸先輩と待ち合わせ?」
「はい。ここで待ってて欲しいそうです」
犬橋「そうなんだ!俺と熊下も見に行くんだ!」
「そうなんですか?」
犬橋「ああ!糸色と違って普通の観客席だけどw」
「すみません・・・」
犬橋「なんで謝るんだよw」
「なんか・・・その・・・申し訳なく思いまして・・・」
犬橋「気にしなくていいんだよw」
そういうと熊下さんも来て行ってしまった
「・・・」
しばらくすると獅子丸先輩が来た
獅子丸「お待たせ!」
「いえ、そんなに待ってないので」
獅子丸「そうか!じゃあ、行こうか!」
そういうと僕の手を引いて校門に向かった
そこには喫茶店のマスターと僕と同じ人間の男性がいた
「・・・」
僕は歩みを止めた
獅子丸「どうした?」
「あ、あの・・・その・・・」
僕の父親は・・・人間だ・・・
だから、人間の男性を見ると・・・
「あの・・・」
獅子丸「どうしたんだ?」
先輩は不思議そうに僕の前に屈んだ
「その・・・僕の父親は・・・人間で・・・」
獅子丸「・・・」
「だから・・・ちょっと・・・」
獅子丸「そうか・・・大丈夫!母さんはお前を殴ったりしない!今まで殴られたことなんてない!」
そういい頭を撫でてくる
「・・・」
獅子丸「大丈夫だ!安心しろ!」
そういい僕の手を引いた
マスター「大丈夫か?」
獅子丸「うん!大丈夫!」
獅子丸母「無理してない?」
「・・・」
僕は先輩のお母さんと目を合わせることができず、先輩の後ろに隠れた
獅子丸「色々あるんだよ・・・まぁ、大丈夫だ!」
そういいみんなで車に乗った
僕と先輩は後部へ、獅子丸先輩の両親は前に乗った
運転はマスターがするみたいだ
マスター「シートベルトはしっかりな?」
「・・・はい・・・」
獅子丸「わかってるよ!」
マスター「じゃあ、出すぞ」
そういい車が動き出す
先輩は僕の手を握ってくれていた
獅子丸母「二人は付き合ってるの?」
獅子丸「ああ!もちろん!」
獅子丸母「いいね!ヒロちゃんとの付き合いも高校生の頃だったよねw」
マスター「そうだったな・・・あの頃のお前はしつこくて・・・」
獅子丸母「それはヒロちゃんがタバコは吸うし、授業はサボるしで面倒見ないと留年確定だったからでしょう?」
マスター「へいへいwさすが優等生様はいうことが違うますね~」
獅子丸母「あ~!またそうやってふざけて!」
マスター「でも、事実だろう?」
獅子丸母「当時はそうだっただろうけど、今はどうかわからないよ・・・」
マスター「勉強内容とかも変わってるだろうしな・・・」
獅子丸母「まぁ、ヒロちゃんは相も変わらずサボってただろうけどね!」
マスター「うっせ~よw」
「・・・」
獅子丸「大丈夫か?」
「・・・」
僕は自分の家族と獅子丸家の違いに驚いていた
父『うぜ~な・・・』
母『ホント・・・なんでオメガなのよ・・・外に出せないじゃない・・・』
父『いっその事こいつを売っちまうか?w』
母『あ!いいかも!オメガなんだし、欲しがる人はいっぱいいるはず!』
父『でも、売るのはもったいないな・・・レンタルとかどうだ?』
母『あ!それもいいね!そうすれば定期的にお金が入ってくる!』
父『よし!決まりだな!あとはどうやってやるかだな・・・』
母『警察に捕まるのは勘弁だよ?』
父『わかってるよ・・・う~ん・・・』
と父はパソコンで調べ始めた
僕は何も感じずただ見ているだけだった
母『なに見てるのよ!!』
バシンッ!
