アグネイヤIV世

東沢さゆる

文字の大きさ
129 / 181
第二章 輝ける乙女

書簡4

しおりを挟む
 旅人は、シェリルと名乗った。予想通り、カルノリアの娘である。商隊からはぐれて、街道を彷徨っていたところ、ここで行き倒れてしまったのだという。
 葡萄酒と乾乳チーズとを腹に入れて、ひと心地ついたのだろう、シェリルは改めてサリカに礼を述べる。
「どうも、ありがとうございました」
 礼には及ばない、そう答えてから
「もしも急ぐ旅でなければ、我が家で少し休まれてはいかがだろうか?」
 提案してみる。見たところ、シェリルの疲労は激しそうであった。目の下には色濃く隈が浮き出ている。顔色も、相変わらず悪い。血の気を失った唇も、鎖骨が異様に目立つ胸元も、見ているだけで痛々しい。出来れば、数日間、アシャンティにて療養してから、目的地へと旅立つほうが良いだろう。このままでは、また、何処かで倒れてしまうかもしれない。
 しかし、サリカの申し出を、シェリルは頑として受け入れなかった。
「お気持ちだけ、受け取らせていただきます」
 深々と頭を下げ、立ち上がる。が、眩暈でも覚えたのだろうか。ふわりと木の葉が舞うように回転しながら、その場に座り込む。額を押さえようと動いた手、その細く頼りなげな指先から、金の光が零れた。
 こん、と、虚しい音を立てて馬車の床に落ちたのは、指輪であった。
 指輪が抜け落ちるなど、ありえない。
 装飾品は、無論、贅沢品である。そのようなものを身につけられるのは、それなりの財力を持つ家の者に限られているのだ。装飾品に既成品はなく、持ち主にあわせて作成するのが当然である。
 それが、抜け落ちてしまうなど。余程痩せてしまったか、もしくは、他人のものを身に着けていたのか。どちらかだった。
「……」
 ジェリオは何気なくそれを拾い上げたが、掌に転がる金の指輪を見て、僅かに眉を寄せた。なにか、感じるところがあるのだろうか。サリカは、シェリルを支えつつ、彼を見上げる。彼を――彼の手の中にある、指輪を。
「これは」
 みれば、それは先代オルトルートの手であった。透かし彫りで紋章が刻まれている。羽を広げた鴉。『カルノリア大公家』の紋章である。
(カルノリア)
 かの国は、帝国となって以来、この大公家時代の紋章は封じている。現在は、アヤルカス同様、神聖帝国の紋章の一つであった獅子の紋を使用しているはずだった。それなのに、なぜ。先代オルトルートは何を考えて、大公家の紋章などを彫ったのだろう。否、それよりも。この指輪を持つ少女。シェリルと名乗る娘の正体は、一体。
「汝に祝福あれ――婚礼の祝いの品か?」
 裏に刻まれた、ルノリア語。ジェリオが声に出して読み上げた途端、シェリルは、はっと眼を見開いた。
「返してください」
 慌てて手を伸ばすも、力なくその場にくず折れる。彼女は悔しげにジェリオを見上げ、なんとか立ち上がろうと必死にもがいていた。サリカは、そんな彼女をやんわりと宥めつつ、
(婚礼?)
 自身の記憶を辿る。

