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本編
犬橋のコンクール
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夏休み終了二日前
獅子丸「なぁ」
「はい?」
獅子丸「さっき犬橋からこれを貰ったんだが・・・」
とチケットを見せてきた
「なんのチケットですか?」
獅子丸「前に描いた絵あっただろう?そのコンクール会場のチケットらしい」
へ~
本当に出したんだ
獅子丸「で、よかったら二人で来てほしいって言われたんだが・・・」
「楽しそうですね!行きましょうか!」
そして僕たちはコンクール会場に向かった
会場は人が多く、少し、辛かった・・・
犬橋「あ!糸色!獅子丸先輩!」
犬橋が勢いよくこちらに手を振って向かってきた
犬橋「来てくれたんだ!ありがとう!」
「こちらこそ!呼んでくれてありがとう!」
犬橋「呼ぶのは当然だろう?モデルなんだから!」
そして犬橋の絵がある場所に向かった
そこには人だかりができていて絵が見えなかった
「すごい人数だね・・・」
犬橋「なんたって『特別賞』だからな!」
獅子丸「マジか!?」
先輩はすごく驚いている
「そんなにすごいんですか?」
獅子丸「すごいなんてもんじゃないぞ!そう簡単にもらえる賞じゃないんだ!」
犬橋「獅子丸先輩とその恋人がモデルですからねwそれに・・・」
と言い僕を見てきた
「???」
犬橋「まぁ見てからのお楽しみってことで!」
と僕達は人々の間を入って行き、犬橋の作品を見た
獅子丸・僕「え・・・」
そこには先輩との鼻キスの絵以外にももう一つあって、それが『特別賞』になったみたいだ
「これ・・・」
犬橋「ふっふっふっ!祭りの時の写真だよ!すごいだろう?」
そこには僕がブドウ飴を咥えながら笑顔で振り向いている絵があった
背景に花火が描かれていて、夏らしさが伝わってくる絵だった
犬橋「題名は『ひと夏の笑顔』だ!」
獅子丸「確かに夏って感じがするな!笑顔も申し分ない!」
「そ、そうですか・・・?」
モデルになることを想定していなかったし、なんか・・・恥ずかしい・・・
獅子丸「でも、よく短期間で描いたな」
犬橋「徹夜しました・・・」
「そんなにしてまで描きたかったの?」
犬橋「創作意欲には勝てなかった!」
やっぱり欲望のままに生きてるんだ・・・
でも、それが犬橋だもんね!
犬橋「で!こっちが『純愛の形』って題名なんだ!」
そういい先輩と鼻キスの絵を紹介してくれた
獅子丸「こっちは賞はもらえなかったのか?」
犬橋「そうですね・・・獅子丸先輩をモデルにしてるので・・・それを理由に賞はもらえませんでした」
「なんで?」
犬橋「有名人を描いた絵はあまり評価してくれないみたい・・・」
「それ、おかしいよ!」
獅子丸「何もおかしいことはないぞ。有名人を描いて賞が簡単にもらえるならみんなの創作意欲が無くなる。芸術にならなくなる」
「・・・」
納得はいかないけど・・・理解はできる・・・
犬橋「そんな顔しないでw俺はこれでいいんだ!」
僕は犬橋を見た
そこには悔しそうな顔や悲しそうな顔ではなくとても満足そうにしている顔の犬橋がいた
犬橋「俺は俺の描きたい絵を描く!それが認められなくても俺は描きたい絵が描ければそれでいい!」
獅子丸「でも、それだと生活できないぞ?」
犬橋「確かに・・・そうですが・・・それでも、俺はこの考えは変えるつもりはありません!芸術は己の内から生まれるんですから!」
「フフフw」
やっぱり犬橋だな
自分をしっかり持っている
やりたいこと、叶えたいこと、描きたいこと・・・
それを自分で理解しているから作品が生まれる・・・
きっと犬橋は最高の画家になれる
そんな気がする
「応援するよ!」
犬橋「ああ!ありがとう!・・・ってことで次の絵のモデルを頼みたいんだ!」
「え!?」
犬橋「次は・・・『成長』を題材にしたいな~」
「無理!」
犬橋「今、応援するって言ってたじゃん!」
「応援はするけど協力はしないよ!?」
犬橋「いいじゃん!なぁ~糸色様~」
そういい僕に詰め寄ってくる
