出会ったのは喫茶店

ジャム

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本編

夏の大会・五日目 海とナンパ

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犬橋「久しぶりに来た!」

獅子丸「陽翔!日焼け止め塗ってやる!」

「ありがとうございます!」

次の日
僕たち三人はプールに来ていた・・・
と言いたいところだが・・・

・・・二時間前の八時頃・・・
獅子丸『折角ここまで来たんだ!海行こう!海!』

犬橋『でしたら、海水浴場に行きましょうか!』

『海・・・僕、行ったことないです・・・波にさらわれたりしません?』

犬橋『そんなこと・・・ないとは言い切れない・・・』

『・・・』

獅子丸『大丈夫!俺が傍にいる!』

『わかりました。あ、日焼け止め買わないと・・・』

獅子丸『よし!決定!!』

・・・現在・・・
僕たちは海に来ている

獅子丸「青い海!」

犬橋「白い砂浜!」

そういうと二人は僕に手を向けて

獅子丸・犬橋「はい!」

と次の言葉を僕に求めてきた

「えっと・・・自然豊かな土地・・・?」

犬橋「そこはおいしい店だろう!」

獅子丸「いや・・・水着の女性って言うのが定番だと思うが?」

犬橋「どっちでもいいですよw」

そういい犬橋は勢いよく海に向かって行った

獅子丸「元気だな~」

「先輩は行かないんですか?」

獅子丸「お前が一緒なら行く!」

「じゃあ、行きましょう!」

そういい僕たちも犬橋を追って海に向かった・・・のだが・・・

犬橋「お姉さん!俺たちと遊ばない?」

「・・・何してるんだろう・・・」

獅子丸「ナンパ・・・だろうな・・・」

僕たちは遠目から犬橋を見ていた

女性「え~wどうしようかなw」

犬橋「いいじゃん!遊ぼう!」

女性「え~wお兄さんは一人・・・じゃないよね?俺「たち」って言ってたし?」

犬橋「ああ!あそこに連れがいるよ!」

そういい僕たちを指さしてきた

女性「え・・・うそ!?獅子丸一輝じゃん!!」

その声でみんながこっちを見てくる

獅子丸「???」

(嫌な予感・・・)

僕はゆっくり先輩から離れた
そして・・・予感は的中した
一斉に海水浴に来ていた人たちが先輩に群がった

男性「本物の獅子丸だ!握手お願いします!」

女性「私にはサイン!」

獅子丸「え、いや、今はプライベートなので・・・」

先輩の声は大衆の声にかき消された

犬橋「は~い!最後尾はこちらで~す!」

犬橋はいつの間にかマネージャーみたいなことをしている

「犬橋・・・」

犬橋「糸色も並ぶか?w」

「いや、いい・・・」

なんだろう・・・
この柔軟な対応・・・
順応力って言うのかな・・・?

獅子丸「お、おい・・・犬橋・・・お前のせいなんだから何とかしろよ・・・」

犬橋「人数が多いのでお早めにお願いしま~す!」

獅子丸「聞けよ!!」

先輩の前には長蛇の列ができていた

「・・・」

僕はそれを見ながら飲み物を飲んでいた

(有名人も楽じゃないんだな・・・)

先輩は困ったような顔の笑顔でサインと握手をして、犬橋はせっせと来る人を誘導している

「・・・はぁ・・・暑いな・・・」

飲み物の氷がすぐに溶けてしまうぐらい暑い
僕は人がいなくなった砂浜から海を見た

「きれいだな・・・」

海は青く輝き、空も海のように澄み渡っていた

「・・・」

僕は先輩を見た
先輩は暑い中来る人の相手をしている
犬橋は・・・

「あれ・・・?どこに行ったんだろう・・・」

僕は犬橋を探した

「いた・・・」

犬橋「どう?一緒にさ~」

女性「う~んw」

「またナンパしてるよ・・・」

犬橋の行動力はすごいけど・・・
周りを巻き込んでることをもう少し理解してほしいな・・・
僕は砂浜に座り海を眺めていた

「・・・暇・・・」

先輩と来ると絶対に楽しいと思ったけど・・・
先輩は人々に囲まれてるし・・・
犬橋は自由奔放だし・・・

「・・・」

???「君!今暇?」

「え・・・?」

そこには狼獣人が三人いた

狼「俺たち暇してるんだ!よかったら遊ばない?」

「い、いえ・・・僕は結構です・・・」

狼「いいじゃん!!一緒にドライブでもどう?」

「いえ・・・すみません」

そういいその場を離れようとしたとき腕を掴まれた

「!?」

僕は咄嗟に腕を振り払った

「す、すみません・・・」

狼「ふぅ~ん?君~、オメガでしょう?」

「・・・」

狼「図星?w図星でしょう?w」

「・・・」

狼「じゃあさ!これからホテル行こうよ!ね!そうしよう!」

そういい僕の腕を掴んでくる

「!!」

僕は腕を払ったが三人相手に勝てるはずもなく三人に腕を掴まれ駐車場の方に引っ張られた

「あ、あの!僕は行きたくないです!は、離してください!」

狼「まぁまぁw」

狼「いいじゃん!楽しいよ!こいつなんて俺らの中でも一番デカいんだからw」

狼「長さはそうでもないがなw」

と三人は笑い僕を強引に引っ張っていく

「い、いや・・・嫌だ!!!」

狼「大丈夫だってw痛いことはしないから!w」

狼「そうそう!」

この人達、僕の話きいてるの!?

