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1話 悪魔襲来
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ここはアングル村。
国王アルメス・エルフォードが治めるフランバーレン国にあるちっぽけな村だ。
近くには、果物や動物がたくさんいる森があったり、魚がよくつれる川があって、意外と住むのには苦労はしない。
日が昇り、太陽の光がカーテンの隙間から漏れてくる。
「んん……。まぶしい……」
その光がダイレクトに顔面に当たり、俺は目を覚ました。
「ああ、もう朝か……」
俺は、目を擦りながらベッドを降りて、服を着替える。
着替え終わった後、両親はまだ寝ているので、そーっと扉を開け、そーっと階段を降り、洗面所に顔を洗いに向かう。
「ふう。すっきりした。よし!そろそろ行くか」
そう決意し、俺は家を飛び出した。
「といっても、ただ走るだけなんだけどな」
わっはっは、と笑う。
俺は毎朝の日課としてランニングを行っている。
始めた頃はだるかったが、今では俺にとっては大事な習慣となっている。
「うーん、やっぱり朝は空気がひんやりとしていて気持ちいいな」
冬頃はとても寒かったが、春に差し掛かった今はいい具合に涼しい。
だが、
「それにしても今日は寒すぎないか?くそ、さすがに春といえども、朝に半そで短パンで外に出るのは厳しいか。ならもう少し厚着でも……いや走れば……でも帰るときに寒くないか……でも荷物が増える……」
と、家のドアノブに手をかけたり走り出そうとしたりをくり返してもたもたしていると、とてもやさしそうな笑顔をしたお婆ちゃんが俺の方に寄ってきた。
「おはよう、アランちゃん」
「おはようございます、村長」
そう挨拶をしてくれたこのお婆ちゃんは、この村の村長なのだ。
名前は……レイ……、あれ……レイ……なんだっけ、思い出せない。
いや、俺ならできるはずだ!本気をだせえ!
…………………。やっぱり思い出せない。
頭を抱えながらうめく。
くっ、やりたくは無いが仕方ない、本人に聞いてみよう。
「そういえば、村長の名前ってなんでしたっけ」
「あらやだ、おもしろい冗談ね。…………本当に忘れたんじゃないだろうね?」
声や仕草は、笑っているときのそれだけど、目だけが笑っていなかった。
そして、若干手に力をこめている。
「い、いえそんなまさか。ほら、いつもみんな村長の事を村長って呼ぶから、ど忘れしちゃって」
びくつきながら会話を進める。
「確かにそうね。みんな私のこと村長としか呼んでくれないからね。私、レイラ・アクランドっていう名前があるんだけどね。あ、アランちゃん今からランニングよね。止めちゃって悪かったわね」
「いえ、村長にはいつもお世話になってますから。それじゃ」
「じゃなくて、私の名前覚えてるわよね?」
逃げようとした俺の腕をつかんで、ドスの効いた声で尋ねてくる。
「レ、レイラ・アクランドです……」
消え入りそうな声で答えると、村長は満足げに、
「やっぱり冗談だったのね」
「そうですよ。この村の村長を忘れるなんてありえないですよ」
実際は忘れていたんだけどね。
その後もしばらく村長と他愛の無い話をした。
「……がね、急に三点倒立し始めてね。それはもうひどい江面だったわ。おっとごめんなさい。話が長くなっちゃったわね」
「いえいえ、そんなことないですよ」
「それじゃ、ランニングがんばってねー」
そういって村長は手を振りながらどこかへ去っていった。
「ふう、バカでよかった。あの人怒らすと怖いからな」
額をつたる汗を袖でぬぐう。
村長は、普段はやさしいのだが、怒らすとそれはもう恐ろしいものだ。
災害、食糧難、村長の怒りの三つは、この村のなかでは共通で危険視しているほどだ。
なんせ、前に村長を怒らせたときは、自宅から槍を持ってきて振り回し始めたからな。
止めに入った大人、大体八人くらいが槍によって怪我をしてしまったのだ。
