私、事務ですけど?

自慰煽情のアリア

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苛烈なる転職活動

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 わかってはいたのだ。
 求人データベース上はヒットしても、既に他の求職者に採用が決まっていることはよくあることだと。
 その意味もあり、今回は保険も含めて二枚の求人を応募したのだ。
「そうですか。では、次はこちらをお願いします」
 本命が外れたのは残念だが、もっと早くに求人案件に名乗りを上げるべきだったのだ。
 最寄りのハローワークが近距離にあるならば、ぜひとも頻繁に通うことをお勧めする。
「では次はこちらですね」
 不発に終わった一枚目は私が引き取り、二枚目の連絡先に電話を掛ける。
 先程と同じやり取りの後、今度は年齢を聞かれた。
 ふと、嫌な感じがした。こちらも若手を所望するのではないかと。
「面接の日程はいつ頃がいいですか?」
 意外なことに、今度は断られなかった。
 しかも履歴書等の書類審査なしでいきなり面接に応じてもらえるとのことだ。
 逆に薄気味悪い感じがした。
 積極的に求人を受け入れるということは、それだけ入社後の定着率が低い事実の裏返しだからだ。
 よもや長時間、悪質労働を課するブラック企業を選んでしまったのではないか。
 そもそもこの会社、個人企業の電機メーカーということだが、何を作っているのかがあまり書かれていない。
「はい、では13日の金曜日で」
 しかも面接日って、13日の金曜日。
 これはもう、何かの巡り会わせとしか考えようがない。
「それじゃあ、頑張ってくださいね」
「は、はい・・・・・・」
 ともあれ、私はもう行くしかなかった。
 ハローワークの求人だからこそ、行かなければならないのだ。
 先にも述べた通り、これは立派な求職活動の証明になる。
 面接をドタキャンすれば、後の調査で発覚して受給資格が帳消しとなり、最悪の場合ペナルティを支払うことになる。
 とにかく、面接だけでもその会社に行かなければ。
 私は重い足取りで市庁舎を出た。
 
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