花咲く勇気

月見団子

文字の大きさ
上 下
1 / 5

第一話 日常の散歩

しおりを挟む
『ちょっと散歩に行ってくるね~』
「行ってらっしゃい。
気をつけてね。」
『わかってるよ~』
そう言って、私は家を出た。
【散歩】と言うのは、半分嘘で半分本当。
昔から困ってる人をほっとけない性分だった。そして、今も、散歩と言う名目で人助けをしている訳だ。
まぁ、これを知っている友達からは、おせっかいだとか言われているのだが……。
まぁ、そんなこんなで町を歩きながら周りを見渡す。この時間になると夜空が綺麗に見える。
ある程度高いところに行けば夜景も綺麗だろう。
そんな事を思いながら歩いていると、お婆さんを見つけた。手にはなんだか重そうな荷物。
『う~ん、、、大丈夫かな~?』
そんな事を考える前に体が動いてた。
『あの、大丈夫ですか?』
「うん?、、、あぁ!水月ちゃんじゃない!
元気にしてた?」
『はい!私はいつも元気ですよ~!』
「そうかいそうかい。その元気をお婆ちゃんにも分けてほしいくらいだよ。」
『いくらでも分けてあげますよ。
なんなら全部でも。』
「それは嬉しいねぇ。」
『あ、それよりも荷物重そうですね。』
「そうだねぇ。
明日孫が来るんだよ。」
『そうなんですね。
…お荷物お持ちしましょうか?』
「え…?良いのかい?」
『はい!全然良いですよ!』
「重たいよ?」
『全然大丈夫ですよ~
これでも私鍛えてるんで。』
「それじゃあ頼もうかなぁ」
『任せてください!』
まぁ、そんなこんなでお婆ちゃんの荷物を持って、家まで歩く。
途中、お孫さんの話をしたりして。
その時のお婆ちゃんの顔は凄く嬉しそうだった。
いつか会ってみたいな。なんてことを思いながら、お婆ちゃんと話をした。
まぁ、そんな楽しい時間は長くは続かず。
「ここで良いよ。」
『ここで良いんですか?』
「うん、ここがお婆ちゃんのお家だから。」
『分かりました。お体におきをつけて! 』
「はいよ。水月ちゃんもね。
いつでも遊びに来てね。」
『はい!』
そうして、私は周りを見渡して、困ってる人が居ないかを確認しながら家に帰った。
『ただいま~』
「おかえり。」
『星空と夜景が綺麗だったよ~』
「そう。よかったわね。
それじゃあシャワー浴びて寝なさい。」
『分かった!
おやすみ~』
「うん
おやすみ。」
そうして、1日が終わった。
明日がいい日だと良いな。
そう思いながら。
しおりを挟む

処理中です...