なんとか怒りを収められたものの、それはもう大変だった。
それ以来、村では「村長を怒らせてはいけない、死ぬぞ」という雰囲気となった。
まあ、家に槍があるのがおかしいとおもうんだが。
「そんなこと考えてる場合じゃないな。早く行かないと」
朝ごはんまでには帰らないと、お母さんに怒られちゃうからな。
ランニングのとき、俺はいつも村の周りを走っているので、村の外まで走って移動する。
村の外に到着し、軽く息を整える。
「すー……はー……」
そして、軽く準備運動をした後に、いよいよ走り始める。
「今日は三週くらいにしようかな。いつもは五週だけど、今日は村長と話したから時間ないし」
村の外周の半分くらいに差し掛かった頃だろうか。森の中から動物の悲鳴のような声が聞こえた。
「なんだろう。行ってみるか」
気になったので、森の中へ入ってみることにした。
「うわ、霧かよ」
森の中は霧が立ち込めていて視界が悪い。別に一寸先が見えない程度ではないが、森の中で遭難するには十分な濃さだ。昨日雨が降ったので、そのせいかもしれない。
「うわあ。なんかいつもと雰囲気いがくてわくわくするな」
少しスキップ気味に探索していると、
「……ッ!だれだ」
自分のすぐ隣を何かがすごい勢いで通り過ぎた気がした。
すぐに首を振って辺りを確認するが、この霧では認識すら出来なかい。
「ちっ。まあいいか、とりあえず動物を探そう」
気にしてもしょうがないので探索を進める。
しばらく歩くと、変なにおいがした。
「なんだこのひどいにおいは」
鼻をきかせてにおいのする方向を探る。
「……こっちだな」
またしばらく進むと、とうとうこのひどいにおいの正体を発見した。
だが、
「し、死んでる……。これは猫か?」
槍で串刺しにされていた。何度も刺されたのか、血が周辺の木々のいたる所に飛び散っている。
あまりにもひどく、少し気持ち悪くなった。
「だがなんでだ?森で死んでいる動物を見かけたことはあるが、ここまでひどくは無かった。こんなことをするのは……!」
大体森の中で死んでいる動物は外傷はほとんど無い。
そこで俺はハッと気づいたのだ。
「悪魔か……」
この世界には悪魔が存在する。
結構悪いやつらで、平気で生き物を殺す。人間も例外ではない。
「じゃああの時すれ違ったのが悪魔だったのか。……まてよ、奴が向かった方向って村の方じゃねーか!くそっ」
さっきのやつ、きっと村にいる人たちを襲いにいったんだ。ちくしょう。
俺は大急ぎで村に向かって走り始めた。
********************
村に到着すると、なにやら騒がしかった。
当然だ。悪魔が来たのだから。
「だけど、どこにいるんだ?」
少し悩んでいると、男性がこちらに向かって歩いてきた。
「やあアランくん。やっと帰ってきたね。でさ、頼みがあるんだけれど、あいつを倒してくれないか?また悪魔が村を襲ってきたんだ」
冷静な口調で用件を伝えてきた。
「はい、わかりましたよニックスさん。じゃあ、そこまで連れてって下さい」
「ああ、お安いごようさ」
俺は、ニックスさんに悪魔のいる場所まで連れてってもらうことにした。
「それにしても、みんな家の中に閉じこもっているんですか?人が見当たらないですけど」
「いや、みんな野次馬とかしているよ」
「あはは……。そういえば、今回の悪魔はどんな感じでした?」
「うーんと、先が三つに割れた槍を持っていて、細身だったかな」
「あー、たぶんそいつはグレムリンですね。あんま強くないから大丈夫だと思います」
ニックスさんは安心した表情を浮かべたが、すぐに溜め息をつき、頭を抱えた。
「どうしたんですか?」
「いや、そのグレムリンってやつが弱いのは分かったんだがな、一つ問題があるんだよ。それは、やつが人質をとっていることなんだよ」
「へえ、誰なんですか?」
ニックスさんは顔をしかめた。
「ま、まあたいした問題じゃないから行こうか」
不振に思い、何度も質問をしたが、ニックスさんにはぐらかされた。
