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本編
秘密のサプライズ
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お父さんのお誕生日から数日後の土曜日
僕は遅めの起床をした
「おはよう!」
犬橋「お、おはよう!」
廊下で会った犬橋に挨拶をしたら何かを後ろに隠した
「ん?なにを隠したの?」
犬橋「な、なんでもない!」
「???」
犬橋は急ぎ足で部屋に入ってしまった
「変なの」
変なのはいつものこと・・・なんて言ったら酷いかなw
そして、ホールへ下りて行くとそこには熊下兄弟がいた
「おはようございます!」
熊下兄弟「!?」
二人はすごく驚いていた
そして机に広げていた何かを隠していた
熊下「糸色!?なんで?」
「なんでって・・・朝なんだから・・・もうお昼になっちゃうけどねw」
寮長「そ、そうだよな。さ、佐助。部屋に・・・」
熊下「う、うん。ごめんねwちょっと兄弟で・・・ねw」
そういうと行ってしまった
「???」
熊下も寮長も・・・今日は変だな
まぁいいけど
ホールでお茶を飲みながらテレビでニュースを見ていた
キャスター『本日は1月〇〇日!外は快晴で朝日が気持ちいい一日です!さて!本日のニュースは・・・』
「・・・」
ニュースはありふれた内容で特に面白いことは言ってなかった
「・・・」
暇だった僕は一輝にメールをした
『もしお暇でしたら出かけませんか?』
返事はすぐに帰ってきた
獅子丸『すまない。今日はダメなんだ』
『なにか用事があるんですか?』
獅子丸『ああ。とても大切な用がな』
『じゃあ、今度また出かけましょう!』
獅子丸『すまないな』
「・・・」
いつもの一輝ならOKしてくれるのに・・・
まぁ一輝も忙しい時があるだろうし、仕方ないよね
「・・・暇だな・・・」
こんなに暇なことってあったかな・・・?
前にもあった気がする・・・
その時も趣味を見つけないとって思ったんだよね。たしか
「・・・出かけようかな」
僕は支度をして外出をした
デパートに向かい本屋さんに来た
「・・・これいいかも」
編み物の本を手に取った
「・・・あ。でも、もう少しで冬が終わるんだよね・・・」
せめて秋に始めないとね・・・
「・・・ん?」
お店の外に目をやるとお父さんが歩いていた
大荷物を抱えて
「お父さん!」
校長「!?は、陽翔!?ど、どうしてここに?」
「暇だったのでwお父さんは・・・買い物ですか?」
校長「え、そ、そうだよwいろいろ入用でねw」
「手伝いますよ!」
そういい荷物を持とうとしたとき
校長「いえいえw大丈夫だよw」
と、僕の手を優しく触る
校長「今日は・・・ゴホン!これは全部私のなので・・・自分のは自分で・・・ねw」
「???」
校長「陽翔はなにか買わないのかい?」
「欲しいのないんですよね・・・」
校長「・・・読書は好き?」
「わからないです・・・」
校長「ものは試しだねw私の持っている本でよければ貸すよwついておいで!」
僕はお父さんについて行った
そして
校長「到着!」
そこには立派な一軒家があった
「ここは?」
校長「私の家だよwどうぞ!」
と言われ僕は家にお邪魔した
校長「この部屋に本があるんだ!」
そういい扉を開けると壁一面に本がたくさんあった
「す、すごい・・・」
校長「ここには様々な本あるから、好きに読んでみてねw」
「おすすめってありますか?」
校長「おすすめか・・・そうだね・・・」
お父さんは本棚からたくさんの本を取り出し
校長「これがおすすめかなw」
とテーブルに本を積み重ねた
「お、多い・・・ですねw」
校長「これだけあれば・・・」
「???」
校長「いえwこっちの話ですwでは、ひとまずこれを全部読んでみてくださいw」
そういうとお父さんは部屋を出て行ってしまった
僕は本を一冊手に取った
「・・・オメガの宿命・・・?」
この本はどうやら『オメガ』の苦悩を書いた本らしい
残念ながら僕はオメガってことで悩んだことがなかったんだよね
そう思いながら本を読んだ
「・・・」
何時間たっただろう
時計を見たらもうお昼を過ぎていた
「お腹空いたな・・・」
僕は部屋を出た
そしたらいい匂いがした
「いい匂い・・・」
校長「おや?今呼びに行こうと思ってたんだよwご飯にしようか!」
食卓にはオムライスがあった
「おいしそう!」
校長「久しぶりに作ったから味の保証はできないけどねw」
そして・・・
「ん!おいしい!」
校長「それはよかった!」
僕が食べている姿をお父さんは見ていた
「どうしましたか?」
校長「いやwおいしそうに食べるな~とw」
「おいしいですよ?」
校長「フフフw」
お父さんは嬉しそうにしていた
そして食後のお茶を飲んでいた時
ピロンッ!
