エロ同人みたいな能力で、渋々、異世界救います

小森 輝

文字の大きさ
61 / 75

61

しおりを挟む
「俺はダンジョンに行くことに1票だ。町の近くなっらともかく、町の中だからな。誰かがやらなければならないのなら、その役目は率先してやるべきだと俺は思う。も、もちろん、いやらしいことが理由で行こうって言ってるわけじゃないぞ! 絶対に、だからな!」
 最後に慌てて付け加えていた。男として、異性に変態というレッテルを張られるのが嫌なのは、元男からしたらよく分かる。
「俺は行くべきではない方だ。トラップの問題はともかく、まだ未知な部分が多い。この前は運が良かったが、今回も運良く済むか分からないからな」
「私も行かない方です。危険はなるべく避けた方がいいでしょうし……。お金の問題でしたら、みんなで出し合いましょう。私も微力ながら力になりますんで……」
 エドムとコウランはダンジョンへ行くことに反対のようだ。
「ジンは?」
 最後に残ったのは俺だ。ただ、俺の答えは決まっている。
「俺は……ダンジョンに行きたいかな。お金、ないし……」
 俺にはダンジョンへ行くという選択肢しかない。言ったとおり、お金がないのも理由の一つだが、それよりも、ダンジョンの頂上でレイが待っているという方が大きい。後は、あのエロトラップダンジョンを作ってしまった負い目だろうか。
 以上のことから、行けるのであれば俺はダンジョンへ行くという選択肢しかとれない。
「なるほど。ジンは行く方か。じゃあ、3対2で多数決だと行かない方の勝ちってわけね」
 ということは、カナは行かない方だったらしい。もともと、このパーティーは慎重なパーティーだ。この結果も仕方がないのかもしれない。
「ただなぁ……。行くべきではないって思っているけど、このままで良いって訳じゃないのがね……」
 多数決では決まっているが、それでも、カナは揺れているようだった。
「防具は新調したけど、そんなに金に困ってるわけじゃないぞ? 一応、それなりに貯金も残ってるし……」
「これの状況がいつまで続くか分からないからな。もし、誰もダンジョンに行かなければ、いつかは行かなければならない」
「それに、お金もいつかはなくなるわけですから……。受け身になるのは逆に危険かもしれませんね」
 3人とも先ほどの意見と真逆になっていた。それだけに判断が難しいようだ。
「もぅ……どうするのよ……」
 カナも決め倦ねているようだ。
「困っているところ悪いんだが、今、時間をもらえるかな? ダンジョンのことについてなんだが……」
 そんな中、俺たちパーティーの目の前に現れたのは、ギルドマスターだった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

転生ヒロインは不倫が嫌いなので地道な道を選らぶ

karon
ファンタジー
デビュタントドレスを見た瞬間アメリアはかつて好きだった乙女ゲーム「薔薇の言の葉」の世界に転生したことを悟った。 しかし、攻略対象に張り付いた自分より身分の高い悪役令嬢と戦う危険性を考え、攻略対象完全無視でモブとくっつくことを決心、しかし、アメリアの思惑は思わぬ方向に横滑りし。

少し冷めた村人少年の冒険記

mizuno sei
ファンタジー
 辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。  トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。  優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。

乙女ゲームの悪役令嬢、ですか

碧井 汐桜香
ファンタジー
王子様って、本当に平民のヒロインに惚れるのだろうか?

俺に王太子の側近なんて無理です!

クレハ
ファンタジー
5歳の時公爵家の家の庭にある木から落ちて前世の記憶を思い出した俺。 そう、ここは剣と魔法の世界! 友達の呪いを解くために悪魔召喚をしたりその友達の側近になったりして大忙し。 ハイスペックなちゃらんぽらんな人間を演じる俺の奮闘記、ここに開幕。

【完結】異世界で魔道具チートでのんびり商売生活

シマセイ
ファンタジー
大学生・誠也は工事現場の穴に落ちて異世界へ。 物体に魔力を付与できるチートスキルを見つけ、 能力を隠しつつ魔道具を作って商業ギルドで商売開始。 のんびりスローライフを目指す毎日が幕を開ける!

第5皇子に転生した俺は前世の医学と知識や魔法を使い世界を変える。

黒ハット
ファンタジー
 前世は予防医学の専門の医者が飛行機事故で結婚したばかりの妻と亡くなり異世界の帝国の皇帝の5番目の子供に転生する。子供の生存率50%という文明の遅れた世界に転生した主人公が前世の知識と魔法を使い乱世の世界を戦いながら前世の奥さんと巡り合い世界を変えて行く。  

裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね

竹井ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。 元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、 王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。 代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。 父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。 カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。 その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。 ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。 「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」 そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。 もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。 

処理中です...