出会ったのは喫茶店

ジャム

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本編

先輩不在の三日間・三日目

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次の日
今日は学校は祝日でお休みだ

犬橋「休みだぁぁぁ!!」

熊下「朝からうるさいぞ・・・」

「元気だね~w」

犬橋のテンションがおかしくなっている

「二人は今日はなにか予定でもあるの?」

熊下「俺は部活がある」

犬橋「俺は絵を仕上げたい!」

二人にはそれぞれやりたいこと、やることがあるみたい
僕は・・・

熊下「そういう糸色は?」

「僕はいつも暇だよw」

犬橋「じゃあ!」

「嫌!」

犬橋「即答!?何も言ってないのに!?」

「モデルでしょう?嫌だよ・・・」

犬橋「ちっwバレたかw」

熊下「お前の頼み事はそれ以外ないだろう・・・」

モデルは嫌だけど・・・なにか趣味を見つけないとな・・・
そして熊下は部活へ、犬橋は部屋に行ってしまった
僕はなにもすることがない・・・

「・・・」

僕はスマホを見た
先輩からはなにも来ていない
きっと楽しんでいるのだろう

「・・・」

なんかモヤモヤする・・・
心の奥が締め付けられる感覚・・・

「・・・嫉妬・・・かな・・・」

きっと嫉妬してるんだろう
先輩も・・・こんな思いをしたんだな・・・

「・・・出かけよう」

僕は寮を出た
特になにか目的があるわけではない
ただ、ブラブラ街を歩いていた
そして気が付いたら喫茶店の前に来ていた

「いつの間に・・・」

ここは・・・僕にとって、とても大切な場所だ
先輩と出会った・・・大切な・・・場所・・・

カランコロン

中に入った

マスター「いらっしゃ・・・おう!糸色くん!どうしたんだい?」

「いえ、なんとなく・・・」

マスター「・・・まぁ折角来たんだ。なにか飲むかい?サービスするよ?」

「・・・じゃあ・・・ココアをください」

マスター「はいよw」

そういい僕は窓際の席に座った

獅子丸『お待たせしました。ココアです』

「!?先輩!?」

マスター「え・・・?」

一瞬先輩に見えた
元々すごく似てはいるけど・・・

マスター「・・・ここいいかな?」

と僕の向かいの席に座った

マスター「・・・寂しい?」

「・・・」

マスター「一輝がいなくて寂しい?」

「・・・はい・・・」

マスター「今日の夕方には帰ってくるよ?あと少しの辛抱だよ?」

「・・・」

マスター「なにかあったのか?」

「・・・」

マスター「・・・」

「・・・今日、先輩から連絡が来てないんです・・・」

マスター「・・・」

マスターは静かに聞いてくれた

「昨日までは先輩から連絡があったのに・・・楽しんでるんだと思うんです。でも、連絡がないと・・・不安というか・・・その・・・」

マスター「嫉妬してしまうと・・・」

「はい・・・」

マスター「・・・糸色くんから連絡はしたのかい?」

「いえ・・・邪魔しちゃ悪いと思いまして・・・」

マスター「連絡してみたらどうだい?」

「でも・・・」

マスター「もしかしたら一輝は糸色くんが連絡してくれるのを待ってるのかもしれないよ?」

「・・・」

マスター「まぁ連絡しなくても夕方には帰ってくるけどな」

「そうですね・・・」

少しの沈黙のあと

マスター「ん!」

とマスターがエプロンを渡してきた

「???」

マスター「バイト代は出す。ちょっとでいい。店を手伝ってくれ」

「え!?」

マスター「学園祭の話は一輝から聞いた。接客うまいんだって?」

「そ、そんなことは・・・」

マスター「まぁ働いてみろw少しは気分を紛らわせることができるのは保障するよw」

「・・・」

僕はエプロンを受け取り着た

マスター「学園祭の時と一緒だ。客を案内して注文を俺に伝えるだけだ。ドリンクは糸色君が作るんだよ?」

「作れますかね・・・」

マスター「わからなければ教える。心配するな!」

そして僕は喫茶店で働いた
お客さんは常連さんが多いみたいでみんな気さくな人ばかりだった
中には人間のお客さんもいた
獅子獣人と人間の同性カップルみたい
とても仲がよさそうに見える