お父さんのスマホが鳴った
校長「・・・」
「・・・」
お父さんはそれを見て笑顔になり
校長「では、行こうか!」
「え?どこへ?」
校長「君の居るべき場所にw」
「???」
そう促され僕はお父さんについて行った
お父さんは荷物を抱えて・・・
そして着いたのは・・・
「寮・・・ですね」
校長「言っただろう?君の居るべき場所だとwさ!入ろう!」
そしてお父さんが入り、あとに続いて入った
その時
パンッ!パンッ!
「!?」
「「「お誕生日おめでとう!」」」
「???」
獅子丸「陽翔!」
「一輝!」
獅子丸「ごめんな・・・少し冷たくしすぎたよな・・・」
「そんなことないですが・・・これは?」
校長「今日は君が産まれた日なんだよ!」
「え!?そうなんですか!?」
獅子丸「ああ!校長先生の誕生日の後に聞いたら今日だって聞いてみんなでこっそり準備してたんだ!」
そうだったんだ・・・
犬橋「糸色!はい!プレゼント!」
熊下「え!?開幕早々!?」
犬橋「早く見せたくて!」
僕は犬橋から包みを受け取り開けた
そこには・・・
「え・・・」
犬橋「いや~モデルがいいといいのが描けるよな~」
そこには空を見上げ少し微笑む僕が描かれていた
桜の花びらが舞い、暖かそうな・・・そして、幸せそうな僕が・・・
「あ、ありがとう!」
犬橋「おう!」
熊下「俺からも・・・はい!」
寮長「ん・・・」
「ありがとうございます!」
二人から受け取り開けた
中身は手作りのブレスレットとキーホルダーだった
熊下「結構頑張ったんだよ!」
寮長「うん」
熊下「兄ちゃんは何度も失敗してたけどねw」
「ありがとう・・・」
僕は小声で言った
嬉しくてたまらなかった
友から・・・先輩から・・・プレゼントをもらって・・・
校長「では、今度は私が・・・どうぞ!」
「これは・・・」
それは数えきれないほどのプレゼントだった
中身は本に洋服に小物入れだったり・・・
校長「運ぶのが大変でしたw」
犬橋「多すぎ・・・」
校長「そうですね・・・w少し多いですねw」
熊下「少し・・・ですか・・・?」
校長「まぁ・・・その・・・ねw」
「「「???」」」
お父さんは言葉を濁した
「ありがとうございます!」
校長「!?」
「???」
お父さんは一瞬驚いた顔をした
校長「いえw17歳の誕生日おめでとう!陽翔!」
そして・・・
寮長「獅子丸。お前は?」
獅子丸「俺は・・・ここでは・・・ねw」
熊下「じゃあ、あとでですか?」
獅子丸「まぁ・・・そうだなw」
犬橋「え~どんなのあげるか見たかったです!」
獅子丸「それは・・・陽翔が言いたいならあとで聞けw」
そして僕のパーティは進んでいった
校長「さて・・・そろそろお開きにしましょう!この後も陽翔には予定があるそうですし?w」
熊下「そうですねwそうしましょうw」
寮長「ああ」
犬橋「い・と・し・き・!」
「な、なに?」
犬橋「帰ってきたら何を貰ったか教えてね~?」
「か、考えとくw」
そして僕は一輝と寮を出た
獅子丸「やっと二人っきりだな!」
「そうですねw」
獅子丸「・・・なぁ」
「はい?」
獅子丸「そろそろ・・・ため口じゃ・・・ダメかな?」
「え・・・」
獅子丸「付き合って、名前で呼び合ってるのに敬語だし・・・それに名前は呼び捨てなのに・・・おかしいだろう?」
「じゃ、『さん』をつけますね!」
獅子丸「そう意味じゃないんだよ・・・」
「・・・」
獅子丸「な?いいだろう?」
「わ、わかった!」
獅子丸「ありがとう!」
そして・・・公園にきた
獅子丸「俺、今回のプレゼントだけはめっちゃ考えたんだ・・・」
「そうなの?」
獅子丸「ああ。前に簡単みたいなこと言っただろう?」
「うん」
獅子丸「それは日々の小さなプレゼントであってこういう特別な時は・・・ちゃんと考えたいなって思って・・・」
「・・・」
獅子丸「で・・・なにも思いつかなかった・・・」
「・・・」
獅子丸「ずっと考えてたんだ。何をプレゼントしたら喜ぶだろうって・・・お前なら何をあげても喜ぶとは思う。でも、それ以上に喜んでほしくて・・・結局・・・何も用意できなかった・・・すまない・・・」
そういい僕に頭を下げてきた
獅子丸「大切なつがいの誕生日にプレゼントも用意できないなんて・・・ホントに申し訳ない・・・」
「・・・」
僕は無言で一輝の顔を優しく掴み顔を上げさせた
「気にしてないよw」
獅子丸「・・・」
「プレゼントが無くても、一輝が傍にいてくれればそれでいいの」
