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5章:野心の炎
警笛
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「大人しく武器を捨てて投降しろ」
ニールが追い付いた頃にはフェミアが短剣一つを手に、完全武装した兵士達と対峙していた。ラキエと出会ったあの夜の光景を彷彿とさせた。
「悪いけど、ボクは義勇軍、いや王国軍を信用することはできない。このまま脱退を申し出る。だけど、せめて王女だけは解放してくれ」
「王女だと?」
フェミアの背後にもう一人、少女の姿があった。むしろ、フェミアに庇われているようにも見えた。よく見れば、先日兵士から暴行を受けていた侍女だ。
「王女がこんな所にいるかよ。その女が逃亡を手助けしたわけだな。だったら共犯ってことだ」
「信じてくれ! この方は!」
「うるせえ!! 覚悟しろ!」
問答無用とばかりに餓狼のごとく兵士達が一斉に襲い掛かる。仮に武器を手にしたとしてもすくみ上ってしまいそうな突貫の前を、一筋の光がよぎる。
「な、なんだぁ!!」
フェミアに向けて一斉に繰り出された武器の全てが、次の瞬間には根元から折れていた。その寸前によぎった赤い光は空を舞い、放たれた持ち主の手に戻る。
「おいおい、命令は連行のはずだぜ」
ニールは兵士達の背後から悠々と歩み寄った。
「何だ、貴様! 義勇軍風情が正規軍に命令するつもりか?」
「フェミアもその子も、俺が預かる」
「しゃしゃり出るんじゃ・・・・・・ま、待て!」
剣を垂直に構えたニールを見て兵士達が一斉に身を引いた。
「まさかお前! 帝国軍を一撃で焼き払った、あの・・・・・・?」
「だったらどうする?」
ニールは抜き放ったエルキュリエを直情に掲げて見せた。朝日を受けた真っ直ぐな刀身にまとわりつくかのように炎が沸き上がる。
ニールが追い付いた頃にはフェミアが短剣一つを手に、完全武装した兵士達と対峙していた。ラキエと出会ったあの夜の光景を彷彿とさせた。
「悪いけど、ボクは義勇軍、いや王国軍を信用することはできない。このまま脱退を申し出る。だけど、せめて王女だけは解放してくれ」
「王女だと?」
フェミアの背後にもう一人、少女の姿があった。むしろ、フェミアに庇われているようにも見えた。よく見れば、先日兵士から暴行を受けていた侍女だ。
「王女がこんな所にいるかよ。その女が逃亡を手助けしたわけだな。だったら共犯ってことだ」
「信じてくれ! この方は!」
「うるせえ!! 覚悟しろ!」
問答無用とばかりに餓狼のごとく兵士達が一斉に襲い掛かる。仮に武器を手にしたとしてもすくみ上ってしまいそうな突貫の前を、一筋の光がよぎる。
「な、なんだぁ!!」
フェミアに向けて一斉に繰り出された武器の全てが、次の瞬間には根元から折れていた。その寸前によぎった赤い光は空を舞い、放たれた持ち主の手に戻る。
「おいおい、命令は連行のはずだぜ」
ニールは兵士達の背後から悠々と歩み寄った。
「何だ、貴様! 義勇軍風情が正規軍に命令するつもりか?」
「フェミアもその子も、俺が預かる」
「しゃしゃり出るんじゃ・・・・・・ま、待て!」
剣を垂直に構えたニールを見て兵士達が一斉に身を引いた。
「まさかお前! 帝国軍を一撃で焼き払った、あの・・・・・・?」
「だったらどうする?」
ニールは抜き放ったエルキュリエを直情に掲げて見せた。朝日を受けた真っ直ぐな刀身にまとわりつくかのように炎が沸き上がる。
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