まさか魔王が異世界で

小森 輝

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7 勇者の帰還

まさか魔王が異世界で 47

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「食べたのなら、行くぞ」
「行くって、どこに?」
「決まっているだろ。魔族を倒しに行くんだ」
 魔族の襲撃という一大事が起こったが、一日というのは長い。まだ半分は残っている。となれば、怠惰に過ごすのはもったいない。
 それに、俺がどれだけ強くなったのかも知りたい。
 剣は使ってはないが、あれだけの魔族を倒したのだ。この体の強さが上がっていてもおかしくない。それを確かめにも行かなければならない。
「とりあえず、あの森の様子を見に行くぞ」
「えぇ……今日ぐらい休んだってよくない? 町もお祭りムードだし……」
 流石、怠惰を司っているだけあって、簡単には動いてくれない。だが、俺にはとっておきの一言がある。
「それだけ食って動かなければ、お前、太るぞ」
「…………」
 一瞬、逡巡したが、すぐに立ち上がることを決断した。
「もしかすると、お前は満腹という感情を魔力に変換しやすいのかもしれないな。魔法を使うことで、食べた分のカロリーを消費したら、その腹や腕や足に贅肉が付かなくて済むかもな」
「…………」
 そのまま、無言のまま、部屋の出口へと向かっていた。
「どこに行くんだ?」
「…………早く行かないと、日が暮れちゃうよ」
 やる気は十分といった様子だ。
 俺の方はすでに準備が出来ているので、時間はかけず、ミラの元へ行った。
 ちらりと様子を見ると、その横顔は不服といった感じだ。
 世の女性はみんな出来ることなら運動はしたくないのだ。それはどこの世界でも同じ。だが、運動しなければ、脂肪を燃焼しなければ、贅肉は貯まる一方で、体はどんどん締まりを失い、いつしかクビレなど存在しなくなってしまう。それを阻止するべく、いろいろなことを試行錯誤する。だが、最終的に必要なのは運動なのだ。
「食った分を消費できるよう努めるんだな」
「分かってるって」
 そして、またあの森へと向かった。
 ただ、そこではまたしても予想外のことが起きていた。
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