獅子丸「でも・・・」
「僕の一番のプレゼントは一輝です」
獅子丸「え・・・」
「プレゼントは形だけじゃない。ここに作っていくものなんでしょう?」
そういい一輝の胸に手を置いた
獅子丸「その言葉・・・」
「ある人が言ってた。『物はここにある思い出を思い出すための道具でしかない。一番大切なのは心に刻むものだ!』と」
獅子丸「・・・」
「なら、僕に必要なのは『思い出』だよ。一輝の笑顔、泣き顔、悲しい顔、怒った顔・・・それは全部僕の心にあって・・・今もずっと作られ続けている。だから、僕には一輝がいればそれで充分なんだよ!」
獅子丸「陽翔・・・そうだよなw」
「僕は『一輝』という一筋の輝きがあればいいんだよw」
獅子丸「一筋の輝き・・・そうだな!俺は『一輝』だもんな!お前を一生照らすからな!」
と眩しい笑顔を向けてきた
僕も笑顔を向ける
獅子丸「あ、でも、一つだけお前に渡す・・・と言うより・・・その・・・」
「???」
そして一輝の尻尾が手に絡んできた
獅子丸「お前を・・・抱きたい」
「構わないけど・・・」
獅子丸「場所なら用意してあるんだ!家には誰もいない!」
「フフフw用意がいいですねw」
獅子丸「これは絶対に外せないと思ってたからな!」
そして僕は一輝の尻尾に掴まりながら一輝の家に向かった・・・
~校長視点~
「ふぅ・・・疲れたな・・・」
私は家に帰ってきてソファに腰を下ろした
「うっ・・・食べすぎたかな・・・」
少し・・・苦しい・・・
「・・・陽翔・・・」
あの時の笑顔・・・
「昔・・・見たな・・・」
実の息子の笑顔・・・
あれは陽翔が小学生のころだったか・・・
仕事を何とか終わらせてプレゼントを抱えて家に帰った時、すごく嬉しそうにしていた
その時の笑顔と同じだった
「やっぱり・・・生まれ変わりなんだね・・・」
そうとしか思えないことが重なり続けている
それに・・・もう一つ・・・
「陽翔・・・誕生日おめでとう・・・」
私は実の息子の写真に向かって囁く
今日は息子の誕生日
陽翔と同じ・・・
「これを偶然で片付けるには・・・無理があると思うんだよね・・・」
産まれた年は違えど、同性同名、瓜二つ、同じ誕生日・・・
ここまで一緒だと、私も信じざるおえない・・・
「やっぱり・・・お前なんだな・・・」
そう思うとプレゼントをたくさんあげたくなった
実の息子にあげられなかった分も・・・
「・・・フフw陽翔はすごいなw生まれ変わって私の元に戻ってきてくれたんだねw」
そんなこと・・・ないと思いつつ、どうしてもそう思ってしまう
それは私のエゴ
でも、それでいいんだ
陽翔を縛っているわけではない
いつかは・・・
「その日まで・・・親の務めは果たす・・・なにがあっても・・・」
そして私は寝室に向かった・・・
僕は遅めの起床をした
「おはよう!」
犬橋「お、おはよう!」
廊下で会った犬橋に挨拶をしたら何かを後ろに隠した
「ん?なにを隠したの?」
犬橋「な、なんでもない!」
「???」
犬橋は急ぎ足で部屋に入ってしまった
「変なの」
変なのはいつものこと・・・なんて言ったら酷いかなw
そして、ホールへ下りて行くとそこには熊下兄弟がいた
「おはようございます!」
熊下兄弟「!?」
二人はすごく驚いていた
そして机に広げていた何かを隠していた
熊下「糸色!?なんで?」
「なんでって・・・朝なんだから・・・もうお昼になっちゃうけどねw」
寮長「そ、そうだよな。さ、佐助。部屋に・・・」
熊下「う、うん。ごめんねwちょっと兄弟で・・・ねw」
そういうと行ってしまった
「???」
熊下も寮長も・・・今日は変だな
まぁいいけど
ホールでお茶を飲みながらテレビでニュースを見ていた
キャスター『本日は1月〇〇日!外は快晴で朝日が気持ちいい一日です!さて!本日のニュースは・・・』
「・・・」
ニュースはありふれた内容で特に面白いことは言ってなかった
「・・・」
暇だった僕は一輝にメールをした
『もしお暇でしたら出かけませんか?』
返事はすぐに帰ってきた
獅子丸『すまない。今日はダメなんだ』
『なにか用事があるんですか?』
獅子丸『ああ。とても大切な用がな』
『じゃあ、今度また出かけましょう!』
獅子丸『すまないな』
「・・・」
いつもの一輝ならOKしてくれるのに・・・
まぁ一輝も忙しい時があるだろうし、仕方ないよね
「・・・暇だな・・・」
こんなに暇なことってあったかな・・・?