不審に思いながらも、ニックスさんがそこまで言うならと、おとなしく数歩後ろをついていく。
村の中央付近に到着すると、村人が悪魔を取り囲んでいた。
その様子は完全に野次馬だ。
人をかき分けて中を覗き込むと、中心には人質とグレムリンがいた。
いたのだが、
「あの、帰っていいですか?」
「だめだ、何とかしてくれ」
「え、だってですね……」
グレムリンが人質にとっていたのはなんと村長だった。
確かに、村人からしたら村長は大切な存在だし、老人だから身が弱くいから、人質としては一級品だ。
普通の村だったらな。
なんせうちの村長を怒らせたならば、
「ちょっとあんた。首が痛いじゃないのよ。このっ、このっ!」
村長がグレムリンを全力でぶん殴っていた。
グレムリンは抵抗していたが、何の意味も無く、攻撃は全弾命中。
痛くは無いのだろう。
だか、もうグレムリンがかわいそうに思えてきた。
さすがに耐えかねたのか、
「ちょ、痛いってババア!てめえ殺すぞ」
と、村長を少し強めに脅した。
けれどその行為は、
「うっさいわねこのへなちょこ!」
「へね、へなちょこって……」
「大体あんたね、私村長なのよ。敬意をもちなさいよ敬意を!まったく、ただの旅人の分際でこの私を人質にとるなんて」
「いや、あの俺いちよ悪魔なんですけどね。下級ですけど」
「うっさいわよ!」
「痛い痛い、もうやめてくれ」
逆に村長の怒りのボルテージを上げてしまった。
「くく、あの悪魔年寄りにいじめられてるぜ」
「あの悪魔様がね、ぷくく」
「おい、聞こえるぞ、あの悪魔(笑)によ、ぷークスクス」
「そ、そうだな……ふひひ」
野次馬とかした村人の集団から、笑い声が聞こえてくる。
本人たちは我慢してるのだろうが、グレムリンに丸聞こえだ。
いや、わざとなのか?
「お、おいおまえら笑うな!くそ、こうなったら」
次の瞬間、グレムリンは手に持ってる槍を振り上げた。
そして村長に突き刺そうとした。
しかし、村長が暴れすぎたせいでうまく狙いが定まらなかったのか、攻撃をはずした。
「く、あの悪魔、至近距離よりも近い距離の相手にまともに槍すら刺せねーでやんの」
「目が節穴なんじゃないの?」
「目、腐ってんだよきっと」
「やめてやれ。あいつも気にしてんだよ、プクク」
村人にからかわれ、グレムリンの顔がみるみるうちに赤く染まっていく。
「く、くそ……こうなったら」
グレムリンは、村長をつかむ左手の力を強め始めた。
さすがに苦しいのか、村長は口を閉じ、もだえている。
「ははは、このまま絞め殺してやる!」
グレムリンは高らかに笑っている。
「やべ、挑発しすぎた。このままだと本当に村長死んじまうぞ」
「どうするの?」
「アランはいないのか」
「おーい、アラン!はやくあいつを倒してくれ!」
さすがにやりすぎたと思ったのか、さっきまで威勢のよかった村人も萎縮している。
……まったく、仕方ない。
「次はお前らだ!」
グレムリンが村人を指差しながら叫んだ。
その瞬間、俺は村人集団から素早く抜け出して、人蹴りでグレムリンに詰め寄る。
グレムリンは一瞬の出来事すぎてひるんでいた。
そりゃそうだ。急に目の前に人が現れたのだから、びっくりするのも仕方ない。
ついでに、槍や村長をつかむ手からも力が抜けていたので、その隙に村長からやつの手をほどき、首をつかんでぶん投げる。
宙に浮いたグレムリンは、やがて弧を描くように落下し始め、民家に激突した。
「かはっ!て、てめえ」
だがすぐに、グレムリンは槍を突きたてて立ち上がった。
「さすがにこのくらいじゃだめだよな」
やはり下級でも悪魔のようで、大したダメージは負っていなかった。
「だが、このくらいじゃ何年かかっても俺は倒せねー……ッ!」
「無駄口が過ぎるんじゃないのか?」
また一蹴りでやつに詰め寄り、耳元でそうささやいた。
刹那、俺は少しバックスステップをし、拳を構えて、腹……ではなく右肩《・・》に渾身の右ストレートをぶち込んだ。
グレムリンは吹き飛び、地面に転がった。
村人たちは唖然としていた。
