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2章: 騎士団長の娘
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その翌週のこと。
今日のイシルの仕事はトイレ掃除だ。
この学院の極端な男女比から考えて、男女どちらかは考えるまでもない。
まずは外から大声で呼びかけて、誰もいないことを確認する。
殊に今は講義の合間の休み時間。
廊下には学生の姿も多く目立ち、不審者と疑われないよう身の潔白をアピールする必要もある。
「すいませ~ん、掃除入りま・・・・・・どわっ」
トイレのドアが勢いよく開き、危うく顔を潰されるところだった。
金髪のブロンド髪が、不機嫌そうに中から顔を出す。
アシェリー親衛隊の中でもとりわけ性悪のアイツだ。
「何よ?」
「いや、トイレの掃除を、と」
「は? 後にしてくれません? 使った後で入られるとか、デリカシーなさ過ぎなんですけど?」
「いや、この後も雑用の仕事が押していて」
「・・・・・・いいわ。勝手になさい」
イシルを押しのけるように、彼女はどことなく姿を消した。
「こっちだって不本意なんだ。よりにもよって、まるでお前の下世話をしているみたいじゃないか」
小さく毒気づきながら、イシルはトイレの中に入る。
誰もいないことを確認したはずだが、奥の個室だけが閉まっていた。
「すいません。掃除しますけど」
デリカシー云々と言われたこともあって、今度は小声で中の利用者に呼びかける。
「・・・・・・すいません、今出ます・・・・・・くすん」
「え? いや、急がなくても大丈夫ですけど」
イシルは気を遣ったが、本当にもう終わっていたのか、ドアはすぐに開いた。
「ぐすっ、お待たせしました」
なぜに涙声なのかと振り返るイシル。
目を真っ赤にしたアシェリーが自信なさげに佇んでいる。
「どうか、したのか?」
「な、何でもありませんよ!」
無理に愛想笑いを作った彼女は、慌ててイシルの前から立ち去った。
不機嫌そうに直前出て行ったあの金髪女と何か関係があるのかと疑いもしたが、昨夜の話を聞く限りそれはあり得ないだろう。
疑問を抱えながらも仕事を片付けたイシルは偶然学院のホールを横切る。
学院内の連絡事項を通達する掲示板の前にはいつになく人だかりができていた。
そういえば学生達は最近試験があって、その成績が貼り出されているのだろう。
よもやアシェリーがまた成績を落としたのではないかと疑いもしたが、意外にも彼女の成績は平均よりも少し上。
あれだけ努力するのだから当然と言えば当然か。
本人は悲観的だったが、このままいけば冒険者の道も諦めずに済むのではないだろうか。
だとすれば、イシルにはアシェリーの涙の理由がますますわからなくなった。
今日のイシルの仕事はトイレ掃除だ。
この学院の極端な男女比から考えて、男女どちらかは考えるまでもない。
まずは外から大声で呼びかけて、誰もいないことを確認する。
殊に今は講義の合間の休み時間。
廊下には学生の姿も多く目立ち、不審者と疑われないよう身の潔白をアピールする必要もある。
「すいませ~ん、掃除入りま・・・・・・どわっ」
トイレのドアが勢いよく開き、危うく顔を潰されるところだった。
金髪のブロンド髪が、不機嫌そうに中から顔を出す。
アシェリー親衛隊の中でもとりわけ性悪のアイツだ。
「何よ?」
「いや、トイレの掃除を、と」
「は? 後にしてくれません? 使った後で入られるとか、デリカシーなさ過ぎなんですけど?」
「いや、この後も雑用の仕事が押していて」
「・・・・・・いいわ。勝手になさい」
イシルを押しのけるように、彼女はどことなく姿を消した。
「こっちだって不本意なんだ。よりにもよって、まるでお前の下世話をしているみたいじゃないか」
小さく毒気づきながら、イシルはトイレの中に入る。
誰もいないことを確認したはずだが、奥の個室だけが閉まっていた。
「すいません。掃除しますけど」
デリカシー云々と言われたこともあって、今度は小声で中の利用者に呼びかける。
「・・・・・・すいません、今出ます・・・・・・くすん」
「え? いや、急がなくても大丈夫ですけど」
イシルは気を遣ったが、本当にもう終わっていたのか、ドアはすぐに開いた。
「ぐすっ、お待たせしました」
なぜに涙声なのかと振り返るイシル。
目を真っ赤にしたアシェリーが自信なさげに佇んでいる。
「どうか、したのか?」
「な、何でもありませんよ!」
無理に愛想笑いを作った彼女は、慌ててイシルの前から立ち去った。
不機嫌そうに直前出て行ったあの金髪女と何か関係があるのかと疑いもしたが、昨夜の話を聞く限りそれはあり得ないだろう。
疑問を抱えながらも仕事を片付けたイシルは偶然学院のホールを横切る。
学院内の連絡事項を通達する掲示板の前にはいつになく人だかりができていた。
そういえば学生達は最近試験があって、その成績が貼り出されているのだろう。
よもやアシェリーがまた成績を落としたのではないかと疑いもしたが、意外にも彼女の成績は平均よりも少し上。
あれだけ努力するのだから当然と言えば当然か。
本人は悲観的だったが、このままいけば冒険者の道も諦めずに済むのではないだろうか。
だとすれば、イシルにはアシェリーの涙の理由がますますわからなくなった。
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