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話せる
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『猛・・・』
猛『遥斗!』
『ひ、久しぶりだね・・・』
猛『・・・これは夢か・・・』
『そう思う?』
猛『ああ。話せるし、触れる・・・夢でしかありえないことだ・・・』
『でも、話せないよりはいいんじゃない?』
猛『現実で話せるならな・・・夢で話せても・・・』
『・・・そうだね・・・ごめん・・・』
猛『そんな悲しい顔するな!嬉しくないわけではないwいつも見てる夢に比べたらいい夢だよw』
『いつもはどんな夢を見てるの?』
猛『お前が・・・俺に助けを求める夢だよ・・・助けられずに目が覚める・・・』
『・・・辛いよね・・・』
猛『・・・ああ。お前の居ない生活は・・・なにも感じないんだよ・・・』
『・・・』
猛『飯もまずいし、景色もモノクロみたいだし・・・』
『・・・』
猛『俺、お前が居ないと、ダメなんだよ・・・頼むよ・・・俺の傍に居てくれよ・・・それ以上はなにも望まねぇから・・・』
『僕も・・・一緒に居たい・・・でも・・・』
猛『うぅ・・・』
『・・・』
猛『絶対に・・・』
『ん?』
猛『絶対に復讐してやる・・・』
『・・・』
猛『俺からお前を奪った奴を・・・絶対に・・・』
『僕が居たらそんなことしない?』
猛『・・・お前が居るならする必要がないだろう・・・』
『そうだね・・・』
猛『なぁ・・・』
『なに?』
猛『こんな復讐の鬼になった俺だけど・・・好きでいてくれるか?』
『僕はずっと猛のことが好きだよw』
猛『そうか・・・ありがとう・・・』
そして
猛「っ!」
猛が目を覚ます
猛「ハハハ・・・夢だよな・・・当たり前か・・・」
「・・・おはよう」
猛「!?」
猛が僕の目を見た
「???見えるの?」
猛「は、遥斗・・・?」
「見えるんだね・・・よかった・・・」
猛は一瞬驚いていたがすごいスピードで僕に抱き着いてきた
猛「!?」
でも、猛は僕をすり抜け床に転ぶだけだった
「だ、大丈夫!?」
猛「っ!」
猛は振り返りもう一度僕に抱き着く
そして床に倒れる・・・
猛「これも夢なのか・・・?」
「現実だよ・・・」
猛「じゃあ、なんで触れねぇんだよ!!」
「それは・・・僕が幽霊だから・・・」
猛「でも見えるし話せてるじゃないか!」
「・・・そうだね」
猛「くそっ!ここまで来てなんで触れねぇんだよ・・・」
「それは・・・」
そこまで言い僕は口を塞いだ
言ってはいけない
猛に気づいてもらわないといけないから・・・
猛「・・・とにかく、今はお前が見えるし、傍にいる・・・それだけでも嬉しい」
そういうと僕を抱き締めてきた
僕の身体はすり抜ける
だから僕の身体に合わせて「触れている」ようにしている
それが正しい表現だろう・・・
そして二人で久しぶりの食事をした
猛「メシは食えるのか?」
「物に触れることもできないから・・・」
猛「・・・そうか」
そういうと二人分の朝食を用意してくれた
猛「いつもは写真を前においてるんだがな」
「知ってる。ずっと見てたもん」
猛「そうか・・・ずっとそばに居てくれたんだな」
「約束だからね」
猛「・・・」
「・・・」
死ぬ時、僕の最後の言葉・・・
『ずっとそばにいるよ・・・』
それを言い僕は・・・
猛「約束守ってくれてたんだな」
「勝手に言ったことで猛を縛り付けてごめんね・・・」
猛「いいんだよ。側に居てくれたんだから」
「・・・」
食事を終え猛は片づけをする
猛「今日、昨日の仕事が残ってるんだ」
「浮気調査だっけ?」
猛「ああ。・・・もしよかったら一緒に・・・」
「いいよ。助手に任せて!」
そして二人で出かけた
猛「見つけた」
「あの人がターゲット?」
猛「ああ。あの女性が浮気相手か・・・」
そういうと写真を撮り始める
そしてターゲットはホテル街の方へ向かった
猛「見失うとやばい!」
「僕、先に行くね!」
そういうと僕は飛んでターゲットを追いかけた
そして
「ここだよ!」
猛「大声出すな・・・バレるだろう・・・」
「ほかの人には僕は見えないよ」
猛「そうなのか?・・・それって俺、不審者に見られないか?」
「そうかもw」
猛「そんなことより今は写真!」
「あ、そうだ!ほら!あそこ歩いてるよ!」
猛「よし!」
そういうと猛とターゲットを追いかける
そして
猛「・・・よし!決定的な写真を手に入れた!これで依頼達成だ!」
