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英華女学院の七不思議 13
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授業が終わり、日課のトイレ掃除も終えた私は、一人で校庭にある一番大きな階段へと向かっていた。
「先生! よかった。間に合った……」
後ろから私を呼び止め走ってくるのは、もちろん雛ノ森さん。ただ、私はいつもいつも雛ノ森さんには甘いと感じていたので、この辺でビシッと教師の威厳と言うものを見せなければならない。
「廊下は走ってはいけませんよ」
「あっ、すいません」
と言いながら、私のところまではきちんと走ってきた。
「あまり校則を破らないでくださいよ。一応、副担任なんですから。今までは目を瞑ってきましたが、次からは担任の森田先生に報告しますからね」
「分かっています。だから、謝ったじゃないですか。ですから、森田先生には報告しないでくださいね」
あきらかに私はなめられている。
確かに1年3組担任の森田先生は生徒から恐れられる怖い先生だ。実は私も少し怖い。歳は私の二倍ほどだし、森田先生自身もあまり口数が多い訳ではない。担任と副担任なのにそれではいけないとは思うのだが、怖いものは怖いのだからどうしようもない。
昇降口から外にでると、様々な音が聞こえてきた。生徒同士の談笑、声楽部の合唱、オーケストラ部の演奏。騒音というには心地よい音だった。
「外なら走っても大丈夫ですよね?」
「もちろんですけど、私は走りませんからね」
雛ノ森さんはいち早く3年生が集合している場所に行きたいのだろうが、早く行けばいいと言うものでもない。
言葉以外でも私を急かしながら、二人でその場所に向かった。
「先生! よかった。間に合った……」
後ろから私を呼び止め走ってくるのは、もちろん雛ノ森さん。ただ、私はいつもいつも雛ノ森さんには甘いと感じていたので、この辺でビシッと教師の威厳と言うものを見せなければならない。
「廊下は走ってはいけませんよ」
「あっ、すいません」
と言いながら、私のところまではきちんと走ってきた。
「あまり校則を破らないでくださいよ。一応、副担任なんですから。今までは目を瞑ってきましたが、次からは担任の森田先生に報告しますからね」
「分かっています。だから、謝ったじゃないですか。ですから、森田先生には報告しないでくださいね」
あきらかに私はなめられている。
確かに1年3組担任の森田先生は生徒から恐れられる怖い先生だ。実は私も少し怖い。歳は私の二倍ほどだし、森田先生自身もあまり口数が多い訳ではない。担任と副担任なのにそれではいけないとは思うのだが、怖いものは怖いのだからどうしようもない。
昇降口から外にでると、様々な音が聞こえてきた。生徒同士の談笑、声楽部の合唱、オーケストラ部の演奏。騒音というには心地よい音だった。
「外なら走っても大丈夫ですよね?」
「もちろんですけど、私は走りませんからね」
雛ノ森さんはいち早く3年生が集合している場所に行きたいのだろうが、早く行けばいいと言うものでもない。
言葉以外でも私を急かしながら、二人でその場所に向かった。
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