ゴルゴーンロンド

狸屋アキ

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2章 夜見のパーティー

15話 分解処女

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「えっ?」
「だ~か~ら~、アンタに決めたっていってるのぉ!アタシ、リリンよ」
「ぼ、あ、私はロー…ロレーヌ。ロレーヌです」
 危ない。本名を告げたら男だとバレてしまう。横で派手に吹き出しているダビデは覚えとけよ。
「ロレーヌ!アタシの149番目の友達!踊りましょうよ、ねぇ!」
 リリンに手を引かれ、ダンスホールに引っ張られる。ダビデはもうべろべろの様子で陽気に手を振っている。張ったおすぞ!
「で、でも私踊ったことなんて」
「大丈夫よぅ。アタシがリードしてあげる!」
 神蔵楽器を使ったワルツが流れる。頭がモヤモヤして吐き気がすごい。楽器がタスケテ、タスケテと歌っているようで聞いていられない。
「凄いでしょお?あれパパから貰ったのよぉ。素敵じゃなあい?」
 リリンはニコニコしながら僕の手を取って踊る。
「え、ええ。素晴らしいです…。…?」
 リリンの仮面の被ってない肌を見ると、うっすら縫い跡が見える。それに肌の色も少し部分部分で違うようだ。もしかすると、とハッとした。
「あの、リリン…様はお美しいですね」「えぇ~?当たり前じゃ~ん!様とかいいよぉ、リリンでぇ」
 唾を飲む。僕の一言一言でこの先が変わってくる。
「ん~じゃあー、アンタ気に入ったしぃ、アタシの部屋見してあげよっかァ」
 きた。好機なり!
「ぜ、ぜひ」
 僕の勘が当たりだとしたら、犯人はコイツだ。しかも、トルファトーレの目当ての少女はもしかすると、生きていないかもしれない。
「ここがぁ、アタシの部屋!入ったことあるのパパと彼氏だけなんだよぉ?アンタラッキーだねぇ」
 ギイと重い扉が音をたてて開く。部屋はピンクと黒で統一されたゴシックな家具で彩られている。が、異彩を放っているのが壁一面のクローゼットである。
「で。教えてあげるねぇ?アタシのぉ、きれいのひ・み・つ・はぁ!」
 クローゼットが一斉に開くと共に、目を見開く。クローゼットに掛かっているのは、服なんかではない。皮だ。憶測するに、消えた少女達のモノだろう。
「すっごいでしょ~?これみんな若い子の皮なのぉ~。ほらぁ、アタシもう200年近く生きてるからァ、きれいで居続けたいじゃなぁい?女の子だもぉん」
 吐きそうになりながら、怒りで震える。そんなことのために、女の子達を。
「だからぁ、アンタ魔力高そうじゃなぁい?だからぁ」
 リリンが僕の心臓を指差す。
「頂戴?」
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