「おいアラン!この私を手荒く扱ったやつに情けなんかかけるんじゃないよ!」
確かに。傍目からみれば手加減をしたように見える。
「大丈夫ですよ。やつはもう戦えない」
そう言った瞬間、グレムリンはまた立ち上がった。
反撃に出るかと思いきや、
「……く、いってえええええ!!!!!!このやろう、覚えとけよ!!!!!!」
そう叫んで、右肩を押さえながら逃げていった。
村人の一人がボソッとつぶやいた。
「さ、さすが『悪魔ハンター』だな。だが、どうして右肩なんだ?」
「そ、それは知って……じゃなかった。俺の動体視力がすごいからですよって何度も言ってるじゃないですか、ハハハ」
少し照れたように男性は頭をかいた。
「そうだったな、ハハハ」
しばらく人々は今回の悪魔について談義をしていた。
ほとんど笑い声しか聞こえなかったが。
しばらくすると、話に飽きたのか、それぞれ家に帰っていった。
補足だが、俺はこの村では『悪魔ハンター』と呼ばれている。
大体、この村を襲ってくる悪魔は俺が退治しているんだが、そのおかげか、いつの間にかそう呼ばれるようになっていた。
今みたく、一発ぶん殴って追い返すことが多い。
こんなに簡単に悪魔を退治できるのは、俺の動体視力が良いので、悪魔の少しの動作から弱点を見破ることが出来る……ということにしている。
あまりにもあっさり悪魔を追い払うもんで、この村の人たちは悪魔に対する危機感が薄れているのだ。
村人がパニックに陥っていらず、悪魔を挑発していたのはこのためだ。
「さて、俺も帰るとするかな。朝ごはんまだだし」
家に戻ろうとすると、また村長が俺に声をかけてきた。
「いつもありがとうね、アランちゃん。今回は助けられてしまったわね」
「いえ、いつものことですから」
「最近なんか悪魔たちが活発になって気がするわね」
「そうですね。やたらと村にやってきますしね」
悪魔が村を襲うというのは珍しいことではない。
だが、ここ最近というもの、その数は増えつつある。
「そうよねぇ。でも、十七年になるのよね、魔王サタニキア・ガルバーナが倒されてから。……どうしたの?そんなに肩をびくつかせて」
「い、いや、なんでもないですよ。そんなになるんですね」
背筋をピンと伸ばしながら答える。
「アランちゃんが生まれたのも十七年前よね。その時なんか、ずっと黒い雲が空を覆っていたのに、アランちゃんが生まれた瞬間にパーッと晴れたのよね。まるで魔王が倒されたのを知らせるかのようだったわ」
「そ、そうだったんですか。あの天候はひどかったですよね」
そう言うと、村長は不思議そうな顔をした。
「そ、そうね。ひどい雨だったわね」
その顔を見て、何か変なことをいったかなあ、と思ったけど何がおかしかったのかは分からなかった。
その後村長とは別れ、早く家に帰らなきゃと思い、かけ出そうとしたが、
「あ!猫どうしよう」
流石にあのままにしておくのはなんかかわいそうだからな。
うーん。
「よし、行ってから考えよう。と、その前に」
ダッシュで家に戻り、勢いよく玄関の扉を開ける。
「ただいまー」
「おかえり。悪魔退治お疲れ様」
出迎えてくれてのは俺のお母さんだ。手には皿を持っていて、朝ごはんの準備中だ。
ちなみにこの人もさっき野次馬となってグレムリンを馬鹿にしてました。
「帰ってきてそうそうなんだけどさ、ちょっと今から森に行ってくるわ」
「その前に朝ごはんもうすぐできるから食べてから行きなさい」
「はーい」
俺は椅子をひいて腰かける。
貧乏ゆすりをしながら待っていると、どうやら朝ごはんができたようだ。
「いただきます」
俺はイッキに口の中に放り込み、頬をパンパンにふくらせながら食べる。
「ちょっと、もう少し静かに食べなさい。そしてこぼしすぎ」
「ひはははいへひょ」
「口の中にあるもの全部食べてからしゃべりなさい」
「……んぐ。はい、さーせん」
「わかればよろしい」
食べ終わった後、食器を片付けて一言、
「いってきます」
と、言って家を飛び出す。
「いってらっしゃい」
