悪役令嬢は見る専です

小森 輝

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3 親友とその弟

悪役令嬢は見る専です 40

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 防犯は大事だということで、面倒だとしてもやっておかなければならない。
 とにかく城の周りに魔石を配置していき、やっと魔石の効果範囲で城を覆うことができた。
「はぁ……やっと終わった……。寒いなぁ。やっぱり夜は冷えるわね」
「上着は持ってきておりませんので、体が冷えてしまう前に城の中に入りましょう」
 長時間を外で作業するわけではないので部屋着でも大丈夫だろう。そう思ったのだが、少し考えが甘かった。でも、セバスも用意していなかったので、私が反省したところで準備できるとは思えない。
 私が反省しても何も変わりそうにないので、風邪をひかないうちに城の中へと引き返した。
 見張りの兵士たちが忙しなく働いていたが、本当に申し訳ない気持ちしかない。私が城の周りに感知魔法を込めた魔石をばらまいているので、彼らがやっていることは完全に無意味なんだから。かといって、私がいるから見張りはいらないなんて他国の王城の兵士に言えるわけがないので、彼らには無駄働きをしてもらうしかない。
 申し訳なさと肌寒さからおさらばして、城の中へ入ったが、私の役目はまだ終わっていない。
「よし……もうひと頑張りね」
 城の周りを覆ったからといってこれで終わりではない。城の周りに張り巡らせた魔石はあくまでも応急処置的な役割でしかない。今までの経験上、不具合はなかったのだが、それでも不安は残る。それに、仮に侵入者がいたとしても、城の周りの魔石はそれを感知するだけ。それだけでもすごいことなのだろうが、残念ながら感知するだけで迎撃はできない。つまり、城の周りにある魔石だけでは異常の認識はできても排除まではできない。そのため、もう少しだけ工夫が必要なのだ。
 城の中へと入った私は、再び魔石を配置し始めた。今度は少し大きくて純度も高い魔石を使い、外に仕掛けたものと同じように感知系の魔法と、それに加え、透明化の魔法も使用する。城の中に魔石があったら片づけられてしまうかもしれないので、少し高価な魔石を使って透明にさせなければならない。ただ、外と違って、これは追跡用。城の中に入ってきた侵入者の後を追うための仕掛けなので、密集させておく必要はないので、城の外ほど魔石を使用しなくていい。
 セバスを引き連れて城の中を歩き回りながら魔石を仕込んでいく。
 すると、話し声が聞こえてきた。声の響き方からして部屋の中からではなく廊下のほうから。兵士たちの揉め事かと思ったが、有事の際以外で兵士が城の中へ入ることはない。
 それならば、誰の話し声なのだろうか。
 そう思い、聞き耳を立てるという一国の女王として相応しくない行為をした。
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