転生したらBLゲーの負け犬ライバルでしたが現代社会に疲れ果てた陰キャオタクの俺はこの際男相手でもいいからとにかくチヤホヤされたいっ!

スイセイ

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193・俺のお尻がビッグバン

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 慣らしの過程は正直、シャレにならないくらいキツかった。当たり前だよ。だからそこは入れるとこじゃないよぉお兄ちゃんなんだって。指一本だけでも脂汗ダラダラだったのを二本、三本と増やされた日にゃ、何度泣いてもうやめない? と懇願しようと思ったかもわからない。
 でも俺は、一回も泣き言を漏らさなかった。それどころかストップすらかけなかった。……なんて、勝ち誇れるほど確固たる意志を貫き通せたわけでもないけど、それでもどうにかこうにか、涙目になりながらも拡げられる苦痛に耐え抜いた。
 結局、そういうことなんだろう。体は正直だな、って、こういう時にも使っていいんだっけ。とにかく脆弱で逃げ腰な俺の心身が、限界を超えてまで頑張ったことだけは事実だ。つまりはやっぱり俺自身も、ジルコンと繋がりたいって思ってるってことで。
 思ってるのは、紛れもない事実なんだけど。

 長い長い永遠みたいな時間を、尻に指を入れられたまま過ごしたあと。
 俺の下半身に被さるあたりで、ジルコンが何やらごそごそやる気配を感じた。きつくつぶっていた目を恐る恐る開く。いつの間にかジルコンは真っ裸になっていて、そのドキドキとそれ以上の緊張が俺の体に走る。来たか。とうとう、来たのか。

「な……なさいますですか」
「ああ。……大丈夫か、お前」
「うん……うん。おうよ。余裕ですよ」
「そうか。辛かったら言え」

 いつになく優しい言葉とともに、両脚の間にジルコンの腰が割り入ってくる。時間をかけてほぐされたそこに、熱と硬度をもった物体があてがわれた。注射を覗き見るような気持ちで、ちらりと視線をその部分に落とす。

「……え?」

 瞬間、言葉を失った。一気に青ざめる俺に気づいているのかいないのか。脚を支える腕にぐっと力がこもり、俺の中にゆっくりと、その大きなものが入り込んでくる。

「いっ…………でええええええ!?」
「うわっ」

 喉から押し出されたのは、自分でもびっくりするくらいの大声だった。いやもう、しょうがない、これはしょうがない! 恋とか愛とかそれ以前に、生き物としての生存本能が脅かされている!

「む、無理! 死ぬ! 死ぬってコレ!! 生命の危機!! ひひぇええん!!」
「死ぬわけないだろう。お前、ギャーだのヒーだの言わないんじゃなかったのか」
「聞かせろっつったのお前だろぉ!? とにかくマジでもうこれは俺のお尻がビッグバン寸前なんですけどぉ!?」
「ああ、煩……」

 騒ぎ倒す俺を呆れた目で見ながら、ジルコンは鬱陶しげに前髪をかき上げて。そこでふと、動きを止めた。何かを考え込んでいるみたいな数秒の間を置いて、彼の手がまた俺の頬に添えられる。

「はぁ……くそ。そんなに辛いなら、止めるか」
「エッ」

 らしからぬセリフに、痛みも忘れて銀の瞳を見つめ返す。真顔だ。嘘やからかいで言ってるようには見えない。マジで? この傲慢ドSコンプラガン無視王子が、こんな状況で俺に気を遣ってる?
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