崩壊した世界を共に

ジャム

文字の大きさ
74 / 91

頑固

しおりを挟む
あれから一週間くらいがたった

クルス「ハルト?起きろ~」

「まだ眠い・・・」

クルス「もう11時だぞ?」

「それでも眠い・・・」

クルス「・・・つわり・・・か?」

「つわりって吐き気がしたりとかでしょう?」

クルス「眠気があったりもするって聞いたぞ?」

「そうなんだ・・・じゃあ、それかもね」

そういい起き上がった

クルス「無理しないで寝ててもいいんだぞ?」

「ううん。起きる。できるだけ生活リズムは崩したくない」

そうは言うがもう11時だし
キッチンに向かうとジェットが食事を用意してくれていた

ジェット「おはようございます!どうぞお食事をなさってください!」

そういいテーブルに料理を置く

「うっ・・・」

匂いを嗅いだだけで吐き気が・・・

クルス「大丈夫か?」

「だ、大丈夫・・・ちょっと・・・」

ジェット「つわりですね?でしたら他のお料理をお作りします!」

そういいジェットは料理を始めた

「う・・・」

クルス「おいおい・・・大丈夫か?」

そういい背中を摩ってくれる

「う、うん・・・」

こんなにつわりって酷いんだ・・・
知らなかった・・・

ジェット「できましたよ!」

テーブルにはパンをスープに溶かした物が置かれた

「これは?」

ジェット「食べやすいようにスープにパンを入れて味をしみ込ませました!匂いもそんなにきつくないはずですので、食べやすいと思いますよ!」

確かに匂いは大丈夫そう
そして一口食べてみた

「!おいしい・・・」

ジェット「昔、坊ちゃんがまだ奥様のお腹にいた頃に作ってました!」

「そうなの?」

ジェット「はい!久しぶりだったので味の保障はできなかったのですが、おいしくできてよかったです!」

クルス「保障なしか・・・」

「フフフ」

そして僕は食事を終え外に行こうとしたが・・・

クルス「どこに行くんだ?」

「え?外だけど・・・」

クルス「ダメだ」

そういわれ椅子に座らされた

「過保護すぎだよ・・・」

クルス「お前は無茶をすることがあるからな。これぐらいがちょうどいいんだよ」

「う・・・」

何も言い返せない・・・

クルス「ジェット。ハルトを見ててくれ。俺は畑に行ってくる」

ジェット「かしこまりました!」

そういいクルスさんは外に行ってしまった

「今からこれじゃ生まれた子供が大変だな・・・」

ジェット「ですが、父親とはこういうものです。奥様の妊娠がわかった時と同じでございます」

「そうなの?」

ジェット「はい!旦那様は奥様をソファに座らせて絶対に動くな!と言っていました!」

「へ~・・・お父さんがね~・・・」

ジェット「はい!お懐かしいですね・・・」

そういいジェットは物思いにふけっている

ジェット「!いえませんね!こんなことしている場合じゃありません!」

そういい家事をし始めた
僕はお腹を摩りながら窓から青空を見ていた

「いい天気なのに外に出れないなんて・・・」

動かないのもよくないと思うんだけどな・・・
しばらくするとクルスさんがゼッタさんを連れて帰ってきた

ゼッタ「お邪魔しま~す!」

「あ!ゼッタさん!」

ゼッタ「よう!産む決心をしたんだってな?」

「うん!」

ゼッタ「そうか!この後ディカルドに報告しに行くんだ!」

「・・・あの」

ゼッタ「ん?」

「僕も連れて行ってください!」

ゼッタ・クルス「!?」

クルス「ダメだ!!」

クルスさんは僕に駆け寄ってきて両肩を掴んだ

クルス「行ったら今度は戻って来れないかもしれない!!ダメだ!絶対!!」

「でも、言いたいことがあるの。これだけは・・・伝えたい」

ゼッタ「俺が伝言を伝えるんじゃダメなのか?」

「本人に直接言いたいんです」

クルス「ダメだ!」

僕はクルスさんの手を掴んだ

「でも、これは言わなくちゃいけなんだよ。いや、言いたい。だから、行かせて?」

クルス「だ・・・ダメだ・・・行かせ・・・たくない」

クルスさんの手に力が入る

「大丈夫。絶対に戻ってくる。だから・・・ね?」

クルス「・・・どうしても行くのか?」

「うん。伝えたいから」

クルス「・・・わかった。俺も付いていく」

「ううん。クルスさんは待ってて」

クルス「なんでだよ!!」

「クルスさんが一緒だと相手はきっと警戒する。そしたら話ができないかもしれない」

クルス「・・・」

クルスさんは俯いた

「大丈夫。心配しないで?」

クルス「・・・ダメだ」

「・・・」

クルス「俺が一緒じゃないなら絶対にダメだ」

「・・・わかった。もう少しゆっくり話そう。ゼッタさん。すみませんが少し待っててください」

ゼッタ「あ、ああ。わかった」

僕はクルスさんを連れて地下に向かった

クルス「なんで地下に?」

「ここなら誰にも聞かれることもなく話ができるから」

クルス「そうか」

「それと・・・」

ピッ!

