崩壊した世界を共に

ジャム

文字の大きさ
69 / 91

無邪気な生命

しおりを挟む
次の日
「お邪魔します!」

クルス「お邪魔します」

キャリー「いらっしゃい!」

僕たちはキャリーさんの家に来た

クルト「アブ~」

キャリー「あらあら。どうしたの?」

クルト君がハイハイしてこっちに来た

「かわいい~!!」

その姿は本当にかわいかった
プニプニしてて、無邪気な笑顔・・・
かわいいの言葉以外思いつかない

クルス「しばらく見ない間に大きくなったな~」

キャリー「フフフ。子供はあっという間に大きくなるからね。それにこの子よくミルクを飲むからね~」

クルス「仕事の間、子供はどうしてるんだ?」

キャリー「ネピーさんが預かってくれてる!夜泣きとかしないから預けるのも心配ないし」

クルス「そうか」

キャリー「本当・・・色々助けられてるよ」

「・・・うわっ」

クルト「バ~ブ~!」

クルトくんが僕の足を掴んで昇ってきた

「ちょ・・・危ないよ!」

僕は座った
その上にクルトくんが乗ってきた

「はぁ・・・びっくりした~・・・」

クルス「ハハハ!人気者だな!」

キャリー「きっとハルトくんのこと好きなのよ!」

「そ、そうかな?」

クルトくんは僕の上でご機嫌そうに身体を揺らしている

「あ!・・・おっと!・・・」

僕はクルトくんの動きに翻弄されていた
しばらく僕の上で遊んだ後、クルスさんのところに向かって行った

クルス「お?俺と遊ぶか~?」

そういいクルトくんを抱きかかえると高い高いをした

クルト「キャッキャッ」

クルトくんは楽しそうだ

「ふぅ~・・・」

僕は一安心した

キャリー「どうだった?」

「ハラハラしっぱなしでした・・・」

キャリー「子供ってそういうものよ。好奇心旺盛で少し目を離したらどこかに行っちゃうし」

「危ないですね・・・」

キャリー「そうね・・・母親や父親がしっかり見てないと危ないね」

「キャリーさんはそれを一人でやってるんですよね・・・すごいですね」

キャリー「父親がわからないからね・・・でも、後悔してないし、産んでよかったと思ってるよ」

「そうなんですか?」

キャリー「ええ。産むときは不安だらけだったよ?産んでも取り上げられるだろうし、こんな世の中で子供なんて邪魔になる・・・この子を不幸にしてしまう・・・そう思ったもの」

「・・・」

キャリー「でも、産んでみたらそんな不安吹き飛んじゃった!」

「そう・・・なんですか?」

キャリー「ええ。クルトを産んでからなんかすごく無敵な気がしたのよ。この子のためなら何でもできる!って。それで逃げ出すことができたの。きっと産まなかったらいつまでもあいつらのおもちゃとして生きてたと思う」

