出会ったのは森の熊さん

ジャム

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次の日
朝の陽ざしが窓から顔に当たる

「眩しい・・・」

僕はあまりの眩しさに目を覚ます
そしてそのまま身体を横に向けると茶色いモフモフな何かに顔が埋まる

「???」

僕はなにかと思い痛い身体を起こした
そこには気持ちよさそうに寝ている熊獣人のルズルフさんがいた

「あ、そうか、昨日は一緒に寝たんだっけ・・・」

時々鼻や耳がピクピク動く
かわいいな~って思ってルズルフさんの下半身を見たら大きなテントがあった

「!?」

すごい大きさに驚く
まぁ体格も大きいから当たり前なのかもしれないけど、大きい・・・
僕は自分のを見て少し絶望する・・・
昨日川で水浴びしたときは気にしてなかったけど、この大きさなら普通でも大きいだろう・・・
そんなこと考えていたらさらに絶望した・・・

ルズルフ「ん~」

「!?」

その時ルズルフさんが僕を抱き締めてきてそのまま添い寝することになった
抱き締められたとき激痛が身体を走ったがそれ以上に驚きが上回った
このままでは僕は起き上がることもできない・・・
でも、それでもいいかなって思ってしまうほど居心地がいい
モフモフしてて暖かくて・・・幸せって感じる
その時ルズルフさんが寝言で

ルズルフ「ハルト様・・・すみません・・・」

と言って涙を流した
悲しい夢を見ているのだろう
僕はルズルフさんに抱き着き頭を撫でた
しばらくしてルズルフさんが目を覚ました

ルズルフ「おはよう・・・俺・・・泣いてたのか・・・」

そういうと涙を拭い起き上がる

ルズルフ「すまない・・・」

「いえ、大丈夫ですか?」

ルズルフ「ああ。昔の夢を見ただけだ」

そういうと僕を抱えてキッチンに向かった
椅子に降ろされルズルフさんは朝食の準備をしてくれた
そして二人で食事をしていたら扉をノックする音が聞こえた
ルズルフさんは扉を開けた
そこには狼獣人と豹獣人がいた

狼「よう!ヴァン!元気してたか?」

ルズルフ「またお前たちか・・・この前も言ったがあの仕事は受けるつもりはないと言っただろう」

豹「でもよ~お前がいないと成功しねぇんだよ~協力しろよ~」

どうやら少し揉めているようだ
狼獣人が僕を見つめてきた

狼「おお?人間・・・か?珍しいな・・・」

豹「え!人間がいんの~?」

そういうと二人は家に入ってきた

ルズルフ「あ、おい!勝手に入るな!」

二人はルズルフさんの言葉を無視してこちらに近づいてくる

豹「へ~本当に存在してるんだ~」

狼「俺は随分前に見たことあったがな。そいつはメスだった」

豹「こいつはオスなのか?」

狼「どこからどう見てもオスだろう・・・」

豹「へ~」

そういうと豹獣人が僕に触れようとしたとき

ガシッ!

豹「!?」

ルズルフさんが豹獣人の腕を掴み上げて

ルズルフ「こいつに触れるな!」

今にも投げ飛ばす勢いで豹獣人を睨みつける

狼「ふ~ん。そんなに大事なのか・・・」

豹「そんなに怒んなよ~老けるぞ~」

ルズルフさんは手を放し二人を外に連れ出し

ルズルフ「すまない。さきに食べててくれ」

そういうと扉をしめた
外では言い争いをしているらしくなんて言ってるかはわからないが、ルズルフさんの怒った声が聞こえる
しばらく言い争いをして静かになったと思ったらルズルフさんが家に入ってきた

「だ、大丈夫ですか?」

ルズルフ「ああ。すまない・・・」

しばらく無言で食事をするルズルフさん

「あの・・・なんのお話を・・・」

ルズルフさんは少し強い口調で

ルズルフ「お前には関係ないだろう・・・」

と言った

「すみません・・・」

僕はそれ以上は聞くことができなかった
聞いてはいけないことなんだと思った
無言のまま食事を終え寝室のベッドに運ばれた
部屋を出るまでずっと無言だった
ルズルフさんが寝室からいなくなり僕はなぜか涙が出てきた
悲しい?寂しい?辛い?
よくわからないけど涙が止まらなかった
少ししてルズルフさんが包帯をもって部屋に入ってきた

