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1章: Love is hate against itself.
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対峙するチハルとエリー小隊長の中間に約束通りクラウデ小隊長が立ち合った。
「チハル、あなたも武器を抜きなさい」
「では」
チハルは柄に手を掛けた。
「あら、珍しい剣ですね」
エリー小隊長がそう評するチハルの剣は、三日月を彷彿とさせる曲線を描く刀身。その片方には冬雲のように薄く刃の紋様が刻まれている。
これが父親に作らせた武器、日本刀だ。
転生前、数々の専門資料によって知った、世界最強の性能を誇る刀剣。遠く離れたこの世界でも、きっと活躍してくれるはずだ。
「そんな細い剣で、私の斧を受けられると思っているの?」
「どうでしょうね」
チハルは刀を八双に構える。どんな攻撃にも即応できる、万能の構えだ。
特に両手斧のような攻撃特化型の武器に対しては、攻勢に出るべきではない。
「ではこれより、エリー=ミルドレットとチハル=クレーヒルによる決闘を始めます。勝敗はどちらか一方の命が尽きるまで。なお決闘の適正な実施と結果はこのクラウデが保証します」
クラウデ小隊長が片手を振り上げた。
数秒の静止の後、それが振り下ろされるとエリー小隊長が地面を蹴った。
「いやあぁ!!」
突進と同時に大きく斧を振りかぶる。
思った通りの戦法だ。バトルアックスのように重い武器は、小回りが利かず持久戦に不利だ。
そこで武器自身の重量も借りて、一撃必殺でケリをつけようと動く。
逆に言えば、その一撃さえ凌げば後はいくらでも戦いようがあった。
チハルは寸前まで動かず、斧の一撃を誘い込んでから身を滑らせる。
振り下ろされた一撃が、さっきまでチハルの足元だった石畳を割った。
地面に食らいついた斧は慣性もあって、そう簡単には切り返せない。
その間に余裕をもって反撃できる、はずだった。
「甘いですわ!!」
一撃を見舞ったはずの斧が、ここで予想外の二撃目に転じる。
土塊や石を巻き上げながら、あの重い斧が時を巻き戻すかのように、振り下ろされた時と逆方向の軌道を描いて間合いを詰めようとしたチハルを阻んだのだ。
前述の通り、バトルアックスは両刃だ。
振り上げた斧も振り下ろした時と同程度の威力がある。
「チハル、あなたも武器を抜きなさい」
「では」
チハルは柄に手を掛けた。
「あら、珍しい剣ですね」
エリー小隊長がそう評するチハルの剣は、三日月を彷彿とさせる曲線を描く刀身。その片方には冬雲のように薄く刃の紋様が刻まれている。
これが父親に作らせた武器、日本刀だ。
転生前、数々の専門資料によって知った、世界最強の性能を誇る刀剣。遠く離れたこの世界でも、きっと活躍してくれるはずだ。
「そんな細い剣で、私の斧を受けられると思っているの?」
「どうでしょうね」
チハルは刀を八双に構える。どんな攻撃にも即応できる、万能の構えだ。
特に両手斧のような攻撃特化型の武器に対しては、攻勢に出るべきではない。
「ではこれより、エリー=ミルドレットとチハル=クレーヒルによる決闘を始めます。勝敗はどちらか一方の命が尽きるまで。なお決闘の適正な実施と結果はこのクラウデが保証します」
クラウデ小隊長が片手を振り上げた。
数秒の静止の後、それが振り下ろされるとエリー小隊長が地面を蹴った。
「いやあぁ!!」
突進と同時に大きく斧を振りかぶる。
思った通りの戦法だ。バトルアックスのように重い武器は、小回りが利かず持久戦に不利だ。
そこで武器自身の重量も借りて、一撃必殺でケリをつけようと動く。
逆に言えば、その一撃さえ凌げば後はいくらでも戦いようがあった。
チハルは寸前まで動かず、斧の一撃を誘い込んでから身を滑らせる。
振り下ろされた一撃が、さっきまでチハルの足元だった石畳を割った。
地面に食らいついた斧は慣性もあって、そう簡単には切り返せない。
その間に余裕をもって反撃できる、はずだった。
「甘いですわ!!」
一撃を見舞ったはずの斧が、ここで予想外の二撃目に転じる。
土塊や石を巻き上げながら、あの重い斧が時を巻き戻すかのように、振り下ろされた時と逆方向の軌道を描いて間合いを詰めようとしたチハルを阻んだのだ。
前述の通り、バトルアックスは両刃だ。
振り上げた斧も振り下ろした時と同程度の威力がある。
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