その顔は獲物を捕食するかのような顔だった
「来るな!寄るな!近づくな!」
僕は先輩の後ろに隠れた
獅子丸「ハハハwいいじゃないか!モデルw」
「嫌です!」
犬橋「獅子丸先輩から許可は下りた・・・もう逃げられないぞ!」
不気味な笑顔で近づいて来る犬橋
「無理!嫌!」
犬橋「よいではないか!よいではないか!」
そして僕はその場から逃げた
犬橋は僕を追いかけてきた・・・
~獅子丸視点~
「・・・」
俺は少し・・・いや、かなり嫉妬していた
犬橋に対してではない
陽翔のモデルの件に関してだ
「・・・可愛く描けてるな・・・」
この可愛さが大勢に見られると思うと・・・嫉妬してしまう
あんなこと言っておきながら心では真逆のことを思っている
モデルをしないでほしい・・・
俺だけの陽翔で居てほしい・・・
誰にもこの可愛さを見せたくない・・・
「・・・はぁ・・・大人げないな・・・」
モデルぐらいいいじゃないか
別に誰かに陽翔が取られるわけじゃないんだ
そう言い聞かせても・・・嫉妬を感じずにはいられない
陽翔は俺の所有物じゃない
一人の人だ
俺個人のわがままで拘束するようなことをしてはいけない
そんなことしたら・・・あいつの親と同じだ・・・
「・・・」
絵を見ながら自問自答していたら陽翔がやってきて俺にしがみ付いてきた
陽翔「先輩!助けて!」
犬橋「大丈夫・・・ヌードとかは求めないから・・・ただ、モデルになるだけでいい・・・」
犬橋は・・・
こういうところが周りに迷惑をかけてるんじゃないのか?
「犬橋・・・いい加減にしておけ・・・陽翔が嫌がってるんだから・・・」
犬橋「・・・そうですね!糸色が嫌がってますからねw」
陽翔「はぁ・・・助かった・・・」
俺も・・・助かった・・・
俺は陽翔の頭を撫でた
陽翔「???」
陽翔は不思議そうな顔をしていた
(ごめんな・・・こんな子供みたいな俺がつがいで・・・)
そう心で囁き陽翔に笑顔を向ける
陽翔はそれを笑顔で返してくれた
絵みたいに眩しい笑顔を・・・
獅子丸「なぁ」
「はい?」
獅子丸「さっき犬橋からこれを貰ったんだが・・・」
とチケットを見せてきた
「なんのチケットですか?」
獅子丸「前に描いた絵あっただろう?そのコンクール会場のチケットらしい」
へ~
本当に出したんだ
獅子丸「で、よかったら二人で来てほしいって言われたんだが・・・」
「楽しそうですね!行きましょうか!」
そして僕たちはコンクール会場に向かった
会場は人が多く、少し、辛かった・・・
犬橋「あ!糸色!獅子丸先輩!」
犬橋が勢いよくこちらに手を振って向かってきた
犬橋「来てくれたんだ!ありがとう!」
「こちらこそ!呼んでくれてありがとう!」
犬橋「呼ぶのは当然だろう?モデルなんだから!」
そして犬橋の絵がある場所に向かった
そこには人だかりができていて絵が見えなかった
「すごい人数だね・・・」
犬橋「なんたって『特別賞』だからな!」
獅子丸「マジか!?」
先輩はすごく驚いている
「そんなにすごいんですか?」
獅子丸「すごいなんてもんじゃないぞ!そう簡単にもらえる賞じゃないんだ!」
犬橋「獅子丸先輩とその恋人がモデルですからねwそれに・・・」
と言い僕を見てきた
「???」
犬橋「まぁ見てからのお楽しみってことで!」
と僕達は人々の間を入って行き、犬橋の作品を見た
獅子丸・僕「え・・・」
そこには先輩との鼻キスの絵以外にももう一つあって、それが『特別賞』になったみたいだ
「これ・・・」
犬橋「ふっふっふっ!祭りの時の写真だよ!すごいだろう?」
そこには僕がブドウ飴を咥えながら笑顔で振り向いている絵があった
背景に花火が描かれていて、夏らしさが伝わってくる絵だった
犬橋「題名は『ひと夏の笑顔』だ!」
獅子丸「確かに夏って感じがするな!笑顔も申し分ない!」
「そ、そうですか・・・?」
モデルになることを想定していなかったし、なんか・・・恥ずかしい・・・
獅子丸「でも、よく短期間で描いたな」
犬橋「徹夜しました・・・」
「そんなにしてまで描きたかったの?」
犬橋「創作意欲には勝てなかった!」
やっぱり欲望のままに生きてるんだ・・・
でも、それが犬橋だもんね!
