崩壊した世界を共に

ジャム

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僕らの真実

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ディカルド「君たちは特別な存在なんだ」

クルス「特別?」

ディカルド「ああ!特に・・・ハルトくん・・・君はね?」

「ぼ、僕・・・ですか?」

ディカルド「まずそれを説明する前に一つ疑問に思っていることを教えてあげよう」

疑問に思っていること?

クルス「・・・シェルターのことだな?」

ディカルド「ああ。なぜ君たちがシェルターにいたのか・・・なぜ君たちだけ生き残ったのか・・・」

そして長い話が始まった・・・

ディカルド「まず、君たちはあのシェルターがなぜ存在してるか知っているかい?」

クルス「・・・未来に有益と思われる存在を保護、保管する・・・だろう?」

ディカルド「そうだね。でも、実態は違かっただろう?」

「・・・」

クルス「・・・」

ディカルド「あのシェルターは『耐性』を持つ人たちを保存する施設だったんだよ」

「耐性?」

ディカルド「そう。核戦争による放射能に対する耐性をもつ人達が集められて保存する施設なんだよ」

クルス「ってことはハルトや俺にはその耐性があるのか?」

ディカルド「ハルトくんには・・・そうだね」

「僕には・・・?クルスさんは?」

ディカルド「あの施設で完璧な耐性を持っているのはハルトくん。君だけなんだよ」

「え・・・?」

クルス「じゃあ、なんで俺や他の奴も保存する必要があった?」

ディカルド「それは少なからず耐性を持ってはいたからね。それに耐性を持つ子孫を残し繁栄させるためでもある」

クルス「・・・」

「それって・・・」

ディカルド「君以外の人は君の遺伝子を継ぐ子を作るためのお相手だったってことだ」

「!?」

クルス「・・・」

ディカルド「まぁ、全員がそうではないけどね」

クルス「・・・どういう意味だ?」

ディカルド「ハルトくんの親は当たり前だがお相手から除外される。それ以外にも『相性』『好意』『信頼関係』・・・様々な要因がなくては子孫を残せない。だから、その要因を埋めるためにたくさんの『候補』をあの施設に集めたんだよ」

クルス「・・・」

「・・・つまり・・・僕の相手を何人も用意してその中から相手を見つけて・・・子孫を・・・?」

ディカルド「そういうことだね!でも、不測の事態が起こってしまった・・・」

クルス「・・・施設の緊急プロトコル・・・」

ディカルド「ああ。職員の一人が精神異常を起こした。それで殺し合いが始まってしまった・・・」

「殺し合い・・・」

ディカルド「そして・・・施設の機能がほとんど停止してしまった・・・ハルトくんとクルスくんのポット以外ね」

クルス「それは・・・偶然なのか?」

ディカルド「いや、偶然じゃない」

「それはどういう意味ですか?」

ディカルド「ハルトくんとクルスくんの相性は97%・・・ほぼ間違いなく、相手になると判断したんだ」

クルス「判断「した」?その言い方・・・なにかしたのか?」

ディカルド「ああ。私は君たち二人のポットへの電力供給をし続けた。時が来るまでね」

クルス「で、目覚めた時が・・・その時だったと?」

ディカルド「ああ」

「で、でも・・・なんで耐性があるってわかるんですか?」

ディカルド「それは昔のデータを見ればわかる」

そういうと壁に映像が流れそこに僕の情報が載っていた

モニター「ハルト・デュオス。14歳。放射能耐性100%。体調良好。心拍数やや早め」

クルス「・・・ずっと見ていたって・・・こういうことか・・・」

ディカルド「ああ。もちろんクルスくんの情報も見ていたよ?」

モニター「クルス・ベアー。25歳。放射能耐36%。体調良好。心拍数正常」

ディカルド「ね?」

「・・・でも、本当に僕に・・・耐性が?」

ディカルド「ああ!もちろん!」

「・・・」

ディカルド「信じられない・・・って顔だね?じゃあ、証拠を見せてあげよう!」

パチンッ!

