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182・0.3%の奇跡
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俺の本気を悟ったんだろう。ミマが首を振り、深刻なため息をついた。
「正気? 宝石騎士のSSR確率は3%だよ。しかもその中から7分の……いや、10分の1の確率で、目当てのジルコンを引き当てなきゃいけないんだ。まかり間違ってコラルのSSRでも引こうもんなら、何の意味もなくジュエネルを消費するだけになる」
「なっ、ボッ、そ、それはそうですぅけどぉ……!」
ミマが放った突然の流れ弾に、試合をガン見してたはずのコラルが情けない声を上げて振り向いた。聞いてたのかよ。いつもなら苦笑してしまう場面だが、今の俺にそんなゆとりはない。舞台の上からは剣のぶつかり合う音、そしてかすかに混ざるジルコンのうめき声。その声すらも聞こえてこなくなる前に、早く、早く。
……あ、でも。どうすりゃいいんだ、これ。考えてみりゃ俺今まで一回も、ガチャのページにすら移動したことなかった。
「えーっと、マジで何回もごめん。一番肝心な、ガチャの引き方って」
「ああもう、ほんっとこのニワカ野郎が! ジュエネル握ったらメニュー開くだろ!」
「こ、こう? ……あ」
言われるままに石を握ると、目の前の空間に、移動先を選ぶときみたいなメニューが展開された。一番上の一番目立つところに、他の三倍くらいあるでっかいバナーが貼り付けられている。のはいいんだけど、この顔。
「あー……あのさ、なんか、バナーにフォルコとエイグルいんだけど」
「今ピックアップ期間中なんだよ。新キャラだからな」
「……えっと。ここでこの二人……ってか特にフォルコ、引いたらマズいことになりそうっすよね?」
「そりゃそうだ。引いたキャラには強化が入るからね。ジルコンが与えたダメージも回復しちゃうだろうな」
「まーじかぁ……」
思わず頭を抱える。つくづくここぞというとこで運がない。や、タイミング考えれば当然のなりゆきではあるんだろうけど。
ちらりとミマを見上げる。心のうちを読んだかのように、ミマが冷たい目で釘を刺す。
「言っとくけど、失敗したら僕が引くだろとか期待するなよ。だいたい僕にとっては今でも、お前がいなくなった方が好都合なのは変わらないんだからな」
「わ、わーってるよ、もう!」
悪態をつくミマに逆ギレ気味に言い返しつつ、勢いよくガチャのバナーをタップした。目の前に浮かび上がってきたのは、ホログラムのように浮かぶ半透明のランプ。騎士サマたちの持つそれとよく似たランプは、今は火も消えたまま宙に浮いている。
ごくりと唾を飲んで踏み出した。ランプの蓋にそっと触れると、ざらついた黄色の金属に反応して、手の中のジュエネルが光を強める。
乱れ打っていた鼓動が、少しずつ収まっていく。代わりに俺の中に広がっていくのは、奇妙なほどの落ち着きだった。
「正気? 宝石騎士のSSR確率は3%だよ。しかもその中から7分の……いや、10分の1の確率で、目当てのジルコンを引き当てなきゃいけないんだ。まかり間違ってコラルのSSRでも引こうもんなら、何の意味もなくジュエネルを消費するだけになる」
「なっ、ボッ、そ、それはそうですぅけどぉ……!」
ミマが放った突然の流れ弾に、試合をガン見してたはずのコラルが情けない声を上げて振り向いた。聞いてたのかよ。いつもなら苦笑してしまう場面だが、今の俺にそんなゆとりはない。舞台の上からは剣のぶつかり合う音、そしてかすかに混ざるジルコンのうめき声。その声すらも聞こえてこなくなる前に、早く、早く。
……あ、でも。どうすりゃいいんだ、これ。考えてみりゃ俺今まで一回も、ガチャのページにすら移動したことなかった。
「えーっと、マジで何回もごめん。一番肝心な、ガチャの引き方って」
「ああもう、ほんっとこのニワカ野郎が! ジュエネル握ったらメニュー開くだろ!」
「こ、こう? ……あ」
言われるままに石を握ると、目の前の空間に、移動先を選ぶときみたいなメニューが展開された。一番上の一番目立つところに、他の三倍くらいあるでっかいバナーが貼り付けられている。のはいいんだけど、この顔。
「あー……あのさ、なんか、バナーにフォルコとエイグルいんだけど」
「今ピックアップ期間中なんだよ。新キャラだからな」
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「そりゃそうだ。引いたキャラには強化が入るからね。ジルコンが与えたダメージも回復しちゃうだろうな」
「まーじかぁ……」
思わず頭を抱える。つくづくここぞというとこで運がない。や、タイミング考えれば当然のなりゆきではあるんだろうけど。
ちらりとミマを見上げる。心のうちを読んだかのように、ミマが冷たい目で釘を刺す。
「言っとくけど、失敗したら僕が引くだろとか期待するなよ。だいたい僕にとっては今でも、お前がいなくなった方が好都合なのは変わらないんだからな」
「わ、わーってるよ、もう!」
悪態をつくミマに逆ギレ気味に言い返しつつ、勢いよくガチャのバナーをタップした。目の前に浮かび上がってきたのは、ホログラムのように浮かぶ半透明のランプ。騎士サマたちの持つそれとよく似たランプは、今は火も消えたまま宙に浮いている。
ごくりと唾を飲んで踏み出した。ランプの蓋にそっと触れると、ざらついた黄色の金属に反応して、手の中のジュエネルが光を強める。
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