マスター「あの人達は昔はここら辺に住んでて時々来てくれるんだよ」

「そうなんですか?」

マスター「ああ。今は千葉に住んでて子供もいる」

「どっちかがオメガってことですよね?」

マスター「ああ。人間の方がそうだよ!」

そうなんだ・・・
僕はその夫婦を見た
笑顔で明るい・・・
そして・・・

「・・・」

僕はその夫婦と自分を重ねていた
先輩と結婚して、こうやって笑いあって生きていけたら・・・いいな・・・

獅子「マスター!お会計お願いします!」

マスター「はいよ」

そして夫婦は帰って行った

「・・・」

マスター「どうしたんだい?」

「僕も・・・いつかは先輩とああいう風になれるのかな・・・って・・・」

マスター「・・・なれるよ」

「そうですか?」

マスター「ああ!」

そういい頭を撫でてきた

マスター「一輝は糸色君が大好きだからw」

「・・・」

マスター「家ではうるさいくらい糸色君の話をするよ?w」

「そうなんですか?」

マスター「ああw可愛いとか早く結婚したいとかw」

それを聞き顔が熱くなる

マスター「そろそろ一輝が学校に着くころだな・・・行ってあげてよw」

「はい!」

僕はエプロンを脱ぎ急いで学園に向かった
学園に着くとまだ先輩は帰ってきてなかった

「ま、間に合った・・・」

息を切らせながら囁く

犬橋「お!帰ってきた!」

犬橋が校門のところにいた

「犬橋?どうしてここに?」

犬橋「先輩たちが可愛い後輩の俺にお土産を買ってきてくれたかのチェックのためw」

「すごい執念・・・」

熊下「いや、ここまでくると呪念(じゅねん)だな・・・買ってこなかったら呪われそう・・・」

「熊下も来たんだ!」

熊下「うんwお土産・・・ゴホンッ!兄弟の迎えぐらいね!」

今、お土産と聞こえた気がしたんだが・・・
そして少しするとバスが来た

犬橋「来た来た!お土産が!」

熊下「お前は・・・」

「先輩・・・」

そして先輩たちがバスから降りてきた

獅子丸「陽翔!!」

「先輩!!」

と荷物を投げ出し先輩が僕に抱き着いてきた

獅子丸「寂しかったよ!」

「僕も寂しかったです!」

そういいお互い強く抱きしめあう

獅子丸「ごめんな・・・連絡できなくて・・・」

「なんで・・・連絡してくれなかったんですか?」

獅子丸「充電器忘れてな・・・電池が切れちゃったんだ・・・」

犬橋「ほかの人に借りればよかったんじゃ・・・ウグッ」

熊下「お前は口をはさむな!」

獅子丸「すまないな・・・」

「いえ・・・」

先輩は犬橋の言葉を聞かなかったことにしたみたい

先生「獅子丸!集合!」

獅子丸「は~い!じゃあ、あとで部屋に行くからな!」

「待ってます!」

そういい荷物をもっていってしまった
僕はそれを見届けてから部屋に戻った
しばらくすると先輩が部屋にきてくれた

獅子丸「陽翔!」

「先輩!」

先輩は僕を抱き上げると強く抱きしめてきた

獅子丸「陽翔・・・陽翔・・・」

「先輩・・・」

いつまでも抱きかかえてくれる
僕は嬉しくて仕方なかった

獅子丸「寂しかったよな・・・」

「寂しかったです。でも・・・いい経験になりました」

獅子丸「ん?」

「先輩の存在を再認識できましたw」

獅子丸「そうかw」

そういいキスをしてきた

ドクンッ!

「あ・・・」

獅子丸「どうした?」

ドクンッ!ドクンッ!

どうやら発情期が来たみたい
薬は飲んでるから誘惑香は出てないけど

獅子丸「お前・・・熱・・・あるのか?熱いぞ?」

「あ、その・・・ん・・・」

先輩の手が肌を撫でると声が出てしまう

獅子丸「!!なるほどw」

先輩は気づいたみたいで、僕をベッドに寝かせるとネクタイを緩めて

獅子丸「今夜は寝れないなw」

「はいw」

そして・・・僕の発情期が始まった・・・
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