「やったね!」
猛「優秀な助手のおかげだ!」
「えへへ」
そして依頼人に連絡をし、証拠を渡し依頼は完了した
猛「ゴクッゴクッ・・・ぷは~仕事終わりに最愛のお前と飲む酒はうまいな!!」
「そうだね~」
猛「・・・死後の世界ってどんな感じなんだ?」
「う~ん。案外快適だよ?誰にも干渉されないしw」
そう言いながら部屋中を飛び回る僕
猛「そうなのか?・・・俺も死んだらお前に触れるかな?」
「ダメだよ!」
僕は猛の顔の前に勢いよく顔を出した
猛「!?」
「猛は死んじゃダメ!まだ復讐してないんだから!」
猛「でも・・・もうお前の居ない生活は・・・耐えられないんだよ・・・」
「・・・」
猛「今の俺を動かす力は『復讐』だけだ・・・それを成し遂げたら・・・」
「復讐って何をするの?」
猛「それはお前と同じ思いをさせてやる。いや、それ以上の思いをさせてやる!」
そう言い缶を握り潰した
猛の目は復讐の鬼の目だった
「・・・復讐なんてやめたら?」
猛「いや、やめない」
「・・・」
猛「俺は犯人を許さない!絶対に!」
「まだ捕まってないんだよね・・・」
猛「ああ。もう5年だ。警察もあてにならない」
「だから自分で復讐を?」
猛「ああ」
「猛が捕まるよ?」
猛「俺はそれでもかまわない。復讐が終わった後は・・・」
「・・・相変わらず頑固だねw」
猛「ああ」
「・・・犯人に心当たりは?」
猛「狐獣人でオスで今は47歳ってことくらいかな」
「顔は?」
猛「わからない」
「それだけじゃ探せないね・・・」
猛「ああ・・・」
「・・・」
猛「お前は何か覚えてないのか?」
「覚えてないよ・・・ごめんね」
猛「そうか・・・責めてるつもりはないから謝るな」
「・・・」
猛「・・・もう寝よう。明日はちょっと行くところがある」
そういうと猛は寝室に向かった
そして
猛「こいよ」
「一緒に寝るのは無理だよ・・・」
猛「いいから」
僕は猛に添い寝した
しかし腕はもちろん布団も僕の身体をすり抜ける
猛「そのまま俺の隣で寝ててくれないか?」
「いいよ。猛が望むなら」
猛「ありがとう・・・お休み・・・」
そして猛は目を閉じた
幽霊になってから睡眠、食事などの欲求がない
死んでいるのだから当たり前だ・・・
僕は猛の顔をずっと見ていた
今日の顔は穏やかな顔をしていた
(いい夢見てるのかな?)
猛『遥斗!』
『ひ、久しぶりだね・・・』
猛『・・・これは夢か・・・』
『そう思う?』
猛『ああ。話せるし、触れる・・・夢でしかありえないことだ・・・』
『でも、話せないよりはいいんじゃない?』
猛『現実で話せるならな・・・夢で話せても・・・』
『・・・そうだね・・・ごめん・・・』
猛『そんな悲しい顔するな!嬉しくないわけではないwいつも見てる夢に比べたらいい夢だよw』
『いつもはどんな夢を見てるの?』
猛『お前が・・・俺に助けを求める夢だよ・・・助けられずに目が覚める・・・』
『・・・辛いよね・・・』
猛『・・・ああ。お前の居ない生活は・・・なにも感じないんだよ・・・』
『・・・』
猛『飯もまずいし、景色もモノクロみたいだし・・・』
『・・・』
猛『俺、お前が居ないと、ダメなんだよ・・・頼むよ・・・俺の傍に居てくれよ・・・それ以上はなにも望まねぇから・・・』
『僕も・・・一緒に居たい・・・でも・・・』
猛『うぅ・・・』
『・・・』
猛『絶対に・・・』
『ん?』
猛『絶対に復讐してやる・・・』
『・・・』
猛『俺からお前を奪った奴を・・・絶対に・・・』
『僕が居たらそんなことしない?』
猛『・・・お前が居るならする必要がないだろう・・・』
『そうだね・・・』
猛『なぁ・・・』
『なに?』
猛『こんな復讐の鬼になった俺だけど・・・好きでいてくれるか?』
『僕はずっと猛のことが好きだよw』
猛『そうか・・・ありがとう・・・』
そして
猛「っ!」
猛が目を覚ます
猛「ハハハ・・・夢だよな・・・当たり前か・・・」
「・・・おはよう」
猛「!?」
猛が僕の目を見た
「???見えるの?」
猛「は、遥斗・・・?」
「見えるんだね・・・よかった・・・」
猛は一瞬驚いていたがすごいスピードで僕に抱き着いてきた
猛「!?」
でも、猛は僕をすり抜け床に転ぶだけだった
「だ、大丈夫!?」
猛「っ!」
猛は振り返りもう一度僕に抱き着く
そして床に倒れる・・・
猛「これも夢なのか・・・?」
「現実だよ・・・」
猛「じゃあ、なんで触れねぇんだよ!!」
「それは・・・僕が幽霊だから・・・」
猛「でも見えるし話せてるじゃないか!」