ルズルフ「包帯取り替えよ・・・どうした!?」

僕が泣いてるのをみて驚くルズルフさん

「なんでもないです・・・」

ルズルフさんはまた無言のまま僕のケガを手当し包帯を巻いて部屋を出た
その間、僕はずっと泣いていた
ルズルフさんは気にしているみたいだが聞いてこなかった

コンコン

その時、窓を何かが叩く
何かと思い窓に近づくと外にはさっきの狼獣人がいた
狼獣人はなにか言ってるみたいだけど聞き取れない
僕は窓を開けた

「あの・・・どうしたん!?」

いきなり布を口に当ててきた
少し抵抗したが身体中が痛くてそこまでの抵抗ができなかった
段々意識が遠のく
ルズルフさんに助けを求めたくても声も出せない
僕は机に置いてあるランプを何とか床に蹴り落して気を失った



~ルズルフ視点~
「はぁ・・・なにやってるんだろう・・・おれは・・・」

あの子を泣かしてしまったかも・・・
寝室に入ったときの涙・・・きっと、俺がきつく言ったのが原因・・・だよな・・・
声をかけてやるべきだった
一言謝るべきだったか?
でも、あの子には関係ないことは事実だし・・・
でも、言い方が悪かったのも事実・・・
あいつらと話してイライラしてたからな・・・
あの態度はよくなかった・・・
昼メシの時謝ろう

ガシャーン!

「!?」

なんの音だ!?
俺は寝室に向かった

「!?」

ベッドにあの子の姿がない!
ランプが床に落ちている・・・
窓が開いている
あの子が窓から外に出たのか?
いや、あの子はまだ身体が痛いはずだ。動くのだって辛いはず。
それに、出て行ったならポーチや飛刀も持っていくだろう・・・
ランプも落とす必要もない・・・
俺は窓から外を覗いた

「これは・・・」

地面に複数の足跡・・・
二人?ぐらいか?
あの子は裸足だからこの跡はおかしい・・・
じゃあ、誰の足跡だ?

「!?まさか!?」

俺は一つだけ心あたりがある
それは今朝の二人だ
あいつらは今回の仕事で俺が必要だと何度も来ていた
俺はもうやりたくないから断っていたが・・・
もしそうなら港の倉庫に居るはずだ・・・

「っ!」

俺は荷物を持ち急いで家を飛び出した
あの子を助けるために



~???視点~
「ここは・・・?」

頭が痛い・・・身体もいたい・・・
床に寝かされているみたいだ・・・冷たい・・・

狼「おう!目を覚ました!」

「!?」

狼「すまないな!急に連れ出して!」

「な、なんでこんなことを?」

狼「ヴァンが俺たちに協力しないからだよ?この仕事はあいつがいないと成功しないからさ!」

「こんなことしても無駄ですよ!僕はただのケガ人です!ルズルフさんにとっては特別でも何でもないです!」

狼「そうかな?俺が見た限り特別な感じなんだが?」

「あり得ません!」

豹「即答wすごいな~」

「!?」

僕は驚いた
豹獣人が居たことに驚いたんじゃない
豹獣人が全裸でいることに驚いたのだ

「な、な、なんで裸なんですか!?」

豹「ん~?裸でいる理由って一つしかないよね~」

そういいながら近づいてくる

「く、来るな!!」

豹「あまり騒がないの~最初は痛いけど、すぐ気持ちよくなるから~」

狼「お前・・・ほんといい性癖してるな・・・」

豹「褒めてもなにも出ないよ~」

そして豹獣人は僕の身体を触ってきた

「痛い!」

豹「ん~?少し触れただけだけど~?」

ビリビリ

豹獣人はナイフで服を破いてきた

豹「お~?身体中包帯だらけだ~」

狼「もしかして、ヴァンともうやったの?」

「や、やってません!」

狼「じゃあ、なんで傷だらけなの?」

「それは・・・わからないです・・・」

狼「わからない?どういうこと?」

豹「どっちでもいいよ~気持ちよければ~あ、傷口が開いたらごめんね~?」

そういうとズボンと下着を破いてきた

ビリッビリビリ

僕は全裸にされた

豹「いいね~人間はツルツルだって聞いてたけどほんとにツルツル~」

「やめて!触らないで!」

バチンッ

左頬に痛みが走る

豹「うるさいな~あまりうるさいとまた叩くよ~?」

「やめて・・・」

バチンッバチンッ

連続で両頬を叩かれる

豹「うるさいって言ってるよね~?」

「・・・」

もう諦めた・・・
もうどうでもいいや
ルズルフさんは助けにはこないだろうし・・・
ならここは大人しくしといたほうがまだ楽だろう・・・

豹「大人しくなったところで~いただきま~す!」

そういうとお尻に豹獣人のが当たる
僕は痛みが来る覚悟をした
その時

ドゴーーン!!