と叩かれる
そんな日々だった
でも、結局、その『レンタル』は成功しなかった
第一回目で校長先生が来て、僕を引き取ったのだ
あの親のことだからお金を要求したかも・・・
そこまで気にしたことなかった・・
校長「おいで・・・君はもう自由だ・・・」
そう言われて僕は家を出た
最後の両親の言葉・・・
『やっといなくなった』『これで生活が楽になるわ~』
当時の僕はどうでもいい事だった
どこに行こうが、なにをされようがどうでもよかった
ただ・・・生きていられれば・・・それで・・・
そして、一ヶ月くらい校長先生の親戚の家で暮らしてから僕はハイワード学園高等学校に連れて来られた
「・・・」
獅子丸「どうしたんだ?」
「いえ・・・」
家庭によって異なる・・・
それはわかってる
でも、こんなに違うなんて・・・
獅子丸「・・・」
何かを察してくれたのか何も言わず手を強く握ってくれた
僕は窓の外を見た
泣きそうな顔を見られたくなかったのだ・・・
1
あなたにおすすめの小説
【BL】『Ωである俺』に居場所をくれたのは、貴男が初めてのひとでした
圭琴子
BL
この世界は、αとβとΩで出来てる。
生まれながらにエリートのαや、人口の大多数を占める『普通』のβにはさして意識するほどの事でもないだろうけど、俺たちΩにとっては、この世界はけして優しくはなかった。
今日も寝坊した。二学期の初め、転校初日だったけど、ワクワクもドキドキも、期待に胸を膨らませる事もない。何故なら、高校三年生にして、もう七度目の転校だったから。
βの両親から生まれてしまったΩの一人息子の行く末を心配して、若かった父さんと母さんは、一つの罪を犯した。
小学校に入る時に義務付けられている血液検査日に、俺の血液と父さんの血液をすり替えるという罪を。
従って俺は戸籍上、β籍になっている。
あとは、一度吐(つ)いてしまった嘘がバレないよう、嘘を上塗りするばかりだった。
俺がΩとバレそうになる度に転校を繰り返し、流れ流れていつの間にか、東京の一大エスカレーター式私立校、小鳥遊(たかなし)学園に通う事になっていた。
今まで、俺に『好き』と言った連中は、みんなΩの発情期に当てられた奴らばかりだった。
だから『好き』と言われて、ピンときたことはない。
だけど。優しいキスに、心が動いて、いつの間にかそのひとを『好き』になっていた。
学園の事実上のトップで、生まれた時から許嫁が居て、俺のことを遊びだと言い切るあいつを。
どんなに酷いことをされても、一度愛したあのひとを、忘れることは出来なかった。
『Ωである俺』に居場所をくれたのは、貴男が初めてのひとだったから。
うそつきΩのとりかえ話譚
沖弉 えぬ
BL
療養を終えた王子が都に帰還するのに合わせて開催される「番候補戦」。王子は国の将来を担うのに相応しいアルファであり番といえば当然オメガであるが、貧乏一家の財政難を救うべく、18歳のトキはアルファでありながらオメガのフリをして王子の「番候補戦」に参加する事を決める。一方王子にはとある秘密があって……。雪の積もった日に出会った紅梅色の髪の青年と都で再会を果たしたトキは、彼の助けもあってオメガたちによる候補戦に身を投じる。
舞台は和風×中華風の国セイシンで織りなす、同い年の青年たちによる旅と恋の話です。
Ωの花嫁に指名されたけど、αのアイツは俺にだけ発情するらしい
春夜夢
BL
この世界では、生まれつき【α】【β】【Ω】という性の区分が存在する。
俺――緋月 透真(ひづき とうま)は、どれにも属さない“未分化体(ノンラベル)”。存在すら認められていないイレギュラーだった。
ひっそりと生きていたはずのある日、学園一のαで次期統領候補・天瀬 陽翔(あませ はると)に突然「俺の番になれ」と迫られ、なぜか正式なΩ候補に指名されてしまう。
「俺にだけ、お前の匂いがする」──それは、αにとって最大の禁忌だった。
忘れられない君の香
秋月真鳥
BL
バルテル侯爵家の後継者アレクシスは、オメガなのに成人男性の平均身長より頭一つ大きくて筋骨隆々としてごつくて厳つくてでかい。
両親は政略結婚で、アレクシスは愛というものを信じていない。
母が亡くなり、父が借金を作って出奔した後、アレクシスは借金を返すために大金持ちのハインケス子爵家の三男、ヴォルフラムと契約結婚をする。
アレクシスには十一年前に一度だけ出会った初恋の少女がいたのだが、ヴォルフラムは初恋の少女と同じ香りを漂わせていて、契約、政略結婚なのにアレクシスに誠実に優しくしてくる。
最初は頑なだったアレクシスもヴォルフラムの優しさに心溶かされて……。
政略結婚から始まるオメガバース。
受けがでかくてごついです!