「・・・」

キャリー「なんの計画もなく逃げ出したから結局、餓死寸前だったけどね・・・」

「・・・」

キャリー「でも、ハルトくんたちに出会えてよかった・・・本当に・・・」

「・・・」

キャリー「あの時、どうしたらいいかわからなかったのよね・・・もういっその事・・・この子と・・・。でも、そんなこともできなくて・・・」

キャリーさんは目に涙を浮かべていた

キャリー「フフフ。ごめんなさい。もう過去のことはいいわよね!」

「・・・お聞きしていいですか?」

キャリー「ん?」

「子供ができたってわかった時・・・どうでしたか?」

キャリー「どう・・・って?」

「不安だったり・・・怖かったり・・・」

キャリー「そうね・・・絶望・・・に近い気持ちだったわね」

「絶望・・・」

キャリー「誰の子かわからない。あんな奴らの誰かの子供だと思うと・・・絶望でしかなかったな・・・」

「それでも産む決断をしたんですね」

キャリー「うん。最初は堕ろそうと思った。でも、お腹が大きくなるにつれて愛しくなってね。結局産むことにしたの」

「・・・」

キャリー「なんで聞くの?」

「なんとなく・・・僕もいつか産むときがくると思うと・・・怖くて・・・」

キャリー「・・・」

「こんな世界で子育てなんて・・・できるわけ・・・ないよ・・・」

僕はうずくまり泣いた
キャリーさんは僕の背中をさすってくれる

キャリー「そうよね・・・不安よね・・・。子供を抱えてこの世界を動き回るのは命取りになるかもしれない・・・そう思うよね」

「はい・・・」

キャリー「私もクルトを抱えて逃げたとき大変だったもの。運がいいのか敵に遭遇しても泣かなかったから助かったけど・・・もし泣いてたら・・・きっと生きてないと思う」

「うぅ・・・」

キャリー「でも、もしハルトくんの子供ができても大丈夫よ!」

「なんで・・・そう言えるんですか?」

キャリー「だって、見てみてよ」

僕は顔を上げ目の前をみた

クルス「いてて・・・髭はやめてくれ・・・」

そこにはクルトくんがクルスさんのお髭を引っ張って遊んでいる姿があった

キャリー「あなたは一人じゃない。クルスさんがいる。もちろん私もいるよ!」

「・・・」

クルト「あ~う~」

クルトくんが僕のところに来た

「どうしたの?」

クルト「ば~」

クルトくんは僕の頬を触る
そして僕の涙を拭った

キャリー「フフフ。泣かないでって言ってるよ?」

「クルトくん・・・」

僕はクルトくんを抱きしめた

「うぅ・・・」

クルト「あ~ぶ~う~」

「しっかりしないとね・・・」

クルト「キャッ!キャッ!」

クルトくんは嬉しそうにしている

クルス「ハルト・・・」

「・・・よし!」

なんか元気が出た
僕はクルトくんを持ち上げた

「ありがとう!君は優しいね!」

クルト「キャッ!キャッ!」

「フフフ」

しっかりしないと
僕もいつか親になる
その時、クヨクヨしてる親にはなりたくない

クルス「さて、そろそろ行くか」

「うん!」

キャリー「もう帰るの?」

クルス「ああ。その前にちょっと用事を済ませたらな!じゃ、またな!」

「お邪魔しました!」

キャリー「うん!また来てね!」

そして僕たちはキャリーさんの家を後にした

クルス「少しはすっきりしたか?」

「うん!」

悩みは尽きないけど、少しは参考になった気がする
産むかどうか・・・それはまだ決められない
でも、覚悟は・・・しておきたい
それに、妊娠したかなんてわからないし
そして僕たちは留置所に向かった・・・
しおりを挟む
感想 7

あなたにおすすめの小説

番に見つからない街で、子供を育てている

はちも
BL
目を覚ますと、腕の中には赤ん坊がいた。 異世界の青年ロアンとして目覚めた「俺」は、希少な男性オメガであり、子を産んだ母親だった。 現世の記憶は失われているが、 この子を守らなければならない、という想いだけははっきりと残っている。 街の人々に助けられ、魔石への魔力注入で生計を立てながら、 ロアンと息子カイルは、番のいない街で慎ましく暮らしていく。 だが、行方不明の番を探す噂が、静かに近づいていた。 再会は望まない。 今はただ、この子との生活を守りたい。 これは、番から逃げたオメガが、 選び直すまでの物語。 *本編完結しました

番を拒み続けるΩと、執着を隠しきれないαが同じ学園で再会したら逃げ場がなくなった話 ――優等生αの過保護な束縛は恋か支配か

雪兎
BL
第二性が存在する世界。 Ωであることを隠し、平穏な学園生活を送ろうと決めていた転校生・湊。 しかし入学初日、彼の前に現れたのは―― 幼い頃に「番になろう」と言ってきた幼馴染のα・蓮だった。 成績優秀、容姿端麗、生徒から絶大な信頼を集める完璧なα。 だが湊だけが知っている。 彼が異常なほど執着深いことを。 「大丈夫、全部管理してあげる」 「君が困らないようにしてるだけだよ」 座席、時間割、交友関係、体調管理。 いつの間にか整えられていく環境。 逃げ場のない距離。 番を拒みたいΩと、手放す気のないα。 これは保護か、それとも束縛か。 閉じた学園の中で、二人の関係は静かに歪み始める――。