犬橋「で!こっちが『純愛の形』って題名なんだ!」
そういい先輩と鼻キスの絵を紹介してくれた
獅子丸「こっちは賞はもらえなかったのか?」
犬橋「そうですね・・・獅子丸先輩をモデルにしてるので・・・それを理由に賞はもらえませんでした」
「なんで?」
犬橋「有名人を描いた絵はあまり評価してくれないみたい・・・」
「それ、おかしいよ!」
獅子丸「何もおかしいことはないぞ。有名人を描いて賞が簡単にもらえるならみんなの創作意欲が無くなる。芸術にならなくなる」
「・・・」
納得はいかないけど・・・理解はできる・・・
犬橋「そんな顔しないでw俺はこれでいいんだ!」
僕は犬橋を見た
そこには悔しそうな顔や悲しそうな顔ではなくとても満足そうにしている顔の犬橋がいた
犬橋「俺は俺の描きたい絵を描く!それが認められなくても俺は描きたい絵が描ければそれでいい!」
獅子丸「でも、それだと生活できないぞ?」
犬橋「確かに・・・そうですが・・・それでも、俺はこの考えは変えるつもりはありません!芸術は己の内から生まれるんですから!」
「フフフw」
やっぱり犬橋だな
自分をしっかり持っている
やりたいこと、叶えたいこと、描きたいこと・・・
それを自分で理解しているから作品が生まれる・・・
きっと犬橋は最高の画家になれる
そんな気がする
「応援するよ!」
犬橋「ああ!ありがとう!・・・ってことで次の絵のモデルを頼みたいんだ!」
「え!?」
犬橋「次は・・・『成長』を題材にしたいな~」
「無理!」
犬橋「今、応援するって言ってたじゃん!」
「応援はするけど協力はしないよ!?」
犬橋「いいじゃん!なぁ~糸色様~」
そういい僕に詰め寄ってくる
その顔は獲物を捕食するかのような顔だった
「来るな!寄るな!近づくな!」
僕は先輩の後ろに隠れた
獅子丸「ハハハwいいじゃないか!モデルw」
「嫌です!」
犬橋「獅子丸先輩から許可は下りた・・・もう逃げられないぞ!」
不気味な笑顔で近づいて来る犬橋
「無理!嫌!」
犬橋「よいではないか!よいではないか!」
そして僕はその場から逃げた
犬橋は僕を追いかけてきた・・・
~獅子丸視点~
「・・・」
俺は少し・・・いや、かなり嫉妬していた
犬橋に対してではない
陽翔のモデルの件に関してだ
「・・・可愛く描けてるな・・・」
この可愛さが大勢に見られると思うと・・・嫉妬してしまう
あんなこと言っておきながら心では真逆のことを思っている
モデルをしないでほしい・・・
俺だけの陽翔で居てほしい・・・
誰にもこの可愛さを見せたくない・・・
「・・・はぁ・・・大人げないな・・・」
モデルぐらいいいじゃないか
別に誰かに陽翔が取られるわけじゃないんだ
そう言い聞かせても・・・嫉妬を感じずにはいられない
陽翔は俺の所有物じゃない
一人の人だ
俺個人のわがままで拘束するようなことをしてはいけない
そんなことしたら・・・あいつの親と同じだ・・・
「・・・」
絵を見ながら自問自答していたら陽翔がやってきて俺にしがみ付いてきた
陽翔「先輩!助けて!」
犬橋「大丈夫・・・ヌードとかは求めないから・・・ただ、モデルになるだけでいい・・・」
犬橋は・・・
こういうところが周りに迷惑をかけてるんじゃないのか?
「犬橋・・・いい加減にしておけ・・・陽翔が嫌がってるんだから・・・」
犬橋「・・・そうですね!糸色が嫌がってますからねw」
陽翔「はぁ・・・助かった・・・」
俺も・・・助かった・・・
俺は陽翔の頭を撫でた
陽翔「???」
陽翔は不思議そうな顔をしていた
(ごめんな・・・こんな子供みたいな俺がつがいで・・・)
そう心で囁き陽翔に笑顔を向ける
陽翔はそれを笑顔で返してくれた
絵みたいに眩しい笑顔を・・・
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