僕は扉のロックボタンを押した

クルス「!?おい!!」

そして扉は閉まった

「ごめんね。ここならあなたを閉じ込められるから・・・」

クルス『おい!!ふざけるな!!』

スピーカー越しにクルスさんの声が聞こえる

クルス『ハルト!!扉を開けろ!』

「それはできない。開けたらクルスさんは僕を止めるでしょう?」

クルス『当たり前だろう!!危険なところにわざわざ行かせるわけないだろう!!』

「ならこれしかないの。大丈夫。絶対に戻ってくるから」

クルス『ダメだ!!行くな!!』

「・・・」

僕はそれを無視してゼッタさんのところに向かった

クルス『ハルト?おい!!返事をしろ!!行くな!!!!』

クルスさんの声が工場中に響き渡る

「お待たせしました」

ゼッタ「いいのか?」

「はい。ああしないといつまでも話が終わりません」

ゼッタ「・・・そうか。じゃあ行くぞ」

「はい」

僕はゼッタさんとディカルドさんのところへと向かった・・・


・・・クルス視点・・・
「開け・・・この!!」

俺は扉を全力で開けようとした
でも、とてもじゃないが開けることはできそうにない

「くそ!!!」

このままだとハルトはまた捕まってしまう
それだけは何としてでも・・・

「ジェット!!」

ジェット『はい。お呼びでしょうか?』

スピーカーの向こうからジェットの声が聞こえた

「ここを開けろ!」

ジェット『申し訳ございません・・・』

「管理者権限なんてどうでもいい!!開けろ!!」

ジェット『いえ、開けたくても開けられないのです』

「どういうことだ!」

ジェット『この扉のパスワードは坊ちゃんだけが知っているのです。私でも開けることはできません・・・』

「そんな・・・くそ!!」

考えろ・・・
なにか方法があるはずだ

「・・・お前はパスワード入力はできるのか?」

ジェット『はい。入力でしたら可能です』

「じゃあ、ハルトが考えそうなパスワードをなんでもいい。打ち込んでくれ!」

ジェット『かしこまりました』

ジェットがパスワードを打ち込む

『認証できません』

ジェット『・・・こちらでは・・・』

『認証できません』

ジェット『では・・・こちらは・・・』

『認証できません』

「なんで・・・ハルト・・・お前は何を考えてるんだ」

俺を閉じ込めてまでディカルドと話したいのか?
何を?
まさか子供を渡す気じゃないだろうな!?

『認証できません』

ジェット『これが違うとなるともう私には・・・』

「・・・こっちで操作はできないのか?」

ジェット『できると思いますよ。扉の隣にパネルがありませんか?」

俺はパネルを探した
暗くて見つけにくい

「・・・あった」

壁に埋め込まれたパネルを見つけた
それに触れるとパスワード入力の画面が開いた

「・・・」

俺は思いつく限りのパスワードを打ち込んだ
でも、結果は変わらなかった

『認証できません』

「くそ!!」

パネルを殴りそうになるが堪えた

「・・・」

ハルトは何をパスワードにしてるんだ
あいつが考えそうなこと・・・

「・・・」

俺はあり得ないと思いながらある単語を打ち込んだ

「クルス・ベアー」

『認証確認。扉を開放します』

「!!」

扉がゆっくり開いていく
俺は急いで外に出た
窓から夕日が差し込んでいた

「くッ!時間がかかった・・・」

俺は武器を持ちあの地下に向かった・・・
しおりを挟む
感想 7

あなたにおすすめの小説

番に見つからない街で、子供を育てている

はちも
BL
目を覚ますと、腕の中には赤ん坊がいた。 異世界の青年ロアンとして目覚めた「俺」は、希少な男性オメガであり、子を産んだ母親だった。 現世の記憶は失われているが、 この子を守らなければならない、という想いだけははっきりと残っている。 街の人々に助けられ、魔石への魔力注入で生計を立てながら、 ロアンと息子カイルは、番のいない街で慎ましく暮らしていく。 だが、行方不明の番を探す噂が、静かに近づいていた。 再会は望まない。 今はただ、この子との生活を守りたい。 これは、番から逃げたオメガが、 選び直すまでの物語。 *本編完結しました

