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3 妖精の賢者
アルスター 19
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「……ん? そこに誰かいるのか? お客人かな?」
黒く汚れた丸眼鏡を服の裾で拭き、再びかけると、青く澄んだ瞳を覗かせた。
「……あれ? よく見たら、そこのご老人は人類王ではござらぬか! それに、そこにいる小さくて丸いドワーフ殿はドワーフ王! そして、そこの少年は…………君は誰だ? 知らない顔だ。どこの王だ? 子供王国の王か? 子供王国とはなんでござるか?」
一人で勘違いして、一人で混乱していた。
「あの……お二人は王なんですが、僕は王とかではないんです」
「いやいや、ご謙遜を。この顔ぶれで王ではあらぬなど……なるほど、小生、閃き申した! 王子でござるな! そうなのであろう! そうに違いない! 確かにその歳で王はいささ反感を買うであろうし。それに人間の王は小生がついさっき見抜いたばかりですからな。小生のうっかり屋。しかし、なるほど、王子か。それなら、小生も納得がいく答えですな」
結局、勘違いしたまま納得してしまった。
「兄さん、彼は王でも王子でもないわ。旅先で出会って協力してもらっている小さな村出身のアルスターよ」
「メリル! メリルなのか!」
メリルが説明した声に反応して、エルフの青年は僕に飛びついてきた。
「な、何ですか!?」
「そうか、メリル、無事であったか。いや、無事というわけでもあらぬか。まさか、小生の萌え妹、メリルが人間の少年になっていたなんて……。妹萌の小生としては、とても許し難きこと。しかし、なぜであろうか。この劣情は。小生、ノンケだと自負していたが、中身が最愛の妹だと思うと……まさか小生にこんな隠された性癖があったとは……。いや、逆に小生が性転換して姉になってしまえば、BL展開にはならず、夢のおねショタが実現してしまうのでは……。はっ! すぐに性転換の研究を始めなければ!」
長々とよく分からないことを呟いたかと思えば、踵を返して黒煙渦巻く部屋の中へと戻ろうとしていた。
「兄さん! 全部、兄さんの勘違いよ。彼はアルスター。そして、私は彼の首に掛かっているネックレスの宝石よ」
メリルの言葉を聞き、慌てて懐から宝石となっているメリルを取り出した。
「おぉ、その悪鬼羅刹を寄せ付けぬ魔力。確かに小生の妹。こんな宝石の姿になっているとは……。しかし、妹を宝石にして鎖につなぐとは……新しいジャンルが増えそうですな」
「兄さん……いい加減にしなさい!」
その怒気をはらんだ声に乗せて、メリルの風魔法がエルフの青年に炸裂した。
エルフの青年は部屋の中に飛ばされ、風魔法の力で部屋の中の黒煙まで吹き飛んだ。
「しょ、小生にマゾの気質はありませぬぞ!」
「喜ばせようとしてやったんじゃないわよ。さ、部屋の中に入りましょう」
女性は人間だろうとエルフだろうと怒らせたら怖いと思いながら部屋の中へと入った。
黒く汚れた丸眼鏡を服の裾で拭き、再びかけると、青く澄んだ瞳を覗かせた。
「……あれ? よく見たら、そこのご老人は人類王ではござらぬか! それに、そこにいる小さくて丸いドワーフ殿はドワーフ王! そして、そこの少年は…………君は誰だ? 知らない顔だ。どこの王だ? 子供王国の王か? 子供王国とはなんでござるか?」
一人で勘違いして、一人で混乱していた。
「あの……お二人は王なんですが、僕は王とかではないんです」
「いやいや、ご謙遜を。この顔ぶれで王ではあらぬなど……なるほど、小生、閃き申した! 王子でござるな! そうなのであろう! そうに違いない! 確かにその歳で王はいささ反感を買うであろうし。それに人間の王は小生がついさっき見抜いたばかりですからな。小生のうっかり屋。しかし、なるほど、王子か。それなら、小生も納得がいく答えですな」
結局、勘違いしたまま納得してしまった。
「兄さん、彼は王でも王子でもないわ。旅先で出会って協力してもらっている小さな村出身のアルスターよ」
「メリル! メリルなのか!」
メリルが説明した声に反応して、エルフの青年は僕に飛びついてきた。
「な、何ですか!?」
「そうか、メリル、無事であったか。いや、無事というわけでもあらぬか。まさか、小生の萌え妹、メリルが人間の少年になっていたなんて……。妹萌の小生としては、とても許し難きこと。しかし、なぜであろうか。この劣情は。小生、ノンケだと自負していたが、中身が最愛の妹だと思うと……まさか小生にこんな隠された性癖があったとは……。いや、逆に小生が性転換して姉になってしまえば、BL展開にはならず、夢のおねショタが実現してしまうのでは……。はっ! すぐに性転換の研究を始めなければ!」
長々とよく分からないことを呟いたかと思えば、踵を返して黒煙渦巻く部屋の中へと戻ろうとしていた。
「兄さん! 全部、兄さんの勘違いよ。彼はアルスター。そして、私は彼の首に掛かっているネックレスの宝石よ」
メリルの言葉を聞き、慌てて懐から宝石となっているメリルを取り出した。
「おぉ、その悪鬼羅刹を寄せ付けぬ魔力。確かに小生の妹。こんな宝石の姿になっているとは……。しかし、妹を宝石にして鎖につなぐとは……新しいジャンルが増えそうですな」
「兄さん……いい加減にしなさい!」
その怒気をはらんだ声に乗せて、メリルの風魔法がエルフの青年に炸裂した。
エルフの青年は部屋の中に飛ばされ、風魔法の力で部屋の中の黒煙まで吹き飛んだ。
「しょ、小生にマゾの気質はありませぬぞ!」
「喜ばせようとしてやったんじゃないわよ。さ、部屋の中に入りましょう」
女性は人間だろうとエルフだろうと怒らせたら怖いと思いながら部屋の中へと入った。
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