「僕は行きたくないんです!!」

狼「え~wいいじゃん!」

ダメだ・・・
この人達には何を言っても無駄だ・・・

「離してください!!」

僕は暴れるが離してくれない
このままだと・・・

犬橋「とう!!」

狼「グハッ!!!」

狼「!?」

犬橋「強引なサービスは迷惑ですよ~」

「犬橋!!」

犬橋が狼獣人の一人のあそこに蹴りを入れた
蹴りを入れられた狼獣人はその場でうずくまった

獅子丸「はぁぁぁ!!」

狼「グハッ!」

今度は先輩がもう一人の狼獣人を殴り飛ばした

狼「!?獅子丸一輝!?」

獅子丸「一応聞いておく。こいつは俺のつがいなんだが・・・それを知った上でこんなことしたのか?」

狼獣人は勢いよく首を横に振る

獅子丸「そうか・・・じゃあ、警告な?そのきたねぇ手を今すぐ放せ!!」

それを聞き手が僕から離れた
僕は先輩のもとに走った
先輩は僕の肩を抱え

獅子丸「今すぐ消えろ・・・警告は一回しかしない主義なんだ」

そういうと二人の狼獣人は走って行った

狼「いっ・・・うっ・・・」

あそこを蹴られた狼獣人は痛そうにしている

犬橋「うわ~・・・痛そう・・・」

獅子丸「お前がやったんだろう・・・」

犬橋「てへっ!」

「で、でも、助かった・・・ありがとう・・・」

犬橋「いいんだよw気が付いたら糸色が三人に連れて行かれそうになってるし、これはまずいな・・・って事件の匂いがしたから!」

獅子丸「はぁ・・・俺はお前が叫んだのが聞こえた気がしたから慌てて探してたら・・・こんなことに・・・」

「そうなんですね・・・ありがとうございます・・・」

獅子丸「いいんだ。お前が無事でよかった・・・」

と強く抱きしめてくれた

犬橋「先輩が呑気に握手とかしてるからいけないんですよ~?」

獅子丸「お前なぁ・・・一度墓に入ってみるか?」

犬橋「一生入りたくないですw」

「永遠に生きるつもり?w」

犬橋「俺は不老不死だ!w」

獅子丸「なに言ってるんだよ・・・」

そして僕たち三人はうずくまってる狼獣人を近くの医療所に連れて行き海水浴を再開した

獅子丸「俺から離れるな。わかったな?」

「はい・・・」

先輩は僕を目の届く場所に置き、ファンサービス?をしてあげていた
犬橋は相変わらずナンパをしていた・・・

犬橋「くそ~・・・みんな先輩の話題になると先輩のことしか話さない・・・つまらない~」

獅子丸「俺たちがいない時にナンパしろよ・・・」

犬橋「先輩というブランドがあるから勝負に出られるんですよ!」

獅子丸「俺を利用するな・・・」

「フフフw」

夕方になり
夕陽を見ながら砂浜に座っていた

獅子丸「ふわ~~・・・疲れた・・・なんで休みなのに疲れないといけないんだよ・・・」

犬橋「仕方ないですよ!先輩は有名なんですから!」

獅子丸「お前が『ほぼ』巻き込んだんだけどな!」

「そうだよ・・・もう少し周りに気を使わないと・・・」

犬橋「あ、やっぱり?俺・・・昔からそうなんだよね・・・人を巻き込んで・・・でも、自覚してないことが多くて・・・」

「え・・・あれってわざとじゃないの?」

犬橋「いや?俺はわざとそんなことしないよ?」

獅子丸「マネージャーみたいなことやってたじゃないか」

犬橋「あれは一斉に先輩の所に行かないように気を利かせたんですよ・・・」

「そうだったんだ・・・」

犬橋「はぁ・・・またやっちまったのか・・・すみません」

と頭を下げる犬橋

獅子丸「まぁいいよ。陽翔が無事だったわけだし」

犬橋「もしかしてだけど、糸色が三人に連れていかれたのも・・・俺が原因?」

「どうなんだろう・・・」

獅子丸「直接ではないけど、結果としては・・・そうかな・・・」

犬橋「そうか・・・ごめん・・・」

「いいよw助けてくれたしw」

犬橋「でも・・・」

「本当に気にしないでw」

犬橋「・・・うん!そういうなら気にしない!」

獅子丸「いや、気にしろよ・・・」

そして僕たちは解散した・・・
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