倉庫の大きな扉が吹っ飛んだ

狼「!?」

豹「!?」

「!?」

そこにはルズルフさんが息を切らしながら立っていた

ルズルフ「ハルト!!!!」

ハルト?夢でみた人?寝言で言ってた気がする・・・

ルズルフさんは僕と豹獣人を見てさらに激高する

ルズルフ「てめぇ!!!ハルトから離れろ!!!」

そういうと木でできた剣で狼獣人と豹獣人に殴りかかった
それはあっという間だった
こんなに早く動ける人がいるとは思えないほどの速さだった

ルズルフ「大丈夫か!?」

ルズルフさんは僕の拘束を解いて抱きしめてきた

「なんで?」

ルズルフ「ごめん!!酷い言い方をして・・・」

嬉しくて僕も抱きしめた
そして泣いてしまった
ルズルフさんは僕の頭撫でてくれた

ザッ

その時狼獣人が立ち上がりこちらに襲い掛かってきた

狼「この!くそが!」

ルズルフ「!?」

僕は咄嗟に近くに落ちてるナイフを取り狼獣人に投げた
投げたナイフは狼獣人の左足に刺さった

狼「うがっ!」

狼獣人は叫んでその場に倒れる
ルズルフさんは僕に上着をかけて抱きかかえる
そして出口に向かいながら

ルズルフ「次俺の前やこいつに手を出したら、命はないと思え!」

そういい倉庫を後にした
家に着き
ベッドに寝かせてくれた

ルズルフ「大丈夫か?ケガしてないか?」

「大丈夫です。ありがとうございます」

ルズルフさんは安心したようだ
僕を強く抱きしめてきた

ルズルフ「ほんとに無事でよかった・・・また・・・」

そこまで言うとなにも言わなくなった
僕は抱き締め返し頭を撫でた
しばらく抱き締めあっていたが、僕の身体が悲鳴を上げ始めていた

「あの・・・そろそろ・・・身体が・・・」

ルズルフさんは慌てて身体を放した

ルズルフ「す、すまない!つい・・・」

「いえ、大丈夫です」

ルズルフさんは右手で僕の左頬を撫でてきた
その手はとても暖かく、そして震えていた
僕は左手でルズルフさんの右手に触れた

「大丈夫ですよ。心配しなくても」

ルズルフさんは優しい青い瞳で僕を見つめてきた
その瞳はとても綺麗で吸い込まれそうな感じがした

ルズルフ「・・・ひとまず・・・服をなんとかしないとな・・・」

僕はルズルフさんの上着を羽織っているだけの状態・・・
服がないのはさすがに・・・

「でも・・・」

ルズルフ「大丈夫だ。俺が作ってやる」

「作れるんですか?」

ルズルフ「ああ。こう見えてそういうのは得意だ!」

そういうと部屋を出て行った
すぐに裁縫道具一式をもって戻ってきた
ルズルフさんは僕の採寸をしてすぐに作り始めた
僕はそれを見ながら

「すごいですね」

ルズルフさんは嬉しそうに

ルズルフ「昔、人間の服をたくさん作ったことがあったからな。慣れてるんだ」

なるほど
それなら慣れてても納得する

「その人はどんな人だったんですか?」

それを聞いたルズルフさんの手が止まる
そして

ルズルフ「いい人だった・・・とても・・・」

とだけ言うとまた手を動かした
しばらく無言で裁縫をしているルズルフさん
それを見ている僕
僕は気になることがあり聞いた

「あの、さっき、僕のことを『ハルト』って呼んでましたが・・・」

ルズルフ「ああ」

「その名前って僕の名前ですか?」

ルズルフ「・・・」

聞いちゃいけないことだったのかな・・・
少しして

ルズルフ「さっき言っただろう?人間の服をたくさん作ったって?」

「はい」

ルズルフ「その方の名前が『ハルト』って名前だったんだ・・・」

「・・・」

僕は無言で話を聞いた

ルズルフ「その方は『ハルト・ジャムル・レムリック』大きな家柄の人間だった。俺はその方の護衛兼世話係をさせていただいてた。」