前にもあった気がする・・・
その時も趣味を見つけないとって思ったんだよね。たしか
「・・・出かけようかな」
僕は支度をして外出をした
デパートに向かい本屋さんに来た
「・・・これいいかも」
編み物の本を手に取った
「・・・あ。でも、もう少しで冬が終わるんだよね・・・」
せめて秋に始めないとね・・・
「・・・ん?」
お店の外に目をやるとお父さんが歩いていた
大荷物を抱えて
「お父さん!」
校長「!?は、陽翔!?ど、どうしてここに?」
「暇だったのでwお父さんは・・・買い物ですか?」
校長「え、そ、そうだよwいろいろ入用でねw」
「手伝いますよ!」
そういい荷物を持とうとしたとき
校長「いえいえw大丈夫だよw」
と、僕の手を優しく触る
校長「今日は・・・ゴホン!これは全部私のなので・・・自分のは自分で・・・ねw」
「???」
校長「陽翔はなにか買わないのかい?」
「欲しいのないんですよね・・・」
校長「・・・読書は好き?」
「わからないです・・・」
校長「ものは試しだねw私の持っている本でよければ貸すよwついておいで!」
僕はお父さんについて行った
そして
校長「到着!」
そこには立派な一軒家があった
「ここは?」
校長「私の家だよwどうぞ!」
と言われ僕は家にお邪魔した
校長「この部屋に本があるんだ!」
そういい扉を開けると壁一面に本がたくさんあった
「す、すごい・・・」
校長「ここには様々な本あるから、好きに読んでみてねw」
「おすすめってありますか?」
校長「おすすめか・・・そうだね・・・」
お父さんは本棚からたくさんの本を取り出し
校長「これがおすすめかなw」
とテーブルに本を積み重ねた
「お、多い・・・ですねw」
校長「これだけあれば・・・」
「???」
校長「いえwこっちの話ですwでは、ひとまずこれを全部読んでみてくださいw」
そういうとお父さんは部屋を出て行ってしまった
僕は本を一冊手に取った
「・・・オメガの宿命・・・?」
この本はどうやら『オメガ』の苦悩を書いた本らしい
残念ながら僕はオメガってことで悩んだことがなかったんだよね
そう思いながら本を読んだ
「・・・」
何時間たっただろう
時計を見たらもうお昼を過ぎていた
「お腹空いたな・・・」
僕は部屋を出た
そしたらいい匂いがした
「いい匂い・・・」
校長「おや?今呼びに行こうと思ってたんだよwご飯にしようか!」
食卓にはオムライスがあった
「おいしそう!」
校長「久しぶりに作ったから味の保証はできないけどねw」
そして・・・
「ん!おいしい!」
校長「それはよかった!」
僕が食べている姿をお父さんは見ていた
「どうしましたか?」
校長「いやwおいしそうに食べるな~とw」
「おいしいですよ?」
校長「フフフw」
お父さんは嬉しそうにしていた
そして食後のお茶を飲んでいた時
ピロンッ!