 カルノリア。
 オルトルート。
 婚礼。

 これらを結びつけるものは、ただ一つ。カルノリア嫌いの彼女が渋々受けた依頼。
「ソフィア姫?」
 カルノリア第三皇女の婚礼に際し、彼女の嫁ぎ先であるセグよりのものだった。夫となる公子から、花嫁に贈られる愛の証。カルノリア四皇女の中で最も美しいと評判であった彼女を迎えるにあたり、なんとしてでも貴婦人に人気の高いオルトルートの手がけた品を手に入れたかったのだろう。
 それに対して、オルトルートは嫌味で応えた。
 大陸の鴉。
 神聖帝国の屍を食い荒らした、鴉。そう蔑みながら、彼女は帝国の紋章ではなく、大公家の紋章を指輪に刻み込んだのだ。呪詛をこめて。
 その指輪が、ソフィア姫の指に納まっているはずの、それが。なぜ、ここにあるのだろう。
 サリカは、シェリルに不審の眼を向ける。と同時に、彼女もサリカを驚きの表情で見つめていた。ソフィア、の名に反応したのだ。
「あなた――あなたがたは、いったい……」
 どなたですの、と。シェリルは青ざめた顔で尋ねる。
 それは、こちらが訊きたいことだった。
 尋ねられて、素直に皇帝であるとは答え難い。シェリル自体が何者なのかわからないのだ。下手に正体を明かしては、後々困ることになる。それを考えて、サリカは暫く躊躇していたが。
「神聖帝国の、大貴族の若さまだ」
 横合いから、ジェリオが口を挟んだ。
 シェリルは掠れた声を上げ、サリカを凝視する。
「神聖――帝国……では、ここは、旧アヤルカス領内ですか」
 サリカは、頷いた。セルニダ郊外、アシャンティの近くであると答えれば、シェリルは「ああ」と絶望的な声を上げる。
「わたくし……わたくし、とんでもないところまで来てしまったのですね」
 何をもって『とんでもない』というのだろうか。その辺りは、謎であったが。シェリルは先程よりも落ち着かなくなり、指輪のことも忘れたのか、ただ、おろおろとうろたえている。
 どこに行くつもりだったのか、さりげなく尋ねると、
「ユリシ……」
 カルノリアの首都の名を答えようとして、彼女は慌てて口をつぐんだ。
 容姿と持ち物から、既に彼女の素性は七割がた割れている。カルノリア出身で、しかも皇女と接することの出来る立場にあるとすれば、皇女の輿入れの際に従った侍女であろう。だが、今ひとつ確信がもてない。確証がない。サリカが彼女を警戒する理由は、そこにある。
 仮に皇女の侍女であったとしても、シェリルが何故、彼女の指輪を持っているのか。まさか、これを盗み出して逃走したわけでもあるまい。売却したところで、オルトルートの手にして、カルノリア大公家の紋章の刻まれた指輪など、すぐに足がついてしまう。即日溶解処理をしてくれるような、怪しげな店に流すしか方法はないが、どうみてもシェリルにそのような伝手があるようには思えない。
 第一、売却するつもりであるならば、わざわざこのような遠方まで来る必要もなく――行き先が皇女の実家のあるユリシエルというのも妙であった。
「宿下がりをされて、ご実家に帰られる途中だったのか?」
「……」
 シェリルは無言だったが、視線の動きは『是』と応じているようなものだった。
「宿下がりに、ご主人の装飾品を持ち帰る――変わったことをなされるな」
 苦笑を浮かべると、シェリルの顔が青ざめた。彼女は胸元を押さえ、小さく震える。
「火急の使者として赴く場合。書簡と共に主人の身に着けていたものを証拠の品として持ち歩くことはあるが……女性の身で、それほどまでに重い責務を負うことは、滅多にないはず」
 サリカの言葉は、シェリルを追い詰めるものだった。本来、このような言い方をしたくなかったのだが、
「姫の身に、何かあったということか」
 人の命が関わっていることであるならば、多少強く言わざるを得ない。案の定、シェリルの肩が大きく揺れた。彼女は俯き、唇を強く噛み締める。
「少し前に、セグの公子の一人が死んだって話を聞いたな」
 今まで黙っていたジェリオが口を挟む。セグの公子、その言葉を聞いた途端、シェリルは顔を上げ、鋭くジェリオを睨みつけた。親の仇にでも会ったかのような、強い視線――しかしジェリオは怯むことなく。逆に薄く笑いを浮かべた。
「表向きは病死。その実、暗殺された――ってところか?」
 シェリルの拳が震える。ジェリオの言葉は、正鵠を得ていたのだ。
 儚くなったのは、ソフィア姫の夫君。セグの第二公子。
 嫡男ではない彼を暗殺して、利益を得るものがあるだろうか。思い至ることがあるとすれば、第二公子は正室の子であるが、嫡子である第一公子は愛妾の子であること――くらいだろう。継承問題に絡む陰謀に巻き込まれて命を落とすことは、貴族社会においては珍しくはない。
 それに、もともとソフィア姫は第一公子に嫁ぐはずだった。ところが、見合い当日、兄に同行した第二公子と『運命的な恋』に落ちて、彼女は長男を袖にし次男と結ばれた、と言われている。娘に甘いカルノリア皇帝は、三女の我侭を聞き届ける形となった。セグとしても、大国の皇女を得られるのであれば、次男の妃でも構わぬわけである。――そう、国としては。
 焦るのは、嫡男だった。愛妾の子という負い目を、大国の皇女を妃とすることによって拭い去れると思っていたのに、それを横合いから奪われてしまった。しかも、奪った相手は公妃の息子。これでは、自身の地位が危ない。考えるのは、当然である。
 ジェリオの指摘通り、第二公子が暗殺されたとしたら、犯人は、第一公子の息のかかったものである可能性が高い。
 そして。