「護衛兼世話係?」

ルズルフ「ああ。昔は傭兵だったんだ。今はもうやめてこんな生活をしてるがな・・・」

「・・・なんでやめられたんですか?」

ルズルフ「・・・俺はある日、その方のお出かけの時に一緒に同行した。その時に賊に襲われた・・・俺は必死にお守りした・・・だが、俺が油断したせいでその方は連れ去られた・・・」

「・・・」

ルズルフ「俺はすぐに賊を追った。少しの痕跡を頼りに。やっと見つけたころには・・・亡くなっていた・・・賊に・・・おもちゃにされボロボロにされて・・・」

「・・・」

ルズルフ「俺は・・・あの方を・・・お慕いしていた。いや、愛していた。いつも笑顔で俺みたいな傭兵にもお優しかった・・・」

ルズルフさんの目からは大粒の涙が流れていた

ルズルフ「俺は・・・大切に思う人を守れなかった・・・怒りと悲しみが一気に心を埋め尽くした・・・」

「・・・」

ルズルフ「気が付いたら、俺の手や身体は血だらけだった・・・」

「・・・」

ルズルフ「俺は人生で初めて泣いた・・・声を出して・・・」

「・・・」

ルズルフ「それからは傭兵を辞めて、逃げるように森で生活するようになった。俺は・・・逃げたんだ・・・あの方のいない生活から、亡くした現実から・・・」

「・・・」

ルズルフ「その出来事がもう10年ぐらい前かな。いまだによく夢に見るんだよ。あの、光景が・・・」

寝言で言っていたこと、涙はそれが原因だったんだ・・・

ルズルフ「あの倉庫でお前を『ハルト』と呼んだのはお前があの方にすごく似ているからだ。びっくりするぐらい似ている。」

「・・・」

ルズルフ「・・・」

「ありがとうございます。教えてくださり」

ルズルフ「いや、俺も・・・こんな話をしてすまない」

そういうころには服は完成していた
服を僕に着せて

ルズルフ「サイズ・・・すこしでかいなw」

泣き顔で笑うルズルフさん
僕はルズルフさんの頬に触り笑顔で

「ありがとうございます。」

ルズルフ「っ!!」

ルズルフさんはさらに泣き僕に抱き着いてきた

ルズルフ「ハルト、様!!!!」

似ている・・・だからなのか、僕を『ハルト様』と呼ぶルズルフさん
僕はただ無言で抱き締め頭を撫でることしかできなかった
ルズルフさんは声を荒げ泣き続ける
ずっとつらかったのだろう
頼る相手もおらず、ずっと一人で生きた人なんだろう・・・

「僕でよければお傍にいます。なので、怖がらないでください」

耳元で囁く
ルズルフさんは泣きながら何度も頷く
僕はその『ハルト』さんにはなれないけど、傍でルズルフさんを支えることはできる
たぶんそれが僕にできる恩返しなんだろう
しばらくして落ち着いたルズルフさんは顔を上げ

ルズルフ「すまない・・・」

「いえ、いいんです」

そういうと今度はズボンを作り始めた

ルズルフ「・・・なぁ・・・」

「はい?」

ルズルフ「名前・・・『ハルト』って呼んでもいいか?」

僕は驚いた
大切な人の名前を付けるなんて・・・

「いいんですか?」

ルズルフ「ああ。お前が嫌じゃなければ・・・」

「僕は構いませんが・・・ルズルフさんはいいんですか?」

ルズルフ「俺は・・・そう呼びたい・・・」

「ルズルフさんがいいなら構いません」

それを聞いたルズルフさんは笑顔になった

ルズルフ「じゃあ、今日からお前はハルトだ!」

そういうとルズルフさんはズボンを完成させた
これも少し大きい・・・下着は街で買ってくるってことで今はこれで我慢だね
『ハルト』・・・僕の名前・・・いい名前だと僕は思う・・・
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