【完結済】極上アルファを嵌めた俺の話

降魔 鬼灯
BL
 ピアニスト志望の悠理は子供の頃、仲の良かったアルファの東郷司にコンクールで敗北した。  両親を早くに亡くしその借金の返済が迫っている悠理にとって未成年最後のこのコンクールの賞金を得る事がラストチャンスだった。  しかし、司に敗北した悠理ははオメガ専用の娼館にいくより他なくなってしまう。  コンサート入賞者を招いたパーティーで司に想い人がいることを知った悠理は地味な自分がオメガだとバレていない事を利用して司を嵌めて慰謝料を奪おうと計画するが……。  

やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。

毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。 そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。 彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。 「これでやっと安心して退場できる」 これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。 目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。 「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」 その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。 「あなた……Ωになっていますよ」 「へ?」 そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て―― オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。

貧乏Ωが御曹司αの将来のために逃げた話。

ミカン
BL
オメガバース

【完結】愛されたかった僕の人生

Kanade
BL
✯オメガバース 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。 今日も《夫》は帰らない。 《夫》には僕以外の『番』がいる。 ねぇ、どうしてなの? 一目惚れだって言ったじゃない。 愛してるって言ってくれたじゃないか。 ねぇ、僕はもう要らないの…? 独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ✻改稿版を他サイトにて投稿公開中です。

その首輪は、弟の牙でしか外せない。

ゆずまめ鯉
BL
養子ゆえに、王位継承権を持たないオメガで長男のレイン(24)は、国家騎士団として秘密裏に働き、ただ義弟たちを守るためだけに生きてきた。 第一継承権を持つアルファで次男のリオール(19)は、そんな兄に「ごく潰し」と陰口を叩く連中を許せなかった。自分を犠牲にしてまで守る価値はないと思っていた。なにかと怪我の多い国家騎士団を辞めさせたかった。 初めて訪れた発情期のとき。約束をすっぽかされたリオールが不審に思い、兄の部屋へ行くと、国家騎士団の同僚──グウェンソード(28)に押し倒されるところを目撃して激高する。 「今すぐ部屋から出ろ!」 独占欲をあらわにしたリオールは、グウェンソードを部屋から追い出し、兄であるレインを欲望のままに抱いた。 翌朝、差し出されたのは特注の首輪──外せるのはリオールのみ。 「俺以外に触らせるな」 そう囁かれたレインは、何年も首輪と弟の執着に縛られ続けてきた。 弟には婚約者がいるのに、こんな関係を続けてもいいのか。 本当にこのままでもいいのか。 ひたすら執着して独占したがる弟と、罪悪感に苛まれる兄。 その首輪は、いつか弟の牙で血に染まるのか──。 どうにかしてレインを落としたいリオールと、弟との関係に悩むレインのオメガバースです。 リオール・グランケット(19)×レイン・グランケット(24) ※この作品は2015年頃に本文を書き、2017年頃にオメガバースに改稿、さらに2026年に手直しした作品になります。読みにくいかもしれません。ご了承ください。 三人称ですが攻めだったり受けだったり視点がよくかわります。攻め視点多めです。

運命の番は僕に振り向かない

ゆうに
BL
大好きだったアルファの恋人が旅先で運命の番と出会ってしまい、泣く泣く別れた経験があるオメガの千遥。 それ以来、ずっと自分の前にも運命の番があらわれることを切に願っていた。 オメガひとりの生活は苦しく、千遥は仕方なく身体を売って稼ぐことを決心する。 ネットで知り合った相手と待ち合わせ、雑踏の中を歩いている時、千遥は自分の運命の番を見つけた。 ところが視線が確かに合ったのに運命の番は千遥を避けるように去っていく。彼の隣には美しいオメガがいた。 ベータのような平凡な見た目のオメガが主人公です。 ふんわり現代、ふんわりオメガバース、設定がふんわりしてます。

処理中です...