 悲しみにくれる花嫁は、首謀者を知っている。

 ソフィア姫が実家へ戻ったという話は聞いていない。彼女に帰国されては困るわけが、セグにはあるのだ。
「カルノリアに、真実を伝えに行かれるのか?」
 静かに問いかけると、シェリルの双眸から涙が溢れた。彼女は、しゃくりあげながら、幾つかの単語を唇に上らせる。

 姫君
 幽閉
 第一公子との縁組

 ――つまり。姫君を第一公子の妃とするために、幽閉しているのだ、セグは。だが、相思相愛で第二公子と結ばれた姫が、そう簡単に他人に再嫁するわけがない。しかも、相手は愛しき夫の仇かも知れぬ相手なのだ。
「自害できぬよう、装飾品は全て取り上げられ、塔の一室に閉じ込められています。無論、投身自殺も図れぬよう、窓には鉄格子が嵌められています。更に、毎日少しずつ薬を盛られて……」
 精神を、蝕まれているという。
 シェリルはその実態を祖国に伝えるために、決死の覚悟でセグを脱出したのだ。
「姫様が正気を保っていらしたときに書かれた書簡と、姫様の指輪を渡されました。姫様は、『わたくしはどうなってもよい、だた、真実を明るみにして欲しい』と。そう仰られて」
 そこまで言い切ると、シェリルは泣き崩れた。彼女の肩を優しく抱きしめ、サリカは、強く奥歯を噛み締めた。
 国家のため――その高潔なる言葉のもとに、一人の女性が犠牲になろうとしている。
「許せない」
 呟くサリカに、
「まさか、あんた」
 ジェリオが、胡乱な眼を向けた。
「セグに乗り込んで、そのお姫さんを助けようとか思っているんじゃないだろうな」
 いい加減にしろよ、とジェリオは呆れたように付け加える。
 サリカは言葉に詰まり、シェリルは弾かれたように顔を上げ、サリカとジェリオを見比べた。
「もしや……」

 ――助けてくれるのですか。
 ――信じても良いのですか、あなたがたを。

 シェリルの眼は、そう問いかけていた。
「……」
 出来れば、助けたかった。捕らわれの姫君を。だが、サリカが動けば、それは第三国の干渉となる。隠密裏にセグへと潜入し、無事、姫を救出したとしても、神聖帝国が介入したという事実は消えない。発覚した折には、セグの恨みを買い、暗部を覗かれたカルノリアからも疎んじられる結果となる。
 もはや個人の感情で行動するには、サリカの地位は高くなりすぎた。
 神聖帝国の帝冠は、それほどまでに重い。
 せめてサリカに出来ることは、暫しの間離宮にてシェリルを休ませ、彼女が無事に帰郷できるよう、手配を整えることだけである。
(でも)
 何かが、引っかかる。何か、重要なことを見落としているような気がする。
(……)
 サリカは、脳裏にセグとカルノリアの系譜を描いた。カルノリア四皇女のうち、三人は嫁いでしまっている。長女・次女の嫁ぎ先は国内の有力貴族。三女だけが国外へと嫁している。一方のセグは、嫡男にはいまだに妃がいない。五年前の破談の影響か、その後嫡男にはこれといった縁談が舞い込んでくることはなかった。第一公子自身も、積極的に花嫁探しに動くこともなく。彼は十年近く傍においている愛妾以外は眼に入らぬようだと、悪意をもって囁かれた時期もあったようだ。
(寵姫)
 セグ第一公子の、愛妾。高級娼婦であったとか、旅の一座の舞姫であったとか。確たる情報もなく、謎の多い人物である。当然、公式の場に列することを許されぬ身、人の噂でしか素性を探ることが出来ない相手だが。
「――第一公子殿の寵姫は、どちらの出身だったか。お分かりか? 侍女殿」
「はい?」
 思わぬ質問に、シェリルは戸惑ったようであるが。
「しかとは解りませんが、確かダルシアの方だったと思います。ダルシア出身の、その、舞姫で」
 シェリルは言葉を濁す。さすがにそれ以上は言えないのだろう。サリカは、頷いた。
「ダルシアの、シルヴィオの生まれでは?」
 更なる問いかけに、シェリルは驚いたようだった。彼女はそれを肯定し、ご存知だったのですか、と首を傾げる。
 知っていたわけではない。勘だった。第一公子の寵姫が、ダルシア出身と聞いた刹那、サリカの中で糸が繋がったのだ。カルノリアとダルシアを繋いでいた、見えない糸。ルカンド伯爵の暗殺現場が、セグであったこともこれで頷ける。
 アヤルカスが、リディアやエルハルトの意向のもとに動いていたのと同じく、カルノリアも水面下で活動を続けていたのだ。
「……」
 二百年間眠り続けていた戦の龍が、再び眼を覚ますときが訪れようとしている。
 サリカは、肌に迫る恐怖を感じて、かすかに身を震わせた。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね

竹井ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。 元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、 王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。 代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。 父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。 カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。 その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。 ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。 「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」 そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。 もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。 

私は逃げ出すことにした

頭フェアリータイプ
ファンタジー
天涯孤独の身の上の少女は嫌いな男から逃げ出した。

結婚30年、契約満了したので離婚しませんか?

おもちのかたまり
恋愛
恋愛・小説 11位になりました! 皆様ありがとうございます。 「私、旦那様とお付き合いも甘いやり取りもしたことが無いから…ごめんなさい、ちょっと他人事なのかも。もちろん、貴方達の事は心から愛しているし、命より大事よ。」 眉根を下げて笑う母様に、一発じゃあ足りないなこれは。と確信した。幸い僕も姉さん達も祝福持ちだ。父様のような力極振りではないけれど、三対一なら勝ち目はある。 「じゃあ母様は、父様が嫌で離婚するわけではないんですか?」 ケーキを幸せそうに頬張っている母様は、僕の言葉にきょとん。と目を見開いて。…もしかすると、母様にとって父様は、関心を向ける程の相手ではないのかもしれない。嫌な予感に、今日一番の寒気がする。 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇ 20年前に攻略対象だった父親と、悪役令嬢の取り巻きだった母親の現在のお話。 ハッピーエンド・バットエンド・メリーバットエンド・女性軽視・女性蔑視 上記に当てはまりますので、苦手な方、ご不快に感じる方はお気を付けください。

生贄公爵と蛇の王

荒瀬ヤヒロ
ファンタジー
 妹に婚約者を奪われ、歳の離れた女好きに嫁がされそうになったことに反発し家を捨てたレイチェル。彼女が向かったのは「蛇に呪われた公爵」が住む離宮だった。 「お願いします、私と結婚してください!」 「はあ?」  幼い頃に蛇に呪われたと言われ「生贄公爵」と呼ばれて人目に触れないように離宮で暮らしていた青年ヴェンディグ。  そこへ飛び込んできた侯爵令嬢にいきなり求婚され、成り行きで婚約することに。  しかし、「蛇に呪われた生贄公爵」には、誰も知らない秘密があった。

帰国した王子の受難

ユウキ
恋愛
庶子である第二王子は、立場や情勢やら諸々を鑑みて早々に隣国へと無期限遊学に出た。そうして年月が経ち、そろそろ兄(第一王子)が立太子する頃かと、感慨深く想っていた頃に突然届いた帰還命令。 取り急ぎ舞い戻った祖国で見たのは、修羅場であった。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【12月末日公開終了】有能女官の赴任先は辺境伯領

たぬきち25番
恋愛
辺境伯領の当主が他界。代わりに領主になったのは元騎士団の隊長ギルベルト(26) ずっと騎士団に在籍して領のことなど右も左もわからない。 そのため新しい辺境伯様は帳簿も書類も不備ばかり。しかも辺境伯領は王国の端なので修正も大変。 そこで仕事を終わらせるために、腕っぷしに定評のあるギリギリ貴族の男爵出身の女官ライラ(18)が辺境伯領に出向くことになった。   だがそこでライラを待っていたのは、元騎士とは思えないほどつかみどころのない辺境伯様と、前辺境伯夫妻の忘れ形見の3人のこどもたち(14歳男子、9歳男子、6歳女子)だった。 仕事のわからない辺境伯を助けながら、こどもたちの生活を助けたり、魔物を倒したり!? そしていつしか、ライラと辺境伯やこどもたちとの関係が変わっていく…… ※お待たせしました。 ※他サイト様にも掲載中

処理中です...