その声に後押しされて、ところどころに雲が浮いている空を見上げながら森へと走り出す。
国王アルメス・エルフォードが治めるフランバーレン国にあるちっぽけな村だ。
近くには、果物や動物がたくさんいる森があったり、魚がよくつれる川があって、意外と住むのには苦労はしない。
日が昇り、太陽の光がカーテンの隙間から漏れてくる。
「んん……。まぶしい……」
その光がダイレクトに顔面に当たり、俺は目を覚ました。
「ああ、もう朝か……」
俺は、目を擦りながらベッドを降りて、服を着替える。
着替え終わった後、両親はまだ寝ているので、そーっと扉を開け、そーっと階段を降り、洗面所に顔を洗いに向かう。
「ふう。すっきりした。よし!そろそろ行くか」
そう決意し、俺は家を飛び出した。
「といっても、ただ走るだけなんだけどな」
わっはっは、と笑う。
俺は毎朝の日課としてランニングを行っている。
始めた頃はだるかったが、今では俺にとっては大事な習慣となっている。
「うーん、やっぱり朝は空気がひんやりとしていて気持ちいいな」
冬頃はとても寒かったが、春に差し掛かった今はいい具合に涼しい。
だが、
「それにしても今日は寒すぎないか?くそ、さすがに春といえども、朝に半そで短パンで外に出るのは厳しいか。ならもう少し厚着でも……いや走れば……でも帰るときに寒くないか……でも荷物が増える……」
と、家のドアノブに手をかけたり走り出そうとしたりをくり返してもたもたしていると、とてもやさしそうな笑顔をしたお婆ちゃんが俺の方に寄ってきた。
「おはよう、アランちゃん」
「おはようございます、村長」
そう挨拶をしてくれたこのお婆ちゃんは、この村の村長なのだ。
名前は……レイ……、あれ……レイ……なんだっけ、思い出せない。
いや、俺ならできるはずだ!本気をだせえ!
…………………。やっぱり思い出せない。
頭を抱えながらうめく。
くっ、やりたくは無いが仕方ない、本人に聞いてみよう。
「そういえば、村長の名前ってなんでしたっけ」
「あらやだ、おもしろい冗談ね。…………本当に忘れたんじゃないだろうね?」
声や仕草は、笑っているときのそれだけど、目だけが笑っていなかった。
そして、若干手に力をこめている。
「い、いえそんなまさか。ほら、いつもみんな村長の事を村長って呼ぶから、ど忘れしちゃって」
びくつきながら会話を進める。
「確かにそうね。みんな私のこと村長としか呼んでくれないからね。私、レイラ・アクランドっていう名前があるんだけどね。あ、アランちゃん今からランニングよね。止めちゃって悪かったわね」
「いえ、村長にはいつもお世話になってますから。それじゃ」
「じゃなくて、私の名前覚えてるわよね?」
逃げようとした俺の腕をつかんで、ドスの効いた声で尋ねてくる。
「レ、レイラ・アクランドです……」
消え入りそうな声で答えると、村長は満足げに、
「やっぱり冗談だったのね」
「そうですよ。この村の村長を忘れるなんてありえないですよ」
実際は忘れていたんだけどね。
その後もしばらく村長と他愛の無い話をした。
「……がね、急に三点倒立し始めてね。それはもうひどい江面だったわ。おっとごめんなさい。話が長くなっちゃったわね」
「いえいえ、そんなことないですよ」
「それじゃ、ランニングがんばってねー」
そういって村長は手を振りながらどこかへ去っていった。
「ふう、バカでよかった。あの人怒らすと怖いからな」
額をつたる汗を袖でぬぐう。
村長は、普段はやさしいのだが、怒らすとそれはもう恐ろしいものだ。
災害、食糧難、村長の怒りの三つは、この村のなかでは共通で危険視しているほどだ。
なんせ、前に村長を怒らせたときは、自宅から槍を持ってきて振り回し始めたからな。
止めに入った大人、大体八人くらいが槍によって怪我をしてしまったのだ。
なんとか怒りを収められたものの、それはもう大変だった。
それ以来、村では「村長を怒らせてはいけない、死ぬぞ」という雰囲気となった。
まあ、家に槍があるのがおかしいとおもうんだが。