番を拒み続けるΩと、執着を隠しきれないαが同じ学園で再会したら逃げ場がなくなった話 ――優等生αの過保護な束縛は恋か支配か

雪兎
BL
第二性が存在する世界。 Ωであることを隠し、平穏な学園生活を送ろうと決めていた転校生・湊。 しかし入学初日、彼の前に現れたのは―― 幼い頃に「番になろう」と言ってきた幼馴染のα・蓮だった。 成績優秀、容姿端麗、生徒から絶大な信頼を集める完璧なα。 だが湊だけが知っている。 彼が異常なほど執着深いことを。 「大丈夫、全部管理してあげる」 「君が困らないようにしてるだけだよ」 座席、時間割、交友関係、体調管理。 いつの間にか整えられていく環境。 逃げ場のない距離。 番を拒みたいΩと、手放す気のないα。 これは保護か、それとも束縛か。 閉じた学園の中で、二人の関係は静かに歪み始める――。

【完結済】極上アルファを嵌めた俺の話

降魔 鬼灯
BL
 ピアニスト志望の悠理は子供の頃、仲の良かったアルファの東郷司にコンクールで敗北した。  両親を早くに亡くしその借金の返済が迫っている悠理にとって未成年最後のこのコンクールの賞金を得る事がラストチャンスだった。  しかし、司に敗北した悠理ははオメガ専用の娼館にいくより他なくなってしまう。  コンサート入賞者を招いたパーティーで司に想い人がいることを知った悠理は地味な自分がオメガだとバレていない事を利用して司を嵌めて慰謝料を奪おうと計画するが……。  

やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。

毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。 そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。 彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。 「これでやっと安心して退場できる」 これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。 目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。 「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」 その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。 「あなた……Ωになっていますよ」 「へ?」 そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て―― オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。

貧乏Ωが御曹司αの将来のために逃げた話。

ミカン
BL
オメガバース

【完結】愛されたかった僕の人生

Kanade
BL
✯オメガバース 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。 今日も《夫》は帰らない。 《夫》には僕以外の『番』がいる。 ねぇ、どうしてなの? 一目惚れだって言ったじゃない。 愛してるって言ってくれたじゃないか。 ねぇ、僕はもう要らないの…? 独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ✻改稿版を他サイトにて投稿公開中です。

その首輪は、弟の牙でしか外せない。

ゆずまめ鯉
BL
養子ゆえに、王位継承権を持たないオメガで長男のレイン(24)は、国家騎士団として秘密裏に働き、ただ義弟たちを守るためだけに生きてきた。 第一継承権を持つアルファで次男のリオール(19)は、そんな兄に「ごく潰し」と陰口を叩く連中を許せなかった。自分を犠牲にしてまで守る価値はないと思っていた。なにかと怪我の多い国家騎士団を辞めさせたかった。 初めて訪れた発情期のとき。約束をすっぽかされたリオールが不審に思い、兄の部屋へ行くと、国家騎士団の同僚──グウェンソード(28)に押し倒されるところを目撃して激高する。 「今すぐ部屋から出ろ!」 独占欲をあらわにしたリオールは、グウェンソードを部屋から追い出し、兄であるレインを欲望のままに抱いた。 翌朝、差し出されたのは特注の首輪──外せるのはリオールのみ。 「俺以外に触らせるな」 そう囁かれたレインは、何年も首輪と弟の執着に縛られ続けてきた。 弟には婚約者がいるのに、こんな関係を続けてもいいのか。 本当にこのままでもいいのか。 ひたすら執着して独占したがる弟と、罪悪感に苛まれる兄。 その首輪は、いつか弟の牙で血に染まるのか──。 どうにかしてレインを落としたいリオールと、弟との関係に悩むレインのオメガバースです。 リオール・グランケット(19)×レイン・グランケット(24) ※この作品は2015年頃に本文を書き、2017年頃にオメガバースに改稿、さらに2026年に手直しした作品になります。読みにくいかもしれません。ご了承ください。 三人称ですが攻めだったり受けだったり視点がよくかわります。攻め視点多めです。

運命の番は僕に振り向かない

ゆうに
BL
大好きだったアルファの恋人が旅先で運命の番と出会ってしまい、泣く泣く別れた経験があるオメガの千遥。 それ以来、ずっと自分の前にも運命の番があらわれることを切に願っていた。 オメガひとりの生活は苦しく、千遥は仕方なく身体を売って稼ぐことを決心する。 ネットで知り合った相手と待ち合わせ、雑踏の中を歩いている時、千遥は自分の運命の番を見つけた。 ところが視線が確かに合ったのに運命の番は千遥を避けるように去っていく。彼の隣には美しいオメガがいた。 ベータのような平凡な見た目のオメガが主人公です。 ふんわり現代、ふんわりオメガバース、設定がふんわりしてます。

処理中です...