ディカルドさんが指を鳴らした
その時、地響きが起き

クルス「!?外が・・・」

窓の外が動いていた

ディカルド「動いているのはこの部屋だよ?」

そして何かの実験室みたいなところに移動した
窓から見てみるとそこにはミュータントと鹿が柵に遮られた状態でいた

クルス「・・・なにを見せたいんだ?」

ディカルド「見ていたまえ。やってくれ」

そういうとミュータントと鹿の間にあった柵が開いていく
そして

「!?」

クルス「・・・」

ミュータントは鹿を捕まえると食べ始めた
僕は目を逸らした

ディカルド「目を逸らしたら証拠を見せられないだろう?」

僕は覚悟してみた

「・・・え・・・?」

食べられている鹿の傷口から緑の何かが広がっていく
そして・・・

鹿「グルルルルル!」

鹿が立ち上がりミュータントに攻撃をし始めた

ディカルド「これでわかったかい?」

クルス「これのどこが証拠なんだ。ただの感染する工程を見せられただけじゃないか」

ディカルド「おや?気づかないのかい?」

そういうと壁に写真が映し出された
そこには僕がミュータントに捕まり舐められているところが映っていた

クルス「っ!?お、おい!これ・・・」

「・・・」

あの時・・・僕は確かに舐められた

ディカルド「これがハルトくんに耐性があるっていう証拠になる」

クルス「ハルト・・・これはホントか?」

「・・・うん」

クルス「・・・信じるしか・・・ないか・・・」

ディカルド「信じてもらえたところで、本題に移ろうか!と、言ってもほとんど話してしまったがね!」

「・・・」

クルス「・・・」

ディカルド「ハルトくんには耐性がある。クルスくんはお相手として不足はない。そうなると後は子孫を残していってもらいたいんだが・・・」

クルス「・・・」

「・・・」

僕はお腹を押さえた

ディカルド「もうそれは済ませてるよね!」

「・・・」

クルス「お前たちはなにが目的なんだ?なんでそこまで詳しく知ってるんだ?」

ディカルド「目的は話したと思ったんだけど・・・そうだね・・・未来のため・・・かな!」

クルス「未来?」

ディカルド「今、この世界に耐性がある人は一人もいない。そんな中でハルトくんだけが耐性があっても仕方ない。なら子孫を残してもらって将来的に耐性を持つ人を増やしてもらうしかないんだよ」

クルス「・・・」

「・・・な、なんでそこまで詳しく知っているんですか?」

ディカルド「詳しく知っている理由は・・・そのシェルターの創立者が私の先祖だからだね」

クルス「!?」

「!?」

ディカルド「そしてずっと管理をしていたんだ」

「・・・ふざけないで!!」

僕は机を叩き立ち上がった

クルス「!?」

「ずっと見ていた?管理していた?ふざけるな!あんたが・・・あんたが僕の親を殺したってことか!」

ディカルド「正確には違うが、まぁ・・・元を辿れば私たちの管理不足による結果ではあるね」

「・・・」

クルス「・・・」

カシャン!

クルスさんがディカルドさんにピストルを構えた

クルス「・・・」

ディカルド「恋人のため、手を汚す・・・か?」

クルス「管理不足という言葉で片づけないでほしいな。ハルトは本気で傷つき涙を流した。それを簡単に言うな」

そういい引き金に指をかける

ディカルド「・・・そうだね。じゃあ、撃てばいい」

クルス「・・・」

そして

バンッ!

クルスさんは引き金を引いた

カキンっ!

「っ!?」

クルス「!?」

弾は何かに弾かれ床に転がった

ディカルド「すまないね。私も死にたくはないからね。保険をかけさせてもらった」

クルスさんは弾が弾かれた場所に触れた

クルス「・・・防弾ガラス?」

ディカルド「それより性能がいい物だよ。説明は省くが、クルスくんはハルトくんが関わると暴力的になる傾向がある。そこを考えるとこれぐらいしないとね?」

クルス「・・・全部、お見通し・・・ってことか?」

ディカルド「ああ。ハルトくんが怒るのは想定外だったけどね?」

「・・・」

クルス「お前たちは・・・ハルトに子供を産む生産機にでもなれっていうのか?」

クルスさんの手は握りこぶしになっていて震えていた

ディカルド「そんな機械みたいなことは言わないよ?ただ、普通に生き残り、子孫を残してほしいと言っているだけだ。できれば多くの子を産んでほしいけどね」

「・・・」

クルス「ふざけるなよ・・・」

ディカルド「でも、未来のためにも・・・」

クルス「そんなの関係ない!俺はお前たちが決めた道を歩むつもりはない!!」

ディカルド「・・・」

クルス「俺たちは俺たちの道を行く!お前たちに決められてたまるか!!」

そういうと僕の手を引いた

クルス「行くぞ!」

そういい入口に向かっていった
そして扉を出ようとしたとき

ガシャン!
カチャ!

扉が閉まりカギがかけられた

クルス「なんのつもりだ?」

ディカルド「なぜ君たちをここに招待したと思っているんだい?」

「・・・返すつもりはない・・・ってことですか?」

ディカルド「そういうこと!」

パチン!

ディカルドさんが指を鳴らした

「うわっ!?」

天井から変な機械が出てきて僕は拘束された

クルス「ハルト!!この・・・ハルトを離せ!!」

ディカルド「すまないけど、それはできないね。この子にはこれからたくさん産んでもらわないといけないからね!」

「僕は産まない!!」

ディカルド「そうか・・・なら無理やりになってしまうけど・・・仕方ないよね?」

そして僕は天井に引き込まれてしまった・・・


・・・クルス視点・・・
「ハルト!!てめぇ・・・!!」

ディカルド「友好的でいてくれることを願っていたのだが・・・」

「なにが友好的だ!!敵意はないと言っておきながら!!」

ディカルド「敵意はないよ?危害を加えないとは言ってないけどね?」

「この・・・!!」

俺は強化ガラスを殴った

ディカルド「やめておきなよ。それはロケットランチャーでも壊れないんだよ?」

「うるせぇ!!ハルトを返せ!!」

俺は何度もガラスを殴った
拳から血が出ても殴り続けた
ディカルドはお茶を飲みながら俺を見ていた

「返せ!!!この!!!」

ディカルド「諦めなって・・・ケガが酷くなるだけだよ?」

「うるせぇ!!」

何度殴ったか・・・
殴っていた部分のガラスは血で染まっていた
それとヒビも少し入っていた

「はぁ・・・はぁ・・・いっ・・・」

ディカルド「だからやめなって言ったのに・・・」

「う、うるせぇ・・・返せよ・・・ハルトを・・・」

ディカルド「さて・・・やっと二人っきりになれたんだ。ここからは子供は抜き。大人同士で話し合おうじゃないか」

クルス「・・・どういうことだ・・・?」

ディカルド「私個人の目的でハルトくんには退場してもらったんだ」

クルス「ど、どういう意味だ・・・?」

ディカルド「それはこれから話そうか」
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