21 / 67
2 boys loveを求めて……
悪役令嬢は見る専です 21
しおりを挟む
「あれは……ザックさんですか。そう言えば、ザックさんも買い出しに行っているとベートが言っていましたね」
城中を見回しても居なかったので買い物に出ているのだろうと私は予測していたが、どうやら当たりのようだ。そして、私の監視が及ばない城の外でルーデンくんと逢い引きをしているをしているという可能性もまだ消えてはいない。もう城へと向かう帰り道だが、今まさに、ルーデンくんとザックさんが出会ったのだから。
「ザックさんは……あれはお肉かしら。ってことは、精肉店に行った帰りかしら」
「いえ、肉だけではないでしょうね。果物なんかもあるでしょう。野菜類は城で作ったり備蓄したものがありますが、果実は城で作ってはいませんから。となると、果物の木も植えたほうがいいでしょうか」
「流石に、そこまでしなくていいんじゃないの? 木が増えたらルーデンくんの負担になるでしょうし」
「そうですね。城の中で全てを賄うなんてことはできませんし。小麦粉や砂糖、茶葉なんかも……そう言えば、茶葉がもうすぐなくなりそうでしたね……ついでに頼んでおくべきでしたね……」
紅茶の茶葉を頼んでおけばよかったと後悔しているセバスだが、そんなことはどうでもいい。大事なのは、この後、出会ったルーデンくんとザックさんがどうなるか。
「静かにしてよね。気づかれたらどうするの」
「え、えぇ、すいません」
セバスに注意し、尾行を続ける。ただ、収穫があるかどうかはあまり期待できないかもしれない。なぜなら、二人とも買い物終わりで荷物を持っている。人通りが全くない薄暗い路地裏で……なんてことは食品を持っているザックさんでは考えられない。となると、どこか室内に入るしかないのだが、残念ながらラブホ、この世界ではボーイズバーやガールズバーと併設されていることが多いのでそちらに多いのだが、そういう店がある場所とは離れている。まあ、そう言った場所は城からは離れているし、大通り沿いにもない。このまま進んでいっても城に帰るだけで、そう言った場所は一切ない。
可能性はとても低いが、ここまで来たからには最後まで見届けるしかない。
「ん? ザックさん、ルーデンとなにか口論になっているみたいですね。でも、ここからじゃ何を言っているか……」
喧嘩とまではいかないが、なにか言い合っているようだ。
「あっ、ザックさんがルーデンの荷物を奪おうとしてますね」
「あぁ、なるほど。ザックさんがルーデンくんの荷物を持ってあげようって言ったけど、ルーデンくんが拒否して、それでザックさんが強引に荷物を持とうとしているのね」
年上のザックさんがルーデンくんの荷物を持ってあげようなんて、意外と微笑ましいところもあるではないか。少女マンガなんかでよくあるシチュエーションだ。これもBLに輸入してもなかなか妄想が捗りそうだ。
「しかし、何でルーデンはあそこまで拒んでいるんでしょうか。この荷物運びに使命感でも感じているんでしょうか」
確かに、少し不自然だ。
「はっ! まさか……あの買い物の中にいかがわしいものが!」
「何ですかいかがわしいものって……」
ま、まさか、オナホ!? 女性の陰部を模して作られたというあの!? この世界にそんなものがあったなんて……。いや、あったとしても女性である私が知るはずもないか。
「そうか! ザックさんと恋仲にあるルーデンくんがオナホを買うなんて、それは浮気以上の裏切り行為。それが見つかるのを避けてあんなに拒絶を……。でも、あの様子では、いずれザックさんの手に……そして、中身を知ったザックさんは怒りにまかせてルーデンくんを激しく責め立てる! 耐えれず崩壊したルーデンくんは身も心もザックさんのものに……な、な、なんてすばらしい!」
「お嬢様、涎が。一応、町中ですので、少し自重してください」
「あ、危なかったわ」
セバスが居なければ、町中で興奮した姿を民に見られ、この国の女王は変態だと言われる所だった。
「お嬢様、見てください。どうやら、ルーデンが拒否していた理由はあれみたいですよ」
まさか、ザックさんに大人の玩具が見つかってしまったのかと期待で興奮しながら見ると、全く違う無様なザックさんの姿があった。
「どうやら、ルーデンの荷物はかなり重いようですね。まあ、庭の肥料でしょうから重いのは当然なんですが」
今まで重そうな素振りを一切見せなかったルーデンくんだが、その荷物はザックさんには片手で持ち上げることができないほどの重量があったようだ。
持つと言っておきながらあれは……やはりザックさんにはヘタレ受けの性質が高いようだ。
ただ、今回も私が期待していたような展開にはならなかった。どうやら、もっと少しずつBLの良さについてレクチャーしていく必要があるのかもしれない。
