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6 私の初ボス戦
町一番の支援魔法の使い手は 65
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それからもボスモンスターと50人ほどの冒険者との戦闘に入った。4、5人のパーティーが複数あり、そのパーティーごとに指示が飛び、戦場は複雑さを増していた。あのいつも酒場で酔いつぶれている人たちが、とても統率が取れた動きをしている。
「……いけそうですね」
この様子を見たヘイトさんがそう呟いた。ただ、その呟きに反論する人はいなかった。
指示は複雑でいつ失敗するかも分からないが、なんというか、グッドモーニングさんとグッドナイトさんを見ている手前、なんだか安心感がある。
そして、その安心感はそのまま継続していき、後少しで倒せるのではないのかというところまで来た。
そして、この圧勝ともいえる状況を真っ先に不振に思ったのはコンさんだった。
「この程度のダンジョンだったのか……?」
「何か気になることでもあるのか?」
ヘイトさんは相変わらず、このまま倒せると思っているのだろう。元々、このダンジョンは私たちに回されていたダンジョンだ。ギルドに仮入団して初めてのダンジョンというのもあるし、おそらく、それほど難易度の高いダンジョンを紹介してくれた訳ではないのだろう。むしろ、弱いダンジョンだったのかもしれない、塔の中も迷わないように一本道だったし。
そう考えると、ボスモンスターがこの程度なのも分かるが、しかし、コンさんは違う。
おそらく、コンさんはこのダンジョンの特異性を懸念しているのだろう。塔の上がゴールかと思いきや、そこが折り返し地点だったり、塔の鐘を鳴らすことで先のダンジョンが現れたり、コンさんもあまり体験がないダンジョンだったようだ。そのため、このボスモンスターも警戒している。
ただ、もうボスモンスターも倒れそうだ。体の至る所が崩れ、そして、モンスターの表面にもヒビが入って来ている。そして、そのヒビの隙間から黄金の光が漏れている。もう内包するエネルギーを押さえきれないと言った様子で、ボスモンスターの表面が弾け飛んだ。
その様子に殆どの冒険者は倒したと喜んだ。ただ一人の冒険者を除いて……。
「防げ! まだ終わってねえぞ!」
コンさんの声もむなしく、ボスモンスターの中から現れた黄金の大仏が光を放ちだした。
近くにいた冒険者たちは一斉にダメージを受けていた。その様子にいち早く判断を下したのは団長さんだった。
「全体、速やかに後退! ナイト! 起きているだろ! お前の出番だ!」
団長さんがそう叫ぶと、遠くでグッドナイトさんが起きあがっていた。
確かに、あの光も魔法。それならグッドナイトさんが無効にできるはずだ。
そう考えてグッドナイトさんを起こしたのだろうが、ダンジョンはそこまで甘くない。
グッドナイトさんは魔法攻撃を一度も無効にしておらず、再びボスモンスターの攻撃で吹っ飛んで行ってしまった。
完全に予想外の動きなのだろう。本来なら攻撃パターンの切り替えは2回。魔法系と攻撃系なのだが、今回、それに加え魔法も物理攻撃も使うような状態が生まれた。これではグッドナイトさんが意味をなさない。それだけではなく、苦戦するのは、グッドナイトさんだけではない。魔法も物理攻撃もしてくるなんて、なかなか強い。
そんな状態でも、何とか全員後退を続けていく。
ただ、後退に納得ができないものもいる。
「……いけそうですね」
この様子を見たヘイトさんがそう呟いた。ただ、その呟きに反論する人はいなかった。
指示は複雑でいつ失敗するかも分からないが、なんというか、グッドモーニングさんとグッドナイトさんを見ている手前、なんだか安心感がある。
そして、その安心感はそのまま継続していき、後少しで倒せるのではないのかというところまで来た。
そして、この圧勝ともいえる状況を真っ先に不振に思ったのはコンさんだった。
「この程度のダンジョンだったのか……?」
「何か気になることでもあるのか?」
ヘイトさんは相変わらず、このまま倒せると思っているのだろう。元々、このダンジョンは私たちに回されていたダンジョンだ。ギルドに仮入団して初めてのダンジョンというのもあるし、おそらく、それほど難易度の高いダンジョンを紹介してくれた訳ではないのだろう。むしろ、弱いダンジョンだったのかもしれない、塔の中も迷わないように一本道だったし。
そう考えると、ボスモンスターがこの程度なのも分かるが、しかし、コンさんは違う。
おそらく、コンさんはこのダンジョンの特異性を懸念しているのだろう。塔の上がゴールかと思いきや、そこが折り返し地点だったり、塔の鐘を鳴らすことで先のダンジョンが現れたり、コンさんもあまり体験がないダンジョンだったようだ。そのため、このボスモンスターも警戒している。
ただ、もうボスモンスターも倒れそうだ。体の至る所が崩れ、そして、モンスターの表面にもヒビが入って来ている。そして、そのヒビの隙間から黄金の光が漏れている。もう内包するエネルギーを押さえきれないと言った様子で、ボスモンスターの表面が弾け飛んだ。
その様子に殆どの冒険者は倒したと喜んだ。ただ一人の冒険者を除いて……。
「防げ! まだ終わってねえぞ!」
コンさんの声もむなしく、ボスモンスターの中から現れた黄金の大仏が光を放ちだした。
近くにいた冒険者たちは一斉にダメージを受けていた。その様子にいち早く判断を下したのは団長さんだった。
「全体、速やかに後退! ナイト! 起きているだろ! お前の出番だ!」
団長さんがそう叫ぶと、遠くでグッドナイトさんが起きあがっていた。
確かに、あの光も魔法。それならグッドナイトさんが無効にできるはずだ。
そう考えてグッドナイトさんを起こしたのだろうが、ダンジョンはそこまで甘くない。
グッドナイトさんは魔法攻撃を一度も無効にしておらず、再びボスモンスターの攻撃で吹っ飛んで行ってしまった。
完全に予想外の動きなのだろう。本来なら攻撃パターンの切り替えは2回。魔法系と攻撃系なのだが、今回、それに加え魔法も物理攻撃も使うような状態が生まれた。これではグッドナイトさんが意味をなさない。それだけではなく、苦戦するのは、グッドナイトさんだけではない。魔法も物理攻撃もしてくるなんて、なかなか強い。
そんな状態でも、何とか全員後退を続けていく。
ただ、後退に納得ができないものもいる。
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