「そんなこと考えてる場合じゃないな。早く行かないと」
朝ごはんまでには帰らないと、お母さんに怒られちゃうからな。
ランニングのとき、俺はいつも村の周りを走っているので、村の外まで走って移動する。
村の外に到着し、軽く息を整える。
「すー……はー……」
そして、軽く準備運動をした後に、いよいよ走り始める。
「今日は三週くらいにしようかな。いつもは五週だけど、今日は村長と話したから時間ないし」
村の外周の半分くらいに差し掛かった頃だろうか。森の中から動物の悲鳴のような声が聞こえた。
「なんだろう。行ってみるか」
気になったので、森の中へ入ってみることにした。
「うわ、霧かよ」
森の中は霧が立ち込めていて視界が悪い。別に一寸先が見えない程度ではないが、森の中で遭難するには十分な濃さだ。昨日雨が降ったので、そのせいかもしれない。
「うわあ。なんかいつもと雰囲気いがくてわくわくするな」
少しスキップ気味に探索していると、
「……ッ!だれだ」
自分のすぐ隣を何かがすごい勢いで通り過ぎた気がした。
すぐに首を振って辺りを確認するが、この霧では認識すら出来なかい。
「ちっ。まあいいか、とりあえず動物を探そう」
気にしてもしょうがないので探索を進める。
しばらく歩くと、変なにおいがした。
「なんだこのひどいにおいは」
鼻をきかせてにおいのする方向を探る。
「……こっちだな」
またしばらく進むと、とうとうこのひどいにおいの正体を発見した。
だが、
「し、死んでる……。これは猫か?」
槍で串刺しにされていた。何度も刺されたのか、血が周辺の木々のいたる所に飛び散っている。
あまりにもひどく、少し気持ち悪くなった。
「だがなんでだ?森で死んでいる動物を見かけたことはあるが、ここまでひどくは無かった。こんなことをするのは……!」
大体森の中で死んでいる動物は外傷はほとんど無い。
そこで俺はハッと気づいたのだ。
「悪魔か……」
この世界には悪魔が存在する。
結構悪いやつらで、平気で生き物を殺す。人間も例外ではない。
「じゃああの時すれ違ったのが悪魔だったのか。……まてよ、奴が向かった方向って村の方じゃねーか!くそっ」
さっきのやつ、きっと村にいる人たちを襲いにいったんだ。ちくしょう。
俺は大急ぎで村に向かって走り始めた。
********************
村に到着すると、なにやら騒がしかった。
当然だ。悪魔が来たのだから。
「だけど、どこにいるんだ?」
少し悩んでいると、男性がこちらに向かって歩いてきた。
「やあアランくん。やっと帰ってきたね。でさ、頼みがあるんだけれど、あいつを倒してくれないか?また悪魔が村を襲ってきたんだ」
冷静な口調で用件を伝えてきた。
「はい、わかりましたよニックスさん。じゃあ、そこまで連れてって下さい」
「ああ、お安いごようさ」
俺は、ニックスさんに悪魔のいる場所まで連れてってもらうことにした。
「それにしても、みんな家の中に閉じこもっているんですか?人が見当たらないですけど」
「いや、みんな野次馬とかしているよ」
「あはは……。そういえば、今回の悪魔はどんな感じでした?」
「うーんと、先が三つに割れた槍を持っていて、細身だったかな」
「あー、たぶんそいつはグレムリンですね。あんま強くないから大丈夫だと思います」
ニックスさんは安心した表情を浮かべたが、すぐに溜め息をつき、頭を抱えた。
「どうしたんですか?」
「いや、そのグレムリンってやつが弱いのは分かったんだがな、一つ問題があるんだよ。それは、やつが人質をとっていることなんだよ」
「へえ、誰なんですか?」
ニックスさんは顔をしかめた。
「ま、まあたいした問題じゃないから行こうか」
不振に思い、何度も質問をしたが、ニックスさんにはぐらかされた。
不審に思いながらも、ニックスさんがそこまで言うならと、おとなしく数歩後ろをついていく。
村の中央付近に到着すると、村人が悪魔を取り囲んでいた。
その様子は完全に野次馬だ。
人をかき分けて中を覗き込むと、中心には人質とグレムリンがいた。