※ムーンライトノベルズ様、エブリスタ様にも掲載しています。
転化オメガの優等生はアルファの頂点に組み敷かれる
さち喜
BL
優等生・聖利(ひじり)と校則破りの常習犯・來(らい)は、ともに優秀なアルファ。
ライバルとして競い合ってきたふたりは、高等部寮でルームメイトに。
來を意識してしまう聖利は、あるとき自分の身体に妙な変化を感じる。
すると、來が獣のように押し倒してきて……。
「その顔、煽ってんだろ? 俺を」
アルファからオメガに転化してしまった聖利と、過保護に執着する來の焦れ恋物語。
※性描写がありますので、苦手な方はご注意ください。
※2021年に他サイトで連載した作品です。ラストに番外編を加筆予定です。
☆登場人物☆
楠見野聖利(くすみのひじり)
高校一年、175センチ、黒髪の美少年アルファ。
中等部から学年トップの秀才。
來に好意があるが、叶わぬ気持ちだと諦めている。
ある日、バース性が転化しアルファからオメガになってしまう。
海瀬來(かいせらい)
高校一年、185センチ、端正な顔立ちのアルファ。
聖利のライバルで、身体能力は聖利より上。
海瀬グループの御曹司。さらに成績優秀なため、多少素行が悪くても教師も生徒も手出しできない。
聖利のオメガ転化を前にして自身を抑えきれず……。
後天性オメガは未亡人アルファの光
おもちDX
BL
ベータのミルファは侯爵家の未亡人に婚姻を申し出、駄目元だったのに受けてもらえた。オメガの奥さんがやってくる!と期待していたのに、いざやってきたのはアルファの逞しい男性、ルシアーノだった!?
大きな秘密を抱えるルシアーノと惹かれ合い、すれ違う。ミルファの体にも変化が訪れ、二次性が変わってしまった。ままならない体を抱え、どうしてもルシアーノのことを忘れられないミルファは、消えた彼を追いかける――!
後天性オメガをテーマにしたじれもだオメガバース。独自の設定です。
アルファ×ベータ(後天性オメガ)
【完結】愛されたかった僕の人生
Kanade
BL
✯オメガバース
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。
今日も《夫》は帰らない。
《夫》には僕以外の『番』がいる。
ねぇ、どうしてなの?
一目惚れだって言ったじゃない。
愛してるって言ってくれたじゃないか。
ねぇ、僕はもう要らないの…?
独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。
二人のアルファは変異Ωを逃さない!
コプラ@貧乏令嬢〜コミカライズ12/26
BL
★お気に入り1200⇧(new❤️)ありがとうございます♡とても励みになります!
表紙絵、イラストレーターかな様にお願いしました♡イメージぴったりでびっくりです♡
途中変異の男らしいツンデレΩと溺愛アルファたちの因縁めいた恋の物語。
修験道で有名な白路山の麓に住む岳は市内の高校へ通っているβの新高校3年生。優等生でクールな岳の悩みは高校に入ってから周囲と比べて成長が止まった様に感じる事だった。最近は身体までだるく感じて山伏の修行もままならない。
βの自分に執着する友人のアルファの叶斗にも、妙な対応をされる様になって気が重い。本人も知らない秘密を抱えたβの岳と、東京の中高一貫校から転校してきたもう一人の謎めいたアルファの高井も岳と距離を詰めてくる。叶斗も高井も、なぜΩでもない岳から目が離せないのか、自分でも不思議でならない。
そんな岳がΩへの変異を開始して…。岳を取り巻く周囲の騒動は収まるどころか増すばかりで、それでも岳はいつもの様に、冷めた態度でマイペースで生きていく!そんな岳にすっかり振り回されていく2人のアルファの困惑と溺愛♡
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる