崩壊した世界を共に

ジャム

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頼み事

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数時間後
空が夕日で赤くなったころ

クルス「到着っと・・・」

「久しぶりに来たね」

クルス「そうだな」

マナ「・・・」

マナさんの身体は震えていた

ネピー「あ!やっぱり!こんな夕方になにか・・・え・・・あなた!!」

マナ「こ、こんにちわ~」

ネピー「マナ・フォード!!警備!指名手配犯よ!!捕まえて!!」

「え!待ってください!!」

僕の声は届かず、警備の人達が大勢来た
僕はクルスさんの抱きかかえられてバイクから離れた

マナ「え!?ちょ!?」

警備「大人しくしろ!!」

警備「大犯罪者め!!」

クルス「ま、待て!話を聞け!!」

「待ってください!!」

僕とクルスさんの声は警備の人達の声にかき消される

バンッ!!

その時銃声が鳴り響いた
銃声に驚きみんな静かになる

クルス「人の話を聞け!」

クルスさんが空に向かってピストルを撃ったみたいだ

クルス「ネピー。市長を呼んでくれないか?」

ネピー「え、あ、わかった」

しばらくすると市長さんが現れた

市長「これは・・・一体どういうことかな?」

クルス「ご相談があります」

市長「???」

クルスさんは市長さんにマナさんの受け入れのお願いをした

市長「う~ん・・・」

クルス「無理を言ってるのは承知してます」

市長「・・・マナくんはね。市民の一人を傷つけ逃げたんだよ」

クルス「!?」

「!?」

市長「最初は口論だったらしいがエスカレートしてね・・・」

「その人は?」

市長「ああ。今では元気に生活をしているよ!でも・・・きっと恨んでいるかもしれないね・・・」

「・・・」

クルス「・・・受け入れは難しい・・・ですよね」

市長「そうだね・・・もし受け入れてもずっと牢屋の中になるだろう・・・」

マナ「・・・」

市長「それでもいいなら・・・受け入れるのを検討しよう」

クルス「・・・どうする?」

マナ「・・・」

クルス「お前が決めろ」

マナ「・・・」

マナさんは俯いて考えているみたいだ

マナ「・・・わかった・・・それでもいい・・・」

市長「・・・じゃあ、しばらく考えるから一日だけ待ってほしい」

クルス「わかりました」

ネピー「その間、どうするの?」

市長「・・・投獄するしかないだろう」

マナ「・・・」

そしてマナさんは連れていかれた

ネピー「今日は泊まっていくの?」

クルス「ああ」

ネピー「わかったわ。じゃあ、もう夜になるし、明日ね!」

そして僕たちも中に入った

ガイア「ハルト!!」

「あ!」

ミミア「ハルト~!」

入口を入ると二人に出会った

ガイア「久しぶり!」

と、抱き着いてきた

「久しぶり!」

ミミア「今日はどうしたの?」

「ちょっとね~」

ガイア「・・・ん?ハルト・・・匂い・・・」

「ん?」

ガイア「いつもと違う匂いがする」

「え?そう?」

僕は自分の匂いを嗅いだ
でも、わからなかった

「どんな匂い?臭い・・・とか?」

ガイア「違う違う!臭くないよ!・・・なんか・・・この人の匂いがする」

そういいガイアはクルスさんを指さした

クルス「・・・」

「クルスさんの匂い?」

どんな匂い?
獣・・・臭いってわけではないよね?多分・・・

クルス「俺の匂いがするってことは・・・わかるよな?」

ガイア「・・・」

ガイアは俯いた

「ガイア?」

ミミア「あ~あ。ガイアの完全敗北じゃん!」

ガイア「・・・っ!」

ガイアは何も言わず走って行ってしまった

「あ!ガイア!」

僕はガイアを追いかけようとした
でも、それをクルスさんが止めた

クルス「ほっとけ」

「でも・・・」

ミミア「いいんだよ!そっとしておこう?」

「う、うん・・・」

どうしていきなり行っちゃったんだろう?

クルス「・・・まだ気づかないのか・・・」

「ん?」

クルス「あいつはお前が好きなんだよ」

「・・・え?」

ミミア「会った時から好きだったんだって!一目惚れってやつ!」

「そ、そうだったんだ・・・」

だからあの時のクルスさん強引だったんだ・・・
他のオスの匂いってやっぱり嫌なんだ・・・

ミミア「まぁガイアが失恋してへこむのはいつものことだから!」

「そうなの?」

ミミア「うん!何度目の失恋だろう・・・確か・・・16・・・17だったかな?」

クルス「結構してるな・・・」

ミミア「好きになる人のほとんどが他に相手がいるからね~。そもそも告白一つまともにできない時点でガイアに勝ち目はないんだけどね~」

と笑いながらミミアは帰って行った

「・・・知らなかった・・・」

クルス「お前は鈍すぎだ」

「???」

クルス「・・・はぁ・・・まぁいい。帰るぞ」

そして僕たちは家に向かった
家に入るとクルスさんが抱きしめてきた

クルス「・・・」

「・・・」

こうなることは予想済み
だから驚きもしなかった

クルス「・・・」

クルスさんは自分の匂いをこすりつけるように身体を動かしていた

「そんな念入りにやらなくても・・・」

クルス「他のオスの匂いがするのは気に食わない」

そういい、いつまでも身体をこすりつけてきた
しばらくやると満足したのか離れた

クルス「腹減ったな~」

「そうだね~」

クルス「今日はなに食べようかな・・・」

「僕、いつもの食べたい!」

クルス「・・・酒場に行ってみようか?」

「え?未成年で行っていいの?」

クルス「ハハハ。今更法律なんて気にするか?」

「あ、そうだよね!」

と、笑うと僕たちは酒場に向かった・・・
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