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「俺はダンジョンに行くことに1票だ。町の近くなっらともかく、町の中だからな。誰かがやらなければならないのなら、その役目は率先してやるべきだと俺は思う。も、もちろん、いやらしいことが理由で行こうって言ってるわけじゃないぞ! 絶対に、だからな!」
最後に慌てて付け加えていた。男として、異性に変態というレッテルを張られるのが嫌なのは、元男からしたらよく分かる。
「俺は行くべきではない方だ。トラップの問題はともかく、まだ未知な部分が多い。この前は運が良かったが、今回も運良く済むか分からないからな」
「私も行かない方です。危険はなるべく避けた方がいいでしょうし……。お金の問題でしたら、みんなで出し合いましょう。私も微力ながら力になりますんで……」
エドムとコウランはダンジョンへ行くことに反対のようだ。
「ジンは?」
最後に残ったのは俺だ。ただ、俺の答えは決まっている。
「俺は……ダンジョンに行きたいかな。お金、ないし……」
俺にはダンジョンへ行くという選択肢しかない。言ったとおり、お金がないのも理由の一つだが、それよりも、ダンジョンの頂上でレイが待っているという方が大きい。後は、あのエロトラップダンジョンを作ってしまった負い目だろうか。
以上のことから、行けるのであれば俺はダンジョンへ行くという選択肢しかとれない。
「なるほど。ジンは行く方か。じゃあ、3対2で多数決だと行かない方の勝ちってわけね」
ということは、カナは行かない方だったらしい。もともと、このパーティーは慎重なパーティーだ。この結果も仕方がないのかもしれない。
「ただなぁ……。行くべきではないって思っているけど、このままで良いって訳じゃないのがね……」
多数決では決まっているが、それでも、カナは揺れているようだった。
「防具は新調したけど、そんなに金に困ってるわけじゃないぞ? 一応、それなりに貯金も残ってるし……」
「これの状況がいつまで続くか分からないからな。もし、誰もダンジョンに行かなければ、いつかは行かなければならない」
「それに、お金もいつかはなくなるわけですから……。受け身になるのは逆に危険かもしれませんね」
3人とも先ほどの意見と真逆になっていた。それだけに判断が難しいようだ。
「もぅ……どうするのよ……」
カナも決め倦ねているようだ。
「困っているところ悪いんだが、今、時間をもらえるかな? ダンジョンのことについてなんだが……」
そんな中、俺たちパーティーの目の前に現れたのは、ギルドマスターだった。
最後に慌てて付け加えていた。男として、異性に変態というレッテルを張られるのが嫌なのは、元男からしたらよく分かる。
「俺は行くべきではない方だ。トラップの問題はともかく、まだ未知な部分が多い。この前は運が良かったが、今回も運良く済むか分からないからな」
「私も行かない方です。危険はなるべく避けた方がいいでしょうし……。お金の問題でしたら、みんなで出し合いましょう。私も微力ながら力になりますんで……」
エドムとコウランはダンジョンへ行くことに反対のようだ。
「ジンは?」
最後に残ったのは俺だ。ただ、俺の答えは決まっている。
「俺は……ダンジョンに行きたいかな。お金、ないし……」
俺にはダンジョンへ行くという選択肢しかない。言ったとおり、お金がないのも理由の一つだが、それよりも、ダンジョンの頂上でレイが待っているという方が大きい。後は、あのエロトラップダンジョンを作ってしまった負い目だろうか。
以上のことから、行けるのであれば俺はダンジョンへ行くという選択肢しかとれない。
「なるほど。ジンは行く方か。じゃあ、3対2で多数決だと行かない方の勝ちってわけね」
ということは、カナは行かない方だったらしい。もともと、このパーティーは慎重なパーティーだ。この結果も仕方がないのかもしれない。
「ただなぁ……。行くべきではないって思っているけど、このままで良いって訳じゃないのがね……」
多数決では決まっているが、それでも、カナは揺れているようだった。
「防具は新調したけど、そんなに金に困ってるわけじゃないぞ? 一応、それなりに貯金も残ってるし……」
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「もぅ……どうするのよ……」
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