花咲く勇気

月見団子

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第二話 いつもの人助け……?

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次の日。
相変わらず私は散歩に出かけてた。
親には散歩と言い、本当は人助け。
けど、今日はなんだか嫌な予感が頭を離れない。
…………………………………。
……………………………………………。
1時間程経っただろうか。
人が横断歩道を渡っている。
いつも通りの景色。
音が聞こえる。あれ?この音って……。
自分の身が危ない。そう分かっているのに体は言うことを聞かない。まるで別の生き物みたいに。
ドカン!!!!!!!
強い衝撃。
あれ?地面が遠い。宙に浮いてるのかな?
落ちる。受け身を取ろうとしても何故か腕が、足が動かない。いや…無い…?
痛い…燃えるように痛い。
痛いいたいイタイイタイイタイイタイイタイイタイ。
一瞬車が見える。血だらけの車が。
あれって…あの大きさは10tトラックかな?
それともトレーラーかな?
凄いな。体がこんなになっちゃうなんて。
ドンッ!
強い衝撃。
1秒に満たない時間なのに凄く長かった。
死ぬときってスローモーションになるって本当だったんだ。
遠くに手が見える。両手が見える。
助けた人は大丈夫だろうか?
見れば尻もちをついてるが無事なようだ。
『よが……た…。』
何が良かっただ。
私は多分死ぬ。
お母さん。ごめん。許して。
こんな馬鹿な娘を。
あぁ~、人助けの……おせっかいの末路はこんなか。
あっけないな。まだ…生きたかったよ…。






そこで私の意識は途切れた。
______________
「遅いわね。」
ほんの少しだけ遅いだけ。
なのに、この胸騒ぎ。
ピロロロロ
電話?
「はいもしもし。」
〔もしもし。紺野さんですか?〕
「はいそうですが……。
どちら様ですか?」
〔私、警察の松浦と申します。〕
「警察…?」
警察。その瞬間、背中に悪寒が走った。
その先を聞きたくない。
でも聞かなきゃいけない。
〔紺野水月さんは貴方のお子さんですか?〕
「はい。そうです。」
〔落ち着いて聞いてください。〕
「……」
〔貴方の娘さんが交通事故に合いました。
今から指定する病院に来てください。〕
「分かり…ました。」
そして、電話が切れる。
水月が交通事故。
頭の中で整理ができないままで私は病院に向かった。
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