いたのだが、
「あの、帰っていいですか?」
「だめだ、何とかしてくれ」
「え、だってですね……」
グレムリンが人質にとっていたのはなんと村長だった。
確かに、村人からしたら村長は大切な存在だし、老人だから身が弱くいから、人質としては一級品だ。
普通の村だったらな。
なんせうちの村長を怒らせたならば、
「ちょっとあんた。首が痛いじゃないのよ。このっ、このっ!」
村長がグレムリンを全力でぶん殴っていた。
グレムリンは抵抗していたが、何の意味も無く、攻撃は全弾命中。
痛くは無いのだろう。
だか、もうグレムリンがかわいそうに思えてきた。
さすがに耐えかねたのか、
「ちょ、痛いってババア!てめえ殺すぞ」
と、村長を少し強めに脅した。
けれどその行為は、
「うっさいわねこのへなちょこ!」
「へね、へなちょこって……」
「大体あんたね、私村長なのよ。敬意をもちなさいよ敬意を!まったく、ただの旅人の分際でこの私を人質にとるなんて」
「いや、あの俺いちよ悪魔なんですけどね。下級ですけど」
「うっさいわよ!」
「痛い痛い、もうやめてくれ」
逆に村長の怒りのボルテージを上げてしまった。
「くく、あの悪魔年寄りにいじめられてるぜ」
「あの悪魔様がね、ぷくく」
「おい、聞こえるぞ、あの悪魔(笑)によ、ぷークスクス」
「そ、そうだな……ふひひ」
野次馬とかした村人の集団から、笑い声が聞こえてくる。
本人たちは我慢してるのだろうが、グレムリンに丸聞こえだ。
いや、わざとなのか?
「お、おいおまえら笑うな!くそ、こうなったら」
次の瞬間、グレムリンは手に持ってる槍を振り上げた。
そして村長に突き刺そうとした。
しかし、村長が暴れすぎたせいでうまく狙いが定まらなかったのか、攻撃をはずした。
「く、あの悪魔、至近距離よりも近い距離の相手にまともに槍すら刺せねーでやんの」
「目が節穴なんじゃないの?」
「目、腐ってんだよきっと」
「やめてやれ。あいつも気にしてんだよ、プクク」
村人にからかわれ、グレムリンの顔がみるみるうちに赤く染まっていく。
「く、くそ……こうなったら」
グレムリンは、村長をつかむ左手の力を強め始めた。
さすがに苦しいのか、村長は口を閉じ、もだえている。
「ははは、このまま絞め殺してやる!」
グレムリンは高らかに笑っている。
「やべ、挑発しすぎた。このままだと本当に村長死んじまうぞ」
「どうするの?」
「アランはいないのか」
「おーい、アラン!はやくあいつを倒してくれ!」
さすがにやりすぎたと思ったのか、さっきまで威勢のよかった村人も萎縮している。
……まったく、仕方ない。
「次はお前らだ!」
グレムリンが村人を指差しながら叫んだ。
その瞬間、俺は村人集団から素早く抜け出して、人蹴りでグレムリンに詰め寄る。
グレムリンは一瞬の出来事すぎてひるんでいた。
そりゃそうだ。急に目の前に人が現れたのだから、びっくりするのも仕方ない。
ついでに、槍や村長をつかむ手からも力が抜けていたので、その隙に村長からやつの手をほどき、首をつかんでぶん投げる。
宙に浮いたグレムリンは、やがて弧を描くように落下し始め、民家に激突した。
「かはっ!て、てめえ」
だがすぐに、グレムリンは槍を突きたてて立ち上がった。
「さすがにこのくらいじゃだめだよな」
やはり下級でも悪魔のようで、大したダメージは負っていなかった。
「だが、このくらいじゃ何年かかっても俺は倒せねー……ッ!」
「無駄口が過ぎるんじゃないのか?」
また一蹴りでやつに詰め寄り、耳元でそうささやいた。
刹那、俺は少しバックスステップをし、拳を構えて、腹……ではなく右肩《・・》に渾身の右ストレートをぶち込んだ。
グレムリンは吹き飛び、地面に転がった。
村人たちは唖然としていた。
「おいアラン!この私を手荒く扱ったやつに情けなんかかけるんじゃないよ!」
確かに。傍目からみれば手加減をしたように見える。
「大丈夫ですよ。やつはもう戦えない」
そう言った瞬間、グレムリンはまた立ち上がった。