お父さんのスマホが鳴った
校長「・・・」
「・・・」
お父さんはそれを見て笑顔になり
校長「では、行こうか!」
「え?どこへ?」
校長「君の居るべき場所にw」
「???」
そう促され僕はお父さんについて行った
お父さんは荷物を抱えて・・・
そして着いたのは・・・
「寮・・・ですね」
校長「言っただろう?君の居るべき場所だとwさ!入ろう!」
そしてお父さんが入り、あとに続いて入った
その時
パンッ!パンッ!
「!?」
「「「お誕生日おめでとう!」」」
「???」
獅子丸「陽翔!」
「一輝!」
獅子丸「ごめんな・・・少し冷たくしすぎたよな・・・」
「そんなことないですが・・・これは?」
校長「今日は君が産まれた日なんだよ!」
「え!?そうなんですか!?」
獅子丸「ああ!校長先生の誕生日の後に聞いたら今日だって聞いてみんなでこっそり準備してたんだ!」
そうだったんだ・・・
犬橋「糸色!はい!プレゼント!」
熊下「え!?開幕早々!?」
犬橋「早く見せたくて!」
僕は犬橋から包みを受け取り開けた
そこには・・・
「え・・・」
犬橋「いや~モデルがいいといいのが描けるよな~」
そこには空を見上げ少し微笑む僕が描かれていた
桜の花びらが舞い、暖かそうな・・・そして、幸せそうな僕が・・・
「あ、ありがとう!」
犬橋「おう!」
熊下「俺からも・・・はい!」
寮長「ん・・・」
「ありがとうございます!」
二人から受け取り開けた
中身は手作りのブレスレットとキーホルダーだった
熊下「結構頑張ったんだよ!」
寮長「うん」
熊下「兄ちゃんは何度も失敗してたけどねw」
「ありがとう・・・」
僕は小声で言った
嬉しくてたまらなかった
友から・・・先輩から・・・プレゼントをもらって・・・
校長「では、今度は私が・・・どうぞ!」
「これは・・・」
それは数えきれないほどのプレゼントだった
中身は本に洋服に小物入れだったり・・・
校長「運ぶのが大変でしたw」
犬橋「多すぎ・・・」
校長「そうですね・・・w少し多いですねw」
熊下「少し・・・ですか・・・?」
校長「まぁ・・・その・・・ねw」
「「「???」」」
お父さんは言葉を濁した
「ありがとうございます!」
校長「!?」
「???」
お父さんは一瞬驚いた顔をした
校長「いえw17歳の誕生日おめでとう!陽翔!」
そして・・・
寮長「獅子丸。お前は?」
獅子丸「俺は・・・ここでは・・・ねw」
熊下「じゃあ、あとでですか?」
獅子丸「まぁ・・・そうだなw」
犬橋「え~どんなのあげるか見たかったです!」
獅子丸「それは・・・陽翔が言いたいならあとで聞けw」
そして僕のパーティは進んでいった
校長「さて・・・そろそろお開きにしましょう!この後も陽翔には予定があるそうですし?w」
熊下「そうですねwそうしましょうw」
寮長「ああ」
犬橋「い・と・し・き・!」
「な、なに?」
犬橋「帰ってきたら何を貰ったか教えてね~?」
「か、考えとくw」
そして僕は一輝と寮を出た
獅子丸「やっと二人っきりだな!」
「そうですねw」
獅子丸「・・・なぁ」
「はい?」
獅子丸「そろそろ・・・ため口じゃ・・・ダメかな?」
「え・・・」
獅子丸「付き合って、名前で呼び合ってるのに敬語だし・・・それに名前は呼び捨てなのに・・・おかしいだろう?」
「じゃ、『さん』をつけますね!」
獅子丸「そう意味じゃないんだよ・・・」
「・・・」
獅子丸「な?いいだろう?」
「わ、わかった!」
獅子丸「ありがとう!」
そして・・・公園にきた
獅子丸「俺、今回のプレゼントだけはめっちゃ考えたんだ・・・」
「そうなの?」
獅子丸「ああ。前に簡単みたいなこと言っただろう?」
「うん」
獅子丸「それは日々の小さなプレゼントであってこういう特別な時は・・・ちゃんと考えたいなって思って・・・」
「・・・」
獅子丸「で・・・なにも思いつかなかった・・・」
「・・・」
獅子丸「ずっと考えてたんだ。何をプレゼントしたら喜ぶだろうって・・・お前なら何をあげても喜ぶとは思う。でも、それ以上に喜んでほしくて・・・結局・・・何も用意できなかった・・・すまない・・・」
そういい僕に頭を下げてきた
獅子丸「大切なつがいの誕生日にプレゼントも用意できないなんて・・・ホントに申し訳ない・・・」