「・・・そうだね」
猛「くそっ!ここまで来てなんで触れねぇんだよ・・・」
「それは・・・」
そこまで言い僕は口を塞いだ
言ってはいけない
猛に気づいてもらわないといけないから・・・
猛「・・・とにかく、今はお前が見えるし、傍にいる・・・それだけでも嬉しい」
そういうと僕を抱き締めてきた
僕の身体はすり抜ける
だから僕の身体に合わせて「触れている」ようにしている
それが正しい表現だろう・・・
そして二人で久しぶりの食事をした
猛「メシは食えるのか?」
「物に触れることもできないから・・・」
猛「・・・そうか」
そういうと二人分の朝食を用意してくれた
猛「いつもは写真を前においてるんだがな」
「知ってる。ずっと見てたもん」
猛「そうか・・・ずっとそばに居てくれたんだな」
「約束だからね」
猛「・・・」
「・・・」
死ぬ時、僕の最後の言葉・・・
『ずっとそばにいるよ・・・』
それを言い僕は・・・
猛「約束守ってくれてたんだな」
「勝手に言ったことで猛を縛り付けてごめんね・・・」
猛「いいんだよ。側に居てくれたんだから」
「・・・」
食事を終え猛は片づけをする
猛「今日、昨日の仕事が残ってるんだ」
「浮気調査だっけ?」
猛「ああ。・・・もしよかったら一緒に・・・」
「いいよ。助手に任せて!」
そして二人で出かけた
猛「見つけた」
「あの人がターゲット?」
猛「ああ。あの女性が浮気相手か・・・」
そういうと写真を撮り始める
そしてターゲットはホテル街の方へ向かった
猛「見失うとやばい!」
「僕、先に行くね!」
そういうと僕は飛んでターゲットを追いかけた
そして
「ここだよ!」
猛「大声出すな・・・バレるだろう・・・」
「ほかの人には僕は見えないよ」
猛「そうなのか?・・・それって俺、不審者に見られないか?」
「そうかもw」
猛「そんなことより今は写真!」
「あ、そうだ!ほら!あそこ歩いてるよ!」
猛「よし!」
そういうと猛とターゲットを追いかける
そして
猛「・・・よし!決定的な写真を手に入れた!これで依頼達成だ!」
「やったね!」
猛「優秀な助手のおかげだ!」
「えへへ」
そして依頼人に連絡をし、証拠を渡し依頼は完了した
猛「ゴクッゴクッ・・・ぷは~仕事終わりに最愛のお前と飲む酒はうまいな!!」
「そうだね~」
猛「・・・死後の世界ってどんな感じなんだ?」
「う~ん。案外快適だよ?誰にも干渉されないしw」
そう言いながら部屋中を飛び回る僕
猛「そうなのか?・・・俺も死んだらお前に触れるかな?」
「ダメだよ!」
僕は猛の顔の前に勢いよく顔を出した
猛「!?」
「猛は死んじゃダメ!まだ復讐してないんだから!」
猛「でも・・・もうお前の居ない生活は・・・耐えられないんだよ・・・」
「・・・」
猛「今の俺を動かす力は『復讐』だけだ・・・それを成し遂げたら・・・」
「復讐って何をするの?」
猛「それはお前と同じ思いをさせてやる。いや、それ以上の思いをさせてやる!」
そう言い缶を握り潰した
猛の目は復讐の鬼の目だった
「・・・復讐なんてやめたら?」
猛「いや、やめない」
「・・・」
猛「俺は犯人を許さない!絶対に!」
「まだ捕まってないんだよね・・・」
猛「ああ。もう5年だ。警察もあてにならない」
「だから自分で復讐を?」
猛「ああ」
「猛が捕まるよ?」
猛「俺はそれでもかまわない。復讐が終わった後は・・・」
「・・・相変わらず頑固だねw」
猛「ああ」
「・・・犯人に心当たりは?」
猛「狐獣人でオスで今は47歳ってことくらいかな」
「顔は?」
猛「わからない」
「それだけじゃ探せないね・・・」
猛「ああ・・・」
「・・・」
猛「お前は何か覚えてないのか?」
「覚えてないよ・・・ごめんね」
猛「そうか・・・責めてるつもりはないから謝るな」
「・・・」
猛「・・・もう寝よう。明日はちょっと行くところがある」
そういうと猛は寝室に向かった
そして
猛「こいよ」
「一緒に寝るのは無理だよ・・・」
猛「いいから」
僕は猛に添い寝した
しかし腕はもちろん布団も僕の身体をすり抜ける
猛「そのまま俺の隣で寝ててくれないか?」
「いいよ。猛が望むなら」
猛「ありがとう・・・お休み・・・」
そして猛は目を閉じた
幽霊になってから睡眠、食事などの欲求がない
死んでいるのだから当たり前だ・・・
僕は猛の顔をずっと見ていた
今日の顔は穏やかな顔をしていた
(いい夢見てるのかな?)
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