反撃に出るかと思いきや、
「……く、いってえええええ!!!!!!このやろう、覚えとけよ!!!!!!」
そう叫んで、右肩を押さえながら逃げていった。
村人の一人がボソッとつぶやいた。
「さ、さすが『悪魔ハンター』だな。だが、どうして右肩なんだ?」
「そ、それは知って……じゃなかった。俺の動体視力がすごいからですよって何度も言ってるじゃないですか、ハハハ」
少し照れたように男性は頭をかいた。
「そうだったな、ハハハ」
しばらく人々は今回の悪魔について談義をしていた。
ほとんど笑い声しか聞こえなかったが。
しばらくすると、話に飽きたのか、それぞれ家に帰っていった。
補足だが、俺はこの村では『悪魔ハンター』と呼ばれている。
大体、この村を襲ってくる悪魔は俺が退治しているんだが、そのおかげか、いつの間にかそう呼ばれるようになっていた。
今みたく、一発ぶん殴って追い返すことが多い。
こんなに簡単に悪魔を退治できるのは、俺の動体視力が良いので、悪魔の少しの動作から弱点を見破ることが出来る……ということにしている。
あまりにもあっさり悪魔を追い払うもんで、この村の人たちは悪魔に対する危機感が薄れているのだ。
村人がパニックに陥っていらず、悪魔を挑発していたのはこのためだ。
「さて、俺も帰るとするかな。朝ごはんまだだし」
家に戻ろうとすると、また村長が俺に声をかけてきた。
「いつもありがとうね、アランちゃん。今回は助けられてしまったわね」
「いえ、いつものことですから」
「最近なんか悪魔たちが活発になって気がするわね」
「そうですね。やたらと村にやってきますしね」
悪魔が村を襲うというのは珍しいことではない。
だが、ここ最近というもの、その数は増えつつある。
「そうよねぇ。でも、十七年になるのよね、魔王サタニキア・ガルバーナが倒されてから。……どうしたの?そんなに肩をびくつかせて」
「い、いや、なんでもないですよ。そんなになるんですね」
背筋をピンと伸ばしながら答える。
「アランちゃんが生まれたのも十七年前よね。その時なんか、ずっと黒い雲が空を覆っていたのに、アランちゃんが生まれた瞬間にパーッと晴れたのよね。まるで魔王が倒されたのを知らせるかのようだったわ」
「そ、そうだったんですか。あの天候はひどかったですよね」
そう言うと、村長は不思議そうな顔をした。
「そ、そうね。ひどい雨だったわね」
その顔を見て、何か変なことをいったかなあ、と思ったけど何がおかしかったのかは分からなかった。
その後村長とは別れ、早く家に帰らなきゃと思い、かけ出そうとしたが、
「あ!猫どうしよう」
流石にあのままにしておくのはなんかかわいそうだからな。
うーん。
「よし、行ってから考えよう。と、その前に」
ダッシュで家に戻り、勢いよく玄関の扉を開ける。
「ただいまー」
「おかえり。悪魔退治お疲れ様」
出迎えてくれてのは俺のお母さんだ。手には皿を持っていて、朝ごはんの準備中だ。
ちなみにこの人もさっき野次馬となってグレムリンを馬鹿にしてました。
「帰ってきてそうそうなんだけどさ、ちょっと今から森に行ってくるわ」
「その前に朝ごはんもうすぐできるから食べてから行きなさい」
「はーい」
俺は椅子をひいて腰かける。
貧乏ゆすりをしながら待っていると、どうやら朝ごはんができたようだ。
「いただきます」
俺はイッキに口の中に放り込み、頬をパンパンにふくらせながら食べる。
「ちょっと、もう少し静かに食べなさい。そしてこぼしすぎ」
「ひはははいへひょ」
「口の中にあるもの全部食べてからしゃべりなさい」
「……んぐ。はい、さーせん」
「わかればよろしい」
食べ終わった後、食器を片付けて一言、
「いってきます」
と、言って家を飛び出す。
「いってらっしゃい」
その声に後押しされて、ところどころに雲が浮いている空を見上げながら森へと走り出す。
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