「・・・」
僕は無言で一輝の顔を優しく掴み顔を上げさせた
「気にしてないよw」
獅子丸「・・・」
「プレゼントが無くても、一輝が傍にいてくれればそれでいいの」
獅子丸「でも・・・」
「僕の一番のプレゼントは一輝です」
獅子丸「え・・・」
「プレゼントは形だけじゃない。ここに作っていくものなんでしょう?」
そういい一輝の胸に手を置いた
獅子丸「その言葉・・・」
「ある人が言ってた。『物はここにある思い出を思い出すための道具でしかない。一番大切なのは心に刻むものだ!』と」
獅子丸「・・・」
「なら、僕に必要なのは『思い出』だよ。一輝の笑顔、泣き顔、悲しい顔、怒った顔・・・それは全部僕の心にあって・・・今もずっと作られ続けている。だから、僕には一輝がいればそれで充分なんだよ!」
獅子丸「陽翔・・・そうだよなw」
「僕は『一輝』という一筋の輝きがあればいいんだよw」
獅子丸「一筋の輝き・・・そうだな!俺は『一輝』だもんな!お前を一生照らすからな!」
と眩しい笑顔を向けてきた
僕も笑顔を向ける
獅子丸「あ、でも、一つだけお前に渡す・・・と言うより・・・その・・・」
「???」
そして一輝の尻尾が手に絡んできた
獅子丸「お前を・・・抱きたい」
「構わないけど・・・」
獅子丸「場所なら用意してあるんだ!家には誰もいない!」
「フフフw用意がいいですねw」
獅子丸「これは絶対に外せないと思ってたからな!」
そして僕は一輝の尻尾に掴まりながら一輝の家に向かった・・・
~校長視点~
「ふぅ・・・疲れたな・・・」
私は家に帰ってきてソファに腰を下ろした
「うっ・・・食べすぎたかな・・・」
少し・・・苦しい・・・
「・・・陽翔・・・」
あの時の笑顔・・・
「昔・・・見たな・・・」
実の息子の笑顔・・・
あれは陽翔が小学生のころだったか・・・
仕事を何とか終わらせてプレゼントを抱えて家に帰った時、すごく嬉しそうにしていた
その時の笑顔と同じだった
「やっぱり・・・生まれ変わりなんだね・・・」
そうとしか思えないことが重なり続けている
それに・・・もう一つ・・・
「陽翔・・・誕生日おめでとう・・・」
私は実の息子の写真に向かって囁く
今日は息子の誕生日
陽翔と同じ・・・
「これを偶然で片付けるには・・・無理があると思うんだよね・・・」
産まれた年は違えど、同性同名、瓜二つ、同じ誕生日・・・
ここまで一緒だと、私も信じざるおえない・・・
「やっぱり・・・お前なんだな・・・」
そう思うとプレゼントをたくさんあげたくなった
実の息子にあげられなかった分も・・・
「・・・フフw陽翔はすごいなw生まれ変わって私の元に戻ってきてくれたんだねw」
そんなこと・・・ないと思いつつ、どうしてもそう思ってしまう
それは私のエゴ
でも、それでいいんだ
陽翔を縛っているわけではない
いつかは・・・
「その日まで・・・親の務めは果たす・・・なにがあっても・・・」
そして私は寝室に向かった・・・
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表紙絵、イラストレーターかな様にお願いしました♡イメージぴったりでびっくりです♡
途中変異の男らしいツンデレΩと溺愛アルファたちの因縁めいた恋の物語。
修験道で有名な白路山の麓に住む岳は市内の高校へ通っているβの新高校3年生。優等生でクールな岳の悩みは高校に入ってから周囲と比べて成長が止まった様に感じる事だった。最近は身体までだるく感じて山伏の修行もままならない。
βの自分に執着する友人のアルファの叶斗にも、妙な対応をされる様になって気が重い。本人も知らない秘密を抱えたβの岳と、東京の中高一貫校から転校してきたもう一人の謎めいたアルファの高井も岳と距離を詰めてくる。叶斗も高井も、なぜΩでもない岳から目が離せないのか、自分でも不思議でならない。
そんな岳がΩへの変異を開始して…。岳を取り巻く周囲の騒動は収まるどころか増すばかりで、それでも岳はいつもの様に、冷めた態度でマイペースで生きていく!そんな岳にすっかり振り回されていく2人のアルファの困惑と溺愛♡
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