城中を見回しても居なかったので買い物に出ているのだろうと私は予測していたが、どうやら当たりのようだ。そして、私の監視が及ばない城の外でルーデンくんと逢い引きをしているをしているという可能性もまだ消えてはいない。もう城へと向かう帰り道だが、今まさに、ルーデンくんとザックさんが出会ったのだから。
「ザックさんは……あれはお肉かしら。ってことは、精肉店に行った帰りかしら」
「いえ、肉だけではないでしょうね。果物なんかもあるでしょう。野菜類は城で作ったり備蓄したものがありますが、果実は城で作ってはいませんから。となると、果物の木も植えたほうがいいでしょうか」
「流石に、そこまでしなくていいんじゃないの? 木が増えたらルーデンくんの負担になるでしょうし」
「そうですね。城の中で全てを賄うなんてことはできませんし。小麦粉や砂糖、茶葉なんかも……そう言えば、茶葉がもうすぐなくなりそうでしたね……ついでに頼んでおくべきでしたね……」
紅茶の茶葉を頼んでおけばよかったと後悔しているセバスだが、そんなことはどうでもいい。大事なのは、この後、出会ったルーデンくんとザックさんがどうなるか。
「静かにしてよね。気づかれたらどうするの」
「え、えぇ、すいません」
セバスに注意し、尾行を続ける。ただ、収穫があるかどうかはあまり期待できないかもしれない。なぜなら、二人とも買い物終わりで荷物を持っている。人通りが全くない薄暗い路地裏で……なんてことは食品を持っているザックさんでは考えられない。となると、どこか室内に入るしかないのだが、残念ながらラブホ、この世界ではボーイズバーやガールズバーと併設されていることが多いのでそちらに多いのだが、そういう店がある場所とは離れている。まあ、そう言った場所は城からは離れているし、大通り沿いにもない。このまま進んでいっても城に帰るだけで、そう言った場所は一切ない。
可能性はとても低いが、ここまで来たからには最後まで見届けるしかない。
「ん? ザックさん、ルーデンとなにか口論になっているみたいですね。でも、ここからじゃ何を言っているか……」
喧嘩とまではいかないが、なにか言い合っているようだ。
「あっ、ザックさんがルーデンの荷物を奪おうとしてますね」
「あぁ、なるほど。ザックさんがルーデンくんの荷物を持ってあげようって言ったけど、ルーデンくんが拒否して、それでザックさんが強引に荷物を持とうとしているのね」
年上のザックさんがルーデンくんの荷物を持ってあげようなんて、意外と微笑ましいところもあるではないか。少女マンガなんかでよくあるシチュエーションだ。これもBLに輸入してもなかなか妄想が捗りそうだ。
「しかし、何でルーデンはあそこまで拒んでいるんでしょうか。この荷物運びに使命感でも感じているんでしょうか」
確かに、少し不自然だ。
「はっ! まさか……あの買い物の中にいかがわしいものが!」
「何ですかいかがわしいものって……」
ま、まさか、オナホ!? 女性の陰部を模して作られたというあの!? この世界にそんなものがあったなんて……。いや、あったとしても女性である私が知るはずもないか。
「そうか! ザックさんと恋仲にあるルーデンくんがオナホを買うなんて、それは浮気以上の裏切り行為。それが見つかるのを避けてあんなに拒絶を……。でも、あの様子では、いずれザックさんの手に……そして、中身を知ったザックさんは怒りにまかせてルーデンくんを激しく責め立てる! 耐えれず崩壊したルーデンくんは身も心もザックさんのものに……な、な、なんてすばらしい!」
「お嬢様、涎が。一応、町中ですので、少し自重してください」
「あ、危なかったわ」
セバスが居なければ、町中で興奮した姿を民に見られ、この国の女王は変態だと言われる所だった。
「お嬢様、見てください。どうやら、ルーデンが拒否していた理由はあれみたいですよ」
まさか、ザックさんに大人の玩具が見つかってしまったのかと期待で興奮しながら見ると、全く違う無様なザックさんの姿があった。
「どうやら、ルーデンの荷物はかなり重いようですね。まあ、庭の肥料でしょうから重いのは当然なんですが」
今まで重そうな素振りを一切見せなかったルーデンくんだが、その荷物はザックさんには片手で持ち上げることができないほどの重量があったようだ。
持つと言っておきながらあれは……やはりザックさんにはヘタレ受けの性質が高いようだ。
ただ、今回も私が期待していたような展開にはならなかった。どうやら、もっと少しずつBLの良さについてレクチャーしていく必要があるのかもしれない。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
71
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる