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エピローグ
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「貴方も、なってしまったのですね。」
私は砂となった日向君を見ていた。
そして、そこから顔を出した1枚の紙を目にした。
「日向…君!〙
…その紙は私と日向君の婚姻届だ。
そう、私は神様ではない。
でも、あの話はすべて本当だ。
そして、それを伝えたくて、少しでも日向君の心の傷を癒やしてあげたくて、お父さんとお母さんとお姉ちゃんに協力を求めた。
幽霊となってしまった母さんに頼んで、石となったお姉ちゃんの周りに水となったお父さんをかけてもらい、砂となった私で周りを固めてもらえば、人の形の完成だ。
…なんとか人の形になることが出来た。
声だけは、本当になんで出たのか分からなかった。
奇跡でも起きたのだろうか。
そして、砂となった日向君に対して言葉を紡ぐ。
〘ずっと…好きだったんだよ…〛
〚最期まで本当に愛してた。》
《貴方は最期まで家族のために戦ってくれた。〗
〘〖《〚だから、ゆっくり、
休んで、くださいね。〛》〗〙
____親愛なる日向君へ_
____大好きだった日向君へ_
____俺達の為に
立ち向かってくれた日向へ_
____私達を
守ろうとしてくれた日向へ_
____家族を最期まで
愛してくれた日向君へ_
____家族のために
世界に抗ってくれた日向君へ_
「ありがとう」
〈[お前は紺野家の]〉
《〖君は明星家の〗》
〘〚貴方は私達の〛〙
___誇りだ___
そうして、私達の体もとうとう崩れ去り、
3501年5月3日
午後3時15分30秒
この壊れた世界で紡がれた物語に幕が閉ざされた。
この世界で幸せになるはずだった1363億2千万人が、泣いて、笑って、悲しみ、苦しみ
…足掻き、藻掻き続けた。
最期まで感染の危険に触れながらも患者を励まし続けた医療従事者たち。
自分自身を励まし続け、家族にも会えないまま姿を変えていった研究者たち。
世界に希望を求め、少しでもいい方向へと変えようとしてくれた政治家たち。
学校や会社などではできる限り笑顔で居ようとしても、心の中では家族が姿を変えてしまうのではないかと不安で沢山だった学生や社会人たち。
もう、会うことはないかもしれないと思いながらもその気持ちを必死に抑えながらいつもどおりに笑顔で
「行ってらっしゃい」
の一言をかけ続けた主婦たち。
悲しみに耐えながら、笑いながらも目元には涙を流しながら
「また、あしたね」
と、友達や恋人に声をかけ続けた日々。
あの一ヶ月で、ここでは語りきれない程の物語が生まれた。
このウイルスに
〔当たり前は当たり前じゃない。
その全てが奇跡でできている。〕
そんな簡単なことを気付かされた。
そりゃ、この一ヶ月が…このウイルスが生み出したのは数多の悲しみだ。
だが、人々は学んだ。
愚かな人々はこんな世界になってやっと気づいた。
我々は共存すべき動物をどうしてきた?
必要以上に殺し、絶滅にまで追いやった。
食料になった動物たちは無駄にされ、廃棄された。
それを燃やすために二酸化炭素が生まれ、自らが生きる地球を痛め続けた。
だが、そんな人々であろうとも、たった一つのことに関してはどんな生命体よりも特化していた。
それは……。
…どこかで堕神が会話をしていた。
「結局、最期まで愚かでしたね。」
「あぁ、だが、それもまた美しい。
…愚かだと言うお前も最後は手助けしてたじゃないか。」
「まぁ、面白そうでしたから。
声を与えたらどんな言葉を紡ぐのかを。」
「まぁ、力は弱くなってしまって、最後は本人たちの声になってしまったが、ある程度は誤魔化せたろう。
本人たちの要望通り、な。」
「最期まで他人の為に行動を起こすことのできる最初で最後の生命体。」
_________人類________
「その人類。
次はどのような物語を見せてくれるのだろうな。」
「楽しみですね。」
※この物語はフィクションです。
実在する団体や人物などとは、一切関係ありません。
私は砂となった日向君を見ていた。
そして、そこから顔を出した1枚の紙を目にした。
「日向…君!〙
…その紙は私と日向君の婚姻届だ。
そう、私は神様ではない。
でも、あの話はすべて本当だ。
そして、それを伝えたくて、少しでも日向君の心の傷を癒やしてあげたくて、お父さんとお母さんとお姉ちゃんに協力を求めた。
幽霊となってしまった母さんに頼んで、石となったお姉ちゃんの周りに水となったお父さんをかけてもらい、砂となった私で周りを固めてもらえば、人の形の完成だ。
…なんとか人の形になることが出来た。
声だけは、本当になんで出たのか分からなかった。
奇跡でも起きたのだろうか。
そして、砂となった日向君に対して言葉を紡ぐ。
〘ずっと…好きだったんだよ…〛
〚最期まで本当に愛してた。》
《貴方は最期まで家族のために戦ってくれた。〗
〘〖《〚だから、ゆっくり、
休んで、くださいね。〛》〗〙
____親愛なる日向君へ_
____大好きだった日向君へ_
____俺達の為に
立ち向かってくれた日向へ_
____私達を
守ろうとしてくれた日向へ_
____家族を最期まで
愛してくれた日向君へ_
____家族のために
世界に抗ってくれた日向君へ_
「ありがとう」
〈[お前は紺野家の]〉
《〖君は明星家の〗》
〘〚貴方は私達の〛〙
___誇りだ___
そうして、私達の体もとうとう崩れ去り、
3501年5月3日
午後3時15分30秒
この壊れた世界で紡がれた物語に幕が閉ざされた。
この世界で幸せになるはずだった1363億2千万人が、泣いて、笑って、悲しみ、苦しみ
…足掻き、藻掻き続けた。
最期まで感染の危険に触れながらも患者を励まし続けた医療従事者たち。
自分自身を励まし続け、家族にも会えないまま姿を変えていった研究者たち。
世界に希望を求め、少しでもいい方向へと変えようとしてくれた政治家たち。
学校や会社などではできる限り笑顔で居ようとしても、心の中では家族が姿を変えてしまうのではないかと不安で沢山だった学生や社会人たち。
もう、会うことはないかもしれないと思いながらもその気持ちを必死に抑えながらいつもどおりに笑顔で
「行ってらっしゃい」
の一言をかけ続けた主婦たち。
悲しみに耐えながら、笑いながらも目元には涙を流しながら
「また、あしたね」
と、友達や恋人に声をかけ続けた日々。
あの一ヶ月で、ここでは語りきれない程の物語が生まれた。
このウイルスに
〔当たり前は当たり前じゃない。
その全てが奇跡でできている。〕
そんな簡単なことを気付かされた。
そりゃ、この一ヶ月が…このウイルスが生み出したのは数多の悲しみだ。
だが、人々は学んだ。
愚かな人々はこんな世界になってやっと気づいた。
我々は共存すべき動物をどうしてきた?
必要以上に殺し、絶滅にまで追いやった。
食料になった動物たちは無駄にされ、廃棄された。
それを燃やすために二酸化炭素が生まれ、自らが生きる地球を痛め続けた。
だが、そんな人々であろうとも、たった一つのことに関してはどんな生命体よりも特化していた。
それは……。
…どこかで堕神が会話をしていた。
「結局、最期まで愚かでしたね。」
「あぁ、だが、それもまた美しい。
…愚かだと言うお前も最後は手助けしてたじゃないか。」
「まぁ、面白そうでしたから。
声を与えたらどんな言葉を紡ぐのかを。」
「まぁ、力は弱くなってしまって、最後は本人たちの声になってしまったが、ある程度は誤魔化せたろう。
本人たちの要望通り、な。」
「最期まで他人の為に行動を起こすことのできる最初で最後の生命体。」
_________人類________
「その人類。
次はどのような物語を見せてくれるのだろうな。」
「楽しみですね。」
※この物語はフィクションです。
実在する団体や人物などとは、一切関係ありません。
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